シミ取りは1回で終わる?治療回数・経過・再照射・再発を医師が解説|名古屋
- 2026.9.11
目次
シミ取りは1回で終わる?
「シミ取りは1回で全部取れますか?」「レーザーを当てたのに少し残っています。もう一度照射した方がいいですか?」「一度取れたシミがまた出てきたのは再発ですか?」。名古屋・栄でシミ治療を行っていると、このようなご質問をよくいただきます。まず結論からお伝えすると、シミ取りが1回で終わるかどうかは、シミの種類と治療方法によって異なります。濃く境界が比較的はっきりした老人性色素斑では、ピコスポット1回で大きく薄くなることがあります。一方、薄い老人性色素斑に行うルビーフラクショナルでは、3〜5回程度を一つの目安として少しずつ治療します。肝斑やPIH(炎症後色素沈着)に対するOPトーニング・ピコトーニング、IPL(ライムライト)、スプレンダーフェイシャル、ADMなども、複数回の治療や経過観察が必要になることがあります。つまり、「シミ取りは何回必要ですか?」という質問に、すべてのシミへ共通する答えはありません。
さらに大切なのは、治療回数を増やせば早くきれいになるとは限らないことです。レーザー後にはPIHが生じることがあり、その時期に「シミが残っている」と判断して追加照射を急ぐと、かえって色素沈着を長引かせる可能性があります。
シミ治療では、「何回当てるか」だけでなく、「いつ次の治療をするか」まで考えることが重要です。
何回必要かを考える前に「何のシミなのか」を見極める
一般的に「シミ」と呼ばれているものには、老人性色素斑、そばかす、肝斑、ADM、炎症後色素沈着など、複数の病態があります。
見た目は似ていても、色素の位置や生じる仕組みが異なるため、治療方法も治療回数も変わります。代表的には、老人性色素斑ではピコスポットやルビーフラクショナル、肝斑ではOPトーニングやピコトーニング、ADMでは色素レーザーを複数回、PIHでは経過観察を含め刺激に配慮した治療、そばかすや赤み・色むらではIPLなどを検討します。
「何回必要か」を考える前に、「何を治療しているのか」を正しく見極めることが第一歩です。
濃い老人性色素斑は1回で大きく改善することもある
濃く、周囲との境界が比較的はっきりした老人性色素斑では、ピコスポットを選択することがあります。ピコスポットは目的のシミをピンポイントで照射する治療です。そのため、適応のよい老人性色素斑では1回の照射で大きく薄くなることがあります。
老人性色素斑に対するレーザー治療は、多くの臨床研究で高い改善効果が報告されています。ただし、同じ老人性色素斑でも、濃さ、深さ、大きさ、治療歴、肌質などによって反応は異なります。そのため、「ピコスポットなら必ず1回で完全に消える」とは言えません。1回でほとんど目立たなくなる方もいれば、一部の色素が残り、十分に経過を確認したうえで追加照射を検討する方もいます。大切なのは、1回目の治療直後に「取れた・取れなかった」を決めてしまわないことです。
薄いシミは、1回で強く取り切らない方がよいことがある
薄い老人性色素斑では、治療の考え方が変わります。「色が薄いのだから簡単に取れそう」と思われるかもしれませんが、実際には薄いシミほど治療選択が難しいことがあります。
非常に薄いシミをピコスポットなどで一度に強く治療すると、シミそのものが反応しても、その後に生じたPIHの方が元のシミより濃く目立つことがあります。そのため当院では、薄い老人性色素斑に対して、694nmのルビーレーザーをドット状に照射するルビーフラクショナルを選択することがあります。ルビーフラクショナルは「弱く反応させる治療」ではありません。色素にはしっかり反応させながら、レーザーを当てる面積をドット状に分散します。当院で使用するフラクショナルハンドピースでは照射面積のカバー率は最大約40%ですが、「40%照射する=1回でシミが40%消える」という意味ではありません。レーザーが当たった部分でも、1回ですべてのメラニンがなくなるわけではないためです。
当院の臨床的な実感では、薄い老人性色素斑は1回ごとに全体の約30%程度ずつ色素が減っていくような経過をみることがあります。そのため、3〜5回程度を一つの目安として、前回の反応やPIHの有無を確認しながら少しずつ治療します。
これは治療効果を保証する数値ではなく、「なぜ薄いシミを1回で無理に取り切らないのか」を説明するための臨床的な目安です。
ピコスポットとルビーフラクショナルでは「回数の意味」が違う

ピコスポットとルビーフラクショナルを単純に「1回で終わる治療」と「何回も必要な治療」として比較するのは適切ではありません。両者は治療設計そのものが異なります。
ピコスポットは、比較的濃く境界のはっきりしたシミ全体を狙います。そのため適応が合えば、1回で得られる変化が大きいことがあります。一方、ルビーフラクショナルは照射面積をドット状に分散するため、1回ですべての面積を治療しません。その代わり、PIHに配慮しながら複数回で少しずつ色素を減らします。つまり、「1回で終わる方が優れている」「5回必要だから効果が弱い」ということではありません。シミの濃さとPIHリスクに応じて、治療方法そのものを変えています。
IPL(ライムライト)は何回くらい必要?

IPLは、ピコスポットのように「一つの濃いシミを1回で取る」ことを主な目的とした治療ではありません。ライムライトなどのIPLでは、顔全体のそばかす、くすみ、赤み、色むらなど、複数のお悩みに広くアプローチします。そのため、肌状態を確認しながら複数回行うことがあります。1回でもシミや赤みの反応を感じる方はいますが、顔全体の色調を整える目的では、経過を見ながら治療を重ねます。ここで重要なのは、何回も同じIPLを続ければ、すべてのシミがいつか取れるわけではないことです。IPLを複数回行って顔全体のそばかすや色むらが整ったあと、非常に薄い老人性色素斑だけが残ることがあります。その場合にはIPLをさらに強く繰り返すのではなく、残っている色素を再評価し、ルビーフラクショナルなど別の治療へ切り替えることがあります。これは「IPLが効かなかった」という意味ではなく、IPLで得意な部分を整えたあと、残った色素に合った治療へ移るという考え方です。
スプレンダーフェイシャルは1回でシミを取る治療ではない

スプレンダーフェイシャルは、SPLENDOR Xを使用して顔全体のくすみ、色むら、細かな色素、明るい肌印象などを整える美肌レーザー治療です。
当院では、755nmアレキサンドライトレーザーを使用するアレキサンドライトモードと、755nm+1064nmを組み合わせるブレンドブライトモードを使用しています。
スプレンダーフェイシャルも、濃い老人性色素斑を1個ずつ狙って1回で取るスポット治療とは役割が異なります。顔全体の色調を整える治療なので、目的や肌状態に応じて複数回行うことがあります。一方、スプレンダーフェイシャルを行ったあとに濃い老人性色素斑が残っていればピコスポット、薄い老人性色素斑が残っていればルビーフラクショナルなど、別の治療を組み合わせることがあります。
OPトーニング・ピコトーニングは複数回が基本

OPトーニングやピコトーニングは、一つのシミを強く反応させて1回で取る治療ではありません。ピコトーニングは、ピコ秒レーザーを低出力で顔全体に照射し、肝斑、くすみ、色むらなどへ徐々にアプローチします。OPトーニングは、当院ではDiscovery PICO VarioPulseのQスイッチモードを使用し、肝斑、PIH、ニキビ跡の茶色い色素沈着など、刺激への配慮が重要なケースで照射条件を調整しながら使用します。どちらも複数回の治療を前提に考えることが多い治療です。ただし、「5回やったら終了」「10回続ければ必ずきれいになる」と機械的に考えるものではありません。色素が薄くなってきたのか、肌が刺激に反応していないか、肝斑が安定しているか、別の治療へ切り替えた方がよいかを定期的に確認します。治療を続けること自体が目的ではありません。必要な治療を、必要な期間だけ行うことが重要です。
肝斑は「何回で消える?」と考えない方がよい

肝斑については、「5回レーザーを受ければ終了」という考え方が特に合いにくい病態です。
肝斑は慢性・再発性の色素異常で、紫外線、ホルモン、炎症、基底膜や真皮環境など複数の要因が関係しています。治療によって薄くなっても、紫外線や摩擦などの影響で再び濃くなることがあります。そのため肝斑では、まず色調を整える治療を行い、状態が改善してきたら治療間隔を調整し、紫外線・摩擦対策やホームケアを続けながら、再び濃くなった場合には治療内容を見直す、という長期的な考え方が重要です。当院ではOPトーニング、ピコトーニング、内服・外用治療、C-OPERA、ニードルRF(シルクロ)、水光注射などから肌状態に応じて治療を組み立てます。「何回で完全に消えるか」より、「濃くなりにくい状態をどう維持するか」を考えることが肝斑治療では重要です。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、老人性色素斑とは異なり、真皮側にメラノサイトが存在する色素性病変です。そのため、一般的な濃い老人性色素斑のように「スポットレーザー1回で終了」とはならず、複数回のレーザー治療が必要になることがあります。
近年のADMに対するレーザー治療の系統的レビューでも、治療回数が増えるほど色素クリアランスが高くなる傾向が示されています。ただし研究の質や治療条件にはばらつきがあり、「ADMは必ず○回で消える」と決めることはできません。当院では、実際に1回でほとんど消失する方もかなりいらっしゃいます。また、ADMと肝斑が混在している場合には治療順序も重要です。肝斑が強い場合には、先にOPトーニングやピコトーニングなどで肝斑を整え、その後にADMへのレーザー治療を検討することがあります。
再照射はいつする?
「1回で取り切れなかったら、いつ次のレーザーを当てればいいですか?」という質問も非常に多くいただきます。結論として、再照射の時期を一律に「1か月後」「2か月後」と決めることはできません。重要なのは、治療後の皮膚がどうなっているかです。
赤みや炎症が残っている、PIHが出ている、色素がまだ変化している途中、肝斑が目立ってきている。このような時期には追加照射を急がない方がよい場合があります。
一方、十分に炎症が落ち着き、PIHも確認したうえで、元の老人性色素斑が残っていることが分かれば再照射を検討します。
つまり
1回目のレーザー
→ 炎症が落ち着くのを待つ
→ 色素の変化を見る
→ PIHなのか残ったシミなのか判断する
→ 必要な場合だけ再照射する
という順序が重要です。
再照射のタイミングは、カレンダーだけで決めるのではなく、肌を見て決めます。
PIHがある時に再照射を急がない
シミ取り後に一度薄くなった部分が再び茶色く見えると、「シミが残っている」と思って再照射したくなるかもしれません。しかし、その茶色がPIHである場合があります。
PIHはレーザーによる炎症後に新たに生じた色素沈着です。元のシミとは別のものなので、PIHが強い時期に「まだシミが残っている」と考えてスポットレーザーを追加すると、さらに炎症を起こし、色素沈着を長引かせる可能性があります。シミ治療では、「取る技術」と同じくらい「待つ判断」が重要です。
シミがまた出てきた=再発とは限らない
シミ治療後に数か月〜数年経って茶色い色素が見えてくると、「取ったシミが再発した」と感じることがあります。しかし、実際には、元の色素が一部残っていた、同じ周辺に新しい老人性色素斑ができた、紫外線によって別のシミが目立ってきた、肝斑が再び濃くなった、PIHが残っている、など複数の可能性があります。特に老人性色素斑は、長年の紫外線曝露や光老化に関連する色素斑です。一つのシミをレーザーで除去しても、将来新しい老人性色素斑ができないことを保証する治療ではありません。
一方、肝斑はそもそも再燃しやすい病態なので、治療後も長期的な管理を考えます。
「再発した」と一括りにせず、何の色素が見えているのかを改めて確認することが重要です。
シミ取りの回数を増やせばきれいになる?必ずしもそうではありません。
シミ治療では、治療回数を増やすこと自体が目的になってはいけません。
例えば、ピコスポットで十分にシミが取れているのに、わずかなPIHを残存シミだと思って追加照射を重ねる必要はありません。IPLを何回も繰り返しても残る薄い老人性色素斑なら、IPLの回数をさらに増やすより、ルビーフラクショナルへ治療を切り替えた方が適している場合があります。肝斑に対しても、同じレーザーを延々と続けるのではなく、反応が乏しければ肌状態や治療方法を再評価することが大切です。治療回数が多いことが、丁寧な治療とは限りません。必要のない治療を繰り返さないことも、適切な治療設計の一部です。
治療回数より「ゴール」を決めることが大切
患者さまによって、シミ治療のゴールは異なります。
一つの濃いシミだけを取りたい。顔全体の色むらを整えたい。薄いシミまでできるだけ目立たなくしたい。肝斑を悪化させずコントロールしたい。ダウンタイムをできるだけ少なくしたい。どこをゴールにするかによって、必要な治療回数も変わります。
「何回で終了するか」だけを最初に決めるのではなく、何を改善したいか、どの程度まで改善したいか、どこまでダウンタイムを許容できるか、PIHリスクをどこまで抑えたいかまで考えて治療方法を選ぶことが重要です。
まゆりなclinic名古屋栄のシミ治療の考え方
まゆりなclinic名古屋栄では、治療回数を増やすことを目的にしていません。
濃く取るべきシミは適切に取る。薄いシミはPIHに配慮しながら少しずつ治療する。肝斑やPIHでは刺激を考える。レーザー後は色素の変化を待つ。必要な場合だけ次の治療を行う。この考え方を「取る・待つ・守る」という言葉で整理しています。
一人のお顔の中でも、濃い老人性色素斑にはピコスポット、薄い老人性色素斑にはルビーフラクショナル、肝斑にはOPトーニングやピコトーニング、そばかすや赤みにはIPL、くすみ・細かな色素・色むらにはスプレンダーフェイシャルというように治療を使い分けます。
必要に応じてC-OPERA、ニードルRF(シルクロ)、水光注射、内服・外用治療などを組み合わせることもあります。機械が先にあるのではなく、患者さまのお肌とシミが先にある。
治療回数についても、「この機械なら○回」と決めるのではなく、毎回の肌の変化を見ながら考えることが大切です。
名古屋でシミ取りの回数に悩んでいる方へ
「1回で取りたい」という希望は自然なことです。
濃い老人性色素斑では、ピコスポット1回で大きく改善することがあります。
一方、薄いシミを1回で無理に取り切ろうとすると、PIHの方が目立ってしまう場合があります。そのようなシミでは、ルビーフラクショナルで3〜5回程度を一つの目安として、少しずつ治療した方がよいことがあります。また、肝斑やADM、PIHでは、そもそも「1回で終わる」という考え方が適していないことがあります。重要なのは、治療回数を少なくすることだけではありません。必要な治療は適切に行い、必要のない治療は行わない。そして追加治療を急がない方がよい時期には待つ。この判断まで含めてシミ治療だと考えています。
まとめ
シミ取りが1回で終わるかどうかは、シミの種類と治療方法によって異なります。
濃く境界が比較的はっきりした老人性色素斑では、ピコスポット1回で大きく改善することがあります。薄い老人性色素斑では、ルビーフラクショナルを3〜5回程度かけて少しずつ治療することがあります。
IPLやスプレンダーフェイシャルは顔全体の色むらなどを整えるため複数回行うことがあり、OPトーニング・ピコトーニングは肝斑やPIHなどへ少しずつアプローチします。ADMも色素の深さを考慮し、複数回のレーザー治療を検討します。肝斑では「何回で終了」と決めるのではなく、長期的なコントロールを考えることが重要です。
そして、シミ治療で避けたいのは、治療後のPIHを「シミが残っている」と勘違いして追加照射を急ぐことです。
取るべき時には取る。待つべき時には待つ。治療後の肌を守る。
シミ取りは、回数を重ねる競争ではありません。
その時のお肌に必要な治療を、必要なタイミングで行うことが重要です。
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文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
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