ルビーフラクショナルとピコスポットの違い|薄いシミではどう選ぶ?|名古屋
- 2025.4.27
目次
ルビーフラクショナルとピコスポットは何が違う?

「薄いシミにはピコスポットとルビーフラクショナルのどちらがいい?」「どちらもシミにレーザーを当てるなら、1回で取れるピコスポットの方がいいのでは?」「なぜ薄いシミではルビーフラクショナルを勧められることがあるの?」。名古屋・栄でシミ治療を行っていると、このようなご質問をいただくことがあります。まず結論からお伝えすると、まゆりなclinic名古屋栄では、濃く境界が比較的はっきりした老人性色素斑ではピコスポット、非常に薄い老人性色素斑や細かな薄いシミではルビーフラクショナルを選択することがあります。両者の違いを「ピコスポットは強いレーザー、ルビーフラクショナルは弱いレーザー」と考えるのは正確ではありません。
薄いシミでも、レーザーが当たった部分の色素自体は反応します。ルビーフラクショナルで重要なのは、色素への反応を大きく弱めることではなく、レーザーを当てる面積をドット状に分散できることです。薄いシミでは、シミを取れるかどうかだけではなく、治療後に生じる炎症後色素沈着(PIH)が元のシミより目立たないかまで考えて治療方法を選ぶ必要があります。
ピコスポットとは?
ピコスポットは、ピコ秒レーザーを目的の色素斑へスポット状に照射する治療です。
特に、濃く境界が比較的はっきりした老人性色素斑では有力な治療選択肢になります。
目的のシミ全体にレーザーを照射するため、適応のよい老人性色素斑では1回の治療で大きく薄くなることがあります。この「1回で大きく変化させられる」という点は、ピコスポットの大きなメリットです。一方で、レーザー照射後には赤みや炎症が起こり、その後PIHが生じることがあります。ピコ秒レーザーであってもPIHが完全になくなるわけではありません。そのため、ピコスポットは「どんなシミでも1回で取るためのレーザー」ではなく、スポット照射によるメリットが大きいシミに使用することが重要です。
ルビーフラクショナルとは?
ルビーフラクショナルは、694nmのルビーレーザーを細かなドット状に分散して照射する治療です。694nmはメラニンへの吸収性が高く、色素性病変の治療に長く使用されてきた波長です。当院のルビーフラクショナルでは、シミ全体を一度に面状に治療するのではなく、細かなレーザードットをシミの中へ分散させます。その間にはレーザーが直接当たらない皮膚が残ります。
つまり、
ピコスポット
→ シミ全体を一度に治療する
ルビーフラクショナル
→ シミの一部分ずつをドット状に治療する
という照射方法の違いがあります。
当院では、特に薄い老人性色素斑や、ピコスポットによるPIHが元のシミより目立つことを避けたい場合にルビーフラクショナルを検討します。
ることが重要です。
なぜ薄いシミではピコスポットよりルビーフラクショナルを選ぶことがある?
ここが、両者を使い分ける最も重要なポイントです。
例えば、濃いシミを「10」の濃さとします。ピコスポット後にPIHが「2」程度出たとしても、元のシミよりはかなり薄く見えます。一方、治療前のシミが「1」程度の非常に薄い色素だった場合はどうでしょうか。ピコスポットで元のシミ自体が改善しても、治療後に「2」のPIHが出れば、患者さまから見ると「治療前より濃くなった」と感じます。つまり、同じPIHでも、元のシミが薄いほど治療後の色素沈着が相対的に目立ちやすくなります。薄いシミでも、ピコスポットを照射すれば色素そのものは反応します。問題は「反応するかどうか」ではありません。治療後のPIHまで含めた最終的な見え方です。そこで当院では、薄い老人性色素斑では、シミ全体を一度に照射するのではなく、694nmのルビーレーザーをドット状に分散して照射するルビーフラクショナルを選択することがあります。色素への反応を保ちながら、一度に炎症を起こす面積を分散する。これが、薄いシミでルビーフラクショナルを選ぶ大きな理由です。
PIHはピコスポットだけの問題?
いいえ。PIHは、ピコスポットだから起こるというものではありません。レーザー、やけど、ニキビ、湿疹、摩擦など、皮膚に炎症が起これば生じる可能性があります。
色素レーザー治療では、照射するエネルギーが強いほどPIHが増える可能性が報告されています。アジア人の老人性色素斑を対象とした研究でも、強い照射反応を目標にした群では、より穏やかな照射群よりPIHが多かったことが報告されています。したがって、「ピコスポットはPIHが出るから悪い」という話ではありません。濃い老人性色素斑では、1回で大きく改善できるピコスポットのメリットがPIHリスクを上回る場合があります。
一方、元々ほとんど目立たない薄いシミでは、PIHが出たときのデメリットが相対的に大きくなります。同じ治療でも、元のシミの濃さによってメリットとデメリットのバランスが変わるということです。
ることが重要です。
ルビーフラクショナルはPIHが絶対に出ない?
いいえ。ルビーフラクショナルでも、赤み、ヒリヒリ感、紫斑、PIHなどが起こる可能性があります。「ルビーフラクショナルなら色素沈着が絶対に出ない」とは言えません。
ただし、フラクショナル照射には、レーザーを当てる面積を細かなドットに分散し、未照射部分を残せるという特徴があります。別波長の色素レーザーではありますが、アジア人の良性色素性病変に対する研究でも、通常照射と比較してフラクショナル照射でPIHを抑えながら色素改善を得られた報告があります。そのため当院では、薄いシミでPIHとのバランスを特に考えたい場合に、ルビーフラクショナルという照射方法を選択します。「PIHがゼロになるから」ではなく、「PIHに配慮しながら色素へアプローチしやすい」という位置づけです。実際、まゆりなclinic名古屋栄で施術したルビーフラクショナルの患者さまで重篤なPIHを生じた例はありません。
40%照射なら、1回でシミが40%消える?
ルビーフラクショナルでは、この点もよく誤解されます。
当院で使用するフラクショナルハンドピースでは、照射面積のカバー率は最大約40%です。
しかし、「40%照射する=1回でシミが40%消える」という意味ではありません。
レーザーが当たったドット内でも、色素の濃さや深さは均一ではありません。一度レーザーが当たったからといって、その部分のメラニンが100%なくなるわけではありません。
40%という数字は、あくまでレーザーが当たる面積の割合です。当院の臨床的な実感では、薄い老人性色素斑では、1回の治療で全体として約30%程度ずつ薄くなっていくような経過を見ることがあります。これは「1回で必ず30%改善する」という保証された数値ではなく、治療経過を理解していただくための臨床的な目安です。
例えば、毎回残っている色素の30%程度ずつが減ると単純化すると、
治療前 100%
1回後 約70%
2回後 約49%
3回後 約34%
4回後 約24%
5回後 約17%
というイメージになります。
実際には照射部位の重なり、色素の深さ、肌質、紫外線、PIHなどによって経過は変わりますが、1回で取り切らず3〜5回程度かけて徐々に薄くしていく理由を理解しやすいモデルです。
ピコスポットとルビーフラクショナルでは、どちらの方が効果が高い?
「効果が高い・低い」で単純比較することはできません。
濃く境界が明瞭な老人性色素斑を1回で大きく改善したいのであれば、ピコスポットが向いている場合があります。非常に薄い老人性色素斑で、治療後のPIHまで含めて少しずつ治療したい場合にはルビーフラクショナルが向いていることがあります。
つまり、
濃いシミ
→ ピコスポットのメリットが大きい
薄いシミ
→ ルビーフラクショナルで照射面積を分散するメリットが大きい
という違いです。
「どちらのレーザーが優れているか」ではなく、「どちらの照射方法がそのシミに適しているか」を考えます。
ピコスポットとルビーフラクショナルの治療回数の違い
ピコスポットでは、適応のよい老人性色素斑なら1回で大きく改善することがあります。ただし、シミの状態やPIHによっては追加治療が必要になります。
ルビーフラクショナルでは、一度にすべての面積を照射しないため、複数回の治療が必要です。
当院では3〜5回程度を一つの目安としています。
つまり、
ピコスポット
→ 1回あたりの変化が大きい
ルビーフラクショナル
→ 1回あたりの治療面積を分散し、複数回で徐々に改善する
という治療設計の違いがあります。
回数が少ない方が優れた治療というわけではありません。
シミの状態に合った治療回数を選ぶことが重要です。
ることが重要です。
ダウンタイムはどう違う?
ピコスポットでは、照射後に赤み、ヒリヒリ感、シミが一時的に濃く見える変化、PIHなどが生じる可能性があります。
ルビーフラクショナルでも赤み、ヒリヒリ感、点状の紫斑、PIHなどが起こる可能性がありますが、面状に一度に治療する方法とは異なり、レーザー照射をドット状に分散するので、ピコスポットに比べると赤みや痛みはかなり少なく、翌日には引いている場合がほとんどです。
当院では、ピコスポット、ルビーフラクショナルともに基本的にテープ保護は必要としていません。施術当日はメイクをせず日焼け止めまでとし、翌日から肌状態を確認しながらメイク可能としています。ただし、赤みや刺激の出方には個人差があります。
治療後には、紫外線・摩擦を避け、ピーリング作用の強いスキンケアなどは一定期間控えることが重要です。
薄いシミなら全部ルビーフラクショナル?
いいえ。ここは非常に重要です。「薄いシミ」という言葉は病名ではありません。
同じ薄い茶色に見えていても、薄い老人性色素斑、肝斑、PIH、ADMなどでは治療方法が異なります。
薄い老人性色素斑
→ ルビーフラクショナルを検討
肝斑
→ OPトーニングやピコトーニングなどを検討
PIH
→ 経過を確認し、必要に応じてOPトーニングなどを検討
ADM
→ 色素の深さと肝斑の混在を確認し、色素レーザー治療を検討
というように使い分けます。
つまり、「薄いからルビー」ではなく、「薄い老人性色素斑だからルビーフラクショナル」という診断が重要です。
肝斑がある場合はどうする?
肝斑の上や周囲に老人性色素斑が混在していることがあります。この場合、「シミがあるからピコスポット」「薄いからルビーフラクショナル」と機械的には決めません。肝斑は刺激によって悪化する可能性があるため、まず肝斑の状態を確認します。当院では必要に応じて、OPトーニングやピコトーニング、内服・外用治療、C-OPERA、ニードルRF(シルクロ)、水光注射などで肌状態を整え、その後に老人性色素斑へのスポット治療やルビーフラクショナルを検討することがあります。シミそのものだけでなく、その周囲の肌状態まで見ることが重要です。
IPLで残ったシミはどちらを選ぶ?
IPL(ライムライト)を数回受けると、顔全体のそばかす、赤み、色むらなどが整ってくる一方で、一部のシミだけ残ることがあります。この場合も、「IPLで取れなかったから全部ピコスポット」とは考えません。残ったシミが濃く境界のはっきりした老人性色素斑なら、ピコスポットを検討します。一方、IPLでは反応しにくい非常に薄い老人性色素斑が残っている場合には、ルビーフラクショナルを検討することがあります。
つまり、
IPL後に残った濃いシミ
→ ピコスポット
IPL後に残った薄い老人性色素斑
→ ルビーフラクショナル
という使い分けをすることがあります。
IPLが無駄だったわけではありません。IPLが得意とするそばかす・赤み・色むらを先に整え、残った色素を別のレーザーで治療するという考え方です。ただし、「IPLを先にしておけばピコスポット後のPIHが必ず減る」とまでは言えません。治療はそれぞれの適応に合わせて組み合わせます。
どちらを選べばいい?簡単に整理
ピコスポットが向きやすいケース
・濃く境界が比較的はっきりした老人性色素斑
・1回で大きな変化を期待したい
・スポット状のシミを狙って治療したい
・PIHの可能性を理解したうえで治療する
ルビーフラクショナルが向きやすいケース
・薄い老人性色素斑
・細かな薄い色素が複数ある
・ピコスポットではPIHが元のシミより目立つことが懸念される
・1回で無理に取らず複数回かけて治療したい
・IPL後に薄い老人性色素斑が残っている
ただし、最終的な治療方法は「濃い・薄い」だけで決めません。
肝斑、ADM、PIHなどが混在していないか、日焼けや炎症がないか、過去の治療でどのような反応が出たかまで確認します。
まゆりなclinic名古屋栄ではどう使い分ける?
当院では、ピコスポットとルビーフラクショナルのどちらが「上」かを決めることはしていません。それぞれ得意なシミが違うからです。濃い老人性色素斑を見れば、ピコスポットの1回で大きく改善できるメリットを考えます。非常に薄い老人性色素斑を見れば、「取れるか」だけではなく「PIHが出たときに元のシミより目立たないか」を考え、ルビーフラクショナルを検討します。そして、薄く見えているものが肝斑やPIHなら、そもそもどちらも選ばないことがあります。
必要に応じてNeo Voir I PLUSによる肌撮影も補助的に使用しますが、画像だけで治療を決めるわけではありません。医師が実際の肌を診察し、色、境界、分布、治療歴、PIHリスクなどを確認して治療方法を選びます。機械が先にあるのではなく、患者さまのお肌とシミが先にある。ピコスポットとルビーフラクショナルも、この考え方で使い分けています。
名古屋でピコスポット・ルビーフラクショナルを検討している方へ
名古屋でシミ取りを調べると、「ピコレーザーなら1回で取れる」「ルビーフラクショナルならダウンタイムが少ない」など、さまざまな情報が出てきます。
しかし、大切なのは治療名だけではありません。
濃いシミなのか。
薄いシミなのか。
老人性色素斑なのか。
肝斑やPIHではないのか。
治療後にPIHがどの程度問題になりそうなのか。
これらによって治療方法は変わります。
濃い老人性色素斑にはピコスポットのメリットがあります。
一方、薄い老人性色素斑では、シミ自体がレーザーに反応してもPIHの方が目立つ可能性があるため、ルビーフラクショナルで照射を分散しながら少しずつ治療するメリットがあります。「一番強いレーザー」を選ぶのではなく、「そのシミに合った照射方法」を選ぶことが大切です。
よくある質問
まとめ
ピコスポットとルビーフラクショナルは、どちらもシミ治療に使用しますが、役割が異なります。
濃く境界が比較的はっきりした老人性色素斑
→ ピコスポット
非常に薄い老人性色素斑・細かな薄いシミ
→ ルビーフラクショナル
という使い分けをすることがあります。
薄いシミでも、ピコスポットで色素自体を反応させることはできます。
しかし、元のシミが薄い場合には、治療後にPIHが生じるとPIHの方が元のシミより濃く目立つ可能性があります。ルビーフラクショナルでは、694nmのルビーレーザーで色素へしっかり反応させながら、レーザーをドット状に分散して照射します。
当院で使用するフラクショナルハンドピースでは最大約40%の面積を照射しますが、40%照射するから1回で40%消えるわけではありません。当院の臨床的な実感では、1回ごとに全体の約30%程度ずつ薄くなっていくような経過を見ることがあり、3〜5回程度を一つの目安として治療します。
つまり、
ピコスポット
→ 全体を一度に治療するメリットを生かす
ルビーフラクショナル
→ 色素への反応を保ちながら照射面積を分散し、PIHに配慮しつつ少しずつ治療する
という違いです。
ただし、「薄いシミ」は病名ではありません。
肝斑、PIH、ADMなどが薄い茶色に見えることもあります。
そのため、治療名を選ぶ前に、まず何のシミなのかを見極めることが重要です。
【参考文献】
- Tetin I, Wang CY, Zevini A, et al. Fractional 694-Nm Ruby Laser Therapy for Melasma: A Clinical Study in East Asian Patients. J Cosmet Dermatol. 2026;25(7). DOI: 10.1111/jocd.71071.
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。








