手の甲・腕のシミはレーザーで取れる?ピコ・ルビー・IPLの使い分けとPIHを解説|名古屋
- 2026.10.5
目次
手の甲・腕のシミはレーザーで取れる?ピコ・ルビー・IPLの使い分けとPIHを解説|名古屋

顔のシミは治療していても、手の甲や腕はそのままという方は少なくありません。顔がきれいになると、今度は手の甲の茶色いシミが目につくようになった、半袖になると腕のシミが気になる、というご相談もあります。
手の甲や前腕は紫外線を受け続ける部位なので、老人性色素斑(日光黒子)ができやすい場所です。平坦で茶色~濃褐色、境界が比較的はっきりしている老人性色素斑であれば、手や腕でもレーザー治療ができます。
ただ、手・腕のシミは一つの治療ですべて対応するわけではありません。大きく濃いシミならピコスポット、薄いシミや細かなシミが多数ある場合にはルビーフラクショナル、小さく細かく比較的濃いシミが揃っている場合にはライムライトも候補になります。
また、少し盛り上がっている病変が脂漏性角化症であっても、厚みが強くなければピコレーザーで取れることがあります。当院では、できるだけ皮膚への侵襲を抑えて治療できる方法を選んでいます。
老人性色素斑の治療・料金を見る👉治療ページはこちら
手の甲・腕にも老人性色素斑はできます
老人性色素斑は、長年の紫外線曝露などが関係して生じる代表的なシミです。顔だけでなく、手の甲、前腕、上腕などにもみられます。特に手の甲は、顔ほど日焼け止めを塗り直す習慣がなく、運転や通勤、屋外活動などで知らないうちに紫外線を受けています。年齢とともに小さな茶色い斑点が増えてくると、手元の印象にも影響します。
老人性色素斑であればレーザー治療の対象になりますが、治療方法はシミの大きさ、濃さ、数、厚みで変わります。
手・腕のシミ治療はどう選ぶ?
当院では、おおむね次のように考えています。

実際には、一つの手の中に濃いシミ、薄いシミ、少し厚みのある病変が混在していることも多く、治療を一種類にそろえる必要はありません。
大きく濃いシミにはピコスポット
手の甲や腕に、大きく濃い老人性色素斑が数個ある場合にはピコスポットが向いています。
ピコスポットは、気になる病変を一つずつ狙って照射できるため、「このシミだけ取りたい」という場合にも使いやすい治療です。濃く境界がはっきりした老人性色素斑であれば、1回で大きく薄くなることもあります。ただし、必ず1回ですべて消えるわけではありません。照射後にPIHが出ることもあるため、その後の経過まで確認して判断します。
薄いシミや多数のシミではルビーフラクショナルを使いやすい
手の甲や腕にシミが多数ある場合、当院ではルビーフラクショナルを選択することが多くあります。
ルビーフラクショナルは694nmのルビーレーザーを細かく分散して照射する治療です。一つのシミを強く1回で取るというより、広い範囲にある色素を複数回に分けて少しずつ減らしていきます。
特に、薄いシミが多い場合や、濃いものと薄いものが混在している場合には使いやすい治療です。
スポット照射より一度の刺激を分散できるため、PIHが心配な方にも選択肢になります。ただし、PIHが絶対に起こらないわけではありません。また、1回で終了する治療ではなく、当院では3~5回程度を目安にすることがあります。
「1回で取りたい」のか、「回数がかかってもPIHをできるだけ抑えたい」のかでも治療の選択は変わります。
小さく細かな濃いシミならライムライトも選択肢
手の甲や腕に、小さく細かく、比較的濃いシミが多数ある場合にはライムライト(IPL)を使用することもあります。
広い範囲を一度に照射できるため、細かな色素斑が比較的均一に散らばっている場合には効率よく治療できます。また、シミだけでなく色むらや赤みも一緒に整えたい場合にも向いています。
ただし、当院では「シミがたくさんあるからライムライト」とは決めていません。
手の甲に多数のシミがある場合、その中に大きめの老人性色素斑や、少し厚みのある病変が混ざっていることがあります。このような病変はライムライトでは十分に反応せず、結局ピコスポットやルビーフラクショナルが必要になることがあります。
そのため、多数のシミではまずルビーフラクショナルを中心に考え、小さく細かく比較的濃いシミが揃っている場合にはライムライトも選択肢に入れる、という使い分けをしています。
大きなシミはライムライトだけでは残ることがあります
ライムライトは広範囲を治療できる便利な治療ですが、大きめの老人性色素斑を1個ずつ強く除去する治療ではありません。
ある程度反応することはあっても、大きくはっきりしたシミでは十分に薄くならないことがあります。このような場合はピコスポットの方が直接的です。
反対に、非常に薄いシミではIPLの反応自体が弱いこともあります。この場合にはルビーフラクショナルを検討します。
シミ治療では、濃ければIPL、薄ければIPLという単純な分け方ではなく、大きさ・濃さ・厚み・数を一緒に見ることが重要です。
手の甲にシミが多い場合は取り放題も選択肢
手の甲では、小さな老人性色素斑がまとまって増えていることがあります。
ピコスポットの適応となる病変が多数ある場合には、手の甲のシミ取り放題を検討することもできます。ただし、「取り放題=茶色いところをすべてピコで照射する」という意味ではありません。薄いシミにはルビーフラクショナル、厚みがあればピコまたはCO2など、病変ごとに治療を変える方がきれいに仕上がることがあります。
腕のシミも治療できます
前腕や上腕の老人性色素斑も治療対象です。
大きく濃いものが数個ならピコスポット、薄いシミが多数ならルビーフラクショナル、細かく濃い色素斑が広く散らばっている場合にはライムライトも考えます。
当院では腕の老人性色素斑に対するピコスポット症例も掲載しています。
手の甲・腕のシミ治療と症例を見る👉老人性色素斑(日光黒子)治療ページ
1回で取れるかは治療方法によって違います
ピコスポットが適した濃い老人性色素斑では、1回で大きく改善することがあります。
一方、ルビーフラクショナルは複数回かけて少しずつ薄くする治療で、3~5回程度を目安にすることがあります。ライムライトも1回ですべての色素を取り切るというより、経過を見ながら複数回行う治療です。
つまり「手のシミは何回?」ではなく、どの治療がそのシミに合っているかを先に考えます。
ピコスポット後に濃く見えたらPIHのことがあります
レーザー照射後には、PIH(炎症後色素沈着)が起こることがあります。
治療した部分が数週間後に再び茶色く見えても、すぐに「レーザーが効かなかった」「再発した」と判断する必要はありません。
元の老人性色素斑が残っているのか、PIHなのかによって対応は異なります。PIHであれば、早い時期にもう一度強いスポット照射をするより、皮膚が落ち着くまで経過を見る方がよい場合があります。
老人性色素斑は1回で取れる?コラムはこちら👉老人性色素斑は1回で取れる?ピコスポット後の経過・PIH・再照射を解説
PIHが心配なら治療方法を変えることもできます
以前のシミ取りでPIHが強く出た方や、手の甲なので治療後の色素沈着をできるだけ避けたい方では、最初からルビーフラクショナルを検討することがあります。
ピコスポットのように1回で大きく取る方法ではなく、レーザーを細かく分散して何回かに分けて治療するためです。もちろん、回数は必要になります。早く取ることを優先するのか、PIHをできるだけ抑えながら治療したいのか。患者さんの希望も含めて選びます。
少し盛り上がった病変でもピコで取れることがあります
手の甲や腕では、平坦な老人性色素斑だけでなく、少しざらついたり盛り上がったりした脂漏性角化症もみられます。脂漏性角化症というとCO2レーザーを思い浮かべる方もいますが、すべてをCO2で削る必要はありません。当院では、厚みや角化がそれほど強くないものや、色素成分が目立つものではピコスポットを使用します。ある程度厚みがあっても、病変によっては出力を調整したピコレーザーで除去できることがあります。
ピコレーザーで十分に取れるのであれば、皮膚を蒸散するCO2レーザーよりも治療による侵襲を抑えやすく、創傷も小さくできます。そのためPIHやダウンタイムを考えて、当院ではピコを優先することがあります。
厚い脂漏性角化症ではCO2レーザーを検討
かなり盛り上がっているもの、角化が強いものでは、色素だけではなく隆起した組織そのものを除去する必要があります。この場合はCO2レーザーを検討します。
老人性色素斑ならピコ、脂漏性角化症ならCO2と病名だけで決めているわけではありません。同じ脂漏性角化症でも、薄ければピコで十分なことがありますし、厚ければCO2が必要です。できるだけ小さな侵襲で十分な結果が得られる方法を選びます。
老人性色素斑と脂漏性角化症の違いはこちら👉シミが盛り上がってきた?老人性色素斑と脂漏性角化症の違い・関係を解説
治療後は手・腕ならではの紫外線対策が必要
手の甲は日焼け止めを塗っても、手洗いやアルコール消毒で落ちやすい部位です。腕も半袖の季節には長時間紫外線を受けます。
レーザー治療後は、日焼け止めに加えて必要に応じて長袖やアームカバーも利用します。治療部位を強くこすることも避けます。
ゴルフ、海、屋外スポーツ、旅行などの予定がある場合には、治療するタイミングを調整することもあります。
シミ取りはいつ受けるのがいい?コラムはこちら👉シミ取りはいつ受けるのがいい?夏・日焼け後・旅行・結婚式前の治療時期を解説
美容レーザーを当てない方がよい病変もあります
手や腕は紫外線を長期間受けているため、老人性色素斑や脂漏性角化症以外の病変がみられることもあります。
急に大きくなった、形が不規則、色に強い濃淡がある、出血する、治りにくいかさぶたが続くといった場合には、美容レーザーをすぐに照射しません。
悪性病変や前癌病変が疑われる場合には、まず皮膚科での診断を優先します。
シミがきれいになると「手のシワ」が気になることもあります
手元の年齢感はシミだけで決まりません。
シミが目立たなくなると、次に細かなシワ、皮膚の薄さ、ハリ低下、骨ばり、血管の浮きが気になることがあります。
この場合はレーザーを追加するのではなく、手の若返り治療へ考え方を切り替えます。
シミはレーザー、細かなシワやハリはCGスタイラーやプロファイロ、手の痩せや骨ばりが強ければボリュームを補う治療など、原因に合わせて治療を分けます。
手の甲のシワ・ハリ・血管が気になる方へ👉手が老けて見えるのはなぜ?シミ・シワ・痩せ・血管・ハリ低下と若返り治療を解説
当院では「手のシミだからこの機械」とは決めません
手の甲に10個シミがあっても、10個すべてが同じ病変とは限りません。
濃い老人性色素斑、薄いシミ、小さな脂漏性角化症が混在していることもあります。
その場合、濃いシミにはピコスポット、広く薄いシミにはルビーフラクショナル、条件が合えばライムライト、少し厚みのある脂漏性角化症にはピコ、厚い病変にはCO2というように治療を分けます。
一つの機械だけで全部治療するより、病変に合わせて照射方法を変えた方が、必要以上のダメージを避けながら治療できます。
よくある質問

Q1.手の甲のシミはレーザーで取れますか?
老人性色素斑であれば治療できます。シミの濃さ、大きさ、数によってピコスポット、ルビーフラクショナル、ライムライトなどを選びます。
Q2.腕のシミも治療できますか?
できます。大きなシミが数個ある場合から、細かなシミが多数ある場合まで、状態に合わせて治療します。
Q3.大きく濃いシミには何がいいですか?
濃く境界が明瞭な老人性色素斑では、ピコスポットを選ぶことが多くあります。
Q4.薄いシミには何がいいですか?
当院ではルビーフラクショナルを選択することが多くあります。1回で取るのではなく、3~5回程度を目安に少しずつ薄くしていきます。
Q5.シミがたくさんある場合はライムライトですか?
必ずしもそうではありません。多数ある場合はルビーフラクショナルを中心に考えます。小さく細かく比較的濃いシミが揃っている場合にはライムライトも選択肢になります。
Q6.ライムライトでは大きなシミは取れませんか?
反応することはありますが、大きめの老人性色素斑では十分に薄くならないことがあります。その場合はピコスポットの方が向いています。
Q7.PIHが心配です
PIHをできるだけ避けたい場合には、ルビーフラクショナルも選択肢になります。ただしPIHの可能性を完全になくせる治療ではありません。
Q8.脂漏性角化症もピコで取れますか?
厚みや角化が強くなければピコスポットで取れることがあります。ピコで十分治療できる場合には、CO2より侵襲を抑えやすいため当院ではピコを優先することがあります。
Q9.いつCO2レーザーを使いますか?
厚く盛り上がり、角化した組織そのものを除去する必要がある場合に検討します。
Q10.手のシミとシワを一緒に相談できますか?
できます。シミとシワでは治療方法が異なるため、手全体の状態を確認して治療を組み合わせます。
まとめ|手・腕のシミは一種類のレーザーだけで治療しない
手の甲や腕のシミも、顔と同じように治療できます。ただし、治療方法はシミの状態によって変わります。大きく濃い老人性色素斑にはピコスポット、薄いシミや多数のシミにはルビーフラクショナルを中心に考えます。小さく細かく比較的濃いシミが均一に多い場合にはライムライトも選択肢になります。多数のシミがある場合には、その中に厚めの老人性色素斑や脂漏性角化症が混在していることもあります。そのためライムライトだけで一括して治療するより、ルビーフラクショナルをベースに、必要な部分へピコスポットを追加した方が適していることもあります。
脂漏性角化症も、薄ければピコレーザーで治療できることがあります。ピコで十分に除去できるのであれば、CO2レーザーよりも侵襲を抑えられるため、PIHやダウンタイムの点からもメリットがあります。厚く隆起した病変ではCO2レーザーを検討します。
まゆりなclinic名古屋栄では、手の甲や腕を見て、シミの色、大きさ、厚み、数を確認し、ピコスポット、ルビーフラクショナル、ライムライト、CO2レーザーを使い分けています。
「手の甲にシミがたくさんある」「腕の大きなシミだけ取りたい」「以前PIHが出たので心配」という段階からご相談いただけます。
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監修医師

監修医師・文責
加藤 成貴 医師
まゆりなclinic名古屋栄 院長
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積み、2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を大切にし、患者さま一人ひとりの肌状態や希望に合わせた治療を行っています。
資格
- 日本内科学会 内科認定医
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本循環器学会 循環器専門医
- アラガン・エステティックス ボトックスビスタ®認定資格医
- ジュビダームビスタ®認定資格医
- ジュビダームビスタ®バイクロス認定資格医
参考文献
- Mardani G, et al. Treatment of Solar Lentigines: A Systematic Review of Clinical Trials. J Cosmet Dermatol. 2025.
- Iraji F, Mousavi A, Poostiyan N, Saber M. Q-switched frequency-doubled Nd:YAG laser versus trichloroacetic acid 35% peeling in the treatment of dorsal hand solar lentigo: An assessor-blind split-hand randomized controlled trial. J Cosmet Dermatol. 2022;21(12):6776-6782.
- Schoenewolf NL, Hafner J, Dummer R, Bogdan Allemann I. Laser treatment of solar lentigines on dorsum of hands: QS Ruby laser versus ablative CO2 fractional laser—a randomized controlled trial. Eur J Dermatol. 2015;25(2):122-126.
- Kang DH, et al. Postoperative risk assessment of post-inflammatory hyperpigmentation and the efficacy of delayed prevention following 532 nm Q-switched Nd:YAG laser treatment of solar lentigines. J Dermatolog Treat. 2024.
- Negishi K, et al. Postinflammatory hyperpigmentation associated with treatment of solar lentigines using a Q-switched 532-nm Nd:YAG laser: a multicenter survey. Lasers Surg Med. 2016.













