ADMは何回で治る?レーザー治療の回数・間隔・経過を医師が解説|名古屋
- 2026.9.14
目次
ADMは何回で治る?

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、1回のレーザー治療でかなり薄くなる方もいますが、基本的には複数回の治療が必要になることがあります。当院では、色調や範囲にもよりますが、3〜5回程度を目安に治療するケースが多いです。
ADMは真皮側にメラニンが存在するため、老人性色素斑のように「1回照射して終了」とは限りません。実際の研究でも、治療回数が増えるほどクリアランスが高くなる傾向が示されており、2026年の系統的レビューでは1〜7回の範囲で治療回数と改善度に関連がみられています。ただし、回数は全員同じではありません。色の濃さ、深さ、範囲、肌質、レーザーへの反応によって変わります。
1回でかなり改善する人もいます
ADMだから必ず3回以上必要というわけではありません。色素が比較的浅い、範囲が狭い、レーザーへの反応が良い場合には、1回でかなり目立たなくなる方もいます。一方、両頬に広くADMがある場合や、色素がしっかり残っている場合には、2回目、3回目と治療を重ねることで徐々に薄くなっていきます。海外のピコ秒レーザー研究でも、1回目より2回目、2回目より3回目と治療を重ねた方が改善度が高くなった報告があります。そのため当院では、最初から「必ず○回」と決めつけず、1回ごとの反応を見ながら次回治療を判断します。
ADMの治療間隔はどのくらい?
当院では、ADMの次回治療は基本的に6〜9カ月後以降に行うことが多いです。
理由は、ADM治療後にはPIHが出ることがあり、その色調が落ち着くまで時間がかかるためです。ADMでは、治療後の茶色い色が「まだADMが残っている」のか、「PIHなのか」を見分けてから次の照射を考えることが重要です。一方で、診察上ADMであることが明らかで、PIHが十分に落ち着いている場合には、6〜9カ月を必ず待たずに次回治療を行うこともあります。つまり、治療間隔はカレンダーだけで決めるのではなく、肌の色調が落ち着いたかどうかを見て判断します。
なぜADMは治療間隔を長めに取ることがある?
ADMは真皮性色素病変なので、レーザー後すぐに最終結果が分かるわけではありません。治療後に色調が変化し、PIHが出た場合にはそれが薄くなるまで経過を見る必要があります。早すぎるタイミングで追加照射すると、残っているADMではなくPIHへさらにレーザーを重ねてしまう可能性があります。そのため当院では、治療後の肌が十分に落ち着いてから次の照射を考えます。なお、研究上の治療間隔はさまざまで、2カ月程度のプロトコルから、6カ月間隔で治療した研究まであります。ADMの最適な照射間隔が一律に決まっているわけではありません。当院の6〜9カ月という間隔は、PIHや最終的な色調を十分に評価してから次回治療を行うという臨床的な方針です。
PIHが出たら次の治療はいつ?
ADM治療後にPIHが出た場合は、基本的にはPIHが十分に薄くなるまで待ちます。
PIHはレーザーが失敗したという意味ではなく、レーザー後の炎症に伴って一時的に色素が増えている状態です。紫外線対策、摩擦を避けること、保湿などを行いながら経過を見ることで徐々に薄くなっていくことが多いです。PIHが残っている時点で追加照射するより、まず肌を落ち着かせ、その後にADMそのものがどの程度残っているかを確認して次回治療を決めます。
当院ではADM治療をどう判断している?

まゆりなclinic名古屋栄では、ADMに対して現在はピコレーザーを中心に使用しています。
治療後は、単純に「まだ色があるからもう一度照射する」とは考えません。ADMの残存色素なのか、PIHなのか、肝斑が混在しているのかを確認してから次の治療を決めます。
必要に応じてNeo Voir I PLUSによる肌診断も併用し、色素の分布や肌状態を確認します。
ADM治療では回数そのものより、「今もう一度照射すべき状態なのか」を見極めることが重要だと考えています。
ADMクラスター①「名古屋でADM治療を受けるなら?肝斑・シミとの違いとレーザー治療を医師が解説
実際に3回治療したADM症例もあります
当院には、ADMに対してピコスポット治療を3回行い、3回目の治療から1カ月後の経過を確認している症例があります。
このようにADMでは、1回ごとの治療反応を確認しながら複数回治療を重ねることで、徐々に両頬の灰色〜褐色の色調が目立ちにくくなることがあります。

ADMに対してピコレーザー治療を3回行った症例。ADMは1回で改善する方もいますが、複数回の治療が必要になることがあります。効果・必要な治療回数には個人差があります。」
【施術内容】ピコスポット(シミ取り放題)
【治療回数】3回
【リスク】ピコスポット:施術中にごく軽度の痛みがあります。施術後にひりひり感がありますが、すぐに落ち着きます。一時的な赤みや、かゆみ、紫斑、炎症後色素沈着を生じることがあります。
ADM治療は「早く何回も照射する」ことが目的ではありません
ADM治療で大切なのは、短期間にできるだけ多くレーザーを照射することではありません。
1回目の治療で十分に薄くなれば、それ以上の照射は必要ありません。一方、色素が残っていれば、肌が落ち着いた段階で次の治療を行います。当院では、1回で終わる方もいれば3〜5回程度かかる方もいますが、必要な回数だけ治療するという考え方です。
回数を最初から決めるのではなく、治療後の肌を確認しながら次回を判断することが、ADMでは特に重要です。
よくある質問
Q.ADMは何回くらいレーザーが必要ですか?
A.1回でかなり改善する方もいますが、3〜5回程度かかることもあります。色調・範囲・深さ・レーザーへの反応によって変わります。
Q.治療は何カ月おきですか?
A.当院では基本的に6〜9カ月後以降に次回治療を行うことが多いです。ただし、ADMが明らかでPIHが十分に落ち着いている場合には、それより早く次の治療を行うこともあります。
Q.PIHが残っていても次のレーザーはできますか?
A.基本的にはPIHが落ち着いてから次回治療を考えます。残っている色がADMなのかPIHなのかを判断することが重要です。
Q.1回で消えなかったら効いていないのですか?
A.いいえ。ADMは真皮側の色素なので、複数回かけて徐々に薄くなることがあります。
Q.Qスイッチレーザーの方が少ない回数で済みますか?
A.現時点では、Qスイッチレーザーの方が必ず少ない回数で済むとは言えません。近年の系統的レビューでも、レーザー種類より治療回数の方がクリアランスと強く関連していました。
Q.3〜5回やれば必ず消えますか?
A.治療回数には個人差があります。3〜5回は当院でよくみられる目安ですが、1回で大きく改善する方もいれば、それ以上必要になることもあります。
まとめ
ADMは回数より「肌が落ち着いてから次を打つ」
ADMは1回で大きく改善する方もいますが、基本的には3〜5回程度の治療が必要になることがあります。当院では、ADM治療後にPIHや色調の変化を十分に確認するため、基本的には6〜9カ月後以降に次回治療を行うことが多いです。ただし、ADMであることが明らかでPIHが落ち着いていれば、それより早く治療することもあります。
重要なのは、「○カ月経ったから照射する」のではなく、ADMの色素がどの程度残っているのか、PIHが落ち着いているのかを確認して次の治療を決めることです。
ADMは治療できます。焦って照射回数を増やすのではなく、1回ごとの反応を見ながら必要な回数を重ねることが、きれいに仕上げるためには大切です。
【参考文献】
1.Efficacy of Q-Switched and picosecond lasers for acquired bilateral nevus of Ota-like macules: a systematic review and exploratory dose-response meta-analysis. 2026. PMID: 42560400. 治療回数の増加とクリアランス改善の関連を報告。
2.Efficacy and Safety of 730-nm Picosecond Laser for the Treatment of Acquired Bilateral Nevus of Ota-like Macules. Dermatol Surg. PMID: 39773863. 平均2.42回、3回治療群で回数ごとに改善度が上昇。
3.Use of a Picosecond Laser for Treating Acquired Bilateral Nevus of Ota-Like Macules. PMID: 32282092. 1〜4回の治療で回数増加に伴う改善を報告。
4.A retrospective study of 1064-nm Q-switched Nd laser therapy for acquired bilateral nevus of Ota-like macules. Skin Res Technol. 2023. PMID: 36973977. 2〜9回治療を報告。
5.Model-guided non-whitening endpoint for 755-nm picosecond laser treatment of ABNOM in pigmented skin: randomized split-face trial. 3回、6カ月間隔で治療。PMID: 42214498.
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
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