ピコスポットとは?シミ取りレーザーの効果・経過・ダウンタイムを医師が解説|名古屋
- 2022.4.21
目次
ピコスポットとは?
「濃いシミを1回で取りたい」
「ピコトーニングとピコスポットは何が違うの?」
「レーザーを当てたあと、一度シミが濃くなることはある?」
名古屋・栄でシミ取りのご相談を受けていると、このようなご質問を多くいただきます。
ピコスポットは、ピコ秒という非常に短いパルス幅のレーザーを、目的の色素斑に狙って照射するシミ治療です。
特に、境界が比較的はっきりした老人性色素斑などでは、有力な治療選択肢の一つになります。
一方で、「顔にある茶色いものなら何でもピコスポットで取れる」というわけではありません。
肝斑、炎症後色素沈着、非常に薄いシミなどでは、別の治療を選んだ方がよい場合があります。
そのため、ピコスポットで大切なのはレーザーそのものの強さではなく、
「そのシミがスポット照射に適しているか」を最初に判断することです。
まゆりなclinic名古屋栄では、シミの種類、濃さ、境界、周囲の肝斑、過去の治療歴、PIHの起こりやすさなどを確認してから、ピコスポットを行うかどうかを判断しています。
おすすめコラム:「シミはなぜできる?種類・原因・見分け方を医師が解説|名古屋・栄」
ピコスポットはどんなシミに向いている?
ピコスポットが選択肢になりやすい代表的な色素斑は、老人性色素斑です。
老人性色素斑は、紫外線への長期的な曝露などに関連して生じることが多く、茶色〜濃い茶色で、周囲との境界が比較的はっきりしていることがあります。


このようなシミでは、広い範囲を弱く照射するのではなく、目的の色素斑に対してスポット状にレーザーを照射する方法が適している場合があります。
ピコレーザーによる色素性病変治療については、近年の系統的レビューでも、老人性色素斑に対する有効性が報告されています。
ただし、使用する波長、設定、肌質、病変の種類などによって結果は異なるため、「ピコレーザーなら必ず1回で取れる」と考えるものではありません。
また、そばかすにもピコスポットを使用する場合がありますが、そばかすは細かな色素斑が多数存在するため、数や分布によってはIPLなど別の治療方法を選ぶこともあります。
おすすめコラム:「シミとそばかすの違いはなに?紫外線が原因?予防策も徹底解説します!」
ピコスポットが向かないことがあるシミ
ピコスポットは、すべての色素性病変に向いているわけではありません。
特に注意したいのが肝斑です。


肝斑は刺激によって悪化することがあるため、老人性色素斑と同じ感覚で強いスポット照射を行うことが適切でない場合があります。
また、すでに炎症後色素沈着がある肌や、非常に薄いシミが多数ある場合も、スポット照射以外の方法を検討することがあります。
例えば、薄いシミではルビーフラクショナル、顔全体の細かなシミ・そばかす・くすみ・色むらではIPLやスプレンダーフェイシャル、肝斑や色素沈着ではOPトーニングやピコトーニングなどを選択する場合があります。
つまり、「シミがある=ピコスポット」ではありません。シミの種類と肌状態を見て、ピコスポットを使うべきかどうかを判断することが重要です。
おすすめコラム:「ルビーフラクショナルは効果ない?〜効きやすいシミ・変化が緩やかなケースの違いを医師が解説〜」
ピコスポットとピコトーニングの違い
名前が似ているため混同されやすいのが、ピコスポットとピコトーニングです。
ピコスポットは、目的のシミに対して比較的高いエネルギーをスポット状に照射する治療です。
一方、ピコトーニングは、顔全体などに低出力で繰り返し照射し、色むらやくすみ、肝斑などに対して徐々にアプローチしていく治療です。
簡単に整理すると、
ピコスポット
→ 「目立つシミを狙う」
ピコトーニング
→ 「広い範囲の色調を少しずつ整える」
という違いがあります。
ただし、実際の治療では「どちらが上」ということではなく、シミの状態によって使い分けることが重要です。
例えば、一人のお顔の中に、濃い老人性色素斑と肝斑が混在していることがあります。
その場合、濃い老人性色素斑にはピコスポットを検討しながら、肝斑についてはOPトーニングやピコトーニングなど別の治療を考えることがあります。
おすすめコラム:「シミ・肝斑・色素沈着はどう治療する?刺激に配慮したOPトーニングという選択肢」
ピコスポットとルビーフラクショナルの違い
ピコスポットとルビーフラクショナルも、シミ治療でよく比較されます。
ピコスポットは、比較的濃く、境界がはっきりしたシミを狙って治療する場合に向いています。
一方、ルビーフラクショナルは、694nmのルビーレーザーを点状に照射し、薄いシミや細かな色素に少しずつアプローチする治療として使用します。そのため、
濃くはっきりしたシミ
→ ピコスポットを検討
薄いシミや細かなシミ
→ ルビーフラクショナルを検討
という使い分けをすることがあります。
実際には「濃い・薄い」だけではなく、シミの種類、深さ、肝斑の有無、PIHリスクなども含めて判断します。
おすすめコラム:「ピコスポット・ルビーフラクショナル・ピコトーニングの違いと効果|C-OPERAで色素沈着予防も」
よくある質問
ピコスポットの治療後はどうなる?
ピコスポット照射後は、照射部位に赤みやヒリヒリ感が出ることがあります。
その後、照射したシミが一時的に濃く見えたり、薄い痂皮のような状態になったりすることがあります。
治療した色素が徐々に排出され、時間とともに色が薄くなっていきますが、経過には個人差があります。
ここで重要なのは、「レーザーを当てた直後に白くなった=治療終了」ではないということです。
シミ治療は、レーザー照射後の炎症が落ち着き、肌の色調が安定するまで経過を見る必要があります。
特に日本人を含むアジア人の肌では、レーザー治療後に炎症後色素沈着(PIH)が起こることがあります。
ピコ秒レーザーは従来のナノ秒レーザーと比較して周囲への熱影響を抑えやすいという報告がありますが、PIHがゼロになるわけではありません。
老人性色素斑に対するピコ秒レーザーの臨床研究でも、治療設定や照射エンドポイントを適切に判断することの重要性が示されています。
そのため、治療後は紫外線や摩擦を避け、必要に応じてスキンケアや外用治療などを行いながら経過を確認します。
おすすめコラム:「〖戻りジミ・炎症後色素沈着〗完全対策ガイド|原因・予防・治療法+肌づくりの重要性まで解説!」
シミ取り後に一度濃くなるのは失敗?
ピコスポット後に、「一度薄くなったのに、また茶色くなってきた」と感じることがあります。
この場合、考えられるものの一つが炎症後色素沈着(PIH)です。
PIHは、レーザーによる炎症に反応して一時的にメラニンが増えることで起こります。
そのため、
シミの取り残し、シミの再発、炎症後色素沈着
は、同じものではありません。
PIHが生じている時期に「シミが残っている」と判断して短期間で強いレーザーを重ねると、かえって炎症を長引かせる可能性があります。
まゆりなclinic名古屋栄では、このような治療後の経過も含めて、
「取る・待つ・守る」
という考え方でシミ治療を行っています。
取るべきシミには適切にレーザーを照射する。
治療後は色素の変化を見ながら待つ。
紫外線や摩擦から肌を守る。
この3つをセットで考えることが重要です。
おすすめコラム:「名古屋でシミ取りを考える方へ|シミ治療は『レーザーを当てるだけ』ではない。“取る・待つ・守る”という治療設計」
ピコスポットは1回でシミが取れる?
老人性色素斑では、1回の治療で大きく薄くなることがあります。
しかし、「ピコスポット=必ず1回で完全に消える」という意味ではありません。
シミの濃さ、深さ、種類、治療歴、肌質などによって反応は異なります。
また、レーザー後にPIHが生じた場合には、シミが残っているように見えることもあります。このため、レーザーを繰り返す必要があるかどうかは、治療直後ではなく、一定期間経過を見たうえで判断することが重要です。短期間で繰り返し照射することが、必ずしもよい結果につながるわけではありません。
今後公開予定の「シミ取りは1回で終わる?治療回数・経過・再照射について」の記事では、この点をさらに詳しく解説します。
ピコスポットのダウンタイム
ピコスポットでは、治療後に次のような症状がみられることがあります。
・赤み
・ヒリヒリ感
・かゆみ
・一時的な色調変化
・紫斑
・炎症後色素沈着(PIH)
症状や期間には個人差があります。当院のピコレーザー治療でも、施術後に一時的な赤み、かゆみ、紫斑、炎症後色素沈着などが生じる可能性をご説明しています。
治療後の過ごし方については、紫外線対策と摩擦を避けることが特に重要です。
おすすめコラム:「シミ取り前の準備と施術後の正しい過ごし方・洗顔ケア|透明感ある素肌を叶えるコツ」
シミ取り前に肌を整えた方がよいこともある
ピコスポットを希望されても、肌状態によってはすぐに照射しない方がよい場合があります。
例えば、肝斑が強く出ている、肌に炎症がある、摩擦が強い、日焼け直後である、過去にPIHが強く出た、といったケースです。
こうした場合には、先にOPトーニング、C-OPERA、内服・外用治療などを行い、肌状態を整えてからスポット照射を検討することがあります。
肝斑を伴う場合には、ニードルRF(シルクロ)などを補助的に検討することもあります。また、水光注射についても、使用する成分や肌状態によっては、シミ取り前後の肌状態を整える治療計画に組み込むことがあります。ただし、水光注射やニードルRFを行えばPIHを必ず防げる、あるいはシミが必ず取れやすくなるという意味ではありません。治療の組み合わせは患者さまごとの肌状態をみて判断します。
ピコスポットだけでなく、シミ全体を見て治療する
シミ治療では、
「ピコスポットがあるからピコスポットをする」のではありません。
例えば、同じ患者さまでも、
濃い老人性色素斑
→ ピコスポット
薄いシミ
→ ルビーフラクショナル
細かなシミ・そばかす・色むら
→ IPLやスプレンダーフェイシャル
肝斑・色素沈着
→ OPトーニングやピコトーニング
といったように、複数の治療を使い分ける場合があります。
まゆりなclinic名古屋栄では、
「機械が先にあるのではなく、患者さまのお肌とシミが先にある」という考え方を大切にしています。
ピコスポットは非常に有用なシミ治療の一つですが、すべてのシミに使用する治療ではありません。
まず何のシミなのかを確認し、そのシミにピコスポットが適している場合に使用することが大切です。
おすすめコラム:「名古屋でシミ取りを考える方へ|シミ治療は『レーザーを当てるだけ』ではない。“取る・待つ・守る”という治療設計」
名古屋でピコスポットによるシミ取りを検討している方へ
名古屋でシミ取りを調べていると、ピコレーザー、ルビーレーザー、IPL、レーザートーニングなど多くの治療が見つかると思います。
「どれが一番いいのか」と迷う方も少なくありません。しかし、重要なのは機械の名前ではなく、自分のシミに合っているかどうかです。
ピコスポットは、特に濃く境界が比較的明瞭な老人性色素斑などで有力な治療選択肢になります。
一方、薄いシミ、肝斑、色むらなどでは別の方法が適している場合があります。
シミを早く取りたいという気持ちは自然ですが、治療前の診断と治療後の経過まで含めて考えることが大切です。
まゆりなclinic名古屋栄では、シミの種類、肌状態、肝斑の有無などを確認したうえで、ピコスポットを含む複数の選択肢から治療方法を検討しています。
まとめ
ピコスポットは、目的の色素斑を狙って照射するピコレーザー治療です。
特に境界が比較的はっきりした老人性色素斑では、有力な選択肢になります。
一方で、肝斑、炎症後色素沈着、非常に薄いシミなどでは、ピコスポット以外の治療を選択した方がよいことがあります。また、治療後には赤みや一時的な色調変化、PIHなどが起こる可能性があるため、
「取る」
「待つ」
「守る」
まで含めて治療を考えることが重要です。
シミ取りで大切なのは、
「一番強いレーザーを選ぶこと」ではなく、「そのシミに適した治療を選ぶこと」です。
【参考文献】
- Mardani G, Nasiri MJ, Namazi N, et al. Treatment of Solar Lentigines: A Systematic Review of Clinical Trials. J Cosmet Dermatol. 2025;24(4). PMID: 40145274. DOI: 10.1111/jocd.70133.
- Phothong W, Wanitphakdeedecha R, et al. A Split-Face, Single-Blinded, Randomized Controlled Comparison of 532 nm Picosecond Nd Laser versus 532 nm Q-Switched Nd Laser in the Treatment of Solar Lentigines. Lasers Med Sci. 2021. PMID: 33911703.
- Negishi K, Akita H, Matsunaga Y. Prospective study of removing solar lentigines in Asians using a novel dual-wavelength and dual-pulse width picosecond laser. Lasers Surg Med. 2018;50(8):851-858. PMID: 29608215. DOI: 10.1002/lsm.22820.
- Wanitphakdeedecha R, et al. Randomized, evaluator-blinded comparative study of a potassium titanyl phosphate 532-nm picosecond laser and an alexandrite 755-nm picosecond laser for the treatment of solar lentigines in Asians. J Cosmet Dermatol. 2022. PMID: 35129875.
- Negishi K, Akita H, Tanaka S, et al. Comparative study of treatment efficacy and the incidence of post-inflammatory hyperpigmentation with different degrees of irradiation using two different Q-switched lasers for removing solar lentigines on Asian skin. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2013;27(3):307-312. PMID: 22181827.
- Treatment of pigmentary disorders using picosecond laser in Asian patients: A meta-analysis and systematic review. Lasers Med Sci. 2021. PMID: 33368885.
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴








