肝斑がなかなか治らないのはなぜ?悪化する原因と治療を見直すポイント|名古屋
- 2026.9.14
目次
肝斑治療を続けているのに、なぜ治らない?

「ピコトーニングを何回も受けているのに、あまり変わらない」「内服や美白剤を使っているけれど、結局また濃くなってきた」「いろいろ試した結果、どの治療も効かなかったように感じる」肝斑治療では、このような相談を受けることがあります。しかし、肝斑がなかなか改善しないときに、「この治療は効かなかったから次」「次も効かなかったからまた別の治療」と一つずつ切り替えていくだけでは、十分な結果につながらないことがあります。
肝斑は、メラニンだけの問題ではなく、紫外線、摩擦、炎症、ホルモン、光老化、血管、基底膜や真皮環境など複数の要素が関係する慢性的な色素異常です。近年の国際コンセンサスでも、肝斑は多因子的で再発しやすく、長期的な治療計画が必要な疾患として整理されています。だからこそ、まゆりなclinic名古屋栄では、肝斑治療を「一つの治療が効くかどうかを順番に試す治療」ではなく、必要なアプローチを組み合わせて治療することが重要だと考えています。
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当院では、肝斑治療を「最初はしっかり、改善したら減らす」と考えています
これは当院での臨床経験に基づく治療方針ですが、肝斑に対して一つの治療を少しずつ試すより、必要な治療を早い段階から組み合わせた方が結果につながりやすいと感じるケースを多く経験しています。
例えば、ピコトーニングだけを数回行い、十分な変化がなければ内服を追加し、それでも変わらなければホームケアを追加する、というように治療を少しずつ足していくと、それぞれの治療効果が十分に出ないまま時間だけが経過し、最終的に「ピコトーニングも効かなかった、内服も効かなかった、外用も効かなかった」と感じてしまうことがあります。
そこで当院では、肝斑の状態や肌質から必要と判断した場合、初期からOPトーニングまたはピコトーニングを中心に、ダブルピコ、C-OPERA、トラネキサム酸、システアミンによるホームケアなどを組み合わせ、必要に応じてニードルRFや水光注射も追加します。
すべての患者さまにすべての治療を行うわけではありませんが、考え方としては「一つずつ様子を見る」というより、改善させるために必要な治療を最初からしっかり組む、いわば総力戦に近い治療です。
そして肝斑が薄くなり、肌状態が安定してきたら、そこからレーザーの頻度を減らし、内服や施術を整理し、ホームケアを中心とした維持治療へ少しずつ移行していきます。
当院では、この「最初にしっかり治療し、改善してから減らしていく」という考え方を大切にしています。
なぜ一つの治療だけでは改善しにくいことがある?
肝斑には複数の要素が関係しています。例えば、トーニングは主に色調へアプローチしますが、肌の乾燥や炎症、真皮環境、日常の紫外線・摩擦まで一つのレーザーだけで解決できるわけではありません。そのため、色にはOPトーニングまたはピコトーニング、肌質や真皮環境にはダブルピコ、肌状態を整える目的ではC-OPERA、体の内側からはトラネキサム酸、毎日の色素ケアにはシステアミンというように、役割の異なる治療を組み合わせることがあります。低出力レーザートーニングについても、単独治療より他治療との併用で良好な結果が得られた研究があります。ただし、どの組み合わせをどのタイミングで行うのが最適かについてはまだ一定の結論があるわけではなく、当院の「初期から複数治療を組み合わせる」という方針は、こうした知見に院内での臨床経験を加えたものです。
当院では一般的なQスイッチレーザートーニングはほとんど使いません
肝斑治療では、1064nmのQスイッチYAGレーザーを低出力で照射する一般的なレーザートーニングが行われることがあります。ただし、まゆりなclinic名古屋栄では、一般的なQスイッチレーザートーニングを肝斑治療の中心として使用することはほとんどありません。
当院で主に使用するのは、OPトーニングまたはピコトーニングです。
OPトーニングはDiscovery PICO VarioPulseのQスイッチモードを使用する当院の治療で、ピコトーニングとは異なります。刺激に配慮したい肌や炎症後色素沈着が混在している場合などではOPトーニングを選び、肌状態や治療目的によってピコトーニングと使い分けています。
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強くするのではなく、治療する方向を増やす
肝斑が薄くならないと、「もっと強いレーザーを当てた方が早く治るのでは?」と思うかもしれません。しかし、肝斑では単純にレーザーの出力を上げることが正解とは限りません。
低出力レーザートーニングでも、累積照射量が増えると低色素斑や色むらなどの副作用が問題になることがあり、過度な照射による炎症で色素沈着を悪化させる可能性も報告されています。そのため当院では、肝斑が治りにくいときに一つのレーザーを強くするより、治療する方向を増やすことを考えます。例えば、OPトーニングまたはピコトーニングで色調へアプローチしながら、ダブルピコで肌質や真皮環境を整え、C-OPERAで肌状態を整え、さらに内服とホームケアを組み合わせるという方法です。
一つ一つを極端に強くするのではなく、異なる方向から同時に治療する。それが当院の考える肝斑治療です。
ダブルピコで「色」と「肌の土台」の両方を見る
ダブルピコは、ピコトーニングとピコフラクショナルを組み合わせた治療です。
当院では、ピコトーニングで肝斑の色調へアプローチしながら、ピコフラクショナルを弱めに照射して、肌質や真皮側の状態も整える目的で使用します。
つまり、ピコトーニングで「色」を整え、ピコフラクショナルで「肌の土台」を整えるという考え方です。ピコフラクショナルは肝斑そのものを直接スポット照射で取る治療ではありません。肝斑だけでなく毛穴、キメの乱れ、光老化などがみられる場合に、肌質や真皮環境を整えながら肝斑治療を後押しする目的で組み合わせます。
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C-OPERAは肝斑治療でも積極的に組み合わせます

当院では、C-OPERAを単なるレーザー後のオプションとは考えていません。C-OPERAは、エレクトロポレーションとソノフォレーシスに加え、クライオ・ヒーティングを組み合わせた治療で、肌状態を整えながら薬剤導入を行います。実際の診療では、トーニングなどとC-OPERAを組み合わせることも多く、C-OPERA単独でも肝斑の色調が改善してくる方を比較的多く経験しています。肝斑治療では、レーザーでメラニンだけを追い続けるのではなく、乾燥・炎症・肌質を含めて肌全体の状態を整えることも重要だと考えています。
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ニードルRFや水光注射まで使うことがあります
肝斑が治りにくい場合には、色素だけでなく肌の状態や真皮環境まで考えて治療します。
当院では、必要に応じてシルクロなどのニードルRFを組み合わせることがあります。ニードルRFは肝斑そのものを直接焼くために使用するのではなく、真皮へ微細な熱刺激を与えながら肌質や皮膚環境を整える補助的な治療として使用します。
また、水光注射では肌状態や治療目的に応じてトラネキサム酸などを含む薬剤を使用し、肌全体のコンディションを整える目的で組み合わせることがあります。
これらも「これだけで肝斑を治す」治療ではありません。OPトーニングやピコトーニング、ダブルピコ、C-OPERA、内服、ホームケアなどと組み合わせる中で、それぞれの役割を持たせます。
内服・ホームケアも最初から重要な治療の一部
肝斑治療では、クリニックでの施術だけを頑張っても、残りの日常生活で紫外線・摩擦・炎症が続いていれば十分な結果につながりにくくなります。当院では、適応があればトラネキサム酸を内服治療として使用し、ホームケアではシステアミンを中心に、シスペラやメラブライト[C+]を使用することが増えています。
ハイドロキノンも必要に応じて使いますが、赤みや刺激が出る方では無理に継続せず、システアミンを選択します。つまり、院内施術だけが「治療」で、スキンケアは補助という考え方ではありません。毎日のホームケアまで含めて肝斑治療です。
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「全部盛り」はずっと続けるわけではありません
初期に複数の治療を組み合わせると聞くと、「ずっとたくさん治療を続けなければいけないの?」と思うかもしれません。当院の考え方は逆です。治療初期は必要な方法をしっかり組み合わせて肝斑を改善させ、色調と肌状態が安定してきたら、そこから少しずつ治療を減らしていきます。例えば、レーザーの頻度を減らす、C-OPERAをメンテナンス中心にする、内服を整理するなど、その時点で本当に必要なものだけを残します。
最終的には、毎日の紫外線・摩擦対策やホームケアを中心に、必要なタイミングだけ院内治療を追加する状態へ持っていくことが理想です。つまり、治療初期はしっかり治療する。改善したら徐々に減らす。これが、当院の肝斑治療の基本的な考え方です。
実際に「どれも効かなかった」と来院される方もいます
実際に当院には、「ピコトーニングをやったけれどダメだった」「内服もしたけれどあまり変わらなかった」「美白剤も使ったけれど結局治らなかった」と相談に来られる方がいます。
ところが診察してみると、それぞれの治療を短期間ずつ単独で行っていたり、肝斑以外の老人性色素斑が混在していたり、ホームケアによる刺激が続いていたりすることがあります。
このような場合、治療を一度整理し、肝斑にはOPトーニングまたはピコトーニング、混在するシミにはスポット治療、肌状態にはダブルピコやC-OPERA、さらに内服やシステアミンによるホームケアを組み合わせることがあります。最初の数回で劇的に変わらなくても、複数の治療を同じ方向へ揃えて根気よく続けることで、数か月後には肌全体の色調がかなり整ってくる方もいます。当院でも、最初は「今まで何をしても変わらなかった」と話されていた方が、治療を続けた結果、「以前よりかなり気にならなくなった」とご満足されるケースを経験しています。

肝斑に対して複数のアプローチを組み合わせて治療した症例。治療方法・回数・効果には個人差があります。
【施術内容】ピコトーニング、ダブルピコ、ピコスポット(シミ取り放題)、C-OPERA(トラネキサム酸、ビタミンC導入)、トラネキサム酸内服半年
【治療回数】5回、6回、1回、7回
【リスク】ピコトーニング、ダブルピコ、ピコスポット:施術中にごく軽度の痛みがあります。施術後にひりひり感がありますが、すぐに落ち着きます。
一時的な赤みや、かゆみ、紫斑、炎症後色素沈着を生じることがあります。
C-OPERA:痛みはほとんどありません。副作用はほとんどありませんが、使用する薬剤によるアレルギーがごくまれにあります。
それでも肝斑が治りにくいときは診断を見直す

どれだけ治療を組み合わせても変化が乏しい場合には、本当に肝斑だけなのかを改めて確認します。肝斑と老人性色素斑、ADM、炎症後色素沈着などが混在していれば、それぞれ治療方法が異なります。特にADMを肝斑と思ってトーニングだけを続けても、十分な変化が出にくいことがあります。「治療が効かない」ときには、治療そのものを強くする前に、診断が合っているかをもう一度確認することも大切です。
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肌への刺激が続いていないかも確認する
複数治療を組み合わせると言っても、肌へ強い刺激を与え続けるという意味ではありません。
洗顔やクレンジングの摩擦、肌に合わない外用剤、過度なピーリングなどによって赤みや乾燥が続いている場合には、むしろ治療を整理する必要があります。
肝斑治療では「手数を増やすこと」と「刺激を増やすこと」は別です。
役割の異なる治療を組み合わせながらも、それぞれの刺激は肌が耐えられる範囲に調整します。
よくある質問
Q.肝斑はいろいろな治療を一気にした方がいいですか?
A.すべての方にすべての治療を行うわけではありません。ただし当院では、必要な治療が複数ある場合、一つずつ長期間試すより、早い段階から組み合わせる方が結果につながりやすいと考えています。これは当院の臨床経験に基づく治療方針です。
Q.ピコトーニングだけではダメですか?
A.ピコトーニングだけで改善する方もいます。ただし、色調だけでなく肌質・真皮環境・ホームケアなど複数の問題がある場合には、他の治療を組み合わせることがあります。
Q.普通のQスイッチレーザートーニングは行っていますか?
A.肝斑治療ではほとんど使用していません。当院では主にOPトーニングまたはピコトーニングを使用します。
Q.治った後も全部の治療を続けますか?
A.いいえ。色調や肌状態が安定してきたら、レーザーや施術の頻度を減らし、内服なども必要に応じて整理しながら、ホームケア中心の維持治療へ移行します。
Q.ダブルピコは何のために行いますか?
A.ピコトーニングで色調へアプローチし、弱めのピコフラクショナルで肌質や真皮環境を整える目的で使用します。
Q.ニードルRFや水光注射も最初から使いますか?
A.肌状態や肝斑の程度によります。必要と判断した場合には早い段階から組み合わせることがあります。
Q.治療をたくさんすると肌に負担になりませんか?
A.単純に強い治療を重ねるわけではありません。刺激を増やさないよう、それぞれの治療強度や頻度を調整しながら複数方向からアプローチします。
まとめ
肝斑は「最初にしっかり治療し、改善してから減らす」
肝斑がなかなか治らないとき、一つの治療が効かなかったから次の治療へ、その次も効かなかったからさらに別の治療へ、と順番に試していくと、最終的に「何をやっても効かなかった」と感じてしまうことがあります。まゆりなclinic名古屋栄では、肝斑は複数の要素が関係するからこそ、必要な治療を早い段階から組み合わせる方が改善につながりやすいと考えています。OPトーニングまたはピコトーニングで色調を整え、ダブルピコで肌の土台へアプローチし、C-OPERAで肌状態を整え、内服とシステアミンによるホームケアを組み合わせる。必要であればニードルRFや水光注射も追加します。そして肝斑が十分に薄くなり、肌状態が安定したら、そこから少しずつ治療を減らしていきます。最初はしっかり治療する。改善したら徐々に減らす。これが、当院が肝斑治療で大切にしている考え方です。
【参考文献】
1.Sarkar R, Desai SR, Sinha S, et al. Delphi consensus on melasma management by international experts and Pigmentary Disorders Society. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2026;40(4):680-692. PMID: 40996222.
2.Lee YS, Lee YJ, Lee JM, et al. The Low-Fluence Q-Switched Nd Laser Treatment for Melasma: A Systematic Review. Medicina. 2022;58(7):936. PMID: 35888655.
3.Efficacy and Safety of Low Fluence Nd Laser Treatment in Melasma: A Meta-Analysis and Systematic Review. Dermatol Surg. 2023. PMID: 36533794.
4.Global consensus on the management of melanin hyperpigmentation disorders. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2026;40(5):760-772. PMID: 41362125.
5.まゆりなclinic名古屋栄「名古屋で肝斑治療を受けるなら?レーザー・内服・外用治療の選び方を医師が解説」
6.まゆりなclinic名古屋栄「OPトーニングとピコトーニングの違い|肝斑・色素沈着ではどう選ぶ?」
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴








