ピコレーザーの機種で効果は違う? PicoWay・PicoSure・Discovery PICO ・enlightenを比較|名古屋
- 2026.9.24
目次
ピコレーザーの機種で効果は違う? PicoWay・PicoSure・Discovery PICO ・enlightenを比較|名古屋
ピコレーザーを調べると、PicoWay、PicoSure、Discovery PICO、enlightenなど多くの機種があり、250ps、370ps、750psなど異なるパルス幅が記載されています。この数字だけを見ると、パルス幅が短い機種ほど性能が高いように感じるかもしれません。しかし、レーザー治療ではパルス幅だけで効果の優劣を判断することはできません。波長、パルスエネルギー、スポットサイズ、ピークパワー、照射方法、病変の性質などを合わせて考える必要があります。ピコレーザー選びで重要なのは、最短何psかではなく、その病変に適したパルス幅や波長を選択できることです。
まゆりなclinic名古屋栄では、Discovery PICO VarioPulseとenlighten SRという異なる特性を持つ2台のピコレーザーを使用しています。Discovery PICO VarioPulseを実際に使用すると、短い側のパルス幅ではPIHが比較的少ない一方、シミそのものの反応が十分でないケースも経験します。そのため当院では、短いパルスを常に選ぶのではなく、シミへの反応とPIHのバランスを見ながら設定を調整しています。
ピコレーザーは機種によって何が違う?
ピコレーザーとは特定の商品名ではなく、ピコ秒領域の短いパルスを使用するレーザーの総称です。代表的な機種にはPicoWay、PicoSure Pro、Discovery PICO PLUS、Discovery PICO VarioPulse、enlighten SRなどがあります。機種によってレーザー光源、使用できる波長、パルス幅、エネルギー、スポットサイズなどが異なるため、同じピコレーザーでも治療特性は同じではありません。
代表的なピコレーザー5機種を比較

PicoSure Proは755nm、500~900psのアレキサンドライトレーザーです。Discovery PICO PLUSでは532nm 370ps、1064nm 450psに加えて694nm Qスイッチルビー30nsを使用できます。現行のVarioPulse仕様では、532nmは370~600ps、1064nmは450~800psの範囲を持ち、Quanta Systemは3種類のピコパルスを選択できるVarioPulse Technologyを公表しています。enlighten SRは532nm・1064nm、750psを使用します。
違い① 波長
レーザーは波長によってメラニンへの吸収や皮膚への到達深度が異なります。PicoWayは複数波長を使用でき、PicoSure Proは755nmアレキサンドライトを中心とする機種です。Discovery PICO PLUS・VarioPulseは532nm・1064nmに加えて694nmルビーを搭載できますが、694nmはピコ秒ではなくQスイッチ30nsです。波長の数だけを見るのではなく、どの波長をどのパルス幅・照射モードで使用できるかまで確認することが重要です。
違い② パルス幅は短いほどよいわけではない
ピコレーザーでは機種によってパルス幅が異なります。しかし、250ps、370ps、750psという数字だけを並べ、短い方が上位と考えるのは適切ではありません。パルス幅を短くすると光音響作用・光機械的作用を利用しやすくなる一方、色素性病変では標的の大きさや状態、使用する波長、フルエンスなどによって必要な条件が変わります。
パルス幅は短くすること自体が目的ではなく、病変を十分に反応させながら周囲へのダメージを抑えるために選択する治療条件の一つです。

老人性色素斑でも最短パルスが必要とは限らない
パルス幅が長めであっても、病変に合った条件であれば高い治療効果が得られることがあります。532nm・750psを使用してアジア人の老人性色素斑43病変を治療した前向き研究では、40病変、93.02%で1回の治療後に75%を超えるクリアランスが得られ、PIHは4.65%でした。別の532nm・750psの研究でも、アジア人20人89病変を対象に良好な改善が報告されています。
この結果からも、パルス幅は短ければ短いほど治療効果が高くなる、と単純には考えられません。波長、フルエンス、スポットサイズ、病変の性質などを含めて評価する必要があります。
Discovery PICO PLUSとVarioPulseの違い
従来のDiscovery PICO PLUSでは、ピコモードとして532nm 370ps、1064nm 450psが設定されています。694nmはQスイッチルビー30nsです。Discovery PICO VarioPulseでは、この考え方がさらに進み、病変に応じて複数のピコパルスを選択できます。FDA資料では532nmが370~600ps、1064nmが450~800psの範囲となっており、Quanta SystemはVarioPulse Technologyとして3種類のピコパルスを公表しています。
VarioPulseのメリットは最短パルスが短いことではなく、パルス幅を治療条件の一つとして選択できることです。
当院で実際に感じるパルス幅の違い
ここからは文献ではなく、当院でDiscovery PICO VarioPulseを実際に使用した臨床経験です。短い側のパルス幅で照射すると、PIHが比較的少なく経過する一方で、老人性色素斑の反応が弱く、色素が十分に抜けないケースを経験します。反対に、パルス幅を長くすることで病変がより明確に反応する場合もありますが、PIHとのバランスを考える必要があります。
目標はパルス幅をできるだけ短くすることではなく、シミを十分に反応させながらPIHをできるだけ抑えることです。
もちろん、この反応はすべての患者さまに共通するものではありません。病変の濃さ、厚み、肌質、照射条件などによって結果は変わります。そのため診察時に病変を評価し、必要に応じて設定を変更します。
なぜ当院ではenlighten SRも使用するのか
Discovery PICO VarioPulseを導入しているのであれば、750psのenlighten SRは必要ないのではないかと思うかもしれません。しかし当院では現在も両方を使用しています。enlighten SRは532nm・1064nmで750psを使用する機種です。750psというパルス幅は、370psなどより数字上は長くなりますが、長いことが性能の低さを意味するわけではありません。前述したように、532nm・750psを使用した老人性色素斑治療でも良好な臨床結果が報告されています。
当院がenlighten SRを残している理由は、Discovery PICO VarioPulseとは異なるパルス特性を治療の選択肢として持っておきたいからです。
当院がピコレーザーを2台使い分ける理由
シミはすべて同じではありません。同じ患者さまの顔でも、濃い老人性色素斑、薄い老人性色素斑、そばかす、肝斑、ADM、PIHなどが混在することがあります。そのため1台の機械をすべての病変に同じように使用するのではなく、病変ごとに治療を変える必要があります。当院ではDiscovery PICO VarioPulseでパルス幅まで含めて設定を調整し、必要に応じてenlighten SRの750psを使用します。さらに、ピコレーザーが適していない場合にはルビーフラクショナルやIPLなども選択します。
機械に患者さまのシミを合わせるのではなく、シミに合わせて機械と設定を選ぶことを重視しています。

薄いシミではルビーフラクショナルを選ぶこともある
高性能なピコレーザーがあっても、すべてのシミをピコレーザーで治療するわけではありません。当院では、薄い老人性色素斑にはルビーフラクショナルを選択することがあります。薄いシミはIPLでは十分に反応しにくいことがあり、ピコスポットで強く反応させるよりも、ルビーフラクショナルを複数回行う方が治療しやすい場合があります。
ピコレーザーの性能が高いことと、すべてのシミにピコレーザーが最適であることは別の問題です。
ピコレーザー以外を選べることも重要
そばかすに赤みや肌質の問題を伴う場合にはIPL、薄い老人性色素斑ではルビーフラクショナル、肝斑ではOPトーニングなどを検討します。ニキビ跡でも、深い線維性癒着がある場合にはサブシジョンなど別の治療が必要です。
そもそもピコレーザー以外を選択できるかという点もクリニック選びでは重要です。
PicoWayの特徴
PicoWayは532nm、730nm、785nm、1064nmなど複数波長を使用できることが特徴のピコレーザーです。波長によってパルス幅も異なります。ここで重要なのは、最短パルス幅の数字だけを見るのではなく、複数波長をどの病変にどう使い分けるかという点です。
PicoSure Proの特徴
PicoSure Proは755nmアレキサンドライトレーザーを使用し、パルス幅は500~900psです。532nm・1064nmを中心とするNd:YAG系のピコレーザーとは波長そのものが異なるため、単純なパルス幅比較には向きません。機種の特徴は、755nmという波長と照射システムを含めて考える必要があります。
Discovery PICO PLUSの特徴
Discovery PICO PLUSでは532nm 370ps、1064nm 450psのピコ秒レーザーに加え、694nm Qスイッチルビー30nsを使用できます。694nmまでピコ秒というわけではありませんが、異なる波長・照射モードを1台に搭載していることが特徴です。
Discovery PICO VarioPulseの特徴
Discovery PICO VarioPulseでは、ピコ秒モードのパルス幅に選択肢が加わっています。FDA資料では532nmが370~600ps、1064nmが450~800psの範囲です。当院では最短値を選び続けるのではなく、シミの反応を見ながら設定を調整するためにVarioPulseを使用しています。
enlighten SRの特徴
enlighten SRは532nm・1064nm、750psを使用します。当院では750psを古い設定とは考えておらず、Discovery PICO VarioPulseとは異なるパルス特性を持つ治療選択肢として使用しています。
結局どのピコレーザーがよいのか
ピコレーザーは、最短パルス幅の数字で順位を付けることはできません。波長、パルス幅、フルエンス、スポットサイズ、病変の種類などの組み合わせによって治療特性が変わるためです。当院ではDiscovery PICO VarioPulseとenlighten SRを使い分けていますが、これはどちらか一方が優れているからではありません。
異なるパルス特性を持つ機種を用意し、そのシミに適した条件を選択できることに意味があると考えています。
さらに、必要であればルビーフラクショナルやIPLなどへ変更します。ピコレーザーの中だけで治療を考えないことも重要です。
ピコレーザーのクリニック選びで確認したいポイント
- 具体的な機種名
- 使用できる波長
- パルス幅と、変更できる機種か
- ピコスポット・ピコトーニング・ピコフラクショナルを使い分けているか
- ピコフラクショナルがノンアブレーショナルかアブレーショナルか
- ピコレーザー以外の治療も選択できるか
最新・最短という言葉だけでなく、その機械の特性を理解し、病変によって設定や治療機器を変えているかを確認することをおすすめします。
まとめ
ピコレーザーは機種によって波長、パルス幅、出力、照射方法が異なります。しかし、最短パルス幅の数字だけで性能やシミへの効果を比較することはできません。
パルス幅は短ければ短いほどよいのではなく、その病変に適した長さを選ぶことが重要です。
まゆりなclinic名古屋栄では、パルス幅を調整できるDiscovery PICO VarioPulseと、750psという異なる特性を持つenlighten SRを使い分けています。さらに、薄いシミにはルビーフラクショナル、赤みや肌質改善まで必要な場合にはIPLなども検討します。1台のレーザーや1つのパルス幅ですべてを治療するのではなく、診断した病変に合わせて波長、パルス幅、レーザー機器を選択することが、当院のシミ治療の基本的な考え方です。

Q&A
文責
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤 成貴
参考文献・資料
- Candela Medical. PicoWay System Specifications.
- Cynosure Lutronic. PicoSure Pro Product Information.
- Quanta System. Discovery PICO Series.
- Discovery PICO / Discovery PICO PLUS Technical Specifications.
- S. FDA. 510(k) Summary K240983.
- Cutera / Celera. enlighten SR Product Information.
- Negishi K, et al. Prospective study of removing solar lentigines in Asians using a novel dual-wavelength and dual-pulse width picosecond laser. Lasers Surg Med. 2018.
- Chan JC, et al. A prospective study in the treatment of lentigines in Asian skin using 532 nm picosecond Nd:YAG laser. Lasers Surg Med. 2019.
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
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