脂漏性角化症を取った後はどうなる?赤み・PIH・跡・再発とアフターケアを解説|名古屋
- 2026.9.17
脂漏性角化症をレーザーで除去した後は、すぐに元の肌色へ戻るわけではありません。CO2レーザーでは一時的にびらんやかさぶたができ、ピコスポットでも赤みや痂皮、場合によっては水疱などが生じることがあります。その後、赤みやPIH(炎症後色素沈着)を経ながら徐々に肌色が整っていきます。治療後の基本は、治療直後の皮膚を適切に保護すること、乾燥させすぎないこと、紫外線と摩擦を避けることです。また、CO2レーザーとピコスポットでは皮膚への作用が異なるため、治療後の経過も少し異なります。
目次
脂漏性角化症治療後の基本的な経過

脂漏性角化症のレーザー治療後には、主に以下の変化がみられます。
・赤み
・腫れ
・びらん
・かさぶた
・一時的な色素沈着
・一時的な色素脱失
・まれに瘢痕
・病変の残存や再発
2025年の脂漏性角化症レーザー治療に関するレビューでは、レーザー治療後の有害事象は多くが軽度かつ一過性で、紅斑、浮腫、炎症後の色調変化などが主に報告されています。
CO2レーザー後は「小さな傷」として治す
CO2レーザーは10,600nmのレーザーで病変組織を蒸散するため、治療直後は皮膚表面に小さな創傷ができます。
治療後は、
・赤み
・滲出液
・びらん
・痂皮形成
などを経て、上皮化していきます。この時期は「できるだけ乾燥させれば早く治る」というわけではありません。皮膚が再生するまで適切に保護し、医師の指示に従って軟膏などで乾燥を防ぐことが重要です。
ピコスポット後はどうなる?
ピコスポットはCO2レーザーのように病変全体を蒸散する治療ではありませんが、高いエネルギーを色素へ照射するため、治療直後には白色変化、赤み、軽い腫れ、かさぶたなどがみられることがあります。
厚みのある脂漏性角化症を強めの条件で治療した場合には、水疱やしっかりした痂皮を形成することもあります。
したがって、「ピコスポットだからアフターケアが不要」というわけではありません。治療後の皮膚反応に合わせて保護します。
治療直後は保湿・創傷保護が重要
治療後の皮膚はバリア機能が低下しています。特にCO2レーザー後は皮膚表面が欠損しているため、上皮化するまでは創部を保護することが重要です。
治療内容によって、
・軟膏による保護
・被覆材
・保湿
などを行います。
レーザー後の創傷管理では、適切な軟膏による保護と炎症を長引かせないことが重要とされています。
かさぶたは無理に剥がさない
レーザー後にできた痂皮を爪で剥がしたり、洗顔やタオルで強く擦ったりすると、新しく形成されている表皮まで傷つける可能性があります。
炎症が長引けば、PIHや瘢痕のリスクにもつながります。
洗顔時も治療部位を強く擦らず、自然に痂皮が脱落するまで刺激をできるだけ避けます。
治療後は「保湿+紫外線対策」が基本
上皮化した後のケアでは、保湿と紫外線対策が非常に重要です。
レーザー治療後の皮膚は一時的に刺激を受けやすく、紫外線曝露によって炎症や色素沈着が長引く可能性があります。2025年のレビューでも、レーザー治療後の広域スペクトラム日焼け止めの早期使用は、皮膚回復や炎症の軽減に重要であると報告されています。
ただし、創傷がまだ開いている時期に何を塗るかは治療法によって異なるため、日焼け止めを含め、治療直後は医師の指示に従います。
日焼け止めだけでなく物理的な遮光も有効
紫外線対策は日焼け止めだけではありません。
・帽子
・日傘
・マスク
・直射日光を長時間避ける
などの物理的遮光も有効です。

特に治療直後から数週間〜数か月は、治療部位へ強い紫外線が当たり続けないようにすることが重要です。
摩擦を避ける
紫外線と並んで重要なのが摩擦です。
治療部位を繰り返し擦ると、炎症が持続しPIHが長引く原因になることがあります。
特に顔では、
・タオルでゴシゴシ拭く
・スクラブ洗顔
・強いマッサージ
・ピーリング製品を自己判断で再開する
・痂皮を触る
などを避けます。
皮膚が落ち着くまでは「何かを足す」よりも、刺激を減らすことが重要です。
PIHはなぜ起こる?
PIHは、レーザー照射によって起きた炎症をきっかけにメラノサイトが活性化し、メラニン産生が増えることで生じます。
特にアジア人を含む色素沈着を起こしやすい肌では、レーザー後に一時的な茶色い色素沈着が出ることがあります。
脂漏性角化症レーザー治療のレビューでも、post-inflammatory dyschromiaは代表的な一過性有害事象の一つとして報告されています。
PIHが出ても「脂漏性角化症が残った」とは限らない
治療後に茶色く見えると、「取れていない」「再発した」と感じることがあります。
しかし、治療後の茶色には、
・PIH
・病変の残存
・痂皮
・新しい色素沈着
など複数の可能性があります。
そのため、治療直後の色だけで脂漏性角化症が残ったと判断することはできません。
時間を置いて経過を見ることが重要です。
PIHが出たら治療することもできる
PIHは自然に薄くなることもありますが、長引く場合や色が濃い場合には積極的に治療することがあります。
当院では肌状態に応じて、
・OPトーニング
・ピコトーニング
・C-OPERA
・トラネキサム酸
・システアミン
・メラブライト
などを組み合わせることがあります。
重要なのは、炎症がまだ強い時期に強い治療を重ねるのではなく、皮膚が落ち着いた段階でPIHの状態を評価することです。
PIH予防は日焼け止めだけではない
近年のsystematic review・network meta-analysisでは、レーザー後PIHの予防について、日焼け止めだけでなく、トラネキサム酸、短期間の外用ステロイド、冷却など複数の方法が検討されています。
ただし、すべての脂漏性角化症レーザー治療後にこれらを一律に使用するわけではありません。
治療の深さ、炎症、肌質、PIH既往などに応じて必要なケアを選びます。
冷却は必要?
治療直後に熱感や赤みが強い場合には、短時間の適度な冷却を行うことがあります。
冷却は炎症を抑える目的で使用されますが、長時間強く冷やし続ければよいわけではありません。皮膚状態に合わせて行います。
化粧品・レチノール・ピーリングはいつ再開する?
治療直後は皮膚バリアが不安定なため、刺激の強いスキンケア製品は一時的に中止します。
特に、
・レチノール
・AHA/BHA
・スクラブ
・高濃度ビタミンCなど刺激を感じる製品
は、赤みやびらんが残っている時期には避けます。再開時期は治療の深さや治癒状態によって異なるため、皮膚が十分に落ち着いてから再開します。
入浴・運動・サウナは?
治療直後に強い赤みや熱感がある場合、長時間の入浴、サウナ、激しい運動など体温を大きく上げる行為によって赤みが増すことがあります。
特に治療当日〜直後は、皮膚状態を見ながら控えめにします。
感染には注意する
レーザー治療後の感染は多くはありませんが、CO2レーザー後など皮膚表面に創傷がある場合には感染が起こる可能性があります。
通常の赤みとは異なり、
・痛みがどんどん強くなる
・腫れが増える
・膿が出る
・熱を持つ
・赤みが周囲へ拡大する
などがみられる場合には早めに診察を受けます。
傷跡は残る?
適切に治療すれば、脂漏性角化症レーザー治療後に強い瘢痕が残ることは多くありません。
ただし、
・非常に深く削った
・強い炎症が長引いた
・感染した
・痂皮を繰り返し剥がした
などの場合には瘢痕や色素脱失が起こる可能性があります。
脂漏性角化症治療全般でも、まれに瘢痕や色素脱失が生じることが報告されています。
白くなることもある?
レーザー後にはPIHだけでなく、一時的あるいはまれに持続する色素脱失が生じることがあります。
特に病変を深く治療した場合や、もともとの病変自体が濃い場合には、周囲の肌との色差が一時的に目立つことがあります。
そのため「茶色くならないこと」だけが治療後のゴールではなく、周囲の肌との色調まで含めて経過を見ます。
脂漏性角化症は再発する?
適切に病変を除去できれば、その病変自体はなくなります。
ただし、
・一部が残存して再び厚みが目立つ
・近くに新しい脂漏性角化症ができる
・別の病変が年齢とともに増える
ことがあります。
2025年のscoping reviewでは、レーザー治療後12か月以内の再発率は0〜6%と報告されていますが、治療方法や観察期間が異なるため、一律に適用できる数字ではありません。
「再発」と「新しくできた病変」は違う
脂漏性角化症は年齢とともに新しい病変が増えやすいため、「以前レーザーをした場所の近くにまたできた」というだけでは再発とは限りません。
同じ病変の一部が残っているのか、新しい脂漏性角化症ができたのかを診察で判断します。
治療後の経過を診てもらうことも大切
脂漏性角化症の治療は「レーザーを照射して終わり」ではありません。
治療後に、
・病変が十分に取れているか
・PIHなのか残存病変なのか
・追加照射が必要か
・CO2とピコを切り替える必要があるか
を評価します。
特に多数の脂漏性角化症を治療した場合には、経過を見ながら段階的に仕上げていくことがあります。
よくある質問(Q&A)
まとめ|治療後は「保護・保湿・遮光・摩擦回避」が基本
脂漏性角化症を取った後のアフターケアで特に重要なのは、治療直後の創傷を適切に保護し、乾燥や摩擦を避け、その後しっかり紫外線対策を行うことです。
CO2レーザー後は皮膚表面に創傷ができるため、上皮化するまでは創部管理が重要です。ピコスポットでも、赤み、痂皮、水疱、PIHなどが起こる可能性があるため、治療後のケアは必要です。
また、治療後に茶色く見えても、必ずしも脂漏性角化症が残ったり再発したりしたわけではありません。PIHとの鑑別が必要です。
当院では、脂漏性角化症を除去することだけでなく、治療後の赤み、PIH、残存病変まで経過を確認し、必要に応じて追加治療やPIH治療を行います。
【文責】まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤 成貴
【参考文献】
- Stirrat T, et al. Advances in Laser Treatments for Seborrheic Keratosis: A Scoping Review of Efficacy, Safety, and Patient Outcomes. Dermatol Surg. Epub 2025 Sep 12.
- Interventions to Prevent Postinflammatory Hyperpigmentation After Laser and Energy-Based Device Treatments: A Systematic Review and Network Meta-Analysis. Lasers Surg Med. 2026.
- Prophylaxis of Post-Inflammatory Hyperpigmentation From Energy-Based Device Treatments: A Review. J Cutan Med Surg. 2021.
- Importance of Using Sunscreen After Light or Laser Facial Treatment: A Literature Review. Life. 2025.
- Wollina U. Recent advances in managing and understanding seborrheic keratosis. F1000Res. 2019.
- Update of pathophysiology and treatment options of seborrheic keratosis. Dermatol Ther. 2022.
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。








