眉アートメイク除去はピコレーザーがいい?赤・オレンジ・黄色への変色と波長の使い分け|名古屋
- 2025.8.15

「眉アートメイクを消したい」「デザインを変えたい」「レーザーをしたら赤やオレンジになった」「何回治療しても色が残っている」。アートメイク除去では、このような相談が少なくありません。
アートメイク除去というと「ピコレーザーを当てれば消える」と思われがちですが、実際の治療はもう少し複雑です。眉の色素は黒・グレー・茶色だけで構成されているとは限らず、赤・オレンジ・黄色・白など複数の顔料が組み合わされていることがあります。そのため、濃い色が取れた後に今まで見えていなかった別の色が表面化することがあります。
当院がアートメイク除去で特に大切にしているのは、今見えている色だけを見るのではなく、治療を始める前の状態を基準にして、その後どの色が減り、どの色が出てきたのかを追っていくことです。
アートメイク除去は「同じレーザーを何回当てたか」ではなく、最初から現在までの色の変化を見ながら、次にどの波長を使うかを考える治療です。
目次
アートメイク除去はピコレーザーだけが選択肢ではない
アートメイク除去には、従来からQスイッチNd(ヤグ)レーザーも使用されてきました。実際、赤茶色の眉アートメイクをQスイッチ1064nm Nd(ヤグ)レーザーで治療し、5回で消失した症例報告があります。
そのため、「Qスイッチではアートメイクは取れない」「ピコレーザーでなければ治療できない」というわけではありません。
一方、ピコレーザーはナノ秒のQスイッチレーザーよりさらに短いピコ秒でレーザーを照射でき、タトゥー色素をより細かく破砕できる可能性があります。ピコレーザーに関する系統的レビューでも、タトゥー除去に対する有効性が報告されていますが、研究の多くは比較的小規模で、「すべての色・すべての症例でピコが絶対に優れている」とまでは言えません。
当院では、顔という非常に目立つ部位をできるだけ繊細に治療するため、眉アートメイク除去にピコレーザーを使用しています。施術は医師が行います。
アートメイク除去で一番大切なのは「最初の色」を覚えておくこと
アートメイク除去では、治療を始める前の状態が非常に重要です。
例えば最初は「濃い茶色」に見えていた眉でも、レーザー治療によって黒系の色素が減ると、次に赤やオレンジが目立つことがあります。その赤を治療すると、さらに黄色が出てくることもあります。
途中の状態だけを見ると、
「オレンジになって悪化した」
「黄色になってしまった」
と感じるかもしれません。
しかし、これは必ずしも治療に失敗したという意味ではありません。
2023年に報告された顔面の美容タトゥー33例の研究では、1064nmピコレーザーによる初回治療後、30%に予想外の色調変化が認められました。特にオレンジ色が表面化する現象がみられ、その後532nmピコレーザーで治療できたと報告されています。
つまり、アートメイク除去では、色が変わったという一時点だけを見るのではなく、最初の色からどの成分が減り、次に何色が表面化したのかを見る必要があります。
当院では、この「治療前からの変化」を重視します。
黒・グレー・濃い茶色は1064nmを中心に治療
黒・グレー・濃い茶色など暗い色素では、1064nmが代表的な選択肢になります。
眉アートメイクに対して1064nm・532nmのピコ秒Nd(ヤグ)レーザーを使用し、良好な除去結果が得られた報告があります。
ただし、ここで重要なのは「1064nmを何回繰り返すか」だけではありません。
濃い色素が減った後、赤・オレンジ・黄色など別の色が見えてきた場合には、同じ1064nmを繰り返すよりも、現在の色に合わせて波長を変更する必要があります。
黒やグレーが取れた後に赤・オレンジになることがある
眉アートメイクは、自然なブラウンを作るために複数の顔料を混ぜていることがあります。
そのため、黒や暗い色の成分がレーザーで減少すると、それまで隠れていた赤やオレンジの色素が目立ってくることがあります。
これは「レーザーで赤色を作ってしまった」とは限りません。もともと混ざっていた赤・オレンジ系の色素が、暗い色素が減ったことで見えるようになった可能性があります。
2025年に報告された眉アートメイクの症例集積でも、レーザー照射後に赤・オレンジレッド・黄色へ色調が変化した症例が報告されています。この色調変化はピコ秒1064nmだけでなく、ピコ秒755nmやQスイッチ1064nmの後にも起こっていました。したがって、「ピコレーザーなら変色しない」というわけでもありません。
赤・オレンジになったら532nmを検討する
赤・オレンジ系の色素が目立つようになった場合には、532nmが重要な選択肢になります。
2023年の33例の報告では、1064nmピコレーザー治療後に表面化したオレンジ色を532nmピコレーザーで治療できたと報告されています。
また2025年の眉アートメイク10例の報告でも、赤・オレンジ・黄色への色調変化に対して532nmピコレーザーなどを使用し、治療を行った6例で有意な改善がみられました。そのため当院でも
現在見えている色を確認し、黒・グレー系と赤・オレンジ系で波長を使い分けることを重視します。
赤・オレンジを取った後に黄色になることもある
さらに知っておきたいのが「黄色」です。
黒・茶色が薄くなって赤・オレンジが表面化し、その赤・オレンジを治療すると、今度は黄色が目立つことがあります。
2025年の症例集積では、532nmピコレーザーによる治療後、3例で眉アートメイクが黄色へ変化しました。
これも必ずしも「悪化」ではありません。
複数色で構成されているアートメイクを順番に薄くしていく途中で、最後まで残った色が見えてきたと考えられる場合があります。
ここでも、最初の状態を知っていることが重要になります。
「前回より黄色くなった」という一点だけで判断するのではなく、
どの色が先に減ったか
その後どの色が表面化したか
現在残っている色は何か
という経過全体を見て、次の治療を決めます。
黄色にも532nmピコレーザーが使える
黄色はレーザータトゥー除去の中でも治療しにくい色の一つとされてきました。
しかし、532nmピコレーザーによって黄色インクを治療した6例のケースシリーズでは、1例は1回で消失し、残る5例も2~4回で75%を超える除去が得られました。小規模な症例集積であるため過度な一般化はできませんが、黄色に対しても532nmピコレーザーが治療選択肢になることを示しています。
さらに2025年には、黄色く残った眉のマイクロブレーディングを532nmピコレーザーで治療した症例も報告されています。
したがって、
というように、その時点で残っている色に合わせて波長を変えていくことが重要です。
「変色」と「逆説的黒化」は同じではない
アートメイク除去で混同されやすいのが、赤・オレンジ・黄色への色調変化と「逆説的黒化」です。
黒や茶色が薄くなった後に赤・オレンジ・黄色が表面化する現象は、もともと混ざっていた色素が見えるようになった可能性があります。
一方、逆説的黒化は、白・肌色・ピンク・赤系など一部の顔料へレーザーを照射した際、化学的変化などによって灰色~黒色へ暗く変化する現象です。
過去にはQスイッチルビー694nm、QスイッチNd(ヤグ)532nm・1064nmなどで逆説的黒化が報告されています。
また、ピコレーザーでも逆説的黒化が完全になくなるわけではありません。532nm・1064nmのピコ秒レーザーとナノ秒レーザーを比較した研究でも逆説的黒化は認められています。
逆説的黒化しても治療できないとは限らない
レーザー後に黒くなったからといって、必ずしもそれ以上治療できないわけではありません。
黒化した後は「元の赤や肌色」としてではなく、現在の黒~灰色の色素として改めて評価することが重要です。
逆説的黒化した赤色タトゥーを532nm・1064nmピコ秒レーザーで治療し、改善した2例が報告されています。
また、赤茶色の眉アートメイクがQスイッチ治療後にやや黒くなったものの、その後1064nmで治療を継続し最終的に消失した症例もあります。
したがって重要なのは、変色したら同じ設定をそのまま繰り返すのではなく、「今何色になったのか」を基準に治療を組み直すことです。
アートメイク除去は「毎回同じ治療」ではない
アートメイク除去を数回受けてもなかなか消えない場合、
「もう1回同じレーザーを当てましょう」
だけでは十分ではないことがあります。
例えば、
↓
1064nmで暗い色素が減る
↓
赤・オレンジが表面化
↓
532nmへ変更
↓
黄色が残る
↓
残った黄色の反応を確認しながら532nmを検討
というように、治療途中で狙う色素が変わっていくことがあります。
アートメイク除去では、レーザーを何回当てたかよりも、「その治療によって何色が減り、次に何色が残ったか」を確認することが大切です。
当院が「最初の状態からの変化」を大切にする理由
当院では、アートメイク除去を単に「レーザーを照射する施術」とは考えていません。
眉という顔の印象を大きく左右する部位だからこそ、
どの程度濃かったか
どの部分が強く残っていたか
治療後にどの色が減ったか
赤・オレンジ・黄色など新しい色が表面化していないか
前回と比べて次に狙うべき色は何か
を一回ごとに見ながら治療します。
初回の状態を知らずに途中の色だけを見ると、「赤くなった」「黄色くなった」という変化だけに目が向いてしまいます。
しかし、最初の状態を基準として比較すると、その変色が治療途中の色素の表面化なのか、逆説的黒化なのか、あるいは同じ色が残っているだけなのかを考えやすくなります。
これが、当院がアートメイク除去で経過を重視する理由です。
アートメイク除去は料金だけで選ばない方がよいと考える理由
アートメイク除去は、単純に「眉にレーザーを1回照射する」という施術ではありません。
特に顔のアートメイクでは、治療途中で色が変わることがあります。そのたびに現在の色を確認し、次に1064nmを使うのか、532nmへ変更するのか、さらに治療を続けるべきなのかを判断する必要があります。
まゆりなclinic名古屋栄では、眉アートメイク除去を医師が行っています。現在の施術ページでも、顔のアートメイク除去は繊細な治療であるため医師がピコレーザーで施術すると案内しています。
私たちが重視しているのは、1回あたりのレーザー照射を安く行うことではなく、初回の状態から現在までの変化を見ながら、その時点で必要な治療を考えることです。
アートメイクを消すと決めたのであれば、ただ薄くするだけではなく、できるだけ最後まできれいに薄くしたい。そのためには、機械の名前だけでなく、経過を見て波長を変えられること、変色した場合にも次の治療を考えられること、そして最初から最後まで一連の変化を評価できることが重要だと考えています。
アートメイク除去のクリニックを選ぶときに確認したいこと
アートメイク除去を受けるクリニックを選ぶ際には、「ピコレーザーがありますか?」だけで決めるのではなく、次のような点も確認するとよいでしょう。
アートメイク除去では「どの機械を持っているか」だけでなく、「治療途中の色の変化をどう判断し、次の一手をどう決めるか」が重要です。
アートメイク除去は何回必要?
アートメイク除去に必要な回数は、色、濃さ、顔料の種類、深さ、施術回数、リタッチ歴などによって大きく異なります。
2023年に報告された顔面の美容タトゥー33例の研究では、満足できる結果までの平均治療回数は3回でした。ただし、その内容を見ると、66%は「76~100%除去」、34%は「51~75%除去」と評価されており、平均3回で完全に消えたという意味ではありません。 3回程度でも治療前と比べてかなり薄くなることはありますが、まだ色素が残っている段階の症例も含まれています。
当院でも、数回の治療で最初の濃さからかなり薄くなるケースは多くあります。一方で、しっかり消すことを目指す場合には、濃さや色素の入り方にもよりますが5回程度を一つの目安として考えることが多いです。
アートメイクは、最初に見えている黒・グレー・濃い茶色だけを取れば終了とは限りません。暗い色素が減ったあとに赤・オレンジが表面化し、さらに治療すると黄色が残ることもあります。
例えば、
↓
1064nmを中心に治療
↓
赤・オレンジが表面化
↓
532nmへ変更
↓
黄色が残ることがある
↓
残っている色を確認しながら追加治療
というように、治療を進めるにつれて狙う色素そのものが変わることがあります。
そのため、「3回やったから終了」「5回やれば必ず消える」という治療ではありません。
当院では、最初の状態と比較しながら、1回ごとにどの色がどれだけ減ったのか、次にどの色を狙う必要があるのかを確認して治療を進めます。
数回でも最初よりかなり薄くなることはありますが、しっかりと消すことを目指す場合には、色の変化を追いながら5回程度を目安に治療を重ねることがあります。 色素の種類や入り方によっては、それ以上の回数が必要になる場合もあります。
他院でレーザー後に赤・オレンジ・黄色になっていても相談できる?
治療可能な場合があります。
他院で1064nmを照射した後に赤・オレンジになった、赤・オレンジを治療したあとに黄色が残った、レーザー後に黒っぽく変色したなどの場合でも、現在残っている色を確認して次の治療方法を検討します。
アートメイク除去では、3回、4回と治療して治療前よりかなり薄くなっていても、まだ色素が残っていることは珍しくありません。また、黒や濃い茶色が減ったことで、それまで目立たなかった赤・オレンジ・黄色など別の色が表面化していることもあります。
そのため、重要なのは「他院で何回レーザーを受けたか」だけではありません。
最初はどのような色だったのか、どの治療のあとに何色へ変化したのか、現在は何色が残っているのか。
この経過を確認することで、現在残っているのが黒・グレー系なのか、赤・オレンジ系なのか、黄色なのか、あるいは逆説的黒化なのかを考えやすくなります。
現在の色調とこれまでの変化を確認したうえで、1064nmを続けるのか、532nmへ変更するのかなど、次の治療を組み立てます。
アートメイク除去では、治療回数だけを見るのではなく、最初の状態から現在まで「どの色が減り、何色が残っているのか」を追うことが重要です。
他院でレーザー後に赤・オレンジ・黄色になっていても相談できる?
当院では眉アートメイク除去を医師がピコレーザーで行い、現在の色調と治療経過を見ながら治療します。
特に重視しているのは、
↓
1回ごとの色の変化を見る
↓
現在残っている色を判断する
↓
1064nm・532nmなどを使い分ける
↓
赤・オレンジ・黄色、黒化などが起きた場合も治療を再設計する
という流れです。「まだ残っているから、前回と同じレーザーをもう一度」ではなく、
「最初と比べて何が取れ、今何が残っているのか。その色を次はどう取るのか」
を考えながら治療します。
当院のアートメイク除去について、料金・治療間隔・リスク・施術の流れなどはこちらをご確認ください。
まとめ|眉アートメイク除去は「色の経過を見る治療」
アートメイク除去では、ピコレーザーは非常に有用な治療です。しかし、「ピコレーザーを何回当てれば消える」という単純な治療ではありません。
数回の治療でも、治療前の濃さと比べるとかなり薄くなることはあります。2023年に報告された顔面美容タトゥー33例の研究では、満足できる結果までの平均治療回数は3回でしたが、全例が3回で完全に消えたという意味ではなく、51~75%程度の除去にとどまる症例も含まれていました。
当院では、ある程度薄くするだけでなく、しっかり消すことを目指す場合には、濃さや色素の入り方にもよりますが5回程度を一つの目安として考えています。ただし、必要回数には個人差があり、色素の種類やリタッチ歴などによってさらに治療が必要になることもあります。また、アートメイクは最初に見えている色だけを取れば終了とは限りません。黒・グレー・濃い茶色が減ると赤やオレンジが表面化し、さらに治療すると黄色が残ることがあります。一方、顔料によっては逆説的黒化が起こることもあります。
そのため、
というように、その時点で残っている色に合わせて治療方法を変更することが重要です。
そして何より大切なのは、途中の一場面だけを見るのではなく、治療開始時から現在までの色の変化を追うことです。3回治療してかなり薄くなっていたとしても、「まだ何色が残っているのか」「最初と比べてどの色が取れたのか」を確認することで、次に1064nmを使うのか、532nmへ変更するのかを判断しやすくなります。
アートメイク除去で当院が目指しているのは、単にレーザーを照射することではありません。
最初の状態を記録し、1回ごとの変化を追い、その時点で残っている色を見極めながら、できるだけ最後まできれいに薄くしていくこと。それが、まゆりなclinic名古屋栄の眉アートメイク除去に対する考え方です。
Q&A
【文責】
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤 成貴
【参考文献】
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9. Reiter O, et al. Picosecond lasers for tattoo removal: a systematic review. Lasers Med Sci. 2016.
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。











