ピコレーザー後にシミが濃くなった?PIH・残存・再発の見分け方|名古屋
- 2026.9.24
ピコレーザーでシミ取りをした後に、また茶色くなってきた、シミが残っている、以前より濃く見えるという相談があります。このとき考えるのは、主にPIH(炎症後色素沈着)、シミの残存、再発です。この3つは治療方法が異なるため、見分けることが非常に重要です。特にPIHを残ったシミや再発と判断してスポット照射を追加すると、さらに炎症が加わり、色素沈着が長引く可能性があります。基本的には、残存や再発は元のシミに近い形で境界が比較的明瞭に見えやすく、PIHは治療範囲にぼんやりと広がり、境界が不明瞭に見えることが多いです。ただし、見た目だけで100%判断できるわけではありません。当院では治療前後の写真や経過、必要に応じて肌診断器の画像も確認しながら総合的に判断します。

目次
レーザー後に濃く見える=シミが再発したとは限らない
レーザー治療後に茶色い色が見えると、患者さまからシミが戻ったのではないかと質問されることがあります。しかし、実際にはPIHであるケースも少なくありません。シミ取り後の経過では、施術直後~数日はシミが濃く見えたり痂皮ができたりし、数週間~1、2か月ではPIHが目立つことがあります。その後PIHが徐々に薄くなり、一度改善した後に同じ場所へ色素が出てくれば再発を考えます。
レーザー後に茶色く見えるという一点だけでは、残存・再発・PIHを判断できません。いつから、どのような形で色が出てきたかが重要です。
PIH・残存・再発の違い

実際にはPIHと残存が同時に存在することもあります。そのため、現在の見た目だけでなく、治療前のシミがどのような形だったかまで確認することが重要です。
PIHは境界が不明瞭になりやすい
レーザー後のPIHは、治療による炎症をきっかけにメラニンが増えた状態です。特徴としては、元のシミそのものの輪郭よりも少し広く、治療した範囲にぼんやり茶色く見えることがあります。境界も老人性色素斑ほどはっきりしないことが多いです。例えば、もともと丸い老人性色素斑があった場所にレーザーを照射し、その後、周囲を含めて淡い茶色がぼんやり広がってきた場合はPIHを考えます。元のシミと同じ形が戻ってきたというより、照射した場所全体がもやっと茶色くなった場合はPIHの可能性を考えます。
残存は元のシミの形が残っていることが多い
残存とは、レーザーを照射したものの、元の色素が完全には除去されず一部残っている状態です。典型的には、治療前にあったシミと似た形、似た位置に色素が残ります。PIHのように周囲へぼんやり広がるというより、元の病変の形を保ちながら境界が比較的明瞭に見えることが多いです。例えば、丸い老人性色素斑の中心だけ薄くなり、外側の一部がそのまま残っている場合などは残存を考えやすくなります。ただし、残存部分の周囲にPIHが重なることもあるため、見た目だけでは判断しにくくなるケースがあります。
再発は一度改善した後に同じ場所へ出てくる
再発・再色素化は、一度シミがかなり薄くなった、あるいは見えなくなった後に、元の場所に再び色素が目立ってくる状態です。再発では、元の老人性色素斑に近い位置や形で色が出てくるため、残存と同様に境界が比較的分かりやすいことがあります。残存との違いは経過です。最初から色が残っているなら残存、一度かなり改善した後に再び出てきたなら再発を考えます。この区別をするためにも、治療直後だけでなく数か月後まで経過を確認することが重要です。
ビフォー・アフターの写真を見ると分かりやすい
PIH、残存、再発を判断するときに非常に役立つのが、治療前後の写真です。現在のシミだけを見ても、元々どのような形だったのか分からなければ、残存なのかPIHなのか判断が難しいことがあります。治療前の写真と現在の写真を比較すると、元のシミと同じ形なのか、治療範囲全体に広がっているのか、一度消えた後に戻ってきたのか、別のシミが新しく出てきたのかが分かりやすくなります。シミ治療ではビフォー・アフターの写真は、単に治療効果を見せるためだけではなく、治療後の色素を診断する重要な資料になります。
肌診断器を使うと分かりやすい場合がある
当院では、必要に応じて肌診断器の画像も参考にします。通常の写真では分かりにくい色素の分布や、治療前後の変化を確認することで、PIH、残存、再発を判断する材料になることがあります。特に当院で治療している患者さまであれば、治療前の画像と治療後の画像を比較できるため、変化を把握しやすくなります。他院でレーザー治療を受けた後に、シミが残っている、濃くなったという治療相談で来院される方でも、診察や肌診断器の画像から現在の状態をある程度判断できる場合があります。ただし、肌診断器だけで診断が確定するわけではありません。過去の治療内容、治療時期、色の変化、現在の診察所見などを合わせて判断します。当院では、今後の治療をご相談いただく患者さまについて、必要に応じて肌診断器も活用しながら治療方針を検討しています。
肌診断だけを目的とした検査ではありません
肌診断器は便利ですが、画像だけを見てPIH・残存・再発を判定する機械ではありません。当院では、治療相談の一環として必要な場合に使用し、診察と合わせて評価しています。他院治療後の状態についてもご相談いただけますが、単にPIHか再発かを判定するためだけではなく、現在の状態を確認したうえで今後どのように治療するかを考えることを目的としています。

PIHなら追加のピコスポットを急がない
PIHであれば、老人性色素斑の残存とは治療方法が異なります。当院ではPIHの状態に応じて、経過観察、紫外線対策、摩擦を避けること、外用、OPトーニング、ピコトーニング、C-OPERAなどを検討します。PIHは時間とともに改善することが多いため、スポット照射を急ぐ必要がないケースがあります。PIHなのか残存なのか分からない状態で、とりあえずもう一度スポット照射することは避けるべきです。
残存なら再照射を検討することがある
元の老人性色素斑が明らかに残っている場合には、十分な経過を確認した後に再照射を検討することがあります。ただし、すぐに再照射するわけではありません。PIHが重なっている時期は残存範囲を正確に判断しにくく、さらに刺激を加えることで色素沈着が強くなる可能性があります。そのため、治療前の写真や治療直後の反応、その後の経過を確認して判断します。
再発なら同じ治療ができるとは限らない
一度改善した老人性色素斑が再び目立ってきた場合、再治療を検討できます。ただし、前回とまったく同じ状態とは限りません。再発した色素が非常に薄ければ、当院ではピコスポットではなくルビーフラクショナルを検討することがあります。赤みや肌全体の色むらを伴う場合にはIPLを選択することもあります。再発したから前回と同じレーザー、ではなく、その時点の病変をもう一度診断して治療を選びます。
PIH・残存・再発を見分けるポイント

一番分かりやすいのは、境界・出現時期・治療前後の写真を合わせて見ることです。
迷ったときほど再照射を急がない
レーザー後に茶色い色素が残っていると、早くもう一度治療したくなるかもしれません。しかし、PIHなのか残存なのか判断できない段階で再照射すると、かえって経過を複雑にする可能性があります。特にPIHは、時間をかけて自然に薄くなる場合があります。何が残っているのか分からないときほど、照射する前に診断することが重要です。
他院で治療後に濃くなったシミも治療相談できます
他院でピコレーザーやシミ取り治療を受けた後に、色素が残っている、濃くなった、PIHなのか分からないという状態でも、今後の治療についてご相談いただけます。治療前の写真が残っていれば、可能であればお持ちください。受けたレーザーの機種、照射時期、回数なども分かれば判断材料になります。情報が十分に残っていない場合でも、現在の診察所見や肌診断器の画像から治療方針を検討できる場合があります。ただし、他院治療の判定のみを目的とするのではなく、現在の色素をどう改善していくかという治療相談として診察を行います。
まとめ
ピコレーザー後にシミが濃く見える場合、PIH、残存、再発などが考えられます。基本的には、PIHは境界がぼんやりして不明瞭になりやすく、残存は元のシミに似た形で境界が比較的明瞭、再発は一度改善した後に元の位置・形に近い色素が再び出る、という違いがあります。ただし、PIHと残存が重なっているケースなどもあり、見た目だけで判断できないことがあります。当院では治療前後の写真、経過、診察所見に加え、必要に応じて肌診断器の画像も参考にします。シミ治療では、何が残っているのかを判断してから次のレーザーを選ぶことが重要です。まゆりなclinic名古屋栄では、当院治療後の経過確認だけでなく、他院治療後に色素が残っている方についても、今後の治療をご希望の場合にはご相談いただけます。
Q&A
【文責】
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤 成貴
【参考文献・資料】
- Davis EC, Callender VD. Postinflammatory hyperpigmentation: a review of the epidemiology, clinical features, and treatment options in skin of color. J Clin Aesthet Dermatol. 2010.
- Treatment of Post-Inflammatory Hyperpigmentation in Skin of Colour: A Systematic Review. 2024.
- Mardani G, et al. Treatment of Solar Lentigines: A Systematic Review of Clinical Trials. J Cosmet Dermatol. 2025.
- Kono T, et al. Efficacy and adverse effects of Q-switched ruby laser on solar lentigines. Dermatol Surg. 2008.
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。








