男性のシミ取りは1回で終わる?仕事を休めない人の治療選びとダウンタイム|名古屋
- 2026.9.18
目次
男性のシミ取りは1回で終わる?仕事を休めない人の治療選びとダウンタイム|名古屋
「できれば1回でシミを取りたい」「営業職なので顔に長くかさぶたが残る治療は困る」という男性は少なくありません。結論からいうと、濃く境界がはっきりした老人性色素斑なら、ピコスポット1回で大きく改善し、ほぼ取り切れるケースがあります。 一方、薄いシミ、肝斑、PIH、顔全体の色ムラなどは、1回で取り切る治療ではありません。シミ取りでは「何回か」だけでなく、仕事中にどの程度治療跡が見えるかまで考えて治療を選ぶことが重要です。

男性のシミ取りは1回で終わる?
シミの種類によります。最も1回治療に向いているのは、境界が比較的明瞭な老人性色素斑です。ピコスポットなどの色素レーザーでは、1回の照射でかなり薄くなったり、ほぼ取り切れたりするケースがあります。ピコ秒レーザーはsolar lentigo(日光黒子)に対して有効性が報告されており、532nmピコ秒レーザーではQスイッチNdレーザーより高いクリアランスを示した比較試験もあります。ただし、「レーザーを1回照射すれば、その場で肌色に戻って治療終了」という意味ではありません。照射後に一時的な濃色化や痂皮が生じ、その後PIHが出ることもあります。
「1回で取れる」と「ダウンタイムがない」は別
ここは特に重要です。ピコスポットで病変自体を1回でほぼ除去できても、その後の皮膚は治癒過程をたどります。
治療直後
→ 赤み・白色変化など
数日
→ シミ部分が濃く見える、痂皮状になることがある
その後
→ 病変が薄くなる
さらに
→ PIHが出る場合がある
という経過があります。
solar lentigoに対するレーザー治療ではPIHは代表的な有害事象の一つで、2024年にもPIHリスクと予防を検討したランダム化比較試験が報告されています。つまり、施術回数が1回でも、見た目が完全に落ち着くまでには時間が必要です。
濃い老人性色素斑ならピコスポット
濃く、境界が比較的はっきりした老人性色素斑では、当院ではピコスポットを使用することがあります。「このシミをできるだけ少ない回数で取りたい」という男性には向いています。
当院の実臨床では、典型的な老人性色素斑であれば1回のピコスポットでほぼ取り切れることも少なくありません。ただしPIHが出る可能性があるため、重要な予定の直前には治療時期を考える必要があります。
ピコスポット後のPIHは「シミが残った」とは限らない
治療後に一度薄くなったのに、数週間〜1、2か月して茶色く見えてくることがあります。この場合、老人性色素斑がそのまま残っているのではなく、PIHの可能性があります。
PIHは炎症後にメラニン産生が増えることで生じます。すぐに再照射するのではなく、病変の残存なのかPIHなのかを確認します。当院では、スポット治療後の最終的な評価を急がず、必要に応じて6〜9か月程度の経過もみながら再照射を判断します。
薄いシミが多い場合はルビーフラクショナル
顔全体に薄い老人性色素斑や細かい色素斑が多数ある場合、ピコスポットですべてを強く照射するより、当院では694nmのルビーフラクショナルを選択することがあります。
ルビー波長はメラニンに高く吸収され、solar lentigoに対するQスイッチルビーレーザーの有効性も報告されています。91例を対象とした研究では高いクリアランスが得られましたが、PIHを含む治療後の色調変化も認められています。ルビーフラクショナルは薄いシミを少しずつ改善する治療なので、当院では状態によって3〜5回程度行うことがあります。
つまり、
濃いシミを少ない回数で取る
→ ピコスポット
薄いシミを顔全体で少しずつ治療
→ ルビーフラクショナル
という使い分けがあります。

「明日仕事なので目立たせたくない」なら治療法を変えることもある
仕事を休めない男性では、治療効果だけでなく「治療後にどの程度見えるか」が重要です。
例えば、大きな濃い老人性色素斑をピコスポットで治療すれば、少ない回数で高い効果が期待できますが、一時的な濃色化や痂皮は見える可能性があります。
一方、トーニング系治療は1回でシミを取る治療ではありませんが、比較的見た目の変化が少なく、日常生活への影響を抑えながら複数回治療しやすいという特徴があります。
ただし、境界がはっきりした濃いシミに関しては、やはりトーニング系治療は効果が乏しいため、レーザーを使用します。明日仕事ということであれば当院ではルビーフラクショナルを選択することが多いです。ルビーフラクショナルではほとんどの方が翌日には赤みは目立たなくなるか消失しています。したがって、効果の速さとダウンタイムは別々に考える必要があります。
男性の仕事別に考えると?
・営業・接客業
顔を近くで見られる機会が多いため、スポット治療後の濃色化や痂皮が気になる場合があります。まとまった休みの前にピコスポットを行う、あるいはダウンタイムの少ない治療から始める方法があります。
・リモートワークが多い
数日程度見た目が変わっても問題が少ない場合には、スポット治療をまとめて行いやすくなります。
・屋外勤務
レーザー後の紫外線曝露はPIHの観点から注意が必要です。治療時期だけでなく、日焼け止め、帽子などの遮光も重要です。
・撮影・結婚式・重要な商談がある
直前の強いスポット治療は避け、余裕を持って治療計画を立てます。
肝斑は「1回で取る」治療ではない
男性にも肝斑はあります。
肝斑は老人性色素斑のように高出力のピコスポットで1個ずつ除去する病変ではありません。当院ではOPトーニング、ピコトーニング、C-OPERA、内服、外用などを組み合わせながら治療します。そのため「1回で全部取ってほしい」という希望があっても、背景に肝斑がある場合には治療方法を変えます。
PIHも1回でスポット治療する病変ではない
髭剃り、毛包炎、ニキビなどの後に残ったPIHも、老人性色素斑とは治療方法が異なります。当院ではPIHにピコスポットを基本的に使用しません。原因となる炎症を抑えたうえで、OPトーニング、ピコトーニング、C-OPERA、外用などを状態に応じて使用します。
赤みや肌質も一緒に改善したいならIPL
「シミだけでなく、顔の赤みやくすみ、肌全体を整えたい」という男性ではIPLを選択することがあります。IPLは広い波長帯の光を用いて、色素だけでなく赤みなどにもアプローチできることが特徴です。一方、当院では非常に薄いシミをしっかり治療する目的では、ルビーフラクショナルなどを優先することがあります。
IPLはピコスポットのように1個の濃いシミを一撃で取る治療ではなく、肌全体を複数回かけて整える治療と考えると分かりやすいでしょう。
盛り上がったシミはCO2レーザーまたはピコスポット
盛り上がりやざらつきがある場合には、老人性色素斑ではなく脂漏性角化症の可能性があります。脂漏性角化症では、当院は病変によってピコスポットとCO2レーザーを使い分けています。CO2レーザーは1回で病変を除去できるケースが多い一方、治療部位には創傷や痂皮ができるため、仕事中の見た目を考える必要があります。
2025年に公表された22研究・1,492例のレビューでは、CO2・Erなどの蒸散系レーザーは1回で最大90%の病変クリアランスを示し、治療後には紅斑、浮腫、炎症後の色調変化などが報告されています。
治療別に「回数」と「仕事への影響」を比較

ピコスポット
主な対象:濃い老人性色素斑
回数の考え方:1回でほぼ取れることも多い
治療後に目立ちやすい変化:濃色化・痂皮・PIH
ルビーフラクショナル
主な対象:薄いシミ・多数のシミ
回数の考え方:複数回
治療後に目立ちやすい変化:赤み・細かな痂皮など
OP/ピコトーニング
主な対象:肝斑・PIH・色ムラ
回数の考え方:複数回
治療後に目立ちやすい変化:比較的少ない
IPL
主な対象:シミ+赤み・肌質
回数の考え方:複数回
治療後に目立ちやすい変化:赤み・シミの一時的濃色化
CO2レーザー
主な対象:脂漏性角化症
回数の考え方:1回で取れることも多い
治療後に目立ちやすい変化:創傷・赤み・痂皮
※病変・出力・肌質によって経過は異なります。
「1回で取れる治療」が常に一番いいわけではない
男性のシミ治療では、回数だけで治療を選ぶと失敗することがあります。
例えば、
・濃い老人性色素斑 → ピコスポット
・薄い老人性色素斑が多数 → ルビーフラクショナル
・肝斑 → トーニング+内服・外用など
・PIH → 炎症を抑えてからトーニング等
・脂漏性角化症 → ピコスポットまたはCO2
と、病変によって適した治療が異なります。
1回で終わるかどうかより、何のシミなのかを診断して適切な治療を選ぶ方が重要です。
大事な予定がある場合はどれくらい前に相談する?
結婚式、撮影、重要な商談などがある場合には、直前になってから「シミを全部取りたい」とするより、余裕を持って相談することをおすすめします。特にピコスポットではPIHが出る可能性があります。治療後数週間できれいに見えても、その後PIHが目立つことがあるためです。予定まで十分な期間がある場合には、シミの種類やPIHリスクを確認しながら、スポット治療を行うか、ルビーフラクショナルなどで段階的に治療するかを決めます。
よくある質問(Q&A)
まとめ|「1回で取る」か「仕事に影響を出さない」かも含めて治療を選ぶ
男性のシミ取りは、すべて1回で終わるわけではありません。濃く境界が明瞭な老人性色素斑ならピコスポット1回でほぼ取り切れるケースがありますが、薄いシミではルビーフラクショナル、肝斑・PIHではトーニングなど、病変によって治療方法と必要回数が異なります。また、施術回数が1回だからダウンタイムも短いとは限りません。ピコスポットでは一時的な濃色化や痂皮、PIH、CO2レーザーでは創傷や痂皮が生じる可能性があります。
まゆりなclinic名古屋栄では、男性の仕事、重要な予定、許容できるダウンタイムも確認しながら、「何回で取れるか」だけでなく「いつ、どの方法で治療すると生活への影響を抑えられるか」まで含めて治療を設計します。
【文責】 まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤 成貴
【参考文献】
- Treatment of Solar Lentigines: A Systematic Review of Clinical Trials. J Cosmet Dermatol. 2025.
- A Split-Face, Single-Blinded, Randomized Controlled Comparison of 532 nm Picosecond Nd Laser versus 532 nm Q-Switched Nd Laser in the Treatment of Solar Lentigines. Dermatol Surg. 2021.
- Kang DH, et al. Postoperative risk assessment of post-inflammatory hyperpigmentation and the efficacy of delayed prevention following 532 nm Q-switched Nd laser treatment of solar lentigines. J Dermatolog Treat. 2024.
- Efficacy and adverse effects of Q-switched ruby laser on solar lentigines: a prospective study of 91 patients. Dermatol Surg. 2008.
- Stirrat T, et al. Advances in Laser Treatments for Seborrheic Keratosis: A Scoping Review of Efficacy, Safety, and Patient Outcomes. Dermatol Surg. 2026.
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。








