肝斑とは?普通のシミとの違い・見分け方・治療法を医師が解説|名古屋
- 2022.9.23

目次
肝斑とは?
「頬に左右対称のシミがある」「レーザーを受けたら逆に濃くなった気がする」「普通のシミと肝斑はどう違うの?」。名古屋・栄でシミ治療のご相談を受けていると、このようなご質問を多くいただきます。肝斑は、頬骨周辺などを中心に左右対称に広がることが多い、慢性的な色素異常です。老人性色素斑のように輪郭がはっきりした茶色いシミとは異なり、薄い褐色がもやっと広がるように見えることがあります。肝斑で重要なのは、「普通のシミと同じように強くレーザーを当てればよいわけではない」ということです。刺激によって色が濃くなることがあるため、まず肝斑なのか、老人性色素斑なのか、ADMなのか、あるいは複数が混在しているのかを見極める必要があります。まゆりなclinic名古屋栄では、肝斑の治療を一つの施術だけで考えるのではなく、色素の濃さ、肌状態、刺激への反応、治療歴などを確認しながら、OPトーニング、ピコトーニング、C-OPERA、ニードルRF(シルクロ)、水光注射、内服・外用治療などを組み合わせて治療計画を立てています。
肝斑はなぜできる?
以前は「肝斑=女性ホルモンが原因」と説明されることが多くありました。確かに妊娠、経口避妊薬、ホルモン変化などとの関連は知られていますが、現在では肝斑はそれだけでは説明できない多因子性の病態と考えられています。近年の研究では、紫外線や可視光、ホルモンの影響に加えて、皮膚のバリア機能、基底膜の変化、真皮の光老化、血管増生、肥満細胞、慢性的な炎症などが関係していることが報告されています。つまり、肝斑は単純に表皮のメラニンだけを減らせば終わる病態ではありません。表皮の色素だけではなく、その下にある皮膚環境まで含めて考える必要があります。このため、まゆりなclinic名古屋栄では「強いレーザーで一度に取る」というより、必要以上の刺激を避けながら、肌状態を整え、少しずつ色調を改善していく考え方を重視しています。
肝斑の見た目の特徴
肝斑では、次のような特徴がみられることがあります。
・両頬に左右対称に広がる
・頬骨に沿うように出る
・境界がはっきりしすぎず、もやっとしている
・薄い茶色〜褐色に見える
・額や口周りに出ることがある

ただし、「左右対称だから肝斑」とは限りません。ADMも両頬に左右対称にみられることがあり、老人性色素斑やそばかすが肝斑と重なっていることもあります。
実際のシミ治療では、「肝斑だけ」「老人性色素斑だけ」という方よりも、複数の色素が混在しているケースが少なくありません。
肝斑と普通のシミは何が違う?
一般的な老人性色素斑は、紫外線への長期的な曝露などに関連し、境界が比較的はっきりした茶色いシミとして現れることがあります。このようなシミでは、ピコスポットなどのスポット照射が適している場合があります。一方、肝斑では、強い刺激によって炎症が起こると色調が悪化することがあります。そのため、老人性色素斑と同じように「強く照射して取る」という方法が適さない場合があります。例えば、一人のお顔の中に「頬には肝斑」「その中に濃い老人性色素斑」「さらに薄いシミやそばかす」というように複数の色素が混在することがあります。その場合、肝斑にはOPトーニングやピコトーニング、濃いシミにはピコスポット、薄いシミにはルビーフラクショナルなど、色素ごとに治療を分けて考えます。
肝斑とADMの違い
ADMはAcquired Dermal Melanocytosisの略で、日本語では後天性真皮メラノサイトーシスと呼ばれます。肝斑と同じように頬骨周辺に左右対称にみられることがあるため、両者は間違われやすい色素性病変です。大きな違いの一つは、色素が存在する場所です。肝斑では主に表皮のメラニン増加が目立ちますが、ADMでは真皮にメラノサイトが存在します。そのため、ADMでは茶色だけではなく、灰色や青みを帯びて見えることがあります。
ADMを肝斑だと思ってトーニングだけを続けても十分な変化が得られない場合があります。一方、肝斑がある肌に強い色素レーザーを安易に照射すると悪化する可能性があります。
そのため、両頬に左右対称のシミがある場合でも、自己判断で「肝斑」と決めつけないことが重要です。
肝斑はレーザーで悪化する?
「肝斑にレーザーは絶対にしてはいけない」という意味ではありません。重要なのは、どのレーザーを、どの出力・照射方法で使用するかです。肝斑では、強いエネルギーで一度に色素を除去しようとすると、炎症をきっかけに色が濃くなることがあります。そのため、低出力で繰り返し照射するレーザートーニングが治療選択肢として用いられます。
まゆりなclinic名古屋栄では、一般的なピコトーニングだけでなく、Discovery PICO VarioPulseのQスイッチモードを使用したOPトーニングも選択肢としています。OPトーニングでは、肝斑の濃さ、刺激への反応、治療歴などを確認しながら照射条件を調整します。当院では、刺激への配慮を重視したい肝斑ではOPトーニングを積極的に選択していますが、すべての肝斑に同じ治療を行うわけではありません。肌状態によってはピコトーニングを選ぶ場合もあります。

肝斑にニードルRF(シルクロ)を使う理由
近年、肝斑では表皮のメラニンだけではなく、真皮の光老化や基底膜の変化なども関係していることが分かってきています。この考え方から、真皮環境にアプローチする治療の一つとしてRFマイクロニードリングが注目されています。
RFマイクロニードリングに関する2026年の系統的レビューでは、肝斑のMASIやメラニン指標の改善が報告され、真皮の老化関連変化や基底膜への影響についても検討されています。ただし、研究数や治療条件にはばらつきがあり、現時点で「すべての肝斑に必須の治療」と言える段階ではありません。
まゆりなclinic名古屋栄では、ニードルRF(シルクロ)の絶縁チップを使用し、肝斑やくすみの治療時に真皮の状態を整える目的で治療計画に組み込むことがあります。
シルクロは肝斑を一度で消す治療というより、レーザーだけではなく肌全体の状態を考えるときの補助的な選択肢として位置づけています。
水光注射は肝斑治療に使う?
肝斑では、レーザーだけでなく、使用する薬剤によっては水光注射などの注入治療を組み合わせることがあります。特にトラネキサム酸は肝斑治療で研究が多い成分の一つで、内服、外用、皮内注射、マイクロニードリングなど複数の投与方法が検討されています。2024年のランダム化比較試験をまとめたメタ解析でも、トラネキサム酸皮内注射やマイクロニードリングによる改善が報告されています。当院では、水光注射にトラネキサム酸を追加することも可能です。肝斑やPIHリスクが気になる肌では、すぐに強いシミ取りを行うのではなく、肌状態を整えながら次の治療を考える場合があります。ただし、「水光注射をすればPIHが必ず出にくくなる」「肝斑が必ず消えやすくなる」という意味ではありません。使用する薬剤、治療間隔、肌状態を確認しながら組み合わせることが重要です。
C-OPERAを肝斑に組み合わせる理由
C-OPERAは、クライオ、エレクトロポレーション、ソノフォレーシスを組み合わせた治療機器です。当院では、レーザーやIPL後の鎮静や美容成分導入にも使用しています。トラネキサム酸、ビタミンCなどを導入することができ、肝斑や色素沈着では、レーザー治療だけでなく肌状態を整える補助治療として使用する場合があります。肝斑では、治療の刺激そのものが色調悪化につながることがあるため、「何を当てるか」だけではなく、「治療後の肌をどう整えるか」まで含めて治療計画を考えることが重要です。
トラネキサム酸は肝斑に有効?
トラネキサム酸は、肝斑治療で広く使用されている選択肢の一つです。2024年のランダム化比較試験をまとめた系統的レビュー・メタ解析でも、経口、外用、皮内注射など複数の方法について改善効果が報告されています。ただし、内服薬はすべての方に適しているわけではありません。血栓症の既往やリスクなどを含め、患者さまの状態によって使用できない場合があります。また、肝斑治療はトラネキサム酸を飲めば終わりではありません。紫外線対策、摩擦を減らすこと、外用治療、レーザー・エネルギーデバイスなどを組み合わせて考える必要があります。
トラネキサム酸は肝斑に有効?
トラネキサム酸は、肝斑治療で広く使用されている選択肢の一つです。2024年のランダム化比較試験をまとめた系統的レビュー・メタ解析でも、経口、外用、皮内注射など複数の方法について改善効果が報告されています。ただし、内服薬はすべての方に適しているわけではありません。血栓症の既往やリスクなどを含め、患者さまの状態によって使用できない場合があります。また、肝斑治療はトラネキサム酸を飲めば終わりではありません。紫外線対策、摩擦を減らすこと、外用治療、レーザー・エネルギーデバイスなどを組み合わせて考える必要があります。
肝斑は「取って終わり」ではない
肝斑は慢性的で、治療によって薄くなっても再び濃くなることがあります。そのため、老人性色素斑のように「一度レーザーで取って終了」という考え方が合わないことがあります。
重要なのは、色が薄くなった後も、紫外線対策、摩擦を避けるスキンケア、必要に応じたメンテナンス治療を続けることです。肝斑治療では、短期間で完全に消すことだけを目標にするよりも、「濃くなりにくい状態を維持する」という長期的な視点が重要になります。
まゆりなclinic名古屋栄の肝斑治療
当院では、肝斑を一つの治療だけに当てはめません。肌状態に応じて、OPトーニング、ピコトーニング、C-OPERA、ニードルRF(シルクロ)、水光注射、トラネキサム酸などの内服・外用治療、紫外線・摩擦対策を組み合わせます。また、お顔の中に濃い老人性色素斑や薄いシミが混在している場合には、肝斑の状態を見ながら、ピコスポット、ルビーフラクショナル、IPL、スプレンダーフェイシャルなどを別々に使い分けることがあります。
大切なのは、「肝斑だからこの治療」と決めることではありません。
機械が先にあるのではなく、患者さまのお肌とシミが先にある。この考え方で、その時の肌状態に合わせて治療を組み立てます。
名古屋で肝斑治療を検討している方へ
「肝斑だと思ってピコトーニングを続けているけれど変化が少ない」「シミ取りをしたいけれど肝斑もあると言われた」「レーザー以外の肝斑治療も知りたい」という方は少なくありません。肝斑では、診断と治療の順番が重要です。肝斑そのものだけでなく、その中に老人性色素斑やADM、PIHなどが混在していないかを確認し、それぞれに適した治療を選ぶ必要があります。まゆりなclinic名古屋栄では、肝斑を「強く取る」のではなく、刺激に配慮しながら肌状態を整え、必要な治療を組み合わせることを大切にしています。
まとめ
肝斑は、頬を中心に左右対称に広がることが多い慢性的な色素異常です。原因は女性ホルモンだけではなく、紫外線、基底膜、真皮の光老化、血管、炎症など複数の要因が関係していると考えられています。そのため、治療も一つではありません。OPトーニングやピコトーニング、C-OPERA、ニードルRF(シルクロ)、水光注射、トラネキサム酸などを、肌状態に合わせて組み合わせます。肝斑治療で大切なのは、「一番強い治療を選ぶこと」ではなく、「刺激を抑えながら、その肌に必要な治療を選ぶこと」です。
【参考文献】
- Gan C, Rodrigues M. An Update on New and Existing Treatments for the Management of Melasma. Am J Clin Dermatol. 2024;25(5):717-733. PMID: 38896402. DOI: 10.1007/s40257-024-00863-2.
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- Effectiveness of laser and topical tranexamic acid combination therapy in melasma: An updated systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. PMID: 37326860.
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院などで内科・循環器内科・救急医療の診療経験を積み、2022年にまゆりなclinic名古屋栄を開院。
循環器内科では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療にも携わり、ポリソムノグラフィー(PSG)による睡眠検査、CPAP療法、マウスピース治療などを行っています。
いびきは単なる音の問題ではなく、睡眠中の呼吸や睡眠時無呼吸症候群が関係していることもあります。
当院では、こうした睡眠医学・内科的な視点から状態を確認したうえで、切らないいびきレーザー治療「ナイトレーズ」を行っています。
すべての方にレーザー治療を勧めるのではなく、口腔・咽頭の状態や症状を医師が確認し、必要に応じて睡眠時無呼吸症候群の評価も行いながら、その方に適した治療をご提案します。
「いびきを止める」だけでなく、「睡眠中にどのように呼吸しているか」まで考える診療を大切にしています。








