タトゥー除去はピコレーザーとQスイッチレーザーで何が違う?レーザー選びを解説|名古屋
- 2026.9.30
目次
タトゥー除去はピコレーザーとQスイッチレーザーで何が違う?レーザー選びを解説|名古屋
この記事では、タトゥー除去に使われるピコレーザーとQスイッチレーザーの違いについて、パルス幅や色素の破砕のされ方、使用できる波長の違いを中心に解説します。
また、なぜ当院では治療初期にQスイッチレーザーを使用し、その後ピコレーザーへ切り替えることがあるのか、どちらか一方しか選べない場合にはどのように考えるのかについても説明します。さらに、タトゥー除去ではレーザーの種類だけでなく波長の選択も重要です。黒・赤・青・緑など、色によって適した波長が異なるため、カラータトゥーでは複数のレーザーや波長を使い分ける必要があります。ピコレーザーとQスイッチレーザーの単純な優劣ではなく、それぞれの特徴を理解したうえで、どのように使い分けると効率よくタトゥーを除去できるのかを詳しく解説します。
タトゥー除去はピコレーザーとQスイッチレーザーのどちらがいい?
タトゥー除去について調べると、「ピコレーザー」「Qスイッチレーザー」という2つの言葉をよく目にします。
「新しいピコレーザーだけで治療した方がいいの?」
「Qスイッチレーザーはもう古い?」
「結局どちらを選べばいい?」
と疑問に思う方もいるでしょう。
当院では、ピコレーザーとQスイッチレーザーを単純に優劣で分けるのではなく、タトゥーの状態に応じて段階的に使い分けています。治療初期の濃いタトゥーでは、皮膚の中にまだ大きな色素粒子が多く残っています。当院ではこの段階で、まずQスイッチレーザーを使用して大きな色素を破砕し、その後、治療が進んで色素が細かくなってきた段階でピコレーザーへ切り替える方法を基本としています。
イメージとしては、

という流れです。
タトゥー除去では、最初から最後まで同じレーザーだけを使い続けるよりも、その時点で残っている色素の状態に応じてレーザーを変える方が効率よく治療できる場合があります。
これが当院でQスイッチレーザーとピコレーザーを併用している理由です。
どちらか一方しか選べないならピコレーザーを選ぶ
一方で、
「Qスイッチレーザーとピコレーザーのどちらか一方しか使えない場合はどうですか?」
と聞かれた場合、当院ではピコレーザーを選びます。ピコレーザーはQスイッチレーザーよりさらに短いパルス幅で照射でき、タトゥー色素をより細かく破砕できることが期待できます。また、タトゥー除去では治療を重ねるにつれて、反応しやすい大きな色素が減り、細かな色素が残っていきます。そのため、治療初期から後半まで1台だけで対応する必要があるのであれば、ピコレーザーの方が使いやすいと当院では考えています。
ただし、理想的なのは「ピコレーザーだけ」でも「Qスイッチレーザーだけ」でもありません。
当院では、

という併用を基本としています。
つまり、
どちらか一方ならピコレーザー
両方使えるならQスイッチ+ピコレーザーを使い分ける
というのが当院の考え方です。
ピコレーザーとQスイッチレーザーの違い
両者の大きな違いの一つは、レーザーを照射する時間である「パルス幅」です。
ピコレーザーはピコ秒単位、Qスイッチレーザーは主にナノ秒単位という非常に短い時間でレーザーを照射します。

もちろん、すべてのタトゥーで必ずこの順番になるわけではありません。
最初から比較的薄いタトゥーや、過去に何度もレーザー治療を受けている場合などでは、最初からピコレーザーを選択することもあります。
実際には、タトゥーの色、濃さ、治療歴などを確認して決めます。
「ピコ秒」と「ナノ秒」はどのくらい違う?
ピコレーザーとQスイッチレーザーの違いを理解するには、「ピコ秒」と「ナノ秒」を知ると分かりやすくなります。
1ナノ秒は10億分の1秒です。
1ピコ秒は1兆分の1秒です。
つまり、
1ナノ秒=1,000ピコ秒
です。
どちらも非常に短い時間ですが、レーザー治療ではこの違いが重要になります。
タトゥーの色素に非常に短時間でエネルギーを与えることで、色素粒子に急激な変化を起こし、破砕します。
ピコ秒レーザーではナノ秒レーザーよりさらに短い時間でエネルギーを加えるため、光音響作用・光機械的作用をより強く利用でき、色素を細かく砕けることが期待できます。

なぜ当院では最初にQスイッチレーザーを使うことがある?
ピコレーザーの方が新しいレーザーであれば、最初からピコレーザーだけを使った方がいいのでは、と思うかもしれません。しかし、当院では治療初期の濃いタトゥーに対して、まずQスイッチレーザーを使用することがあります。理由は、治療初期には比較的大きな色素粒子が多く残っているからです。この段階では、Qスイッチレーザーで大きな色素を破砕し、ある程度タトゥーを薄くしていきます。その後、治療が進んで色素が細かくなってきたところでピコレーザーへ切り替えます。ピコレーザーは非常に短いパルス幅を利用できるため、治療後半に残った細かな色素をさらに破砕していく際に使いやすいと考えています。
そのため当院では、
最初から最後までピコレーザーだけ
最初から最後までQスイッチレーザーだけ
という治療ではなく、
色素の状態に合わせてQスイッチからピコへ切り替える
という方法を採用しています。
ピコレーザーならQスイッチレーザーより少ない回数で消える?
ピコレーザーでは、Qスイッチレーザーより少ない治療回数で高い除去効果が得られる可能性があります。
短いパルス幅によって色素をより細かく破砕できることが、その理由の一つです。
ただし、
「ピコレーザーなら必ず○回少なくなる」
と断定できるわけではありません。
実際の治療回数には、
・インクの量
・インクの深さ
・タトゥーの色
・プロによるタトゥーかどうか
・重ね彫りの有無
・部位
・過去のレーザー治療歴
なども大きく関係します。
そのため当院では、単純に「ピコだから少ない回数」と説明するのではなく、
どの段階でQスイッチレーザーを使用するか
いつピコレーザーへ切り替えるか
残っている色素にどの波長を使うか
まで含めて治療計画を考えています。
タトゥー除去では「ピコかQスイッチか」だけでなく波長が重要
タトゥー除去では、パルス幅だけでなく「波長」も非常に重要です。
タトゥーのインクは、色によって吸収されやすいレーザーの波長が異なります。
そのため、
「ピコレーザーだからどの色でも消せる」
というわけではありません。
逆にQスイッチレーザーでも、目的とする色に合った波長を選択できれば有効な治療になることがあります。
当院では、タトゥー除去に使用できるレーザーとして、
ピコレーザー:532nm・1064nm
Qスイッチレーザー:532nm・1064nm・694nm(ルビー)
を使用しています。
黒系のタトゥーでは1064nm、赤系では532nmなどを中心に検討します。
また、青・緑系などのカラータトゥーでは、694nmのQスイッチルビーレーザーが選択肢になることがあります。
つまりタトゥー除去では、
ピコかQスイッチか
+
何nmの波長を使うか
の両方が重要です。
ピコレーザーだけですべてのカラータトゥーに対応できるわけではない
当院で使用するピコレーザーの波長は532nmと1064nmです。
一方、Qスイッチレーザーでは532nm・1064nmに加えて694nmのルビーレーザーを使用できます。そのため、カラータトゥーではQスイッチレーザーも重要な役割を持ちます。
例えば、青や緑などの色では694nmを検討することがあります。
一つのタトゥーの中に、
黒
赤
青
緑
など複数の色が混在している場合には、一つの波長だけですべての色を効率よく治療できるとは限りません。また、治療によって黒い色素が薄くなると、それまで目立たなかった別の色が見えてくることもあります。
そのため当院では、
どのレーザーを使うか
どの波長を使うか
どの順番で切り替えるか
まで考えて治療します。
Qスイッチレーザーとピコレーザーはどのように切り替える?
当院では、すべてのタトゥーに対して一律に同じレーザーを使用するわけではありません。
治療初期には比較的大きな色素粒子が多く残っているため、Qスイッチレーザーを使用して色素を破砕します。
その後、治療を重ねてタトゥーが薄くなり、残っている色素が細かくなってきた段階でピコレーザーへ切り替えます。
切り替えのタイミングは、
・タトゥーの濃さ
・色
・前回照射後の変化
・残っている色素の状態
・皮膚の反応
・過去の治療回数
などを見ながら判断します。
「3回まではQスイッチ、4回目から必ずピコ」というように、回数だけで決めるものではありません。
タトゥー除去では、治療を重ねるほど残っている色素の状態が変わっていきます。
そのため、毎回同じ治療を繰り返すのではなく、その時点で最も効率よく色素を破砕できるレーザーを選択することが重要です。
Qスイッチレーザーしかない場合でもタトゥーは消せる?
Qスイッチレーザーは、タトゥー除去に長く使用されてきた治療法です。そのため、Qスイッチレーザーだけでもタトゥーを薄くできるケースはあります。ただし、治療後半では細かな色素が残ることがあり、この段階ではピコレーザーの短いパルス幅を利用した方が治療しやすい場合があります。当院では、どちらか一方しか使用できない場合にはピコレーザーを選びます。一方で、Qスイッチレーザーにも治療初期の濃いタトゥーや、694nmのルビーレーザーが必要となるカラータトゥーなどで役割があります。そのため、Qスイッチレーザーが不要という意味ではありません。
当院では、Qスイッチレーザーとピコレーザーのそれぞれの特徴を活かして使い分けることが、タトゥー除去では重要だと考えています。
タトゥー除去では機械の名前だけで選ばないことが重要
タトゥー除去を検討するとき、「ピコレーザーがあるかどうか」だけでクリニックを選ぶ方もいます。
もちろん使用する機械は重要です。
しかし、実際の治療では機械名だけでは不十分です。
確認したいのは、
・ピコレーザーとQスイッチレーザーの両方を使えるか
・どの波長を使用できるか
・カラータトゥーにも対応できるか
・治療途中でレーザーや波長を変更できるか
・毎回の反応を見ながら設定を調整しているか
といった点です。
同じ「ピコレーザー」という名前でも、搭載されている波長は機種によって異なります。
また、同じ機器であっても、タトゥーの色や濃さに応じてどの波長・設定を使うかによって治療内容は変わります。そのため、タトゥー除去では単に「新しい機械があるか」だけではなく、複数のレーザーや波長をどのように使い分けているかまで確認するとよいでしょう。
タトゥー除去の治療間隔は4〜6週以上
タトゥー除去は、短い間隔でレーザーを繰り返せば早く終わる治療ではありません。
レーザー照射後には、皮膚の炎症が落ち着く時間と、破砕された色素が徐々に処理される時間が必要です。
当院では、基本的に4〜6週以上の間隔を空けて次回の治療を検討します。
ただし、
・水疱やかさぶたが強かった
・炎症が長引いた
・色素沈着がみられる
・皮膚の回復に時間がかかっている
などの場合には、さらに間隔を空けることがあります。
治療間隔は短ければ短いほどよいわけではありません。
皮膚の状態を確認しながら、適切なタイミングで次のレーザーを行うことが重要です。
当院のタトゥー除去の考え方
まゆりなclinicでは、タトゥー除去を「ピコレーザーだけで治療する」「Qスイッチレーザーだけで治療する」とは考えていません。
当院の基本的な考え方は、
治療初期
→ Qスイッチレーザーで大きな色素を破砕
治療中盤〜後半
→ ピコレーザーへ切り替えて細かな色素を破砕
カラータトゥー
→ 色に応じて532nm・1064nm・694nmを使い分ける
というものです。
当院で使用する波長は、
ピコレーザー:532nm・1064nm
Qスイッチレーザー:532nm・1064nm・694nm(ルビー)
です。
このため、黒系のタトゥーだけでなく、赤・青・緑など複数の色が含まれるタトゥーについても、色に応じた波長を検討できます。
もちろん、すべてのタトゥーが同じように反応するわけではありません。
インクの種類、色、深さ、量、重ね彫りの有無などによって治療反応は異なります。
そのため、毎回の反応を確認しながら、レーザーの種類・波長・設定を調整していきます。
ピコレーザーとQスイッチレーザーについてよくある質問
まとめ|タトゥー除去は「ピコかQスイッチか」ではなく使い分けが重要
タトゥー除去では、ピコレーザーとQスイッチレーザーのどちらか一方が絶対的に優れているわけではありません。
ピコレーザーは短いパルス幅によって、細かな色素を破砕しやすいという特徴があります。
一方、Qスイッチレーザーには治療初期の大きな色素を破砕する役割があり、さらに694nmのルビーレーザーなど、カラータトゥーの治療で重要になる波長もあります。
当院では、
Qスイッチレーザー
↓
大きな色素を破砕
↓
治療が進んだらピコレーザーへ切り替え
↓
残った細かな色素をさらに破砕
という段階的な治療を基本としています。
どちらか一方しか選べない場合にはピコレーザーを選びますが、両方を使用できるのであれば、それぞれの特徴を活かして使い分けることがより重要だと考えています。
また、タトゥー除去ではパルス幅だけでなく、色に応じた波長の選択も重要です。
まゆりなclinicでは、タトゥーの色・濃さ・治療歴などを確認しながら、532nm・1064nm・694nmを含めてレーザーを選択し、治療を進めています。
名古屋・栄でタトゥー除去をご検討の方は、まずは現在のタトゥーの状態をご相談ください。
文責
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤成貴
参考文献
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- Khunger N, Molpariya A, Khunger A. Complications of tattoos and tattoo removal: Stop and think before you ink. J Cutan Aesthet Surg. 2015;8(1):30-36.
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。








