タトゥー除去は何回で消える?治療回数・期間・完全に消えないケースまで解説|名古屋
- 2026.9.30
タトゥー除去を希望される方から非常によく聞かれるのが、「何回レーザーを当てれば消えますか?」という質問です。
結論からいうと、タトゥー除去に必要な回数を診察前に一律に決めることはできません。
比較的少ない回数でかなり薄くなるものもあれば、10回以上治療しても色素が残るものがあります。
実際、レーザーによるタトゥー除去の研究でも治療回数にはかなり幅があります。近年の系統的レビューでは、黒色・青色系のタトゥーでも十分な除去効果を得るまで複数回の治療が必要であり、QスイッチNdレーザーに関する研究では、75%以上の色素除去に4~8回程度を要する報告が多くみられます。一方、プロによるタトゥーやカラーインクでは、さらに治療回数が必要になることがあります。
そのため当院でも、「タトゥー除去は○回で必ず終了します」とは説明していません。
重要なのは、最初の診察でタトゥーの状態を確認し
・インクの色
・インクの濃さ
・インクが入っている深さ
・タトゥーの大きさ
・入れ方
・部位
・重ね彫りの有無
・これまでのレーザー治療歴
などを総合して、必要な治療回数を予測することです。
目次
なぜタトゥーは1回のレーザーでは消えない?
レーザーを照射するとタトゥーのインクがその場ですべて消えてなくなる、と思われている方もいます。しかし、実際のタトゥー除去はそのような仕組みではありません。
レーザーのエネルギーをタトゥーの色素に吸収させ、皮膚の中に存在する大きな色素粒子を細かく破砕します。その後、破砕された色素が時間をかけて処理されていくことで、徐々にタトゥーが薄くなっていきます。
つまり、
レーザー照射
↓
タトゥー色素を破砕
↓
体内で徐々に処理される
↓
タトゥーが薄くなる
↓
残った色素に次のレーザーを照射
という流れを繰り返します。
一度に強いレーザーを照射すれば早く消える、という単純なものではありません。
無理に強い出力で治療すると、水疱、炎症、色素沈着、色素脱失、瘢痕などのリスクが高くなる可能性があります。タトゥー除去では、色素を効率よく破砕することと同時に、周囲の皮膚へのダメージをできるだけ抑えることも重要です。

タトゥー除去の回数を左右する7つのポイント
同じレーザーを使用しても、すべてのタトゥーが同じ回数で薄くなるわけではありません。
特に次のような条件が治療回数に影響します。
1.インクの量・濃さ
非常に重要なのが、皮膚の中にどれだけ多くのインクが入っているかです。薄く入っているタトゥーであれば比較的少ない治療回数で改善することがあります。一方、濃くしっかりとインクが入っているタトゥーでは、1回の治療ですべての色素を処理することはできません。
レーザー治療を繰り返しながら、少しずつ色素量を減らしていく必要があります。
特にプロによるタトゥーは、均一かつ高密度に色素が入っていることが多く、アマチュアタトゥーと比較して治療回数が多くなる傾向があります。大規模な臨床研究でも、プロフェッショナルタトゥーや色素密度の高いタトゥーは、除去しにくくなる要因として報告されています。
2.インクが入っている深さ
タトゥーの色素は皮膚の表面ではなく、主に真皮内に存在します。
ただし、その深さはすべて同じではありません。浅い位置に比較的均一に色素が存在している場合と、深い位置まで大量のインクが入っている場合では、レーザーへの反応が異なります。また、一つのタトゥーの中でも色素の深さが均一とは限りません。治療を繰り返すと「最初はかなり薄くなったのに、途中から変化がゆっくりになった」と感じることがあります。これは、反応しやすい色素が先に減り、残っている色素ほど治療しにくくなっていることが原因の一つとして考えられます。そのため、初回から最後まで同じペースで薄くなるとは限りません。
3.タトゥーの色
インクの色も治療回数に大きく関係します。
一般的に黒色や濃い青色はレーザー治療に反応しやすい色です。一方で、緑、青、黄色などのカラーインクでは、使用するレーザーの波長によって反応が大きく異なります。
タトゥーの色によって吸収しやすいレーザーの波長が異なるためです。そのため、カラータトゥーでは単に「ピコレーザーを使えばよい」のではなく、色に合わせた波長を選択できることが重要になります。当院ではDiscovery PICO VarioPulseを使用し、532nm・1064nm・694nmという複数の波長をタトゥーの色に応じて使い分けています。
カラータトゥーについては別記事で詳しく解説します。
4.プロのタトゥーかアマチュアタトゥーか
治療回数を考えるうえでは、どのようにタトゥーが入れられたかも重要です。
一般的に、プロによるタトゥーは色素が高密度かつ比較的均一に入っているため、除去に時間がかかる傾向があります。一方、アマチュアタトゥーでは色素量が少なかったり、浅い位置に入っていたりすることがあり、比較的少ない回数で薄くなる場合があります。
ただし、「アマチュアだから必ず早く消える」という意味ではありません。
色素の深さが不均一であったり、非常に深い部分が混在していたりすれば、治療回数が増える可能性があります。見た目だけで正確な回数を断定することはできないため、実際のレーザーへの反応を確認しながら治療計画を調整していきます。
5.重ね彫り・カバーアップの有無
以前のタトゥーの上から別のデザインを入れた「カバーアップ」は、治療回数が多くなりやすいケースです。皮膚の中に存在するインクの総量が多くなるためです。
表面から見ると一つの黒いタトゥーに見えても、その下に以前の色素が残っていることがあります。レーザー治療によって上層の濃い色素が減ってくると、それまで見えていなかった別の色が出てくることもあります。そのため、カバーアップされたタトゥーでは通常のタトゥー以上に長期的な治療計画が必要になることがあります。
6.タトゥーが入っている部位
タトゥーの部位によっても治療への反応が異なることがあります。
過去の臨床研究では、足や下腿などにあるタトゥーは治療反応が低くなる要因の一つとして報告されています。ただし、部位だけで「○回必要」と決めることはできません。
インクの量や色、深さなど、ほかの条件と合わせて判断する必要があります。
7.過去のレーザー治療歴
すでに他院などでタトゥー除去を何度か受けている場合も、治療回数の予測には注意が必要です。治療初期には反応しやすい色素が多く残っているため、大きく薄くなることがあります。一方、複数回の治療後に残っている色素は、深い位置に存在していたり、そのレーザーの波長では反応しにくい色であったりする可能性があります。
そのため
「5回やったから、あと1回で終わる」
とは単純に計算できません。
むしろ、これまでどのレーザー・どの波長で治療され、どの色がどの程度残っているのかを再評価することが重要です。
おすすめのコラム👉「タトゥー除去で消えない・薄くならないのはなぜ?レーザーが効きにくい原因を解説|名古屋」

タトゥー除去の回数は「最初の数回の反応」も重要
初診時にある程度の見通しを立てることはできますが、最終的な必要回数を最初から正確に予測することは困難です。
そこで重要になるのが、実際にレーザーを照射した後の反応です。
1回目、2回目と治療を行い、
・どの程度薄くなったか
・どの色が残ったか
・皮膚の反応はどうだったか
・色素沈着や色素脱失がないか
・治療後の回復にどの程度かかったか
などを確認します。
その反応を見ながら次回の波長や設定を調整していくことが、タトゥー除去では重要です。
最初に「5回コースだから5回照射する」という考え方ではなく、毎回の反応を評価しながら治療を進める必要があります。
タトゥー除去はどのくらいの間隔で受ける?
タトゥー除去は、短い間隔で何度もレーザーを照射すれば早く終わるわけではありません。
レーザー照射後には、皮膚の炎症が落ち着く時間だけでなく、破砕された色素が徐々に処理されていく時間も必要です。そのため、皮膚の状態を確認しながら十分な治療間隔を空けます。治療間隔はタトゥーの状態、照射後の反応、部位などによって調整しますが、一般的には4~6週間程度、場合によってはそれ以上空けて次の治療を検討します。
早く消したいからといって治療間隔を極端に短くしても、必ずしも除去が早く進むわけではありません。むしろ皮膚への負担が大きくなり、炎症や色素異常などのリスクにつながる可能性があります。タトゥー除去では「何回照射するか」だけでなく、「適切な間隔で治療すること」も重要です。
タトゥー除去が終わるまで何か月・何年かかる?
必要な治療回数が複数回になるため、タトゥー除去は基本的に数か月から年単位で考える治療です。例えば、仮に1か月半程度の間隔で5回治療する場合でも、単純計算で治療開始から5回目まで約8か月かかります。8回、10回と治療が必要になれば、1年以上かかることも珍しくありません。また、毎回まったく同じ間隔で治療できるとは限りません。
治療後の炎症が強かった場合や、色素沈着・色素脱失などの皮膚変化がみられる場合には、次回の照射まで通常より長く待つことがあります。
そのため
「○月までに必ず完全に消したい」
という希望がある場合には、できるだけ早い段階から治療計画を立てることが大切です。
結婚式、就職、転職、撮影など明確な予定がある方は、初診時にご相談ください。
タトゥーはレーザーで完全に消える?
「最終的に元の皮膚とまったく同じ状態になりますか?」という質問もよくあります。
これは、すべてのタトゥーで保証できるものではありません。
レーザー治療によってほとんど分からない程度まで薄くなるケースがある一方で、複数回治療しても一部の色素が残ることがあります。
また、インクが十分に薄くなっても、
・タトゥーを入れた際に生じた瘢痕
・皮膚表面の凹凸
・色素沈着
・色素脱失
・わずかな色調差
などが残る場合があります。
ここで重要なのは、「タトゥーのインクが残っていること」と「皮膚そのものに変化が残っていること」は別の問題だということです。
タトゥーを入れる際の針によってすでに瘢痕が形成されている場合、レーザーでインクを除去しても、その瘢痕まで同時になくなるわけではありません。
治療前から皮膚に盛り上がりや凹凸がある場合には、インクが薄くなったことで、もともと存在していた瘢痕がかえって分かりやすくなることもあります。
そのため当院では、「何回で完全に消えるか」だけではなく、「最終的にどの程度目立たなくできそうか」という視点でも診察します。
回数を重ねても途中から薄くなりにくくなることがある
タトゥー除去では、最初の数回は比較的大きな変化を感じても、その後は薄くなるスピードが遅くなることがあります。
これは珍しいことではありません。
レーザーに反応しやすい色素から先に減少していくため、治療後半になるほど
・深い位置にある色素
・反応しにくい色の色素
・高密度に入っている色素
・瘢痕組織の中に存在する色素
などが残りやすくなります。
この状態で、単純に同じレーザーを同じ条件で繰り返すだけでは十分な変化が得られないことがあります。
残っている色、深さ、皮膚の状態などを再評価し、使用する波長や設定を検討することが重要です。
特に複数回治療しているにもかかわらず変化が乏しい場合には、「あと何回照射するか」だけではなく、「なぜ残っているのか」を考える必要があります。
おすすめのコラム👉「タトゥー除去で消えない・薄くならないのはなぜ?レーザーが効きにくい原因を解説|名古屋」
タトゥー除去は「完全に消す」以外のゴールもある
タトゥー除去を希望されるすべての方が、完全除去を希望しているとは限りません。
例えば
・できるだけ目立たなくしたい
・服から見える部分だけ薄くしたい
・カバーアップしやすい状態まで薄くしたい
・ある程度薄くなればよい
という希望もあります。
治療回数を考えるときには、「完全に消えるまで何回必要か」だけではなく、どの程度まで薄くすることを希望しているのかも重要です。
薄くなるほど追加治療による変化が小さくなっていくこともあります。
そのため、ある程度治療が進んだ段階で
「さらに治療を続けるメリットがどの程度あるのか」
を再評価することも必要です。
タトゥー除去は回数を重ねれば無条件に良くなる治療ではありません。
皮膚への負担と追加治療によって期待できる改善度のバランスを考えながら、治療を続けるか判断します。
当院のタトゥー除去の考え方
まゆりなclinicでは、タトゥーの大きさだけを見て治療回数を決めるのではなく
・色
・濃さ
・深さ
・入れ方
・部位
・重ね彫りの有無
・瘢痕の有無
・過去のレーザー治療歴
などを確認して治療計画を立てます。
また、タトゥーの色によって適したレーザーの波長は異なります。
当院ではDiscovery PICO VarioPulseを使用し、532nm・1064nm・694nmの複数波長から、タトゥーの色や状態に応じて選択します。特にカラータトゥーでは、一つの波長だけですべての色に対応できるわけではありません。
黒色が先に薄くなり、治療途中から赤、青、緑など別の色が目立つようになるケースもあります。その場合も、残っている色を確認しながら治療方法を調整します。
「ピコレーザーだから何でも消える」と考えるのではなく、タトゥーの状態に合わせてレーザーと波長を選択することが重要です。
タトゥー除去の回数についてよくある質問
まとめ|タトゥー除去の回数は「○回」と一律には決められない
タトゥー除去は、基本的に複数回のレーザー治療が必要です。
ただし、必要な回数はタトゥーによって大きく異なります。
特に
・インクの量と濃さ
・色素の深さ
・タトゥーの色
・プロかアマチュアか
・重ね彫りの有無
・部位
・過去の治療歴
などによって治療回数は変わります。
また、短期間にレーザーを繰り返せば早く終了するわけではありません。
適切な治療間隔を取り、毎回の反応を確認しながら次の照射条件を検討することが大切です。
タトゥー除去では、最初から「○回で完全に消える」と決めるのではなく、
「現在どのような色素が入っているのか」
「レーザーにどの程度反応しているのか」
「どこまで目立たなくすることを希望しているのか」
を確認しながら治療を進めていきます。
名古屋・栄でタトゥー除去をご検討の方は、まゆりなclinicへご相談ください。
文責
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤成貴
参考文献
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- Ho SGY, Goh CL. Laser tattoo removal: a clinical update. J Cutan Aesthet Surg. 2015;8(1):9-15.
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監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。








