毛穴治療を何回しても改善しない理由は?原因診断・治療選択・設定から解説|名古屋
- 2026.9.26
「毛穴治療を何回も受けているのに変わらない」「ピコフラクショナルを続けているけれど同じ毛穴が残る」「ポテンツァやニードルRFをしたのに思ったほど改善しない」という相談があります。
毛穴治療は、単純に施術回数を増やせば改善するものではありません。拡大毛穴には皮脂分泌、毛包の大きさ、皮膚弾力低下など複数の原因があり、年齢・紫外線・ニキビなども関係します。治療法についてもレーザー、RF、ピーリング、外用、注入など多数あり、原因に合った方法を選ぶ必要があります。
毛穴治療で変化が乏しい場合には、同じ治療を追加する前に「原因・治療方法・治療する深さ・設定・治療順序」が合っているかを見直すことが重要です。
目次
毛穴治療が改善しない主な理由
当院では、治療を重ねても毛穴が目立つ場合、主に次の点を見直します。

①そもそも原因が違っている
毛穴治療が効かない理由として最初に考えたいのが、治療している対象が想定と違うことです。
黒ずみ毛穴だと思っていたものが細い毛だった、角栓だと思っていたものが皮脂腺フィラメントだった、開き毛穴だと思っていた凹みがニキビ跡だった、単純な毛穴だと思っていたものにたるみが大きく関係していた、ということがあります。
この場合、治療回数を増やしても原因へ届いていないため、改善しにくくなります。
毛穴治療で最も避けたいのは「効かないからもっと強くする」ことで、先に「治療しているものは本当に毛穴なのか」を見直す必要があります。
②角栓が残ったまま真皮治療をしている
毛穴の中に皮脂・角栓が多く詰まっているのに、いきなりフラクショナルレーザーやニードルRFだけを続けているケースがあります。
フラクショナル治療は真皮再構築には適していますが、角栓を吸い出す治療ではありません。そのため、詰まりが強い場合にはハイドラアクアスキン、ミラーピール、アゼライン酸などで皮脂・角化を整えたあと、残った開き毛穴へ真皮治療を行う方が合理的です。
「詰まりを取る治療」と「開いた毛穴を再構築する治療」は役割が違います。
③皮脂が多いのに毛穴周囲だけを治療している
皮脂分泌が強い方では、毛穴周囲の真皮だけを治療しても、皮脂という原因が残ることがあります。
この場合には、マイクロボトックス、アゼライン酸、シルクロなど皮脂へのアプローチを組み合わせることがあります。
逆に、皮脂がほとんど問題でないのに皮脂治療だけを続けても、真皮弾力低下や瘢痕は改善しません。
毛穴治療のレビューでも、若年者では皮脂コントロールが重要で、年齢が上がると若返り・弾力改善も併せて考える必要があるとされています。
④毛穴ではなくニキビ跡が残っている
毛穴治療を何回しても「同じ穴だけ残る」という場合には、ニキビ跡を疑います。
特にアイスピック型や浅いボックスカー型は開き毛穴と似て見えます。この場合、通常の毛穴治療をさらに重ねるより、キュアジェット、ジュベルック、フラクショナルレーザー、サブシジョンなど瘢痕構造に合わせた治療へ変更します。
他のコラムでは開き毛穴とニキビ跡の見分け方を詳しく解説しています。
⑤たるみ毛穴なのに表面治療だけを続けている
頬の毛穴が縦長で、頬を上方向へ持ち上げると目立ちにくくなる場合には、皮膚のたるみが関係している可能性があります。
この場合に毛穴表面へフラクショナルレーザーだけを繰り返しても、下方向へ引っ張る力が残れば改善には限界があります。
たるみ毛穴では、状態に応じてオリジオKISS、HIFU、ATTIVA、プロファイロ、ヒアルロン酸リフトなどを組み合わせます。
表面の毛穴を治療することと、毛穴を引き伸ばしているたるみを治療することは別の問題です。
⑥同じ「ピコフラクショナル」でも治療内容が同じとは限らない
「ピコフラクショナルを何回したけれど効かなかった」という場合でも、どのタイプのピコフラクショナルだったかを確認する必要があります。
当院では、enlighten SRによるノンアブレーショナル・ピコフラクショナルと、Discovery PICO VarioPulseによるアブレーショナル・ピコフラクショナルを使い分けています。
ノンアブレーショナルとアブレーショナルでは皮膚への侵襲や凹凸へのアプローチが異なります。
ピコ秒レーザーを使用したランダム化比較試験でも、複数回治療によって毛穴数の有意な減少が報告されていますが、機種・波長・照射方法によって結果は異なります。
「ピコをしたか」ではなく、どのモード・どの深さ・どの目的で照射したのかが重要です。
⑦ニードルRFも設定で結果が変わる
シルクロ、ポテンツァ、シルファームXなどは同じマイクロニードルRF系ですが、機種だけで結果が決まるわけではありません。
針を入れる深さ、絶縁・非絶縁、RFの強さ、パルス幅などによって作用する範囲が変わります。
75人の拡大毛穴を対象とした研究では、フラクショナルマイクロニードルRFの効果は治療回数とともに高まりましたが、さらにパルス幅も治療効果と関連し、300ms群は100〜200ms群より初回治療後の効果が高かったと報告されています。
また、頬の拡大毛穴を対象とした2024年の研究でも、3回のマイクロニードルRF治療後に毛穴スコアが有意に改善しました。
ニードルRFでは「何回やったか」だけでなく「どの設定で、どの層を治療したか」が重要です。
⑧治療回数がまだ足りない場合もある
一方で、「効いていない」のではなく、まだ治療途中という場合もあります。
毛穴治療のレビューでは、複数回治療や複数モダリティの組み合わせによって、毛穴の面積・数の改善が高まる可能性が報告されています。
マイクロニードルRFでも、治療回数が増えるほど改善率が上昇した研究があります。
ただし、これは「何となく10回続ければよい」という意味ではありません。
1〜2回ではまだ評価が早い治療もありますが、数回行っても写真上の変化が乏しければ、同じ治療を続けるより原因や設定を見直します。
⑨強く治療すれば早く改善するとは限らない
毛穴治療では、出力を上げれば必ず効果が高くなるわけではありません。
強いレーザー・RF治療では、赤み、炎症、色素沈着などのダウンタイムも大きくなります。
一方で弱すぎれば十分な真皮刺激が得られないことがあります。
つまり、治療では
必要な層へ
必要なエネルギーを
必要な回数
届けることが重要です。
毛穴治療は「強い・弱い」ではなく、原因と深さに合った設定になっているかを見る必要があります。
⑩一つの顔に複数の毛穴が混在している
毛穴治療が難しい理由の一つが、同じ顔の中でも原因が違うことです。
例えば、
鼻
→ 皮脂・角栓
鼻横
→ 局所的な開き毛穴
頬中央
→ 真皮弾力低下
一部
→ ニキビ跡
頬外側
→ たるみ毛穴
ということがあります。
この状態へ顔全体に同じ治療だけを行うと、一部は改善しても別の部分は残ります。
「毛穴治療をしたのに一部だけ治らない」という場合には、その部分だけ原因が違う可能性があります。
治療後に「何が残ったか」が重要
毛穴治療では、初診時だけでなく途中評価が非常に重要です。
例えば、ハイドラで詰まりが減ったあとに開き毛穴だけが残る、シルクロで頬全体の毛穴が改善したあとに数個のニキビ跡だけ残る、HIFUでたるみが改善したあとに真皮由来の毛穴が残る、ということがあります。
この段階で、残っている問題に合わせて治療を変更します。
毛穴治療では、最初から最後まで同じ施術を続けるより、治療によって原因を一つずつ減らしていく考え方が重要です。
Neo Voir1 PLUSなどで経過を比較することもある

毛穴は光の当たり方、皮脂量、乾燥状態などによって見え方が変わります。
そのため当院では、毛穴治療を検討されている方の診察の一環として、必要に応じて肌診断器Neo Voir1 PLUSなどを使用し、治療前後の肌状態を比較することがあります。
肉眼だけでは「何となく変わっていない」と感じても、全体の毛穴が改善して特定の凹みだけ残っていることがあります。
その場合には、残った部分をニキビ跡・真皮萎縮・たるみなど別の問題として再評価します。
画像は治療回数を決めるためではなく、「何が改善し、何が残ったか」を客観的に確認するために使います。
当院では「効かないから同じ治療を追加する」とは考えない
毛穴治療で変化が乏しい場合、当院ではまず原因を見直します。
皮脂が残っているなら皮脂治療、角栓なら洗浄、真皮ならレーザー・RF・注入、浅い瘢痕ならキュアジェット、深い癒着ならサブシジョン、たるみならたるみ治療というように方向を変えます。
他の毛穴治療コラムでも、レーザー、RF、注入、ピーリングなどは優劣ではなく、原因によって選ぶことが重要と解説しています。
💡毛穴の原因ごとの治療カテゴリーの選び方は以下コラムで詳しく解説しています。
まとめ
毛穴治療を何回しても改善しない場合、単純に治療回数が足りないとは限りません。
原因を取り違えている
治療カテゴリーが違う
治療する深さが違う
機器の設定が合っていない
治療順序が合っていない
複数の原因が混在している
治療後の再評価が不足している
といった可能性があります。
毛穴治療の研究でも、複数回治療や組み合わせ治療が有効である一方、RFでは設定条件が治療成績に関連することが報告されています。
毛穴治療で大切なのは、同じ施術を何回続けるかではなく、「なぜ残っているのか」を見ながら治療内容を変えていくことです。
Q&A
【文責】
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤 成貴
【参考文献】
- Lee SJ, et al. Facial Pores: Definition, Causes, and Treatment Options. Dermatol Surg. 2016.
- Parvar SY, et al. The efficacy and adverse effects of treatment options for facial pores: A review article. J Cosmet Dermatol. 2023;22(3):763-775.
- Ren K, et al. Fractional microneedle radiofrequency treatment for enlarged facial pores: A real-world retrospective observational study on 75 patients. J Cosmet Dermatol. 2022;21(12):6742-6753.
- Huang Y, et al. Efficacy and safety of fractional micro-needling radiofrequency for the treatment of enlarged pores on the cheeks of a Chinese cohort. Lasers Med Sci. 2024.
- Liu X, et al. Comparison of the 1064-nm picosecond laser with fractionated microlens array and 1565-nm non-ablative fractional laser for the treatment of enlarged pores. Lasers Med Sci. 2024.
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。








