リバースピールとは?肝斑・色素沈着への治療方法と注意点|名古屋
- 2023.3.10
目次
リバースピールとは?肝斑・色素沈着への治療方法と注意点|名古屋
リバースピールとは?

リバースピールは、肝斑や色素沈着を対象に開発された3段階のケミカルピーリング治療です。一般的なピーリングのように肌表面だけへ作用させるのではなく、異なる成分を順番に使用し、皮膚の深さに応じて段階的にアプローチすることが特徴です。まゆりなclinic名古屋栄では、肝斑、炎症後色素沈着(PIH)、顔全体のくすみ・色むらなどで検討します。特に「レーザーの刺激を強くしたくない」「トーニング以外の方法も組み合わせたい」「色素沈着と肌質を同時に整えたい」といった場合に、治療選択肢の一つになります。
ただし、リバースピールを受ければ肝斑が根本的に治る、再発しなくなるという治療ではありません。肝斑は慢性・再発性の色素異常なので、紫外線対策、外用・内服、レーザー治療などと組み合わせながら長期的に管理することが重要です。
肝斑についてはこちら⇒肝斑とは?
リバースピールはなぜ3段階で行う?
リバースピールでは、役割の異なる3種類の薬剤を順番に使用します。メーカー資料でも、RsP1・RsP2・RsP3の3段階で構成され、肝斑や真皮・表皮にまたがる色素沈着を対象とする治療として設計されています。
第1段階では、PRX-T33をベースとした薬剤を使用します。TCA(トリクロロ酢酸)、過酸化水素、コウジ酸などを含み、皮膚を整えながら色素へのアプローチを開始します。
第2段階では、高濃度乳酸とフィチン酸を含む薬剤を使用し、表皮深層を中心にアプローチします。
第3段階では、グリコール酸、マンデル酸、サリチル酸などのヒドロキシ酸を使用し、表層の角質や色むらを整えます。
つまり、単純に「強いピーリングを1回行う」のではなく、異なる深さと目的に合わせて薬剤を使い分ける治療です。
記事によっては、「真皮のメラニンを直接分解する」「深層から表層へメラニンを取り除く」といった表現を使っていましたが、そこまで単純な作用として説明するのは避けた方が適切です。リバースピールは、複数の薬剤を段階的に使用して色素沈着や肌全体の色調を整えるピーリング治療と考えると分かりやすいでしょう。
リバースピールはどんな方に向く?
当院では、次のような方でリバースピールを検討します。
・肝斑が気になる
・レーザートーニング以外の治療も取り入れたい
・PIHやニキビ後の茶色い色素沈着が気になる
・顔全体のくすみ・色むらを整えたい
・レーザー治療の刺激を増やしたくない
・ピーリングとホームケアを組み合わせたい
一方で、濃く境界のはっきりした老人性色素斑を1個取りたい場合には、リバースピールを何回も続けるよりピコスポットなどの方が適していることがあります。薄い老人性色素斑ならルビーフラクショナルを選ぶ場合があります。
つまり、リバースピールは「シミ取りレーザーの代わり」ではありません。広い色むらや肝斑・PIHなどを整える治療として位置づけます。
シミの違いについてはこちら⇒シミの治療の選び方
肝斑にはレーザーとリバースピールのどちらがいい?
どちらか一方が必ず優れているわけではありません。レーザートーニングは、低出力のレーザーでメラニンへアプローチします。一方、リバースピールは複数の薬剤を使用し、ピーリングによって色調や角質環境を整えていきます。肌状態によってはレーザーを中心に治療することもあれば、レーザーの刺激を抑えたい時期にリバースピールを組み合わせることもあります。例えば、レーザートーニングを続けて赤みや刺激が出やすくなっている場合に、同じレーザーを強くするのではなく、一度レーザーの間隔を空けながらピーリングや外用治療を組み合わせることがあります。反対に、リバースピールだけで肝斑が十分に改善しない場合には、OPトーニングやピコトーニングなど別の治療を検討します。
「レーザーかピーリングか」を先に決めるのではなく、今の肌にどの程度の刺激が必要かを見て選択します。
肝斑治療についてはこちら⇒肝斑治療の注意点
OPトーニングと組み合わせることもある?
あります。まゆりなclinic名古屋栄では、刺激への配慮を重視したい肝斑やPIHではOPトーニングを積極的に使用しています。OPトーニングはDiscovery PICO VarioPulseのQスイッチモードを使用する治療で、ピコトーニングとは異なります。
リバースピールとOPトーニングは同じ目的の治療ではありません。OPトーニングはレーザーによってメラニンへアプローチし、リバースピールは薬剤を使用して色調や角質環境を整えます。そのため、肌状態によっては時期を分けて組み合わせることがあります。
ただし、施術を増やせば効果も比例して高くなるわけではありません。治療後の赤みや乾燥などを確認しながら、必要な治療だけを組み合わせます。
OPトーニングについてはこちら⇒OPトーニングとピコトーニングの違い
炎症後色素沈着(PIH)にも使える?

リバースピールは、炎症後色素沈着に対して検討することがあります。ただし、PIHがあるからすぐピーリングを行えばよいわけではありません。ニキビ、湿疹、レーザー治療などの炎症がまだ残っている時期には、ピーリングによる刺激を追加せず、まず炎症を落ち着かせることを優先します。炎症が落ち着き、茶色い色素沈着だけが残っている段階で、リバースピール、OPトーニング、外用治療などを検討します。
つまり、PIH治療で重要なのは「何を使うか」だけではなく「いつ始めるか」です。
PIHについてはこちら⇒炎症後色素沈着(PIH)とは
リバースピールは何回必要?
リバースピールは、1回で色素を取り切る治療ではありません。複数回かけて少しずつ肌状態や色調を整えていきます。旧記事では「2〜4週間ごとに5回」「3回目以降で改善を感じる」と記載していました。おおよその目安にはなりますが、やはり実臨床では必要な回数には個人差があることがわかってきました。肝斑の濃さ、PIHの程度、肌の反応、併用治療などによって治療回数は変わります。数回行って反応を確認し、改善がみられれば継続する。刺激が強ければ間隔を空ける。反応が乏しければ治療方法を見直す。このように、回数を固定するより肌の変化を見ながら判断することが重要です。
ダウンタイムは?
リバースピールでは、施術中にヒリつきや灼熱感を感じることがあります。施術後には一時的な赤み、乾燥、皮むけ、刺激感などが生じる可能性があります。「ダウンタイムがほとんどない」と紹介されることがありますが、まったく反応が出ない治療ではありません。
特に、肌が乾燥している、皮膚炎がある、直前に強いピーリングやレチノールを使用している、といった状態では刺激が強く出る可能性があります。治療後は保湿と紫外線対策を行い、皮むけがあっても無理にはがさないことが重要です。治療前後のレチノール、トレチノイン、ピーリング剤などの使用については、医師の指示に従って調整します。
リバースピールが向いていない場合

次のような場合には施術を延期、または他の治療を検討することがあります。
・活動性の皮膚炎や湿疹がある
・強い日焼けをしている
・皮膚のバリア状態が悪い
・薬剤成分にアレルギーがある
・強い刺激反応が予想される
・妊娠中・授乳中など施術を控えるべき状態
肌状態によって判断が異なるため、施術前に医師が確認します。
リバースセラムは必要?

リバースピールでは、ホームケアとしてReverse Serum(リバースセラム)を使用することがあります。メーカー資料では、色素沈着に配慮したホームケア製品として位置づけられています。ただし、美容液を塗れば肝斑が治るというものではありません。治療後の肌を整えながら、紫外線対策や摩擦対策などと組み合わせて使用します。
肝斑は「ピーリングで剥がせば治る」わけではない
ここはリバースピールを理解するうえで重要です。肝斑は、表皮にメラニンがあるだけの病態ではありません。慢性的な紫外線曝露、炎症、ホルモン、基底膜、真皮の光老化、血管など複数の要素が関係しています。そのため、ピーリングを強くして皮膚をどんどん剥がせば肝斑が早く改善するわけではありません。むしろ強い刺激によって炎症が起こると、色素沈着が悪化する可能性があります。化学ピーリングは肝斑治療の選択肢として有効性が報告されていますが、2024年の系統的レビューでは、研究間のばらつきが大きく、薬剤や濃度、治療回数も統一されていません。したがって、ピーリング単独を万能な肝斑治療として扱うのではなく、複合治療の一部として位置づけるのが適切です。
まゆりなclinic名古屋栄での位置づけ
当院では、リバースピールを「難治性肝斑の最終治療」とは位置づけていません。
肝斑や色素沈着に対して使用できる選択肢の一つです。
例えば、
刺激への配慮を重視したい肝斑
→ OPトーニング
肝斑・くすみ・色むら
→ ピコトーニング
ピーリングによる色調・角質環境の改善
→ リバースピール
レーザーを一度休みながら肌状態を整えたい
→ リバースピールやC-OPERAなどを検討
というように治療を組み立てます。
また、濃い老人性色素斑や薄い老人性色素斑が混在していれば、それぞれピコスポットやルビーフラクショナルなど別の治療を行います。
治療を一つに固定するのではなく、残っている色素と肌状態に合わせて内容を変えていくことが重要です。
よくある質問
Q.リバースピールは肝斑に効果がありますか?
A.肝斑や色素沈着に対する治療選択肢の一つです。ただし、肝斑は慢性・再発性のため、リバースピールだけですべての方が改善するわけではありません。レーザーや外用・内服などを組み合わせる場合があります。
Q.レーザートーニングよりリバースピールの方がいいですか?
A.一律にどちらがよいとは言えません。レーザーとピーリングでは作用方法が異なるため、肌状態や刺激への反応を見ながら使い分けます。
Q.リバースピールはPIHにもできますか?
A.炎症が落ち着いた後の色素沈着で検討することがあります。炎症が強い時期にはピーリングを行わず、まず皮膚を落ち着かせる場合があります。
Q.何回くらい必要ですか?
A.複数回を前提に考えることが多い治療ですが、必要な回数は肌状態によって異なります。数回ごとに反応を確認しながら継続を判断します。
Q.皮むけしますか?
A.軽い皮むけ、乾燥、赤み、ヒリつきなどが出ることがあります。無理に皮をはがさず、保湿と紫外線対策を行ってください。
Q.リバースピールなら肝斑は再発しませんか?
A.再発しない治療ではありません。肝斑は慢性・再発性の病態なので、治療後も紫外線対策や必要に応じた維持治療が重要です。
まとめ
リバースピールは、3段階の薬剤を使用して肝斑・色素沈着・くすみなどへアプローチするケミカルピーリング治療です。レーザーとは異なる方法で色調や角質環境を整えられるため、肝斑治療の選択肢を増やすことができます。一方で、「真皮のメラニンを直接除去する」「難治性肝斑を根本治療する」「再発しない」といった治療ではありません。
当院では、肝斑・PIH・くすみなどの状態を確認しながら、OPトーニング、ピコトーニング、リバースピール、C-OPERA、内服・外用治療などから必要な方法を選択します。
リバースピールの価値は、「レーザーより優れている」ことではなく、レーザーとは異なる方法で肌を整えられることです。
同じ肝斑でも、治療する時期や肌状態によって適した方法は変わります。
【参考文献】
- Sarkar R, Lakhani R. Chemical Peels for Melasma: A Systematic Review. Dermatol Surg. 2024;50(7):656-661. PMID: 38530985. DOI: 10.1097/DSS.0000000000004167.
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- Sarkar R, Kaur C, Bhalla M, Kanwar AJ. The combination of glycolic acid peels with a topical regimen in the treatment of melasma in dark-skinned patients: a comparative study. Dermatol Surg. 2002;28(9):828-832. PMID: 12269875.
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- WiQo Med. Reverse Peel / WiQo Product Range. Manufacturer technical information. Current product documentation.
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴








