アゼライン酸は毛穴に効く?詰まり・皮脂・ニキビへの効果と使い方|名古屋
- 2026.9.27
「アゼライン酸を塗ると毛穴は小さくなりますか?」「皮脂が多い毛穴にも効きますか?」という質問をいただくことがあります。
結論からいうと、アゼライン酸は毛穴そのものを物理的に小さくする治療ではありません。 一方、毛穴が目立つ原因がコメド・角化異常・ニキビ・炎症などであれば、アゼライン酸によって毛穴が詰まりにくい状態を作り、結果として毛穴が目立ちにくくなることは期待できます。
特に、白ニキビ・黒ニキビを繰り返す、鼻や頬に細かな詰まりがある、ニキビができやすい、ニキビと赤い跡が混在している、といった方には使いやすい成分です。
まゆりなclinic名古屋栄では、ホームケアとして「DRX AZAクリア」とデルファーマ「シーバムクリアAZ」を取り扱い、施術として「アゼライン酸ピーリング」も行っています。それぞれ目的と使い方が少し異なります。
目次
アゼライン酸はなぜ毛穴・ニキビに使われる?
アゼライン酸は、角化を整える作用、抗菌作用、抗炎症作用などを持つ成分です。
ニキビは、毛穴の出口の角化異常によって皮脂が排出されにくくなり、コメドが形成されることから始まります。アゼライン酸はこの角化異常へ作用するため、白ニキビ・黒ニキビなどの面皰を減らす治療として以前から使用されています。
20%アゼライン酸クリームを使用した臨床試験では、面皰性ニキビに対してコメド数を減少させ、0.05%トレチノインクリームと同程度の有効性を示したと報告されています。また、炎症性ニキビにも有効性が報告されています。
日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」でも、アゼライン酸外用は面皰・炎症性皮疹に対する選択肢の一つとして位置づけられています。
アゼライン酸が向いている毛穴・向いていない毛穴
毛穴が目立つ原因は一つではありません。そのため「毛穴=アゼライン酸」ではありません。

つまり、アゼライン酸が特に得意なのは、「詰まりやニキビが関係している毛穴」です。
真皮の弾力低下による開き毛穴ならシルクロやピコフラクショナル、たるみが主体ならHIFU・オリジオKISS・ATTIVAなど、別の治療を考えます。
アゼライン酸は皮脂を直接減らす?
アゼライン酸は「皮脂を抑える成分」と説明されることもありますが、アゼライン酸そのものが皮脂腺を縮小させたり、皮脂分泌量を明確に減らしたりする作用については強い臨床的根拠があるわけではありません。
20%アゼライン酸を使用した研究では、ニキビや角化は改善しましたが、皮脂分泌量や皮脂腺の大きさには明らかな変化を認めませんでした。
そのため、アゼライン酸が毛穴に有効なのは「皮脂を直接止めて毛穴を縮める」からというより、角化・コメド・炎症を整えて詰まりにくい状態を作るためと考えた方が正確です。
皮脂分泌そのものが非常に多く、それによって開き毛穴が目立っている場合には、当院ではマイクロボトックスやシルクロなど別の治療も検討します。
ニキビと赤いニキビ跡が一緒にある人にも使いやすい
アゼライン酸の特徴は、ニキビだけでなく炎症後の赤みや色素沈着にも使用しやすいことです。2024年の無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、軽症~中等症ニキビの患者に15%アゼライン酸ジェルを12週間使用したところ、ニキビ後の赤み(PIE)と色素沈着(PIH)の改善が報告されています。
そのため当院では、活動性ニキビがあり、その周囲に赤いニキビ跡も残っているような方にもアゼライン酸を使用することがあります。
ただし、すでに血管性のPIEだけが強く残っている場合には、アゼライン酸だけで治そうとするのではなく、ライムライトやジェネシスなどの赤み治療を検討します。
DRX AZAクリアとデルファーマ シーバムクリアAZは何が違う?

当院ではホームケア用として2種類を取り扱っています。
・DRX AZAクリア
ロート製薬の医療機関専売製品で、アゼライン酸を高濃度配合したクリームです。メーカーでは、ニキビの原因となる毛穴詰まりに着目した製品として案内されており、ノンコメドジェニックテスト済み、無香料・無着色・アルコールフリーです。
使用感はクリームタイプですが、メーカーでは「べたつかず、しっとりとした使用感」とされています。
当院では、ニキビやコメドを繰り返す方、毛穴詰まりをホームケアで継続的に整えたい方などに使用します。
・デルファーマ シーバムクリアAZ
デルファーマのシーバムクリアAZは、ジェル状美容液です。
アゼライン酸に加え、アゼライン酸誘導体、グリシルグリシン、パンテノールなどを配合しています。また、オイルフリーでみずみずしいジェル状に設計されています。
そのため、クリームタイプより軽い使用感を好む方、皮脂が多い方、べたつきが気になりやすい方にはデルファーマを選びやすいと考えています。
DRXとデルファーマ、どちらがいい?
単純に「どちらの方が効果が強い」という比較ではありません。剤形や配合成分が異なります。
患者さんへの説明としては
しっかりアゼライン酸を継続したい → DRX
皮脂が多く、軽いジェルの使用感が好き → デルファーマ
という分け方が分かりやすいと思います。
ただし、DRXが「べたつく」という意味ではありません。デルファーマの方がジェル状・オイルフリーで、より軽い使用感という表現が適切です。
アゼライン酸ピーリングはホームケアと何が違う?
当院には、塗るホームケアだけでなく「アゼライン酸ピーリング」もあります。
当院で使用しているアゼライン酸ピーリングは、アゼライン酸だけを塗布するものではなく、グリコール酸・乳酸・サリチル酸を配合したピーリングにアゼライン酸を組み合わせた治療です。ホームケアのアゼライン酸は、毎日継続してコメドや炎症を繰り返しにくい状態を作る治療です。一方、アゼライン酸ピーリングは、今ある古い角質・細かな詰まり・ざらつきをピーリングで整えながら、ニキビや炎症、赤みも同時に考える施術です。
当院ではニキビ・赤いニキビ跡にもアゼライン酸ピーリングを使う
当院では、アゼライン酸ピーリングを特に
ニキビを繰り返す
白ニキビ・細かなコメドが多い
皮脂・毛穴詰まりがある
赤ニキビがある
ニキビ後の赤みも気になる
ざらつきも同時に改善したい
といった方に使用します。
アゼライン酸そのものにはニキビ・PIEへの臨床データがあります。一方、当院のピーリングはアゼライン酸単剤ではなく複数の酸を組み合わせた施術であるため、15%アゼライン酸ジェルの臨床試験とまったく同じ治療ではありません。
ただし、ピーリングによる角質・詰まりへのアプローチと、アゼライン酸によるニキビ・炎症へのアプローチを同時に行えることが、この施術の特徴です。
当院のアゼライン酸ピーリングの詳しい施術内容については以下のページでご案内しています。
ハイドラ・アゼライン酸・アゼライン酸ピーリングはどう使い分ける?

ハイドラは「今ある詰まりを取る」、アゼライン酸は「詰まりやニキビを繰り返しにくくする」、アゼライン酸ピーリングは「角質・詰まり・ニキビを施術としてまとめて整える」と考えると分かりやすいです。
アゼライン酸だけで開き毛穴は治る?
すべての開き毛穴がアゼライン酸で改善するわけではありません。
皮脂やコメドによって毛穴が広がって見えている場合には、アゼライン酸によって詰まりが減ることで毛穴が目立ちにくくなる可能性があります。
しかし、真皮のコラーゲン低下による開き毛穴、ニキビ跡の浅い瘢痕、たるみ毛穴などは別の問題です。
この場合には、シルクロ、ピコフラクショナル、キュアジェット+ジュベルック、HIFU、オリジオKISS、ATTIVAなど、それぞれ原因に合った治療が必要になります。
「毛穴に効く成分」を探す前に、その毛穴がなぜ開いているのかを確認することが重要です。
毛穴の原因ごとの違いについては以下のコラムで詳しく解説しています。
鼻の黒ずみ・詰まりが気になる場合は?
鼻の黒ずみでは、まず黒い点が角栓なのか、皮脂腺フィラメントなのか、毛なのか、色素なのかを見分ける必要があります。
アゼライン酸は角栓を一度に取り除く治療ではありません。今ある角栓が多い場合にはハイドラアクアスキンを行い、その後アゼライン酸をホームケアとして併用するなど、役割を分けて考えます。
アゼライン酸はどれくらい続ければいい?
アゼライン酸は、ハイドラやピーリングのように施術直後に角栓を取り除く治療ではありません。毎日のホームケアとして継続し、コメドやニキビができにくい状態を少しずつ作っていく成分です。
臨床研究では、15%アゼライン酸ジェルを数か月継続することで炎症性ニキビの改善が報告されており、ニキビ後の赤み(PIE)や色素沈着(PIH)についても8~12週程度から改善が確認されています。
そのため、数日~1、2週間使用して「毛穴が変わらないから効いていない」と判断するのではなく、まずは数週間~数か月単位で変化を見ることをおすすめします。
また、アゼライン酸は「○か月使用したら必ず中止しなければならない」という成分ではありません。刺激感や乾燥などの問題がなく、肌に合っている場合には、ニキビ・コメド・毛穴詰まりを繰り返しにくい状態を維持する目的で長期的に継続して使用することができます。
むしろ、ニキビや毛穴詰まりを繰り返しやすい方では、肌状態が改善したからすぐにやめるのではなく、状態を見ながら継続することで良い状態を維持しやすくなります。
一方、使用開始時にはピリピリ感、熱感、赤み、かゆみ、乾燥などを感じることがあります。その場合には無理に毎日使用せず、夜のみ、1日おきなど使用頻度を調整します。
問題なく使用できている場合には長く続けてもよい。一方、刺激が出る場合には使用頻度を調整する。 というのが、アゼライン酸ホームケアの基本的な考え方です。
まとめ|アゼライン酸が向いているのは「詰まり・ニキビが関係する毛穴」
アゼライン酸は、すべての毛穴を小さくする成分ではありません。
特に向いているのは、コメドがある、毛穴詰まりを繰り返す、ニキビができやすい、ニキビと毛穴が一緒に気になる、ニキビ後の赤みや色素沈着もある、といった状態です。
アゼライン酸には、毛包の角化を整え、コメド・炎症性ニキビを改善する臨床データがあります。また、刺激などの問題がなければ短期間だけ使う必要はなく、ニキビ・コメド・毛穴詰まりを繰り返しにくい状態を維持するために長期的に継続することもできます。
当院では、ホームケアとしてDRX AZAクリアとデルファーマ シーバムクリアAZを取り扱っています。DRXは高濃度アゼライン酸配合のクリーム、デルファーマはアゼライン酸+アゼライン酸誘導体+グリシルグリシンなどを配合した軽いジェルタイプです。どちらが上というより、肌状態や使用感に応じて選びます。
さらに、コメド・ざらつき・ニキビ・赤みを施術としてまとめて治療したい場合には、アゼライン酸ピーリングも選択肢です。
>毛穴治療では「毛穴に効く成分を塗る」だけではなく、その毛穴が詰まりなのか、皮脂なのか、真皮の弾力低下なのか、ニキビ跡なのかを見分けて治療を選ぶことが重要です。
Q&A
【文責】
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤 成貴
【参考文献】
- 日本皮膚科学会. 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023.
- Katsambas A, et al. Clinical studies of 20% azelaic acid cream in the treatment of acne vulgaris. Comparison with vehicle and topical tretinoin. Acta Derm Venereol Suppl. 1989.
- Gollnick H, et al. Azelaic acid 15% gel in the treatment of acne vulgaris.
- Effects of 15% Azelaic Acid Gel in the Management of Post-Inflammatory Erythema and Post-Inflammatory Hyperpigmentation in Acne Vulgaris. Dermatol Ther. 2024.
- Mayer-da-Silva A, et al. Effects of azelaic acid on sebaceous gland, sebum excretion rate and keratinization pattern in human skin.
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。








