50代・60代のシミ取りは遅くない?老人性色素斑・脂漏性角化症・肝斑の見分け方と治療
- 2026.10.15
目次
50代・60代のシミ取りは遅くない?老人性色素斑・脂漏性角化症・肝斑の見分け方と治療|名古屋
「50代になってシミが一気に増えた」「もう60代だからシミ取りをしても遅いでしょうか」「濃いシミも薄いシミも、盛り上がったものもあって何を治療すればよいか分からない」。
50代・60代では、このようなご相談が多くなります。
結論からいうと、50代・60代からシミ治療を始めても遅すぎることはありません。
ただし、この年代では20代・30代のように一種類の色素だけが目立っていることは少なくなり、

などが、多かれ少なかれ混在していることが多くなります。
さらに、長年の紫外線曝露、乾燥、赤み、キメの乱れ、治療歴なども加わるため、単純に「濃いシミを全部レーザーで取る」という治療ではうまくいかないケースもあります。
その一方で、何が混ざっているのかを診断し、肌状態を見ながら治療の順番を組み立てれば、50代・60代でも十分に改善を目指せます。
老人性色素斑に対するレーザー治療には幅広い年齢層で有効性が報告されており、2025年の系統的レビューでは24~92歳を含む3,234人の臨床試験が解析されています。年齢そのものを理由に治療を諦める必要はありません。
おすすめのページ👉「シミ・そばかす・肝斑・くすみ・ADM」
50代・60代では「いろいろなシミが混ざっている」と考える
この年代では、一つの診断名だけですべてを説明できないことが珍しくありません。

実際には、
老人性色素斑+脂漏性角化症
老人性色素斑+肝斑
ADM+肝斑+老人性色素斑
そばかす+老人性色素斑
PIH+老人性色素斑
などが同じ顔の中に存在します。
アジア人では、老人性色素斑、そばかす、肝斑、ADM、PIHなどさまざまな色素性病変がみられ、レーザー治療後のPIHにも注意が必要です。

見た目だけで分かりにくい場合は肌診断を行います
50代・60代では、肉眼で見ただけでは「どこまでが肝斑で、どこからが老人性色素斑なのか」「茶色く見えている部分がPIHなのか、もともとのシミなのか」が分かりにくいことがあります。
特に、
過去に何度かレーザー治療を受けている
肝斑治療を受けている
PIHが残っている
薄いシミと濃いシミが多数ある
といった場合には、見え方がさらに複雑になります。
まゆりなclinic名古屋栄では、まず医師が、
色
形
境界
厚み
左右差
分布
いつからあるか
これまでの治療歴
を確認します。
そのうえで肉眼だけでは整理しにくい場合には、NeoVoirⅠPLUSによる肌診断撮影を行います。
肌診断器だけで病名を決めるわけではありませんが、医師の診察と肌診断画像を組み合わせることで、
「ここは老人性色素斑」
「この範囲は肝斑」
「この色はPIHの可能性が高い」
「この部分はADMが残っている」
というように、何がどこに混ざっているかをかなり整理しやすくなります。
2026年10月現在、当院の肌診断撮影は11,000件を超えています。
50代・60代では治療法を決める前に、まず現在の肌を地図のように整理することが重要です。
おすすめのページ👉「シミ・そばかす・肝斑・くすみ・ADM」
老人性色素斑は増え、濃いものと薄いものが混在する
50代・60代では、長年の紫外線曝露によって老人性色素斑が増えている方が多くなります。
老人性色素斑は同じ人の顔でも濃さが均一ではありません。
濃く境界明瞭なもの
非常に薄いもの
大きいもの
細かなもの
が混在します。
当院では、
濃く境界明瞭な老人性色素斑
→ ピコスポット
非常に薄い老人性色素斑・細かな薄いシミ
→ ルビーフラクショナル
を主に検討します。
ピコ秒レーザーやQスイッチレーザーを含むレーザー治療は老人性色素斑に対して有効性が報告されています。一方、アジア人ではPIHが起こることがあるため、「強く当てればよい」というものではありません。
おすすめコラム👉「薄いシミ・濃いシミでレーザーはどう変わる?ピコレーザーとルビーフラクショナルの使い分け|名古屋」
脂漏性角化症の割合も増えてくる
50代・60代になると、平坦な老人性色素斑だけでなく、厚みや盛り上がりを伴う脂漏性角化症が混ざっている方が増えてきます。
診療では、
「昔は普通の平坦なシミだったと思うけれど、最近少し盛り上がってきた」
という相談もよくあります。
当院でも、以前は老人性色素斑様に見えていた部位が、年月とともに厚みを持ち、現在は脂漏性角化症として治療した方がよい状態になっているケースを経験します。
これは「老人性色素斑が必ず脂漏性角化症へ変化する」という意味ではありません。
ただ、50代・60代では、
平坦な色素斑
少し厚みがある病変
明らかに盛り上がった脂漏性角化症
が混在してくるため、色だけでなく厚みを確認することが重要になります。
脂漏性角化症では、ピコスポットやトーニングよりもCO2レーザーなどを検討することがあります。
肝斑も残っている・混在していることがある
50代になると肝斑が必ず消えるわけではありません。
閉経前後で色調が変化する方もいますが、50代・60代でも肝斑が残っている方はいます。
特に問題なのが、
肝斑の上に老人性色素斑がある
肝斑+ADM+老人性色素斑が混ざっている
ケースです。
その場合に「茶色いものを全部ピコスポットで取る」という治療は行いません。
当院では肝斑には、
ピコトーニング
OPトーニング
などを状態に応じて検討し、そのうえで治療可能な老人性色素斑を選びます。
おすすめコラム👉「名古屋で肝斑治療を受けるなら?レーザー・内服・外用治療の選び方を医師が解説」
ADMやそばかすもなくなるわけではない
50代・60代でも、若い頃からあったADMやそばかすが残っている方はいます。
ただし、この年代になるとそれらだけが単独で存在するケースは少なくなります。
例えば、
ADM+老人性色素斑
ADM+肝斑
そばかす+老人性色素斑
などになり、見え方が複雑になります。
特にADMでは灰褐色~青褐色の色素の上に茶色い老人性色素斑が重なると、肉眼だけでは一つのシミに見えてしまうことがあります。
そのため、必要に応じて肌診断画像を併用して整理します。
50代・60代では治療に難渋するケースもあります
この年代になると、治療が簡単ではないケースも出てきます。
例えば、
長期間存在する色素
濃いシミと薄いシミが多数混在
脂漏性角化症が多数ある
肝斑やADMが重なっている
過去のレーザー治療後のPIHがある
日焼けや光老化が強い
乾燥・赤み・キメの乱れが強い
といった場合です。
アジア人の肌では、色素レーザー治療後にPIHを生じるリスクが知られており、Qスイッチレーザーなどの色素レーザー後にはPIHが問題になることがあります。
しかし、治療が難しい=治療できない、という意味ではありません。
シミを一度に全部取りにいくのではなく、
肌状態を整える
↓
濃いシミを取る
↓
薄いシミを整える
↓
残った色素を再評価する
というように、治療を分けて進めることで改善を目指せます。
50代・60代では、先に肌状態を整えてからシミを取ることもある
当院では、50代・60代の方すべてに最初からピコスポットを行うわけではありません。
例えば、
日焼けが強い
肌全体にくすみがある
乾燥が強い
赤みが強い
キメがかなり乱れている
過去のPIHが長引いている
といった場合には、先に肌全体のコンディションを整えてから、ピコスポットやルビーフラクショナルへ進むことがあります。
当院でその際に検討するのが、
これらは老人性色素斑そのものをスポットで取る治療とは役割が違います。
まず土台となる肌状態を整え、その後に色素斑を狙うという考え方です。

肌状態を整えてから行うことでPIHにも配慮する
当院では、肌状態が不安定な方にいきなり強い色素治療を行うより、肌状態を整えてからピコスポットやルビーフラクショナルを行う方がPIHを抑えやすいのではないかと考えています。
実際の診療でも、肌の乾燥や炎症、強い日焼けなどを先に整えてから治療した方が、PIHが目立ちにくかったり、出たとしても長引きにくかったりすることを期待して治療計画を組むことがあります。
ただし、ここは当院の治療戦略・臨床経験に基づく部分です。
ピコトーニング、水光注射、ニードルRFなどを事前に行えばPIHを確実に予防できる、あるいはPIHの期間を必ず短縮できることを示す強い比較試験が確立しているわけではありません。一方で、アジア人ではレーザー後のPIHが重要な問題であり、PIHを予防・管理しながら治療すること自体は重要です。
そのため当院では、
紫外線が強い状態で無理に治療しない
炎症や乾燥が強ければ先に整える
肌状態を見ながら治療強度を選ぶ
治療後もしっかり経過を見る
ことを重視しています。
50代・60代でも「遅すぎる」ことはありません
「もっと若い頃にシミ取りをすればよかった」
とおっしゃる患者さんは少なくありません。
確かに、シミが少ないうちの方が治療が単純なことはあります。
しかし、だからといって50代・60代で治療を始めても意味がないわけではありません。
老人性色素斑に対するレーザーやIPLなどの治療は、幅広い年代で有効性が報告されています。2025年の系統的レビューでも、レーザー治療は老人性色素斑に対して有望な結果を示しています。
50代・60代では一回ですべてを終わらせることだけを目標にせず、
肌全体を整える
濃いシミを減らす
薄いシミを減らす
盛り上がりを取る
残った色素を再評価する
というように段階的に進めればよいのです。
年齢を理由に諦める必要はありません。
50代・60代のシミ治療をまとめると

盛り上がりや形が不自然な病変は、まず診断します
50代・60代になるほど、すべての茶色い病変を「普通のシミ」と考えないことも重要です。
特に、
左右非対称
境界が不規則
複数の色が混在する
急に大きくなった
出血する
潰瘍・ただれがある
などの病変については、美容レーザーを優先しません。
悪性病変を含めた鑑別が必要になるため、まず皮膚科的な評価を行います。
まとめ|50代・60代は「遅い」のではなく、治療の組み立てが大切
50代・60代では、多かれ少なかれ、
老人性色素斑
脂漏性角化症
肝斑
ADM
PIH
そばかす
くすみ・色むら
が混在しています。
そのため、若い年代より治療が複雑になり、難渋する症例もあります。
しかし、シミ治療を始めるのに遅すぎるということはありません。
当院ではまず診察し、必要に応じて肌診断を行い、
何が混ざっているのか
どの病変から治療するのか
先に肌状態を整えた方がよいのか
を考えます。
肌状態がよくない場合には、
ピコトーニング
ダブルピコ
IPL
水光注射
シルクロ(ニードルRF)
C-OPERA
などで先に肌のコンディションを整え、その後にピコスポットやルビーフラクショナルを行うこともあります。
50代・60代のシミ治療では、「何を当てるか」だけではなく「いつ、どの順番で治療するか」まで考えることが重要です。
しっかり診断し、治療を組み立てれば、50代・60代からでも肌を改善していくことは十分に可能です。
おすすめのページ👉「シミ・そばかす・肝斑・くすみ・ADM」
Q&A
Q1.60代からシミ取りを始めても遅くないですか?
遅くありません。50代・60代ではシミの種類が多くなり治療が複雑になることはありますが、病変を診断して一つずつ治療すれば改善を目指せます。
Q2.50代・60代では何のシミが多いですか?
老人性色素斑が多く、脂漏性角化症、肝斑、ADM、PIH、若い頃から残るそばかすなどが混在することがあります。
Q3.老人性色素斑が盛り上がってきたように見えます。
以前は平坦なシミだった場所に、年月とともに厚みが目立ってくるケースがあります。その時点では脂漏性角化症などを考え、CO2レーザーなど別の治療を検討することがあります。
Q4.シミが多すぎて何のシミか分かりません。
50代・60代では珍しくありません。当院では医師の診察を基本に、必要に応じてNeoVoirⅠPLUSによる肌診断を行い、色素の分布や混在を整理します。
Q5.すぐピコスポットをしないこともありますか?
あります。日焼け、くすみ、乾燥、赤み、PIHなどが強い場合には、先に肌状態を整えてからピコスポットやルビーフラクショナルへ進むことがあります。
Q6.どんな治療で肌状態を整えますか?
状態に応じて、ピコトーニング、ダブルピコ、IPL、水光注射、シルクロ、C-OPERAなどを検討します。目的はそれぞれ異なるため、肌状態に合わせて選びます。
Q7.先に肌を整えるとPIHが出なくなりますか?
PIHを完全に防げるわけではありません。当院では肌状態を整えてから色素治療を行うことで、PIHを抑えたり長引きにくくしたりすることを期待して治療を組み立てていますが、これを確実に証明する強い比較試験は限られています。
Q8.50代・60代のシミは1回で全部取れますか?
一度ですべてを治療できるとは限りません。濃い老人性色素斑、薄いシミ、脂漏性角化症、肝斑などで治療方法が異なるため、段階的に治療することがあります。
文責
まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴
参考文献
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