ピコレーザーはどこのクリニックがいい?機種・波長・パルス幅・メンテナンスで見る選び方|名古屋
- 2026.9.23
目次
ピコレーザーはどこのクリニックがいい?機種・波長・パルス幅・メンテナンスで見る選び方|名古屋

「ピコレーザーを受けたいけれど、どこのクリニックがいいのか分からない」「同じピコレーザーなら料金が安いところでも同じ?」という相談があります。
結論からいうと、ピコレーザー治療は「ピコレーザーを置いているか」だけでは比較できません。機種によって波長、パルス幅、出力、照射モードなどが異なり、同じ機種でも医師が何を診断し、どの条件で照射するかによって治療内容は変わります。さらに、レーザー機器は本来の性能を安定して発揮できる状態に保つための点検・校正・メンテナンスも重要です。
当院では、クリニックを選ぶときには「どんなピコレーザーを置いているか」だけでなく、「その機械をどのように使い、どのように管理しているか」まで見ることをおすすめしています。
まずピコレーザーの機種名を確認する
「ピコレーザー」は一つの機械の商品名ではありません。現在使用されている代表的なピコレーザーには、PicoWay、PicoSure、PQX Pico Laser、enlighten、Discovery PICOなどがあります。これらはメーカー、波長、パルス幅、照射方法などがそれぞれ異なります。例えばPicoSure Proは755nmを中心とするピコレーザーで、enlighten SRは532nm・1064nmと750psを使用する機種です。PQX Pico Laserは532nm・1064nm、350psで、日本の医療機器製造販売承認も取得しています。(cynosure.com) (cutera.com) (jmec.co.jp)
そのため「最新ピコレーザー」「高性能ピコレーザー」とだけ書かれている場合には、具体的な機種名まで確認してもよいでしょう。
製造国だけではなく、メーカー・承認・臨床実績を見る
ピコレーザーを選ぶときに、製造国だけで機器の良し悪しを決めることはできません。当院では、どこの国で製造されたかという一点よりも、メーカーと機種が明確であること、承認状況を確認できること、機器仕様が公開されていること、臨床データや長期的な使用実績があること、メーカーや正規代理店による保守体制が整っていることを重視しています。
PicoWay、PicoSure、PQX、enlighten、Discovery PICOなどのように、機種名・メーカー・仕様・臨床情報を確認しやすい機器は、患者さま自身も治療内容を比較しやすいという利点があります。逆に、「ピコレーザー」という名称だけでメーカーや機種が分からない場合には、どのような機械を使用しているのか確認してみてもよいでしょう。
波長を見る
レーザーでは波長が重要です。波長によってメラニンへの吸収や皮膚への到達深度が異なるため、同じピコレーザーでも使用できる波長によって治療の選択肢が変わります。
例えば532nmは比較的表在性の色素、1064nmはより深い位置へのアプローチに使用されます。PicoSureのように755nmを中心とする機種もあります。(cynosure.com)
そのため、ピコレーザーを比較するときには「何nmを使えるか」も確認材料になります。
パルス幅は何psなのか
ピコレーザーでは「何ps」という数字もよく表示されています。これは1発のレーザーが照射される時間を表すパルス幅です。一般にはパルス幅が短いほど高性能と思われることがありますが、短ければ短いほどすべての病変で優れているわけではありません。短いパルス幅では光音響・光機械的作用を強く利用しやすく、熱拡散を抑えやすい一方、老人性色素斑などでは一定の光熱作用も利用した方が十分に色素を反応させやすい場合があります。
当院では、「何psか」という数字だけでなく、その病変にどのパルス幅を使うのかを重視しています。
パルス幅を選べる機種もある
機種によってはピコ秒のパルス幅が固定されていますが、複数のピコ秒パルス幅を選択できる機種もあります。当院で使用しているenlighten SRは532nm・1064nm、750psを使用します。一方、Discovery PICO VarioPulseでは、ピコ秒領域の中で複数のパルス幅を選択できます。enlighten SRの仕様についてはCUTERA公式でも532nm・1064nm、750psとされています。(cutera.com)当院では、「ピコ秒を出せる」だけでなく、「どのピコ秒を使うか選べる」ことも治療設計の一つと考えています。
ピコスポット・ピコトーニング・ピコフラクショナルを使い分けているか
同じピコレーザーでも照射方法によって目的は異なります。

ピコレーザーを導入しているだけでなく、治療する病変に応じてこれらを使い分けているかを見ることが重要です。
ピコフラクショナルにも2種類ある
ピコフラクショナルもすべて同じではありません。当院では、ノンアブレーショナル・ピコフラクショナルとアブレーショナル・ピコフラクショナルの両方を使用しています。
ノンアブレーショナルタイプは、皮膚表面への侵襲を比較的抑えながら真皮再構築を促す治療です。毛穴、肌質、比較的浅いニキビ跡などに使用します。アブレーショナルタイプは、より積極的に微細な損傷を作り、ニキビ跡などの凹凸を再構築する目的で使用します。そのため「ピコフラクショナルがあります」だけでは、実際にどの治療を行っているのかまでは分かりません。ニキビ跡目的でクリニックを選ぶ場合には、どのタイプのピコフラクショナルを使用しているか確認する価値があります。
一番重要なのは機械より診断

高性能なピコレーザーがあっても、診断が違えば適切な治療にはなりません。
例えば老人性色素斑、肝斑、ADM、そばかす、PIHは茶色く見えることがありますが、治療方法はそれぞれ異なります。肝斑にシミ取り目的の強いスポット照射を行えば、悪化する可能性があります。また、薄い老人性色素斑ではピコスポットよりルビーフラクショナルを選ぶことがあります。赤みや肌質改善も同時に希望する場合にはIPLが適していることもあります。クリニック選びでは、「ピコレーザーを当ててくれるか」より、「そもそもピコレーザーを当てるべき病変なのかを診断しているか」を見ることが重要です。診断が難しい病変でも肌診断器を使用すると原因が判明します。また病変の分布・範囲がわかり、たとえば肝斑の範囲まではっきりわかります。
ピコレーザー以外の治療もあるか
ピコレーザーは非常に有用ですが、美容皮膚科のすべての病変をピコレーザーだけで治療する必要はありません。当院では、薄いシミにはルビーフラクショナル、赤みを伴う病変にはIPL、深いニキビ跡の線維性癒着にはサブシジョンなど、病変に応じてピコレーザー以外も選択します。一つの機械しか選択肢がない場合、その機械で治療可能な範囲に治療設計が寄りやすくなります。複数の治療から選択できることも、クリニック選びの一つのポイントです。
機種だけでなくメンテナンス状態も重要
ここは見落とされやすいポイントです。
レーザー機器は光学系、ハンドピース、エネルギー制御など複数の部品によって正確な照射を行っています。そのため、機器本来の性能を安定して発揮するには、メーカーが定める点検や校正、定期的なメンテナンスが重要です。
医療レーザーでは、FDAのレーザー製品に関する検査項目でも、出力を測定する仕組みや校正手順・校正スケジュール、メンテナンススケジュールが重要な管理項目として挙げられています。(fda.gov)
高性能なピコレーザーを導入していても、その性能を安定して発揮できる状態に維持することが必要です。
当院では、すべての患者さまにできるだけ一定した良好な状態のレーザーで治療を受けていただきたいと考え、ピコレーザーを含む医療機器の定期的なメンテナンスを行っています。「機械を買ったら終わり」ではなく、性能を維持するところまでが医療機器管理だと考えています。
なぜメンテナンスが治療に関係するのか
レーザー治療では、設定したエネルギーを安定して照射することが重要です。光学系の汚れ、部品の劣化、校正状態などに問題があれば、本来期待している照射条件からずれる可能性があります。
そのため定期点検では、必要に応じて出力、光学系、ハンドピースなどの状態を確認し、機器が適切な条件で使用できるよう管理します。
患者さまからは機械の内部状態までは見えませんが、クリニック側が定期的にメンテナンスを行っているかどうかは治療の質を安定させるうえで重要な要素の一つです。
当院が機器メンテナンスを重視する理由

美容医療では、同じ治療名であれば、誰がいつ受けてもできるだけ同じ基準で治療できることが重要だと考えています。
当院では、一部の患者さまだけではなく、すべての患者さまにできるだけ良好な状態の機器で治療を受けていただきたいという考えから、レーザー機器の定期的な点検・メンテナンスを重視しています。
治療条件を医師が適切に設定することと、その設定を機械が安定して出せる状態を維持することは、どちらも重要です。
「最新機種だからいい」とも限らない
新しい機械や珍しい機械が悪いわけではありません。しかし、機種の新しさだけで治療結果が決まるわけでもありません。当院でも複数のピコレーザーを使用していますが、すべての患者さまへ同じ機械を使用するわけではありません。病変によってenlighten SRを選ぶこともあれば、Discovery PICO VarioPulseを選ぶこともあります。
見るべきなのは「一番新しいか」ではなく、その機械の特徴を理解して使い分けているかです。
シミ治療ではPIHまで説明されているか
シミ取りでは、シミが取れるかだけでなく、その後のPIHも重要です。
ピコレーザーでもPIHは起こります。特に薄いシミでは、元のシミよりPIHの方が一時的に濃く見えることもあります。
そのため当院では、病変を十分に反応させることと、PIHをできるだけ抑えることのバランスを考えながら照射条件を決めます。
「1回で取れます」という説明だけでなく、照射後のPIHや経過についても説明しているかは、クリニックを選ぶ際の参考になります。
ニキビ跡ではピコフラクショナルだけで終わらない
ニキビ跡目的でクリニックを選ぶ場合も、ピコフラクショナルの種類だけでなく、他の治療ができるかを確認したいところです。
深い線維性癒着にはサブシジョン、浅い線維にはキュアジェット、真皮萎縮にはジュベルック、表面の凹凸にはピコフラクショナルやCO2フラクショナルレーザーなど、それぞれ役割があります。
深い癒着がある患者さまへピコフラクショナルだけを繰り返すより、凹みの構造を診断して必要な治療を組み合わせる方が合理的なケースがあります。
ピコレーザーのクリニック選びで確認したい9項目

料金はもちろん重要ですが、この9項目まで見るとクリニックごとの違いがかなり分かりやすくなります。
安いクリニックではだめ?
料金が安いこと自体が悪いわけではありません。同じ機種、同じ照射範囲、同じ治療内容であれば、価格は重要な比較要素です。
ただし「ピコスポット全顔○円」だけでは、使用機種、波長、パルス幅、照射条件、診断、機器管理、治療後のフォローまでは分かりません。
価格だけを見るのではなく、何が含まれている治療なのかまで比較することをおすすめします。
Q&A

まとめ|ピコレーザーは「機械の名前+使い方+管理状態」で選ぶ
ピコレーザーを受けるクリニックを選ぶとき、「ピコレーザーがあります」「価格は○円です」という情報だけでは治療内容の違いは分かりません。
PicoWay、PicoSure、PQX、enlighten、Discovery PICOなど、機種によって波長、パルス幅、照射方法は異なります。また、ピコフラクショナルにもノンアブレーショナルとアブレーショナルがあり、同じ名称でも治療内容が違う場合があります。
さらに重要なのが、病変を診断して使い分けられることと、機器を適切な状態に維持していることです。当院ではenlighten SRとDiscovery PICO VarioPulseなどを病変に応じて使い分け、ピコレーザーだけでなくルビーフラクショナル、IPL、サブシジョンなども選択します。また、すべての患者さまにできるだけ一定した良好な状態の機器で治療を受けていただけるよう、定期的な機器メンテナンスを行っています。ピコレーザーのクリニック選びで見るべきなのは、「一番新しい機械か」「一番短いパルスか」だけではありません。機種の信頼性、承認・臨床実績、波長、パルス幅、照射モード、診断、他の治療選択肢、そして機器の管理状態まで含めて比較することが大切です。
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。
【文責】
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤 成貴
【参考文献】
- CUTERA. enlighten / enlighten SR Product Specifications.
- Cynosure Lutronic. PicoSure Pro.
- JMEC. PQX Pico Laser 製品情報・医療機器製造販売承認情報.
- U.S. Food and Drug Administration. Inspection and Field Testing of Radiation-Emitting Electronic Products: Specific Instructions for Laser Product Inspections and Tests.
- まゆりなclinic名古屋栄「ピコレーザーのパルス幅は短いほどいい?Qスイッチとの違いを熱緩和時間・PIHから解説|名古屋」
- まゆりなclinic名古屋栄「同じシミ取り放題でも違う?2種類のピコレーザーとパルス幅まで変える理由|名古屋」








