顔に脂漏性角化症がたくさんある場合は一度に取れる?多発例の治療方法を解説|名古屋
- 2026.9.17

脂漏性角化症は1個だけできるとは限らず、顔や首、体に数十個みられることもあります。「顔中にある脂漏性角化症を一度に取れますか?」という相談も少なくありません。
結論からいうと、多数の脂漏性角化症でも治療は可能です。ただし、すべてを同じレーザーで一度に取るのが最適とは限りません。病変ごとに色、厚み、隆起、角化の程度が異なるため、当院ではピコスポットで取れるものとCO2レーザーが適するものを分けて治療しています。
目次
脂漏性角化症は多数できることがある
脂漏性角化症は年齢とともに増えやすい良性の表皮性腫瘍です。顔、こめかみ、額、首、胸、背中などに多数みられることがあります。
海外の皮膚科医を対象とした調査では、脂漏性角化症で受診する患者の約33%が15個を超える病変を有していたと報告されており、「たくさんある」という状態自体は珍しいものではありません。
数が多くても、全部同じ脂漏性角化症とは限らない
顔に茶色い病変が多数ある場合、そのすべてが脂漏性角化症とは限りません。
同じ顔の中に、
・老人性色素斑
・脂漏性角化症
・そばかす
・色素性母斑
・PIH
などが混在していることがあります。
そのため、数が多い場合ほど「全部同じシミ・イボ」と考えず、病変ごとの診断が重要です。
多発例では1個ずつ治療方法を決める

脂漏性角化症が多数ある場合でも、当院では単純にすべてCO2レーザー、すべてピコスポットという治療にはしません。
例えば、
・色素成分がしっかりしていてピコスポットに反応しやすい病変
→ ピコスポット
・角化が強い、隆起が大きい、色素レーザーでは十分に除去できない病変
→ CO2レーザー
というように使い分けます。
同じ顔の中でも病変ごとに性質が違うため、治療方法を分けることがあります。
厚みがあってもピコスポットで取れることがある
ピコスポットは薄い脂漏性角化症だけに使用するわけではありません。
当院では、ある程度厚みや隆起がある病変でも、色素成分がしっかりしており十分な反応が期待できる場合には、病変に合わせて出力を調整してピコスポットで治療しています。
そのため、多発例でも「厚い病変が多いから全部CO2」と単純には判断しません。
多数ある場合はピコとCO2を組み合わせることもある
例えば顔に20個の病変がある場合、
・10個はピコスポット
・残り10個はCO2レーザー
というように治療を分けることもあります。
どちらを使用するかは病変の厚みだけではなく、
・色素成分
・角化
・隆起
・表面性状
・大きさ
・部位
などを見て判断します。
CO2レーザーやErなどの蒸散系レーザーは脂漏性角化症に高い除去効果があり、一方で色素選択性レーザーやピコ秒レーザーも治療選択肢として報告されています。
一度に全部取れる?
数や治療範囲によっては、一度に多数の病変を治療することも可能です。
ただし、
・病変数
・治療範囲
・CO2レーザーで生じる創傷面積
・ピコスポット後の炎症
・PIHのリスク
・患者さんが許容できるダウンタイム
などを考えて決めます。
病変が非常に多い場合には、顔全体を一度に治療するより、複数回に分ける方が負担が少ないこともあります。
数が多いほど「取れるか」だけでなくダウンタイムが重要
脂漏性角化症が1〜2個であれば治療後の創傷も限定的ですが、20個、30個と治療すれば治療後の赤みや痂皮も目立ちやすくなります。
特にCO2レーザーを多数行う場合には、治療部位ごとに小さな創傷ができるため、治療後の見た目やスキンケアまで考える必要があります。
仕事、イベント、旅行などの予定がある場合には、治療時期も含めて計画します。
CO2レーザー適応の病変ばかりなら「イボ・ほくろ取り放題」も選択肢
多数の脂漏性角化症があり、その多くがCO2レーザーでの治療に適している場合には、1個ずつ治療するよりも、当院の「イボ・ほくろ取り放題」プランの方が費用面で合うことがあります。
すべての脂漏性角化症が取り放題の対象になるわけではなく、病変の種類や大きさ、治療範囲などによって適応を判断しますが、CO2レーザーで取る病変が多数ある方では選択肢の一つです。
一方、ピコスポットに適した脂漏性角化症が多い場合には、無理にすべてCO2レーザーで治療する必要はありません。病変ごとに適した方法を選びながら、費用とダウンタイムのバランスも考えます。
顔全体に多数ある場合は治療順序も考える
多数の病変がある場合、優先順位をつけて治療することもあります。
例えば、
・大きく目立つ病変
・盛り上がりが強い病変
・髭剃りや衣類に引っかかる病変
・顔の中央など目立ちやすい病変
から先に治療し、その後細かい病変を仕上げていく方法です。
患者さんがどこまで取りたいのかによっても治療計画は変わります。
体にたくさんある脂漏性角化症も治療できる?
顔だけでなく、首、胸、腹部、背中などに多数ある脂漏性角化症も治療対象になります。
ただし体は顔に比べて治癒に時間がかかったり、部位によってPIHが長く残ったりすることがあります。そのため、治療範囲が広い場合には数回に分けることがあります。
また、短期間に急激に脂漏性角化症が増えた場合には、単なる多発性脂漏性角化症だけでなく、Leser–Trélat徴候なども念頭に置くことがあります。
多発例ではPIHの管理も重要
治療する病変数が増えるほど、治療後に赤みやPIHが出る範囲も広くなる可能性があります。
そのため、
・紫外線対策
・保湿
・摩擦回避
・痂皮を無理に剥がさない
などのアフターケアが重要です。
必要に応じて、治療後のPIHに対してOPトーニング、ピコトーニング、C-OPERA、トラネキサム酸、システアミンなどを検討することもあります。
何回で全部きれいになる?
これは病変数や種類によります。
一度の治療ですべて除去できる場合もあれば、
・一部に病変が残る
・ピコスポットの追加照射が必要
・CO2レーザーで残存部分を仕上げる
・治療後のPIHが落ち着いてから追加治療する
といったケースもあります。
多数ある場合には「1回ですべて完了」にこだわるより、治療後の皮膚状態を見ながら段階的に仕上げる方が適していることもあります。
多発する脂漏性角化症は「数」より「内訳」が重要
脂漏性角化症が20個あるとしても、その20個がすべて同じ性質とは限りません。
重要なのは、
「何個あるか」
だけではなく、
・ピコスポットで取れるものが何個あるか
・CO2レーザーが必要なものが何個あるか
・老人性色素斑など別の病変が混在していないか
・どの範囲まで一度に治療するか
を整理することです。
この「病変の内訳」が治療方法、ダウンタイム、費用を決めます。
よくある質問(Q&A)
まとめ|たくさんある脂漏性角化症ほど「病変ごとの使い分け」が重要
脂漏性角化症は顔や体に多数できることがありますが、数が多くても治療可能です。
重要なのは、すべてを一律に同じ方法で取ることではありません。当院では、ピコスポットで十分に反応する脂漏性角化症はピコスポット、角化や隆起が強く病変そのものを蒸散した方がよいものはCO2レーザーというように、病変ごとに使い分けます。
また、CO2レーザー適応の脂漏性角化症が多数ある場合には、当院の「イボ・ほくろ取り放題」プランの方が費用面で合うこともあります。一方、ピコスポットで取れる病変まで無理にCO2レーザーにする必要はありません。
多数ある場合ほど、病変の数だけではなく、種類、厚み、色素成分、治療範囲、ダウンタイム、PIH、費用まで含めて治療計画を立てることが重要です。
【文責】まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤 成貴
【参考文献】
- Stirrat T, et al. Advances in Laser Treatments for Seborrheic Keratosis: A Scoping Review of Efficacy, Safety, and Patient Outcomes. Dermatol Surg. 2026;52(4):338-343.
- Jackson JM, et al. Current Understanding of Seborrheic Keratosis: Prevalence, Etiology, Clinical Presentation, Diagnosis, and Management.
- Gurel MS, et al. Efficacy and safety of cryotherapy, electrodesiccation, CO2 laser, and Er laser in the treatment of seborrheic keratosis. Dermatol Ther. 2021.
- 2940-nm Er laser versus 980-nm diode laser in the treatment of multiple seborrheic keratoses: A prospective comparative randomized study. J Cosmet Dermatol. 2022.

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
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