40代のシミ取りは何を選ぶ?老人性色素斑・そばかす・肝斑・ADMの見分け方と治療|名古屋
- 2026.10.14
「40代になってシミが増えた」「若い頃からあったそばかすがまだ残っている」「頬に濃いシミと薄いシミが混ざっている」。40代になると、このようなご相談が増えてきます。
40代のシミ治療が難しい理由の一つは、顔にある色素が1種類とは限らないことです。
40代では、
老人性色素斑
若い頃から残っているそばかす
ADM
PIH(炎症後色素沈着)
肝斑
のいずれもみられます。
さらに30代頃から脂漏性角化症が出てくる方もおり、40代後半になると、平坦なシミの中に少し盛り上がった脂漏性角化症が混ざっているケースも増えてきます。
日本人女性454名を対象にした研究でも、頬の色素斑の総数は20代から40代にかけて有意に増え、個々の色素斑の色も30代から50代にかけて濃くなることが報告されています。
そのため40代のシミ取りでは、「40代だからこのレーザー」と決めるのではなく、何が、どこに、どの程度混ざっているのかを見極めてから治療を選ぶことが重要です。
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目次
40代のシミは1種類ではありません
顔に見える茶色や灰色の色素を、すべて同じ「シミ」と考えると治療が合わなくなることがあります。
40代では、まず次のような色素を区別します。

そして実際の40代では、
老人性色素斑+肝斑
そばかす+老人性色素斑
ADM+肝斑
ADM+老人性色素斑
PIH+老人性色素斑
など、複数が重なっていることがあります。

40代で増えてくる老人性色素斑
老人性色素斑は、長年の紫外線曝露などと関係する代表的な色素斑です。
頬やこめかみなど日光が当たりやすい場所にできやすく、淡褐色から濃褐色で、境界が比較的はっきりしていることが多いのが特徴です。
成人を対象とした疫学研究でも、solar lentiginesは年齢とともに増加することが報告されています。
当院では、濃く境界が比較的明瞭な老人性色素斑ではピコスポットを検討します。
一方、40代では濃いシミだけではなく、顔全体に非常に薄い老人性色素斑が多数みられる方もいます。
その場合には、当院ではルビーフラクショナルを優先することがあります。
薄いシミは色素量が少ないため、「薄いから簡単」というわけではありません。強くスポット照射した後のPIHの方が元の薄いシミより目立ってしまうこともあるため、濃さまで含めて治療方法を決めることが大切です。
💡関連コラムはこちら⇒「老人性色素斑と肝斑・ADM・そばかす・PIHの違いは?見分け方を解説|名古屋」
💡関連コラムはこちら⇒「薄いシミ・濃いシミでレーザーはどう変わる?ピコレーザーとルビーフラクショナルの使い分け|名古屋」
40代でもそばかすは残っています
そばかすは、幼少期から若年期に鼻や両頬へ細かな茶色い斑点として出てくることが多い色素です。
そばかすは、一般的には年齢とともに目立ちにくくなる傾向があります。成人を対象とした研究でも、ephelides(そばかす)は年齢とともに減少する一方、solar lentigines(老人性色素斑)は年齢とともに増加することが報告されています。
つまり、40代はそばかすが最も目立つ年代ではありません。
しかし、40代になったらそばかすがなくなるわけではありません。
実際の診療では、若い頃からあったそばかすが40代まで残存している方は珍しくありません。
さらに40代になると、その間に老人性色素斑が加わってきます。
そのため、
「昔からのそばかすが増えた」
「そばかすが大きくなってきた」
と感じて受診されても、実際には若い頃から残っているそばかすと、新しく出てきた老人性色素斑が混在していることがあります。
当院では、そばかすにはピコスポットまたはルビーフラクショナルを検討します。色素の濃さ、数、分布、希望する治療回数やダウンタイムなどによって使い分けます。
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20代では分かりやすかったADMも、40代では診断が難しくなる
ADMはAcquired Dermal Melanocytosis(後天性真皮メラノサイトーシス)の略で、両頬、頬骨周囲、目の下などに灰褐色~青褐色の色素として現れることがあります。
ADMは表皮の色素ではなく、真皮内にメラノサイトが存在するため、茶色というより灰色や青褐色に見えることがあります。日本で最初に報告されたHoriらの論文でも、両側の頬骨部などにみられる青褐色斑として記載されています。PubMed
当院では、20代前半で両頬に比較的辺縁が明瞭な灰褐色~青褐色の色素斑がみられる場合には、ADMをかなり強く疑います。
若い年代では、まだ老人性色素斑や肝斑など他の色素がそれほど多く加わっていないため、典型的なADMであれば比較的見分けやすいケースがあります。
一方、40代になると話が変わります。
若い頃から存在しているADMに、
老人性色素斑
肝斑
そばかす
PIH
などが加わってくるためです。
例えば、同じ頬の中に、
青褐色のADM
その上に淡い肝斑
さらに境界明瞭な老人性色素斑
が存在していることがあります。
こうなると、肉眼だけで「これは全部ADM」「これは全部肝斑」と単純に分けるのは難しくなります。
ADM自体も臨床像には幅があり、研究では発症年齢の中央値が30歳という報告や、頬骨部・眼窩下・頬など複数部位にみられることが報告されています。
つまり、40代では病変そのものが変わるというより、他の色素が追加されることで診断が複雑になると考えると分かりやすいでしょう。
💡関連コラムはこちら⇒「ADMは何回で治る?レーザー治療の回数・間隔・経過を医師が解説|名古屋」
40代では肌診断で「何が混ざっているか」を確認することが重要
このように、20代前半の典型的なADMであれば比較的見分けやすいケースでも、40代になると老人性色素斑、肝斑、そばかす、PIHなどが重なるため、診断の難易度が上がります。
そこで当院では、まず医師が、
色
境界
形
左右差
分布
発症した時期
若い頃からあったか
ニキビや炎症の既往
これまで受けたレーザー治療
などを確認します。
そのうえで必要に応じて、NeoVoirⅠPLUSによる肌診断撮影を行います。
肌診断画像では、肉眼だけでは分かりにくい色素の分布や濃淡、赤み、毛穴などを客観的に確認できます。
特に40代のように複数種類の色素が混在している患者さんでは、医師の診察と肌診断画像を組み合わせることで、どこに何が混ざっているのかをかなり整理しやすくなります。
当院の実際の診療では、
「ここはADM」
「この部分は肝斑」
「この丸い部分は老人性色素斑」
「ここは以前の治療後のPIHの可能性が高い」
というように、肌診断画像を併用すると、40代の複雑な色素でも何がどのように混在しているのかを把握できることが多くあります。
もちろん、肌診断器が自動的に病名を決めるわけではありません。
最終的には医師の診察・病歴・肌診断画像などを総合して判断します。
2026年10月現在、当院での肌診断撮影は11,000件を超えています。 開院当初から導入し、治療前だけでなく治療後の経過比較にも使用しています。
当院では、
医師の診察
→ 必要に応じて肌診断
→ 何が混在しているかを整理
→ 治療の優先順位を決定
→ 治療
→ 経過を比較
という流れを基本にしています。
40代では「どのレーザーを受けたいか」を先に決めるより、まず自分の顔に何が混ざっているのかを確認することが重要です。

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40代で見落としたくない肝斑
40代で特に注意したいのが肝斑です。
肝斑は、左右の頬骨周囲などに淡褐色~褐色の色がもやっと広がることが多い後天性の色素異常です。女性に多く、紫外線、ホルモンなど複数の要因が関係すると考えられています。
40代では肝斑単独ではなく、
肝斑+老人性色素斑
肝斑+ADM
として存在していることもあります。
この場合に、顔全体を一括してスポット照射するのは適切ではありません。
当院では肝斑には、ピコトーニング、OPトーニング、内服・外用などを状態に応じて選択します。
一方で、肝斑の中に明瞭な老人性色素斑が存在する場合には、病変を選んでピコスポットを検討することがあります。
重要なのは、肝斑があるかないかだけではなく、どこまでが肝斑で、どこからが別の色素なのかを見分けることです。
💡関連コラムはこちら⇒「名古屋で肝斑治療を受けるなら?レーザー・内服・外用治療の選び方を医師が解説」
PIHも40代ではシミに見える
PIHは、ニキビ、湿疹、摩擦、やけど、外傷、レーザー治療などの炎症後に残る色素沈着です。炎症性皮膚疾患の後に生じる代表的な色素異常として知られています。
40代でもPIHは普通にみられます。
特に注意したいのが、過去にシミ取りレーザーを受けている場合です。
治療後に茶色が残っているからといって、
シミの取り残し
とは限りません。
レーザー後のPIHであれば、そこへすぐに再度強いスポット照射をするのが適切ではない場合があります。
そのため当院では、以前の治療時期や経過も確認しながら、
取り残した老人性色素斑なのか
治療後のPIHなのか
を見分けます。
必要に応じて肌診断画像で治療前後を比較できることも、この判断に役立ちます。
💡関連コラムはこちら⇒「PIHとシミの違いは?老人性色素斑・ADM・肝斑・そばかすの見分け方|名古屋」
40代後半では脂漏性角化症が混ざることもある
40代では、平坦なシミだけではなく、少し厚みや盛り上がりのある茶色い病変が混ざってくることがあります。
代表的なのが脂漏性角化症です。

脂漏性角化症は高齢者だけにできるものではなく、30代頃からみられることがあります。年齢とともに増える傾向があり、40代後半になると「濃いシミだと思っていたら少し盛り上がっていた」というケースもみられます。
平坦な老人性色素斑と、盛り上がった脂漏性角化症では治療方法が異なります。
当院では厚みがある場合、ピコスポットではなくCO2レーザーなどを検討します。
つまり、40代では色だけではなく、病変に厚みがあるかどうかまで確認する必要があります。
40代のシミ取り放題は「何を照射するか」が重要
「40代になってシミがたくさん増えたので、全部シミ取り放題で取ってしまいたい」という方もいらっしゃいます。
当院のシミ取り放題は、全顔のピコスポット治療です。
そのため、顔にある茶色いものを無条件ですべて照射する治療ではありません。
例えば、
濃い老人性色素斑
そばかす
適応を確認したADM
はピコスポットの対象になり得ます。
一方、
肝斑
PIH
非常に薄い老人性色素斑
盛り上がった脂漏性角化症
では別の治療を選択した方がよい場合があります。
40代ではさまざまな色素が混在しているからこそ、「何個シミがあるか」より、「その中の何をピコスポットで照射するか」を判断することが重要です。
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同じ老人性色素斑でも、濃いシミと薄いシミでは治療を変える
診断名が同じ老人性色素斑でも、当院では濃さによって治療方法を変えることがあります。
基本的には、
濃く境界明瞭な老人性色素斑
→ ピコスポット
非常に薄い老人性色素斑・細かな薄いシミ
→ ルビーフラクショナル
と考えます。
そばかすについても、濃さ・数・分布によってピコスポットとルビーフラクショナルを使い分けます。
ルビーフラクショナルは694nmのルビーレーザーを細かなドット状に分散して照射する治療です。
レーザーを単純に「弱く当てる」という意味ではなく、照射面積を分散しながら治療するという考え方です。
💡関連コラムはこちら⇒「薄いシミ・濃いシミでレーザーはどう変わる?ピコレーザーとルビーフラクショナルの使い分け|名古屋」
シミに赤み・色むらもある場合
40代になると、シミだけでなく、
赤み
くすみ
色むら
毛穴
肌質
も一緒に気になる方が増えてきます。

このような場合にはライムライト(IPL)を検討することがあります。
当院では、
薄いシミそのものをしっかり治療したい
→ ルビーフラクショナル
シミに加えて赤み・色むらも整えたい
→ ライムライト
というように目的によって使い分けています。
IPLはダウンタイムが比較的軽い治療ですが、非常に薄いシミに対して常に第一選択というわけではありません。
40代のシミを治療別にまとめると

40代では治療の順番も重要です
40代では複数種類の色素が混在することがあるため、全部を同じ治療で一度に取ろうとする必要はありません。
例えば、
濃い老人性色素斑+薄い老人性色素斑
→ 濃いものはピコスポット、薄いものはルビーフラクショナル
そばかす+老人性色素斑
→ 色素の濃さ・大きさ・分布によってピコスポットやルビーフラクショナルを使い分ける
肝斑+老人性色素斑
→ 肝斑の状態を確認しながら、スポット治療できる老人性色素斑を選ぶ
ADM+肝斑
→ ADMと肝斑を分け、治療方法・順番・間隔を調整する
PIH+老人性色素斑
→ PIHをシミの取り残しと判断してすぐ再照射しない
というように考えます。
つまり40代のシミ治療では、何を治療するかだけでなく、何を今は照射しないかを決めることも重要です。
盛り上がりや形が不自然な病変には美容レーザーを優先しません
40代になると色素斑の種類が増えてくるため、すべてを「年齢による普通のシミ」と決めつけないことも大切です。
特に、
左右非対称
境界が不規則
色が均一ではない
急に大きくなった
出血する
潰瘍やただれがある
といった所見がある場合には、美容レーザーを優先しません。
まず皮膚科的な診断が必要です。
まとめ|40代は「何のシミが混ざっているか」を見ることが大切
40代では、
老人性色素斑
若い頃から残っているそばかす
ADM
PIH
肝斑
脂漏性角化症
まで、さまざまな色素・病変がみられます。
そばかすは年齢とともに目立ちにくくなる傾向がありますが、40代まで残っている方もいます。その一方で老人性色素斑は増えてくるため、若い頃からのそばかすと、新しく出てきた老人性色素斑が同じ顔の中に存在することがあります。
また、20代前半で両頬に典型的な色素がみられるADMでは比較的診断しやすいことがありますが、40代になると老人性色素斑や肝斑などが加わり、見た目が複雑になります。
だからこそ当院では、医師の診察に加えて必要に応じて肌診断を行い、何がどこに混在しているのかを整理してから治療方法を決めます。
40代だからピコスポット、40代だからIPLという治療選択ではありません。
40代だからこそ、まず診断する。
そのうえで、
濃い老人性色素斑 → ピコスポット
薄い老人性色素斑 → ルビーフラクショナル
そばかす → ピコスポット/ルビーフラクショナル
ADM → ピコスポット/ルビーフラクショナル
PIH → 経過観察/トーニング等
肝斑 → ピコトーニング/OPトーニング等
盛り上がり → CO2レーザー等
と、一つずつ治療を分けていくことが重要です。
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Q&A
Q1.40代で多いシミは何ですか?
老人性色素斑が増えやすい年代ですが、それだけではありません。若い頃から残っているそばかす、ADM、PIH、肝斑が混在することがあります。さらに脂漏性角化症が混ざる方もいます。
Q2.40代でもそばかすはありますか?
あります。そばかすは年齢とともに目立ちにくくなる傾向がありますが、40代まで残存する方もいます。その後に老人性色素斑が加わり、両者が混在していることもあります。
Q3.40代ではADMと肝斑を見分けにくいですか?
見分けにくいケースがあります。20代前半の典型的なADMでは比較的判断しやすいことがありますが、40代ではADMに老人性色素斑や肝斑が重なり、見え方が複雑になります。当院では診察に加え、必要に応じて肌診断画像も参考にしています。
Q4.肌診断だけでシミの種類が分かりますか?
肌診断器だけで病名を決めるわけではありません。医師による診察、色や形、発症時期、治療歴などと肌診断画像を組み合わせて判断します。複数の色素が混在する40代では、何がどこに存在するのかを整理するための有用な補助になります。
Q5.40代の濃いシミと薄いシミでは治療が違いますか?
違うことがあります。当院では濃く境界が明瞭な老人性色素斑ではピコスポット、非常に薄い老人性色素斑ではルビーフラクショナルを検討します。
Q6.肝斑があってもシミ取りできますか?
可能です。ただし肝斑そのものへ強いスポット照射を行うのではなく、肝斑と老人性色素斑などを分けて、それぞれに適した治療を選択します。
Q7.40代でもシミ取り放題はできますか?
適応がある病変が多ければ選択肢になります。当院の全顔シミ取り放題はピコスポット治療です。肝斑、PIH、非常に薄いシミ、脂漏性角化症などは別の治療が適する場合があります。
Q8.盛り上がっているシミもピコスポットで取れますか?
盛り上がりがある場合には脂漏性角化症などを考えます。その場合、ピコスポットではなくCO2レーザーなどを検討することがあります。
文責
まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴
参考文献
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