PDF-FDは男性AGAにどう使う?ACRS・HARG+との違いを解説│名古屋
- 2026.9.30
AGA治療には、内服・外用だけでなく、頭皮へ直接アプローチする治療があります。

当院では、HARG+、ACRS、PDF-FDなど複数の頭皮治療を行っています。
この3つは「頭皮へ何かを入れる治療」という点では似ていますが、実際には頭皮へ使用するものの由来も、作り方も異なります。
特にPDF-FDとACRSは、どちらも患者様自身の血液を利用する自己血由来の治療です。
一方、PDF-FDでは採血した血液を専門の加工施設へ送り、血液由来成分を加工してフリーズドライ(凍結乾燥)したものを治療に使用します。
「自分の血液から、自分専用の治療用製剤を作る」
という点が、PDF-FDの分かりやすい特徴です。
またPDF-FDは、内服・外用で十分な変化が得られなかった方だけの治療ではありません。
AGA治療が初めてでも、すでに薄毛が進行している方や、「治療を始めるなら最初からしっかり発毛を目指したい」という方では、治療開始時から選択肢になります。
この記事では、PDF-FDとは何か、ACRS・HARG+と何が違うのか、どのような方に向いているのか、当院ではどのように頭皮へ導入しているのかまで詳しく解説します。
目次
PDF-FDとは?
PDF-FDは、患者様自身の血液を利用して作製する自己血由来の治療です。
まず採血を行い、その血液を専門の加工施設へ送ります。
加工施設で血液由来成分を処理し、フリーズドライ(凍結乾燥)した状態に加工して、後日の治療に使用します。
大まかな流れは
採血
↓
専門の加工施設へ送付
↓
血液由来成分を加工
↓
フリーズドライ(凍結乾燥)
↓
完成したPDF-FDを頭皮へ使用
となります。
採血した血液をその場で頭皮へ注入する治療ではありません。
自分自身の血液を原料として、専門施設で加工し、治療に使用できる状態へ製剤化することがPDF-FDの特徴です。
PDF-FDはなぜフリーズドライする?
PDF-FDの特徴的な工程が、フリーズドライです。
フリーズドライとは凍結乾燥のことで、血液由来の成分を加工した後、乾燥した状態にして保存・使用できる形にします。
そのためPDF-FDでは、「採血する日」と「実際に頭皮へ治療する日」が別になります。
採血した血液をその場で処理して使用する治療とは異なり、一度専門の加工施設へ送り、製剤として完成してから治療を開始します。
自分自身の血液を原料として、自分専用の製剤を作り、その製剤を治療計画に沿って頭皮へ使用していく。
このプロセスがPDF-FDの大きな特徴です。
PDF-FDはAGAにどう使う?
PDF-FDは、フィナステリドやデュタステリドのようにDHTの産生を直接抑える治療ではありません。
AGA治療では、
AGAの進行を抑える
発毛を促す
頭皮へ直接アプローチする
という異なる方向から治療を考えます。
PDF-FDは、この中の「頭皮へ直接アプローチする治療」に位置づけられます。
そのため当院では、内服・外用によるホームケアにPDF-FDを追加したり、内服薬に抵抗がある場合には外用や機器治療などと組み合わせたりして使用します。
PDF-FDはAGA治療が初めてでも選べる?
選択肢になります。
PDF-FDは「内服を半年続けて、それでも増えなかった人だけが受ける治療」ではありません。
AGA治療が初めてでも、初診時点ですでに頭頂部の透け感が目立っている、生え際の密度が低下している、毛髪の細さが進んでいるという方では、最初から発毛まで考えた治療設計を検討します。
また、
「せっかく治療するなら最初からしっかり取り組みたい」
「現状維持だけではなく、できるだけ発毛を目指したい」
「内服だけで数か月様子を見るより、頭皮治療も同時に行いたい」
という方もいます。
このような場合には、治療開始時から内服・外用とPDF-FDを組み合わせることができます。
AGAは進行性です。
希望する改善度に対して治療内容が不足した状態で長期間経過を見ることが、すべての方に適しているとは限りません。
重要なのは「治療歴が何年あるか」ではなく、現在のAGAの状態と、どこまで改善したいかです。
PDF-FD・ACRS・HARG+は「何を頭皮へ入れるか」が違う
この3つを理解するうえで最も重要なのは、頭皮へ使用するものの由来と作製方法です。
PDF-FDとACRSは、どちらも患者様自身の血液を利用します。
一方、HARG+は自己血から作る治療ではなく、ヒト由来細胞の培養上清をベースとした毛髪治療用製剤を使用します。

この違いを理解すると、3つの治療はかなり選びやすくなります。
PDF-FDとACRS|どちらも自己血由来だが作り方が違う
PDF-FDとACRSは、どちらも自分自身の血液を利用します。
しかし、同じ自己血治療ではありません。
ACRSでは、採取した血液を専用の条件でコンディショニングし、サイトカインや成長因子などを含む血清を作製して使用します。
一方PDF-FDでは、採取した血液を専門の加工施設へ送り、血液由来成分を加工してフリーズドライした製剤を作製します。
分かりやすく整理すると
ACRS=自分の血液から「サイトカインリッチ血清」を作る
PDF-FD=自分の血液由来成分を専門施設で加工し「フリーズドライ製剤」にする
という違いです。
「自己血を使いたい」という希望だけではどちらも候補になります。
そこからさらに、作製方法や治療方法の違いを理解して選択します。
PDF-FDとHARG+|原料から違う
HARG+との違いはさらに明確です。
PDF-FDは患者様自身の血液を原料として作製します。
一方、HARG+では患者様から採血する必要はなく、ヒト由来細胞培養上清をベースとした毛髪治療用製剤を使用します。
そのため
「自分自身の血液から作製した製剤を使用したい」
→ PDF-FD
「採血せず、毛髪治療用に用意された製剤を使用したい」
→ HARG+
という違いも選択のポイントになります。
ただし、どちらが上位の治療という意味ではありません。
AGAの状態、これまでの治療、治療内容への希望などを確認して選択します。
PDF-FDはどんな人に向いている?
当院では、特に次のような方でPDF-FDを検討します。

PDF-FDも「他の治療が全部ダメだったときの治療」ではありません。
治療開始時から目標を高く設定している方では、最初から治療設計に組み込むことができます。
とにかく積極的に発毛を目指すなら
「現状維持ではなく、できるだけ毛量を増やしたい」という場合には、一つの治療だけに限定する必要はありません。
例えば
内服によるAGAの進行抑制・発毛治療
+
外用による毎日のホームケア
+
PDF-FDによる頭皮への直接的なアプローチ
+
必要に応じてヘアレーズ
という治療設計も検討できます。
「まず一つ試して、効かなかったら次へ」という順番しかないわけではありません。
すでにAGAが進行している方や、治療開始時から積極的な発毛を希望する方では、最初から複数の方向からアプローチする方法を検討できます。
一方、治療を増やせば必ずその分だけ発毛するという意味ではありません。
現在の毛髪密度、AGAの進行度、治療目標を確認し、必要な治療を選択します。
当院ではPDF-FDを基本的にキュアジェットで頭皮へ導入
PDF-FDをAGA治療に使用する場合には、完成した製剤を頭皮へ届けます。
当院では、PDF-FDの頭皮への導入は基本的にキュアジェットを使用しています。
頭皮は注射による痛みを感じやすい部位です。広い範囲へ何度も注射針を刺すことが負担となり、継続的な治療をためらう原因になることもあります。
そのため当院では、PDF-FDを頭皮へしっかり導入しながら、通常の注射器による直接注入と比較して痛みに配慮しやすい方法としてキュアジェットを使用しています。
また、キュアジェットは単に製剤を届けるだけではなく、高速ジェットによる物理的な刺激が頭皮へ加わることも特徴です。
当院では、この物理的な刺激そのものも頭皮環境へプラスに働く可能性があると考えています。血流などへの影響については今後さらに検証が必要ですが、「PDF-FDを届けること」と「頭皮へ物理的な刺激を加えること」を同時に行える点は、キュアジェットを使用するメリットの一つと考えています。
もちろん、希望される方には通常の注射器による直接注入も可能です。

PDF-FDは「何を頭皮へ使用するか」、キュアジェットは「どのように頭皮へ届けるか」です。製剤と導入方法は分けて考える必要があります。
当院では、治療内容だけでなく無理なく継続できるかまで考えて導入方法を選択しています。
PDF-FDは何回受ければいい?
PDF-FDは、1回の施術直後に毛量が増える治療ではありません。
AGA治療では毛髪のヘアサイクルを考える必要があるため、治療後の変化は数か月単位で確認します。
治療回数は、AGAの進行度、毛髪密度、内服・外用などの併用治療、どこまで発毛を目指すかによって調整します。
治療前に写真を撮影し、毛髪の太さ、密度、生え際、頭頂部の透け感などをできるだけ同じ条件で比較すると、変化を確認しやすくなります。
また、内服・外用とPDF-FDを同時に開始した場合には、「PDF-FDだけで何本増えた」というように効果を完全に切り分けることは困難です。
当院では、一つの治療だけを見るのではなく、AGA治療全体として毛髪がどの程度改善しているかを評価します。
PDF-FDは作製後どのように治療へ使う?
PDF-FDでは、採血した血液を専門の加工施設へ送り、加工・フリーズドライされた状態で完成したものを治療に使用します。
そのため、採血した日にそのまま頭皮治療を行うACRSなどとは治療スケジュールが異なります。
PDF-FDが完成した後は、治療計画に沿って頭皮へ使用します。
「採血→加工→完成→頭皮治療」という流れを理解しておくと、通常の注入治療との違いが分かりやすいでしょう。
自分自身の血液を原料として、自分専用に作製されたものを後日の治療に使用するという点がPDF-FDの大きな特徴です。
PDF-FDとACRSで迷ったらどう選ぶ?
PDF-FDとACRSは、どちらも自己血を利用するため、患者様にとって最も迷いやすい組み合わせです。
共通しているのは「自分自身の血液を原料としている」こと。
違うのは、その後の作り方です。
PDF-FDでは血液を専門施設へ送り、血液由来成分を加工・フリーズドライして治療に使用します。
ACRSでは血液を専用の条件でコンディショニングし、サイトカインや成長因子などを含む血清を作製して使用します。

どちらかがすべての方に優れているという関係ではありません。
作製方法や治療内容まで理解し、「自分はどちらの治療に納得できるか」も選択するうえで重要です。
PDF-FDとHARG+で迷ったらどう選ぶ?
PDF-FDとHARG+では、そもそも原料が異なります。
PDF-FDは患者様自身の血液を原料として作製します。
HARG+は採血を必要とせず、ヒト由来細胞培養上清をベースとした毛髪治療用製剤を使用します。
自己血由来であることを重視する場合にはPDF-FD、採血せず毛髪治療用製剤による治療を受けたい場合にはHARG+という違いがあります。
また、治療スケジュールや費用なども異なるため、AGAの状態だけでなく、通院方法や患者様の希望まで含めて選択します。
PDF-FDの痛みは?

PDF-FDそのものよりも、痛みは頭皮へどのような方法で導入するかによって変わります。
当院では基本的にキュアジェットを使用してPDF-FDを頭皮へ導入しています。
頭皮へ通常の注射器で複数回注入すると、痛みを強く感じる方もいます。
キュアジェットも無痛ではありませんが、注射器による直接注入と比較して痛みに配慮しながら広い範囲へ導入しやすいため、継続的な頭皮治療との相性がよいと考えています。
一方、「注射器で直接入れてほしい」という希望がある場合には、通常の注射による導入も可能です。
PDF-FDのダウンタイム・副作用は?
PDF-FDの頭皮治療後には、導入部位の赤み、腫れ、痛み、ヒリつき、点状出血、内出血などが生じる可能性があります。
キュアジェットを使用した場合にも、治療直後の赤みや刺激感などがみられることがあります。
また、PDF-FDでは採血を行うため、採血部位の痛みや内出血などが生じることがあります。
自己血由来の治療であることは大きな特徴ですが、医療行為である以上リスクが全くないわけではありません。
頭皮に感染や強い炎症がある場合、全身状態などによっては治療時期を調整することがあります。
内服をしたくない場合でもPDF-FDはできる?
PDF-FD自体は内服薬とは別の治療なので、内服薬の副作用が心配な方や内服を希望しない方でも検討できます。
ただし、PDF-FDはフィナステリドやデュタステリドのようにDHTを直接抑える治療ではありません。
そのため、内服を使用しない場合にはAGAの進行抑制という点で治療設計が変わります。
当院では、内服を希望しないから治療できないとは考えず、外用、PDF-FD、ACRS、HARG+、ヘアレーズなどから、患者様が許容できる方法を組み合わせます。
PDF-FD+ヘアレーズという組み合わせもできる
PDF-FDとヘアレーズは治療方法が異なります。
PDF-FDは自己血から作製した製剤を頭皮へ届ける治療です。
一方、ヘアレーズはレーザーによって頭皮へアプローチします。
そのため、どちらか一方しかできない治療ではありません。
「できるだけ積極的に発毛を目指したい」という方では、内服・外用によるホームケアにPDF-FDを追加し、さらにヘアレーズを組み合わせる方法も検討できます。
薬剤・製剤、ホームケア、レーザーという異なる方向から治療するという考え方です。
PDF-FDのエビデンスはどう考える?
PDF-FDのような自己血由来治療を考える場合には、「自己血だから良さそう」というイメージだけでなく、現在どのような研究があるのかを理解しておくことも重要です。
AGAに対する自己血由来治療では、PRPについては複数の無作為化比較試験やシステマティックレビューがあり、毛髪密度などの改善を示す報告があります。
PDF-FDは、患者様自身の血液を原料として血液由来成分を加工し、フリーズドライしたものを治療に使用する点が特徴です。
フリーズドライによって治療用に加工・保存できるという特徴がある一方、AGAに対するPDF-FDそのものの臨床研究は、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなどの標準治療と比較すると、まだ蓄積の途中です。
そのため当院では、PDF-FDを標準治療の代わりとして考えるのではなく、内服・外用とは異なる方向から頭皮へ直接アプローチする治療として使用しています。
「研究が少ないから意味がない」ということでも、「自己血だから必ず発毛する」ということでもありません。
自己血由来であること、専門施設で加工・フリーズドライして作製すること、頭皮へ直接使用できることなど、PDF-FDならではの特徴を理解したうえで選択することが重要です。
よくある質問
まとめ|PDF-FDは自分の血液から作るフリーズドライ製剤による頭皮治療
PDF-FDは、患者様自身の血液を採取し、専門の加工施設で血液由来成分を加工・フリーズドライして作製したものを頭皮へ使用する治療です。同じ自己血由来でも、ACRSとは作製方法が異なります。また、HARG+は自己血ではなく、ヒト由来細胞培養上清をベースとした毛髪治療用製剤を使用するため、PDF-FDとは原料から異なります。PDF-FDは、内服・外用で改善しなかった方だけが受ける治療ではありません。AGA治療が初めてでも、すでに薄毛が進行している方や、「せっかく治療するなら最初から積極的に発毛を目指したい」という方では、治療開始時から選択肢になります。当院では、PDF-FDを基本的にキュアジェットで頭皮へ導入しています。頭皮への注射による痛みに配慮しながら製剤を届け、同時に高速ジェットによる物理的な刺激を加えられることも特徴と考えています。希望される場合には通常の注射器による直接注入も可能です。AGA治療では、「何を飲むか」だけでなく、「何を頭皮へ使用するのか」「どのように頭皮へ届けるのか」まで選択肢があります。
現在のAGAの進行度と希望するゴールを確認し、PDF-FD、ACRS、HARG+、内服・外用、ヘアレーズなどから必要な治療を組み合わせることが重要です。
文責
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤 成貴
参考文献
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参考文献について
PDF-FDは患者様自身の血液を原料とし、専門の加工施設で血液由来成分を加工・フリーズドライして作製する自己血由来治療です。
一方、上記2〜7の文献は主にPRPに関する研究であり、PDF-FDそのものの発毛効果を直接証明するものではありません。
PRPとPDF-FDは、どちらも自己血を利用しますが、作製方法や最終的に治療へ使用するものが異なります。
そのため本記事では、PRPに関する研究を「PDF-FDにも同じ発毛効果がある」という根拠として使用するのではなく、自己血由来成分を頭皮へ使用するAGA治療の臨床的背景を理解するための関連文献として掲載しています。
PDF-FDそのものについては、標準的なAGA治療薬と比較して、AGAを対象とした質の高い臨床研究はまだ限られています。
当院ではこの点も踏まえたうえで、PDF-FDをフィナステリド、デュタステリドなどの標準治療の代替としてではなく、自己血由来の製剤を頭皮へ直接使用する追加治療の一つとして位置づけています。
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。








