サブシジョンは何回必要?1回で治る?効果が出る時期と再癒着を解説|名古屋
- 2026.9.21
目次
サブシジョンは何回必要?1回で治る?効果が出る時期と再癒着を解説|名古屋

「サブシジョンは何回受ければいいですか?」「1回でも効果はありますか?」という質問は非常に多くあります。結論からいうと、1回でも変化を感じる方はいますが、一般的には3回前後を一つの目安として考えることが多い治療です。ただし、必要回数はクレーターの数だけで決まるわけではありません。深い線維性癒着の範囲、硬さ、深さ、再癒着の程度によって変わります。当院の実感では、しっかりサブシジョンを行っていても3回目くらいまではまだ線維性癒着を触知・切離できることが多くあります。一方、4回目になる頃には深部の線維がかなり減り、カニューレを動かしたときに以前ほど強い抵抗を感じなくなる症例が多くなります。4回目以降も意味がなくなるわけではありませんが、1~3回目と比較すると得られる変化が小さくなり、費用対効果はやや低下する印象があります。それでも症例によっては5回目程度まで追加する意義を感じることがあります。
サブシジョンは1回でも効果がある?
あります。深い線維による引き込みが強い場合、1回のサブシジョンでも皮膚を下へ固定している癒着が解除され、凹みが浅くなったと感じることがあります。
ローリング型のニキビ跡を対象とした臨床研究でも、サブシジョン後の改善が報告されています。ただし、「1回で効果がある」と「1回で治療が完成する」は別です。
一つのクレーターにも複数方向・複数の深さから線維が入り込んでいることがあり、1回ですべての癒着を解除できるとは限りません。また、サブシジョンで深い線維を解除しても、浅い線維、真皮萎縮、表面の凹凸は別に残ります。そのため、1回で変化を感じても、残っている構造を見ながら次の治療を考えます。
一般的には3回前後が一つの目安
サブシジョンの臨床研究では、1か月間隔で3回治療するプロトコルが比較的よく用いられています。例えば、2022年の研究では萎縮性ニキビ跡に対して1か月間隔で3回のサブシジョンが行われています。 2024年のCO2フラクショナルレーザーとの併用試験でも、サブシジョン+CO2フラクショナルレーザーを1か月間隔で3回行っています。 また、サブシジョンとダーマローラーを組み合わせた研究でも3回の治療が行われています。
このため「3回」という回数には一定の臨床的な根拠があります。
ただし、3回受ければ必ず終了という意味ではありません。
当院では回数そのものより、施術時にどの程度の線維がまだ残っているかを重視しています。
なぜサブシジョンは3回前後行うことが多いのか
サブシジョンを複数回行う理由は、1回目で線維を十分に切れていないからではありません。
当院では、初回からできるだけしっかり深い線維性癒着を解除します。
ただし、線維を切離した後はその部分で創傷治癒が起こります。切離したスペースには新しい結合組織やコラーゲンが形成されますが、治癒の過程で皮膚と深部組織が再び近づくと、一部が再癒着することがあります。
つまり、1回目でしっかり癒着を解除していても、その後の治癒過程で再び固定される部分が出てくる可能性があります。
当院では、2回目のサブシジョンでこの再癒着した部分を再び解除し、さらに3回目まで行うことで、皮膚が深部へ再固定されにくい状態を作っていくという考え方をしています。
イメージとしては、
1回目
→ 深い線維性癒着をしっかり解除する
その後
→ 創傷治癒の過程で一部が再癒着する
2回目
→ 再癒着した部分を再び解除する
3回目
→ さらに再固定されにくい状態を作る
という流れです。
サブシジョン後には切離した部分に新しい結合組織が形成されます。皮膚が深部から離れた状態をある程度の期間保つことで、その間に新しい支持組織が形成され、元の位置へ強く再癒着しにくくなっていく可能性があると考えています。
この「切って終わり」ではなく、「再癒着を繰り返し解除しながら、皮膚が深部から離れた状態を維持する」という考え方から、当院では3回前後を一つの目安としています。
臨床研究でも、サブシジョンを3回程度行う治療プロトコルは複数報告されています。ただし、最適な回数が一律に3回と決まっているわけではありません。
1回でも効果を感じる人はいる
もちろん、1回のサブシジョンでも効果を感じる方はいます。
特に深い線維による引き込みが強い場合には、初回のサブシジョンで固定が解除されることで、凹みが浅くなったと感じることがあります。
ただし、1回で見た目が改善した場合でも、その後の治癒過程で一部が再癒着することがあります。
そのため、1回で効果があったから必ず1回で終了というわけではなく、その後の経過を見て2回目、3回目を検討します。
逆に、1回目で十分な変化が得られ、その後も再癒着が目立たなければ、必ず3回行わなければならないわけでもありません。
2回目・3回目は「切り残しを切る治療」ではない
サブシジョンを3回行うというと、「1回目では十分に線維を切れていないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、当院ではそのようには考えていません。
初回から可能な範囲でしっかり癒着を解除したうえで、治癒過程で再び固定された部分を2回目、3回目で解除していきます。複数回行う目的は、少しずつ線維を切ることではなく、再癒着を繰り返し解除することで、皮膚が深部から離れた状態をより安定させることです。
当院の臨床的な印象では、1回だけの場合より2回、2回より3回と治療した方が、その後の再癒着が起こりにくくなっていくように感じます。この部分については、回数を重ねるほど再癒着率が低下することを直接証明した十分な研究があるわけではありませんが、サブシジョン後にフィラーなどを使用して切離したスペースを維持する考え方とも整合します。
4回目になるとどうなる?

3回程度しっかりサブシジョンを行うと、4回目では治療時の感触が変わってくることがあります。
当院では、4回目にカニューレを進めると、初回のような強い線維性の抵抗が少なくなり、皮下が比較的「スカスカ」とした状態になっている症例をよく経験します。
これは、1~3回目で線維を切り残していたという意味ではありません。
複数回のサブシジョンによって深部の固定を解除し、その都度起こった再癒着も再び解除してきた結果、皮膚と深部組織が強く固定されにくい状態になってきたと考えています。
4回目でも部分的に再癒着している場所があれば、追加でサブシジョンを行う意味はあります。ただし、初回~3回目と比較すると治療すべき強い癒着が少なくなっていることが多いため、追加1回あたりの改善量は小さくなり、費用対効果はやや低下する印象があります。
5回目まで行う意味はある?
症例によってはあります。
4回目、5回目でも部分的に再癒着している場所や、まだ深い固定が残っている部分があれば、サブシジョンを追加する意味があります。
当院の臨床的な印象では、5回目程度までは追加治療による効果を感じる症例があります。
ただし、回数を増やすほど同じ割合で改善していくわけではありません。
1~3回目では深部の癒着解除と再癒着への対応が治療の中心になりますが、4~5回目になる頃には深い固定がかなり減っていることが多く、残っている問題が浅い線維、真皮萎縮、表面の凹凸へ移っていることがあります。
その場合には、さらにサブシジョンだけを繰り返すより、キュアジェット、ジュベルック、CO2フラクショナルレーザー、ピコフラクショナルなどへ治療の比重を移す方が合理的です。
6回、7回と続ければさらに良くなる?
サブシジョンだけを何度も繰り返せば、比例して改善するとは考えていません。
深い線維がほとんど解除されている状態では、サブシジョンで治療できる対象そのものが少なくなっています。
その段階では、
・浅い線維
・真皮萎縮
・表面の凹凸
が治療の中心になっている可能性があります。
この場合は、さらにサブシジョンを追加するより、キュアジェット、ジュベルック、CO2フラクショナルレーザー、ピコフラクショナル、シルクロなどへ比重を移した方が合理的なことがあります。「サブシジョンを何回やるか」ではなく、「今残っている問題が何か」で次の治療を選ぶことが重要です。
3回終わったら必ず別の治療へ移る?
必ずではありません。
3回行った時点でも明らかな深い線維の抵抗が残っていれば、4回目を行う意味があります。
一方、2回程度でも深部の固定がかなり解除されており、残っているのが浅い線維や真皮萎縮中心であれば、キュアジェットやジュベルック、フラクショナル治療などへ移ることもあります。
そのため当院では、
「3回だから終了」
「5回だから終了」
と回数だけで判断しません。
施術時の感触、凹みの残り方、治療後の写真などを確認しながら決めます。
サブシジョンの効果はいつ分かる?
サブシジョンの効果を施術直後だけで判断することはできません。
直後は局所麻酔、腫れ、皮下出血によって一時的に皮膚が持ち上がって見えます。
その後、腫れが引くと一度凹みが戻ったように感じることがあります。
しかし、サブシジョンでは線維を切離するだけでなく、その部分で創傷治癒反応が起こります。組織修復やコラーゲン再構築には時間がかかるため、最終的な評価は少し時間を置いて行います。複数回治療する研究でも、最終治療後数か月まで経過を観察して効果判定しています。当院でも、施術直後の見た目だけで次の治療を決めないようにしています。
再癒着すると効果が戻ってしまう?
サブシジョンで線維を切離しても、その後の治癒過程で同じ場所が再び癒着すると、再度皮膚が引き込まれることがあります。
これが再癒着です。
特に癒着を切離した直後は、皮膚と深部組織の間に新しいスペースができます。この部分がそのまま接着して治癒すると、再び固定される可能性があります。
当院では再癒着をできるだけ抑える目的で、必要に応じてサブシジョン後に非架橋ヒアルロン酸を使用します。
非架橋ヒアルロン酸についてはこちら⇒ヒアルロン酸はなぜ行う?
非架橋ヒアルロン酸を使う理由

サブシジョン後に使用するヒアルロン酸は、単に凹みを膨らませるためだけに入れているわけではありません。当院では、線維を切離した部分のスペースを一時的に保ち、再び癒着しにくい環境を作る目的を重視しています。
サブシジョンとヒアルロン酸フィラーなどを組み合わせる治療も臨床研究で検討されています。ただし、ヒアルロン酸を入れれば絶対に再癒着しないという意味ではありません。
複数回治療が必要になる理由の一つとして、残存癒着と再癒着の両方を考えます。
「3回してもまだ凹んでいる=サブシジョンが効いていない」ではない
サブシジョンは深い線維を解除する治療です。
3回程度行って深い線維がかなり減っていても、
・浅い線維
・真皮萎縮
・細く深い瘢痕
・表面の凹凸
が残っていれば、クレーターは完全にはなくなりません。
この場合、さらにサブシジョンだけを続けるよりも別の層を治療する必要があります。
例えば、
浅い線維 → キュアジェット
真皮萎縮 → ジュベルック
表面の凹凸 → CO2フラクショナルレーザー、ピコフラクショナルなど
というように治療を切り替えます。
ジュベルックはキュアジェットだけで入れるわけではない
真皮再構築を目的としてジュベルックを使用する場合、キュアジェットを利用して導入することがあります。一方で、すべての症例でキュアジェットを使うわけではありません。
ニキビ跡の形態や治療部位に応じて、ジュベルックを注射で直接注入することもあります。
サブシジョン後にどの方法でジュベルックを使用するかは、浅い線維の状態や真皮萎縮の範囲を見て決めます。
サブシジョンの回数を簡単に整理すると

これは絶対的な回数表ではありません。1回でも十分な変化を感じる人がいる一方、4~5回程度まで追加する意味がある人もいます。
当院では「何回受けたか」ではなく、深い線維性癒着がまだ存在するのか、再癒着が起きているのか、それとも治療すべき問題が別の層へ移っているのかを確認して次の治療を決めています。
Q&A

Q1. サブシジョンは何回くらい必要ですか?
一般的には3回前後が一つの目安です。ただし1回でも変化を感じる人がおり、癒着が強い場合には4回目、5回目まで行うこともあります。
Q2. 1回だけでも効果はありますか?
あります。特に深い線維による引き込みが強い場合は、1回でも凹みが浅くなったと感じることがあります。
Q3. なぜ3回くらい行うのですか?
深い線維は複数方向・複数の深さに存在することがあり、1回ですべてを解除できないためです。当院でも3回目くらいまでは線維の抵抗を感じることが多くあります。
Q4. 4回目にも意味はありますか?
あります。ただし、3回程度しっかり治療すると深い線維がかなり減っていることが多く、1~3回目より追加1回あたりの効果は小さくなりやすいため、費用対効果は少し低下すると考えています。
Q5. 5回目も受けてもいいですか?
残っている深い癒着があれば意味がある場合があります。当院でも5回目程度までは追加治療の効果を感じる症例があります。
Q6. 何回もやればやるほど良くなりますか?
比例して改善するわけではありません。深い線維がほとんど解除された後は、キュアジェット、ジュベルック、CO2フラクショナルレーザーなど別の治療へ移った方がよいケースがあります。
Q7. 効果はいつ分かりますか?
施術直後は腫れの影響があるため、すぐには正確に判断できません。腫れが落ち着き、皮膚の修復が進んでから評価します。
Q8. 再癒着することはありますか?
あります。そのため当院では、必要に応じて非架橋ヒアルロン酸を使用し、切離したスペースを保つようにしています。
まとめ|サブシジョンは3回前後が目安だが、回数より「再癒着と残っている深い線維」を見る
サブシジョンは1回でも効果を感じることがありますが、一般的には3回前後を一つの目安として考えることが多い治療です。
当院では、初回からできるだけしっかり深い線維性癒着を解除します。ただし、その後の創傷治癒の過程で一部が再癒着することがあります。
そのため、2回目では再癒着した部分を再び解除し、3回目まで行うことで、皮膚が深部へ再固定されにくい状態を作っていくという考え方で治療しています。
つまり、複数回行う理由は「1回目で線維を十分に切れていないから」ではありません。1回目でしっかり解除したうえで、その後に起こる再癒着を繰り返し解除し、皮膚が深部から離れた状態を維持しやすくしていくことが目的です。
3回程度治療すると、再固定が起こりにくくなっている症例が多く、4回目にはカニューレを動かした際の抵抗がかなり少なく、「スカスカ」とした状態になっていることがあります。
4回目以降も部分的な再癒着が残っていれば追加治療の意味はありますが、1~3回目と比べると改善量は小さくなり、費用対効果はやや低下する印象があります。それでも症例によっては5回目程度まで追加する意義を感じることがあります。
一方で、1回でも十分な変化を感じる方もいます。必ず3回必要というわけではありません。また、深い線維が十分に解除された後も凹凸が残っている場合には、サブシジョンをさらに繰り返すより、治療する層を変えることが重要です。
浅い線維にはキュアジェット、真皮再構築にはジュベルック、表面の凹凸にはCO2フラクショナルレーザーやピコフラクショナルなどを組み合わせます。
サブシジョンの終了時期を「何回受けたか」だけで決めるのではなく、再癒着がどの程度残っているのか、深部の固定が十分に解除されているのか、次にどの層を治療するべきなのかを見ながら判断することが大切です。
監修医師

<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。
【文責】
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤 成貴
【参考文献】
- Ebrahim HM, et al. A combined approach of subcision with either cross-linked hyaluronic acid or threads in the treatment of atrophic acne scars. J Cosmet Dermatol. 2022.
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- Bhargava S, et al. A split-face comparative study to evaluate efficacy of combined subcision and dermaroller against combined subcision and cryoroller in treatment of acne scars. J Clin Aesthet Dermatol. 2014.
- Vempati A, et al. Subcision for Atrophic Acne Scarring: A Comprehensive Review of Surgical Instruments and Combinatorial Treatments. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2023.








