ADMと肝斑が一緒にある場合はどう治療する?レーザーの順番と注意点|名古屋
- 2026.9.16
目次
ADMと肝斑が一緒にある場合はどう治療する?

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)と肝斑は別の色素性病変ですが、同じ頬に同時に存在することがあります。ADMは真皮にメラニンを持つ細胞が存在するため、Qスイッチレーザーやピコレーザーなどで真皮の色素を狙う治療が中心です。一方、肝斑は刺激によって濃くなることがあるため、同じ「シミ」としてまとめて治療するのではなく、それぞれを分けて考える必要があります。
ADMとは?ABNOMとの違い
ADMは「Acquired Dermal Melanocytosis」の略で、日本語では「後天性真皮メラノサイトーシス」と呼ばれます。後天的に真皮内にメラノサイトがみられる色素性病変の総称です。
その中でも、成人以降に両側の頬骨周囲、こめかみ、まぶた、鼻などに青褐色〜灰褐色の斑点が現れるタイプは、ABNOM(Acquired Bilateral Nevus of Ota-like Macules)またはHori nevusと呼ばれます。日本の美容皮膚科では、顔面にみられるADMを指して「ADM」と呼ぶことが多いため、ADMとABNOMがほぼ同じ意味で使われることもあります。ただし厳密には、ADMのほうが広い概念です。
ADMは顔以外にもできる?
ADMは顔にみられることが多い色素性病変ですが、まれに顔以外にも生じます。
顔面外ADM(extrafacial acquired dermal melanocytosis)として、背中、胸部、肩、腕、脚、手、足などに生じた症例が報告されています。ただし、顔以外にみられる青灰色〜褐色の色素斑には、ADM以外の真皮メラノサイトーシスや炎症後色素沈着などもあるため、見た目だけでADMと判断することはできません。
ADMと肝斑はどう違う?

ADMは、頬骨周囲を中心に青灰色〜灰褐色の小さな斑点が複数みられることが多く、色素の主な存在部位は真皮です。一方、肝斑は左右対称に淡褐色〜褐色の色が面状に広がることが多く、紫外線、摩擦、ホルモンなどさまざまな要因が関係すると考えられています。
ただし実際の診療では、ADMだけ、肝斑だけというケースばかりではありません。
ADMの周囲や上に肝斑が重なっていたり、老人性色素斑や炎症後色素沈着など別の色素性病変が混在していたりすることがあります。そのため、色だけで判断するのではなく、分布、形、色調、経過などを確認して治療方針を決めます。
ADMと肝斑が一緒にある場合の治療
ADMと肝斑が混在している場合、一つの治療ですべてを同じように治療するわけではありません。ADMには、真皮の色素を狙うQスイッチレーザーやピコレーザーを使用します。
一方、肝斑には肌状態に応じてOPトーニング、ピコトーニング、ダブルピコ、C-OPERA、内服、外用・ホームケアなどを組み合わせます。つまり、ADMはADMとして治療する。
肝斑は肝斑として治療する。この考え方が基本です。
ADMのレーザーと肝斑治療、どちらを先にする?
どちらを先に治療するかは一律には決められません。肝斑の状態が比較的落ち着いていればADMへのレーザー治療を進めることがあります。一方、肝斑が濃く、刺激によって悪化しやすいと考えられる場合には、肝斑への治療を並行したり、肌状態を整えてからADMへのレーザー照射を検討したりします。重要なのは、「ADMがあるからすぐレーザー」「肝斑があるからADMは治療できない」と単純に考えないことです。ADMと肝斑の状態をそれぞれ確認し、照射方法や治療間隔を調整します。
ADM治療ではPIHにも注意が必要
ADMに対するQスイッチレーザーやピコレーザーの治療後には、PIH(炎症後色素沈着)が生じることがあります。さらに肝斑を併発している場合は、レーザーによる刺激によって周囲の色調が変化する可能性も考慮する必要があります。そのため、ADMそのものだけでなく、周囲の肝斑や肌状態も確認しながら治療を進めることが重要です。
ADMと肝斑を見分けることが治療の第一歩
ADMと肝斑はどちらも頬周囲に現れやすく、同時に存在することもあります。そのため、「頬にあるシミだから全部同じ治療をする」のではなく、どこがADMで、どこが肝斑なのかをできるだけ整理したうえで治療を考えることが大切です。まゆりなclinic名古屋栄では、シミの種類、分布、色調、肌状態を確認し、ADMにはADMに適した治療、肝斑には肝斑に適した治療を組み合わせながら治療計画を立てています。
よくある質問
まとめ|ADMと肝斑は別々に考えて治療する

ADMと肝斑は見た目が似ていますが、病変の性質や治療方法は異なります。
さらに、実際にはADMと肝斑が同じ頬に混在していることもあります。
ADMには真皮の色素を狙うレーザー治療、肝斑には刺激を考慮した肝斑治療を行い、それぞれを別の病変として考えながら治療を組み立てることが重要です。ADMへのレーザー治療では、ADMそのものだけでなく、肝斑の有無やPIHのリスク、肌状態まで確認しながら治療を進めます。
【参考文献】
Hori Y, et al. Acquired, bilateral nevus of Ota-like macules. J Am Acad Dermatol. 1984.
Lee JY, et al. Acquired dermal melanocytosis: clinical features and treatment considerations.
Wang Y, et al. Laser treatment for acquired bilateral nevus of Ota-like macules with and without melasma. Skin Res Technol. 2023.
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
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