マリオネットラインとは?ほうれい線との違い・原因・治療を解説|名古屋
- 2026.10.10
「口角から下に伸びる線が目立ってきた」「ほうれい線が下まで伸びたように見える」「口角が下がって不機嫌そうに見える」という場合、マリオネットラインが目立っている可能性があります。
マリオネットラインは、口角付近から顎・フェイスライン方向へ伸びる溝やシワです。ほうれい線と混同されることがありますが、始まる場所も、深くなる原因も少し違います。
ほうれい線は主に小鼻の横から口角方向へ伸びます。一方、マリオネットラインでは口角より下のボリューム低下、口角を下げる筋肉、ジョール、下顔面のたるみ、皮膚表面の刻みジワなどが関係します。
そのため、マリオネットラインをすべてヒアルロン酸で埋めればよいわけではありません。溝のボリューム不足にはヒアルロン酸、表面の細かな線にはCGスタイラー、口角を下げる筋肉の影響が強ければボトックス、ジョールや下顔面のたるみが強ければ糸リフトやHIFU、RF、ATTIVAなどを検討します。
自然に治すには、「線」ではなく、何がマリオネットラインを作っているかを確認することが重要です。
目次
マリオネットラインとは?
マリオネットラインは、口角付近から顎・下顎方向へ伸びる溝です。人形劇のマリオネットの口元に似ていることから、この名称で呼ばれています。
医学的にはlabiomandibular fold、melomental foldなどと表現されることがあります。
年齢とともに口角周囲の組織が下がり、顎横のボリュームやジョール、皮膚のハリなどが変化すると、口角から下へ伸びる線が目立つようになります。
マリオネットラインが深くなると、実際には怒っていなくても口角が下がって見えたり、疲れた・不機嫌そうな印象につながることがあります。
ほうれい線とマリオネットラインの違い
両者は位置が異なります。

ほうれい線の「続き」がマリオネットラインというわけではありません。それぞれ別の解剖学的な変化として考えた方が治療を選びやすくなります。

マリオネットラインはなぜできる?
マリオネットラインには一つの原因だけがあるわけではありません。加齢による骨格、脂肪、皮膚、筋肉、支持組織の変化が重なります。
近年の解剖学的な研究でも、マリオネットラインは骨格変化、脂肪区画の変化、ジョール、皮膚のたるみ、筋肉の作用などが組み合わさって形成されると考えられています。
主な原因を分けると次のようになります。

実際には複数の原因が混在している方が多くいます。
① 口角下のボリューム低下
口角の下から顎横にかけてボリュームが減ると、マリオネットラインの内側がくぼんで見えることがあります。
この場合には、ヒアルロン酸などで不足しているボリュームを補う治療を検討します。
ただし、「線があるから線全部を埋める」のではありません。
どの部分がくぼみ、どの部分が盛り上がっているかを確認して、必要なところだけを補います。
② ジョールがマリオネットラインを深く見せる
ジョールとは、口角の外側からフェイスラインにかけて下方へたまったように見える組織です。
マリオネットラインの外側にジョールがあると、
くぼんだマリオネットライン
+
外側の盛り上がり
によって高低差が大きくなり、線がさらに深く見えます。
この場合、マリオネットラインの谷だけへヒアルロン酸を大量に入れて平らにしようとすると、下顔面全体が重く見えることがあります。
ジョールや下顔面のたるみが強い場合には、たるみ治療も検討します。
③ 下顔面のたるみ
頬から口元の組織が下がると、口角周囲にも重みが加わります。マリオネットラインはほうれい線以上に、下顔面のたるみとの関係を考える必要があります。
この場合には、糸リフト、HIFU、オリジオKISSなどのRF、ATTIVAなどを検討します。
特に組織そのものを上方向へ移動させたい場合には、糸リフトの方がヒアルロン酸だけでリフトアップを作ろうとするより直接的なことがあります。
ヒアルロン酸は不足したボリュームを補うには有用ですが、たるんだ組織をすべてボリュームで持ち上げようとすると、下顔面が大きく・重く見える可能性があります。
④ 口角を下げる筋肉の影響
口角周囲には、口角を下方向へ引く口角下制筋(DAO:depressor anguli oris)があります。
この筋肉の作用が強い方では、無表情でも口角が下がって見えたり、マリオネットラインが強調されたりすることがあります。
この場合には、ボトックスなどのボツリヌストキシン製剤を使用して口角下制筋の作用を適度に弱めることがあります。
ボツリヌストキシンとヒアルロン酸を組み合わせて口角下垂やマリオネットラインを治療する方法については、臨床研究でも報告されています。
ただし、口周囲には笑う、話す、食べるといった重要な機能があります。
必要以上に筋肉の動きを弱めると、笑い方の左右差や口元の違和感などにつながる可能性があるため、適切な位置と量で治療することが重要です。
⑤ 顎横・プレジョールのくぼみ
マリオネットラインのさらに下、顎横からフェイスラインへ続く部分にくぼみができることがあります。
この部分はプレジョールサルカスなどと呼ばれます。
顎の前方は比較的ボリュームがあるのに、その横がくぼみ、そのさらに外側にジョールがあると、フェイスラインが波打ったように見えます。
このくぼみを適切に整えることで、マリオネットラインからフェイスラインまでのつながりがなめらかに見えることがあります。
通常のヒアルロン酸を使用することがあります。

⑥ 表面へ刻まれた小ジワ
マリオネットラインの谷とは別に、皮膚表面へ細かな線が刻まれていることがあります。
深部のボリュームを補っても、このような皮膚表面の線だけが残ることがあります。
当院では、表面に刻まれた線やハリを整える目的でCGスタイラーを使用することがあります。
通常のヒアルロン酸を追加してボリュームだけを増やすより、CGスタイラーへ役割を分けた方が自然な場合があります
マリオネットラインには何をする?状態別の治療

「マリオネットラインだからヒアルロン酸」という一種類の治療ではありません。
ヒアルロン酸はマリオネットラインに効果がある?
ボリューム低下やくぼみが関係するマリオネットラインには有効な選択肢です。
マリオネットラインに対するヒアルロン酸製剤の前向き研究でも、治療後の改善が報告されています。
ただし、ヒアルロン酸が特に向いているのは、「足りないものを補う」場合です。
口角下やプレジョールがくぼんでいる場合には適していますが、すでに下顔面にボリュームが多く、ジョールが強い方へさらに大量の製剤を入れると、顔が重く見えることがあります。
マリオネットラインも完全に消さない方がいい?
ほうれい線と同じように、必要以上に平坦にする必要はありません。
顔の下半分にも自然な凹凸があります。
マリオネットラインを完全に消そうとして大量のヒアルロン酸を入れると、口元や顎周囲が膨らみ、下顔面が重く見えることがあります。
深い影が少し浅くなる、口角が少し上がって見える、フェイスラインとの段差が少しなめらかになるだけでも印象は変わります。
自然な下顔面を保ちながら、年齢感につながる影を減らすことが重要です。
CGスタイラーはマリオネットラインにも使える?
使用することがあります。
特に、
マリオネットラインの表面に細かなシワがある
皮膚に折れ癖が刻まれている
大きなボリュームを追加したくない
谷と表面の線を自然に整えたい
という場合です。
CGスタイラーには架橋ヒアルロン酸が含まれているため、浅い溝の補正にも使用できますが、当院では特に皮膚表面の刻みジワやハリを整える用途で使いやすいと考えています。
大きなボリューム不足には通常のヒアルロン酸、表面の線やハリにはCGスタイラーという使い分けができます。
口角の下に細かな「カーテン状のシワ」がある場合
口角から顎方向へ一本の線だけがあるのではなく、周囲に細かなシワが複数広がることがあります。
こうした皮膚表面の細かな線についても、通常のヒアルロン酸だけでボリュームを増やすより、CGスタイラーを使用することがあります。
ほうれい線周囲と同じように、
深い構造的なくぼみ
→ 通常のヒアルロン酸
表面の刻み・細かな線
→ CGスタイラー
と役割を分けます。
ボトックスだけでマリオネットラインは消える?
すべては消えません。ボトックスが得意なのは、口角下制筋など筋肉によって口角が下方向へ引かれている場合です。ボリューム低下、ジョール、たるみ、皮膚に刻まれた線をボトックスだけで補うことはできません。
口角下制筋の作用が強い
+
口角下がくぼんでいる
のであれば、
ボトックス
+
ヒアルロン酸
という組み合わせを考えることがあります。
糸リフトはマリオネットラインに向いている?
下顔面の下垂が強い場合には選択肢です。
糸リフトは、下がった組織を上方向へ移動させる治療です。
マリオネットラインの外側にジョールがあり、下顔面全体が下がっている方では、ヒアルロン酸で線を埋めるより、まず下垂した組織を持ち上げた方が自然な場合があります。
糸リフト後に残るくぼみへヒアルロン酸、表面の線へCGスタイラーを追加する方法もあります。
HIFU・RF・ATTIVAはどう使う?
下顔面のたるみやもたつきを整える目的で使用します。
HIFUは深部を含めた引き締め、オリジオKISSなどのRFは皮膚・皮下組織の引き締め、ATTIVAはカニューレ型RFによって組織へ直接熱を加える治療です。
下顔面全体を引き締めた結果、マリオネットラインが浅く見えることがあります。
ただし、深く刻まれた溝が完全に消えるわけではありません。
その場合は残る溝だけを注入治療で整えます。
「マリオネットラインを全部ヒアルロン酸で治す」が不自然になりやすい理由
マリオネットラインが深く見える方の中には、
内側がくぼんでいる
外側にはジョールがある
口角は筋肉で下向きに引かれている
下顔面全体がたるんでいる
という複数の変化が同時にあります。
これをすべてヒアルロン酸のボリュームで平坦にしようとすると、必要な製剤量が増え、下顔面が大きく見えることがあります。
それぞれの原因へ役割を分ける方が自然です。
たるみ
→ 糸・HIFU・RF・ATTIVA
筋肉
→ ボトックス
不足したボリューム
→ 通常のヒアルロン酸
表面の刻みジワ
→ CGスタイラー
という考え方です。
マリオネットラインとほうれい線を同時に治療できる?
できます。
実際には、年齢とともにほうれい線とマリオネットラインの両方が目立っている方もいます。
ただし、同じ製剤を同じように入れるとは限りません。
例えば、
ほうれい線
→ 頬を支える+谷を整える
マリオネットライン
→ 下顔面のたるみを改善+必要な溝を整える
というように考えます。
一度に全部治療する必要もありません。
一番気になる部分から治療し、顔全体の変化を確認して追加する方法があります。
💡関連コラムはこちら⇒ほうれい線はなぜ深くなる?原因・タイプ別の治療法とクリニック選びを解説|名古屋
マリオネットラインは何歳頃からできる?
個人差があります。
骨格、脂肪量、皮膚の質、口角下制筋の強さ、頬やジョールの位置などによって、比較的若い時期から目立つ方もいます。
年齢だけで治療の必要性を決めることはできません。
以前の写真と比べて口角が下がって見える、下顔面の影が強くなった、ジョールが目立ってきたと感じたときに相談するのがよいでしょう。
セルフケアでマリオネットラインは改善する?
保湿や紫外線対策は皮膚の状態を保つうえで大切です。
しかし、下顔面のたるみ、ボリューム低下、筋肉、ジョールによって形成された深いマリオネットラインを、マッサージや化粧品だけで大きく戻すことは困難です。
強いマッサージで無理に線を伸ばそうとする必要もありません。
どの部分が原因になっているかを確認して治療を選ぶ方が現実的です。
名古屋でマリオネットライン治療のクリニックを選ぶポイント
マリオネットライン治療を検討するときには、線だけにヒアルロン酸を入れるクリニックかどうかではなく、下顔面全体を診察しているかを確認するとよいでしょう。
具体的には、口角下のくぼみ、ジョール、フェイスライン、口角下制筋、皮膚表面の刻みジワを分けて確認していること、ヒアルロン酸以外にボトックスやたるみ治療も選択できること、必要以上にボリュームを追加しないことが重要です。
マリオネットラインは原因が複雑だからこそ、複数の治療から必要なものだけを選べることが自然な仕上がりにつながります。
まゆりなclinic名古屋栄のマリオネットライン治療
当院では、
診察
→ 口角・溝・ジョール・たるみ・筋肉・表面の線を確認
→ 一番影響の大きい原因から治療
→ 経過確認
→ 必要に応じて追加・変更
という流れで考えます。
例えば、ジョールと下垂が強ければ、最初からマリオネットラインへ大量のヒアルロン酸を入れるのではなく、たるみ治療を先に考えることがあります。
口角を下げる筋肉が強ければボトックス、くぼみが残ればヒアルロン酸、表面の小ジワが残ればCGスタイラーを検討します。
すべてを同日に行う必要はありません。
よくある質問
Q1.マリオネットラインとはどこですか?
口角付近から顎・フェイスライン方向へ伸びる溝やシワです。小鼻の横から始まるほうれい線とは位置が異なります。
Q2.ほうれい線とマリオネットラインは同じものですか?
違います。ほうれい線は小鼻の横から口角方向、マリオネットラインは口角から顎方向へ伸びます。関係する原因や治療も異なります。
Q3.マリオネットラインはなぜできますか?
口角下のボリューム低下、下顔面のたるみ、ジョール、口角下制筋、顎横のくぼみ、皮膚のハリ低下などが関係します。
Q4.マリオネットラインにはヒアルロン酸が効きますか?
くぼみやボリューム低下がある場合には有効な選択肢です。ただし、ジョールやたるみが強い場合にはヒアルロン酸だけでは不十分なことがあります。
Q5.CGスタイラーはマリオネットラインにも使えますか?
使用することがあります。特に表面に刻まれた細かなシワや、浅い溝、周囲のハリを整えたい場合に検討します。
Q6.マリオネットラインにボトックスは効きますか?
口角下制筋の作用によって口角が下がっている場合にはボトックスを検討します。くぼみやたるみそのものをボトックスで補うことはできません。
Q7.糸リフトはマリオネットラインに効きますか?
下顔面の下垂が原因になっている場合には選択肢です。下がった組織を移動させることで、マリオネットラインが浅く見えることがあります。
Q8.ヒアルロン酸だけで全部治療できますか?
すべてをヒアルロン酸で治療する必要はありません。たるみには糸リフトやHIFU・RFなど、筋肉にはボトックス、刻みジワにはCGスタイラーなどを使い分けます。
Q9.マリオネットラインは完全に消した方がいいですか?
完全に平坦にすると下顔面が不自然に膨らむことがあります。影や深さが少し減るだけでも印象は変わるため、自然な改善を重視します。
Q10.マリオネットラインとほうれい線を同時に治療できますか?
できます。ただし原因が違うため、それぞれ別の治療を選ぶことがあります。
Q11.口角が下がっているだけでも治療できますか?
できます。口角下制筋の作用が強い場合にはボトックスなどを検討します。ボリューム不足があれば注入治療を組み合わせることもあります。
Q12.何の治療を受ければいいか分かりません
施術名を決めて来院する必要はありません。口角、マリオネットラインの溝、ジョール、フェイスライン、筋肉、皮膚表面を確認して治療を選びます。
まとめ|マリオネットラインは「溝・たるみ・筋肉」を分けて治療する
マリオネットラインは、口角から顎方向へ伸びる線・溝で、ほうれい線とは異なります。
原因には、口角下のボリューム低下、ジョール、下顔面のたるみ、口角下制筋、顎横のくぼみ、皮膚表面の刻みジワなどがあります。
そのため、マリオネットラインへヒアルロン酸を入れるだけが治療ではありません。
不足したボリューム・くぼみ
→ 通常のヒアルロン酸
表面に刻まれた小ジワ・浅い溝・ハリ
→ CGスタイラー
口角を下方向へ引く筋肉
→ ボトックス
ジョール・下顔面のたるみ
→ 糸リフト、HIFU、RF、ATTIVAなど
というように、原因ごとに治療を分けます。
特に下顔面は、ヒアルロン酸を入れすぎると重く見えやすい部位です。マリオネットラインを完全に平坦にすることより、口角下の影やフェイスラインとの段差を自然に浅くすることを重視します。
少しラインが残っていても、口角が上がって見え、ジョールとの高低差が減るだけで顔全体の印象は大きく変わります。
まゆりなclinic名古屋栄では、ほうれい線とマリオネットラインを同じものとして扱わず、口角、溝、ジョール、筋肉、下顔面のたるみを確認し、その時点で必要な治療からご提案します。
文責
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤成貴
参考文献
- Park JH, et al. Anatomical-based diagnosis and filler injection techniques: marionette line (static labiomandibular fold). Anat Cell Biol. 2025.
- Yi KH, et al. Why do marionette lines appear? Exploring the anatomical perspectives and role of thread-based interventions. J Cosmet Dermatol. 2024.
- Wollina U, et al. Nonsurgical correction of drooping mouth corners using monophasic hyaluronic acid and incobotulinumtoxinA. J Cosmet Dermatol. 2019.
- Moon HJ, et al. Increasing Precision When Targeting the Depressor Anguli Oris Muscle With Neuromodulators: An Ultrasound-Based Investigation. Aesthet Surg J. 2024.
- Ascher B, et al. Consensus on the Use of Hyaluronic Acid Fillers from the Cohesive Polydensified Matrix Range: Best Practice in Specific Facial Indications. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2021.
- An Evaluation of VYC-17.5L for the Treatment of Marionette Lines: A Prospective, Open-Label, Postmarketing Study. Dermatol Surg. 2024.








