美容皮膚科のIPLとエステの光フェイシャルは何が違う?|シミ・赤み治療の選び方|名古屋
- 2022.12.30
目次
美容皮膚科のIPLとエステの光フェイシャルは何が違う?

「IPLは美容皮膚科とエステのどちらで受けても同じ?」「光フェイシャルなら安いエステでもいい?」「医療IPLは何が違う?」。見た目は似た光を使う施術でも、美容皮膚科で行うIPL治療とエステサロンの光フェイシャルでは、目的や施術の位置づけが異なります。
美容皮膚科のIPLは、医師が皮膚の状態を診察し、シミ・そばかす・赤みなどの治療を目的として照射条件を設定する医療です。一方、エステで行われる光フェイシャルは、美容・リラクゼーションを目的とした施術であり、医療行為として皮膚疾患や色素性病変を診断・治療するものではありません。最も大きな違いは、単純な「光の強さ」ではなく、何を治療しているのかを診断したうえで施術できるかという点です。
IPLとは?
IPLはIntense Pulsed Lightの略で、レーザーとは異なり、幅広い波長を含む光を照射する治療です。波長域、フィルター、出力、パルス幅などを調整することで、メラニンやヘモグロビンなど複数のターゲットへアプローチできます。
そのため医療IPLでは、そばかす・色むらなどの色素だけでなく、赤みや毛細血管拡張、光老化に伴う肌質変化などを同時に治療できることが特徴です。IPLに関する系統的レビューでも、色素沈着、赤み、毛細血管拡張、肌質、光老化など複数の項目で改善が報告されています。
まゆりなclinic名古屋栄では、IPLとしてライムライトを使用しています。
一番の違いは「診断してから照射できるか」
美容皮膚科でIPLを行う大きな意味は、施術前に医師が肌を診察できることです。
患者さまから見ると同じ「茶色いシミ」に見えても、老人性色素斑、そばかす、肝斑、ADM、炎症後色素沈着(PIH)などでは治療方法が異なります。例えば、顔全体に細かな色素と赤みがある場合にはIPLが適することがあります。一方、非常に薄い老人性色素斑ではIPLへの反応が弱く、当院ではルビーフラクショナルを選択することがあります。濃く境界のはっきりした老人性色素斑であれば、ピコスポットを選んだ方がよい場合があります。また、肝斑が混在していれば、IPLの照射方法を慎重に検討する必要があります。
つまり、美容皮膚科では「IPLを当てること」から始めるのではなく、「IPLを当てるべき肌なのか」から判断できます。
医療IPLは出力が高いから効果が高い?
「医療IPLはエステより出力が強いから効果が高い」と説明されることがありますが、これだけでは少し不正確です。IPL治療では、単純な最大出力だけでなく、使用する波長域、フィルター、フルエンス、パルス幅、パルス間隔、肌色、治療ターゲットなどの組み合わせが重要です。医学文献でも、IPLは波長やフルエンス、パルス幅などを適切に組み合わせることで、色素性病変や血管性病変を治療する機器として使用されています。医療機関のメリットは、「強く打てる」ことではなく、治療対象と肌反応を見ながら医学的に照射条件を設定できることです。必要以上に強く照射すればよいわけではありません。出力を上げすぎれば、赤み、やけど、PIHなどのリスクも高まる可能性があります。
治療効果と安全性のバランスを考えて設定することが重要です。
美容皮膚科なら「シミに合わせて別治療へ変更できる」
これも大きな違いです。IPLを数回行って顔全体の赤みや色むらは改善したものの、一部のシミだけが残ることがあります。このとき当院では、IPLの出力を上げ続けるのではなく、残った色素を見直します。
薄い老人性色素斑
→ ルビーフラクショナル
濃い老人性色素斑
→ ピコスポット
肝斑・PIH
→ OPトーニングやピコトーニングなどを検討
医療IPLのメリットは、IPLだけで最後まで治療することではありません。IPLが得意な部分はIPLで治療し、残ったものには別の治療を選択できることです。
エステの光フェイシャルは意味がない?
そのようなことではありません。エステサロンで行われる光フェイシャルは、美容目的で肌のコンディションを整えることを目的として利用されることがあります。一方で、医療機関ではないため、老人性色素斑、肝斑、ADM、PIHなどを医学的に診断したうえで治療する場所ではありません。ここは「エステは弱いから意味がない」「医療は強いから優れている」と比較するより、目的の違いとして考える方が分かりやすいでしょう。ただし、シミの診断をしっかりされていないため、適応がない部分に照射し、知らず知らずのうちにシミが悪化している場合が多々ありますので注意はしてほしいです。
肌を美容目的でケアしたい
→ エステという選択肢もある
シミや赤みの種類を診断し、改善を目的として治療したい
→ 美容皮膚科
という違いです。
美容皮膚科ではトラブルが起きたときに診察できる
IPLは比較的ダウンタイムの少ない治療ですが、リスクがないわけではありません。
照射後には赤み、ヒリつき、乾燥、マイクロクラストなどが生じることがあります。肌状態や照射条件によっては、やけどやPIHなどが起こる可能性もあります。
医療機関では、このような変化が出た場合に医師が診察し、必要に応じて薬の処方や治療内容の変更を行うことができます。
特に、
予想以上に赤みが続く
水疱ができた
治療後にシミが濃くなった
一部の色が抜けた
肝斑のような色むらが目立ってきた
といった変化がある場合には、「様子をみればよい変化なのか」「治療が必要な合併症なのか」を判断することが重要です。
美容医療では、治療効果だけでなく、問題が起きたときに対応できる体制も含めて考える必要があります。
日本ではどこまでが医療行為?
日本では、医師法第17条によって医師以外が医業を行うことは禁止されています。厚生労働省は、医師免許を持たない者が強力なレーザー光線やその他の光線を照射し、組織を破壊するような行為などについて、医師法に抵触する場合があることを示しています。
そのため、エステサロンと医療機関では、使用する機器や照射目的、行える施術の範囲が同じではありません。ただし、「IPLという名前の光を使えばすべて医療行為」という意味でもありません。どのような機器を、どの出力・目的で使用し、人体にどのような作用を与えるかによって判断されます。大切なのは、「エステにもIPLと書いてあるから医療IPLと同じ」と考えないことです。厚生労働省も、強力な光線によって人体組織へ作用させる行為について、医師法上の考え方を示しています。
医療IPLとエステの光フェイシャルを簡単に比較
|
美容皮膚科のIPL |
エステの光フェイシャル |
| 目的:シミ・そばかす・赤み・色むらなどの治療 施術前:医師による診察が可能 設定:肌状態・治療対象に合わせて医療機器の条件を調整 治療変更:レーザー・トーニングなど別の医療へ変更可能 副作用時:医師による診察・治療が可能 |
目的:美容・スキンケア・肌コンディショニング 施術前:医療診断は行わない 設定:美容施術として使用可能な範囲で行う 治療変更:医療レーザーなどの医療行為は行わない 副作用時:必要に応じて医療機関を受診する |
つまり、大きな違いは「何ジュール強いか」ではなく、診断・治療・経過観察まで医療として行えるかどうかです。
医療IPLならシミは全部取れる?
いいえ。医療IPLでも、すべてのシミに適しているわけではありません。
ライムライトは、そばかす、赤み、くすみ、顔全体の色むらなどを広く整えることを得意としています。一方、非常に薄い老人性色素斑では十分な反応が得られない場合があります。
また、濃く境界のはっきりした老人性色素斑を1個取りたいのであれば、ピコスポットの方が効率的なことがあります。肝斑ではIPL以外の治療を優先することもあります。
医療機関でIPLを受ける価値は、「IPLなら全部取れること」ではありません。IPLを使うべきところと、使わない方がよいところを判断できることです。
まゆりなclinic名古屋栄のライムライト治療

当院では、IPLとしてライムライトを使用しています。ライムライトは520〜1100nmの幅広い光を使用し、メラニンだけでなく赤みにもアプローチできるため、顔全体のそばかす・くすみ・赤み・色むらなどをまとめて整えたい場合に適しています。
一方、通常のそばかすそのものをしっかり治療したい場合にはルビーフラクショナル、濃い老人性色素斑にはピコスポットなど、他の治療を選択することがあります。
必要に応じてNeo Voir I PLUSによる肌撮影も補助的に使用し、医師が肌状態を確認したうえで照射方法を決定します。
当院では「IPLがあるからIPLを当てる」のではなく、今のお肌にIPLを使うメリットがあるかを最初に判断しています。
よくある質問
Q.美容皮膚科のIPLとエステの光フェイシャルは同じですか?
A.同じではありません。医療機関では医師の診察を行い、シミ・そばかす・赤みなどの治療を目的として医療IPLを使用します。エステの光フェイシャルは美容目的の施術で、医療診断・治療を行うものではありません。
Q.医療IPLの方が単純に出力が強いのですか?
A.最大出力だけで比較するものではありません。IPLでは波長、フルエンス、パルス幅、肌色、治療対象などを組み合わせて設定します。医療機関では治療目的に応じた設定を行える点が重要です。
Q.エステの光フェイシャルではシミは診てもらえませんか?
A.美容目的で肌を見ることはできますが、老人性色素斑、肝斑、ADMなどを医学的に診断して治療方針を決めることは医療機関の役割です。
Q.IPLを受けるなら美容皮膚科の方がいいですか?
A.シミ・そばかす・赤みなどを治療目的で改善したい場合には、診断・照射設定・治療後の対応まで行える医療機関でのIPLをおすすめします。
Q.美容皮膚科のIPLなら1回でシミが取れますか?
A.1回で大きく反応する色素もありますが、複数回必要になることがあります。また、IPLよりピコスポットやルビーフラクショナルの方が適したシミもあります。
Q.医療IPLでもやけどすることはありますか?
A.可能性はあります。赤み、ヒリつき、PIH、やけどなどが起こる可能性があるため、肌状態に合わせた照射条件の設定と治療後の経過観察が重要です。
まとめ
美容皮膚科のIPLとエステの光フェイシャルの違いは、単純な光の強さだけではありません。美容皮膚科では、医師が肌を診察し、
何の色素なのか
IPLが適しているのか
どの条件で照射するのか
別のレーザーを選ぶべきか
問題が起きどの条件で照射するのか
まで含めて治療を行います。
一方、エステの光フェイシャルは、美容・肌コンディショニングを目的とした施術として利用されます。そのため、「どちらが上か」ではなく、何を目的として受けるかで選ぶことが重要です。シミ・そばかす・赤みを医学的に診断し、改善を目的として治療したい場合には美容皮膚科のIPL。美容目的で肌のお手入れをしたい場合にはエステという選択肢もあります。まゆりなclinic名古屋栄では、IPLを行うこと自体を目的にせず、IPLが適していないシミであればピコスポット、ルビーフラクショナル、OPトーニングなど別の治療を選択します。何を当てるかより、何を治療しているのか。そこが、医療として光治療を行ううえで重要だと考えています。
【参考文献】
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- 厚生労働省「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」平成13年11月8日 医政医発第105号。医師免許を有しない者が、強力なレーザー光線その他の光線を用いて人体組織を破壊する行為等を業として行う場合の医師法上の取扱いについて通知。
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。








