ピコレーザーはどれがいい?種類・機種・パルス幅・ピコスポット・トーニング・フラクショナルの違い|名古屋
- 2022.4.7
目次
ピコレーザーはどれがいい?種類・機種・パルス幅・ピコスポット・トーニング・フラクショナルの違い|名古屋
「ピコレーザーを受けたいけれど、どれを選べばいいのか分からない」「ピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナルは何が違う?」「機種によって効果は違う?」という質問をよくいただきます。結論からいうと、「ピコレーザー」という名前だけでは治療内容は分かりません。同じピコレーザーでも、機種によって波長、パルス幅、出力、照射モードが異なり、さらに同じ機械でもピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナルでは治療目的が違います。大切なのは「ピコレーザーがあるか」ではなく、「どの機種を、どの条件で、何のために使っているか」です。
ピコレーザーとは?
ピコレーザーは、ピコ秒という非常に短い時間でレーザーを照射する機器です。1ピコ秒は1兆分の1秒で、従来のQスイッチレーザーより短いパルス幅を利用できます。短いパルス幅ではピークパワーが高くなり、光音響・光機械的作用を利用しやすくなりますが、ピコレーザーでも熱作用がなくなるわけではありません。したがって、「ピコ=衝撃波だけ」「Qスイッチ=熱だけ」という単純な違いではなく、波長、パルス幅、出力、スポットサイズなどによって作用のバランスが変わります。
ピコレーザーは機種によって違う
ピコレーザーは一つの機械名ではなく、カテゴリー名です。機種によって搭載波長、パルス幅、パルス幅を変更できるか、スポットサイズ、最大出力、フラクショナル照射の方法などが異なります。そのため、クリニックを比較するときは「ピコレーザーあり」だけでなく、具体的な機種名まで確認すると治療内容の違いが分かりやすくなります。
当院では2種類のピコレーザーを使い分ける

当院では、主にenLIGHTen SR(エンライトンSR)とDiscovery PICO VarioPulse(ディスカバリーピコ バリオパルス)を使用しています。enLIGHTen SRは532nmと1064nmの2波長を搭載し、当院で使用しているピコ秒パルス幅は750psです。532nmと1064nmではメラニンへの反応性や光の到達深度が異なるため、病変によって使い分けます。
Discovery PICO VarioPulseの特徴は、ピコ秒領域の中でも複数のパルス幅を選択できることです。つまり、「ピコ秒を出せる」だけではなく、「どのピコ秒を使うか選べる」という違いがあります。当院では、最短パルスを出せること自体よりも、病変に応じてパルス幅を調整できることを重視しています。
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パルス幅は短いほどいい?
短いパルス幅には、周囲への熱拡散を抑えながら強い光音響作用を得やすいというメリットがあります。ただし、短ければ短いほどすべての治療で優れているわけではありません。例えば老人性色素斑では、光音響作用だけでなく一定の光熱作用も利用しながら色素へ十分なエネルギーを与えた方が、病変をしっかり反応させやすいことがあります。当院でも、極端に短い設定では炎症やPIHを抑えやすい一方、病変によっては色素への反応が弱くなることがあります。そのため、「100psだから750psより上」「最短だから一番いい」という判断はできません。
ピコスポット・ピコトーニング・ピコフラクショナルの違い
同じピコレーザーでも、照射方法によって目的は大きく異なります。

「ピコレーザーを受けたい」というだけでは、実際に何を治療するのかは決まりません。
ピコスポットは濃く境界が明瞭なシミへ
ピコスポットは、一つ一つのシミを狙って高いエネルギーを照射する方法です。当院では、濃く境界が比較的明瞭な老人性色素斑やそばかすなどで使用します。適応のよい病変では1回で大きく薄くなる可能性がありますが、ピコレーザーでもPIHが起こることはあります。特に薄いシミでは、治療後のPIHの方が一時的に目立つこともあるため、当院では薄いシミすべてにピコスポットを選ぶわけではありません。PIHに配慮しながら複数回で治療する場合には、ルビーフラクショナルを選ぶことがあります。
ピコトーニングは顔全体の色調を整える
ピコトーニングは、比較的低い出力で顔全体へ繰り返し照射する方法です。ピコスポットのように一つのシミを1回で取りにいく治療ではなく、肝斑、くすみ、色むらなどに使用します。肝斑についてはピコトーニング単独にこだわらず、肌状態に応じてOPトーニング、C-OPERA、内服、外用などを組み合わせます。
ピコフラクショナルには2種類ある
ここは重要です。当院ではピコフラクショナルを一つの治療として扱っていません。ノンアブレーショナル・ピコフラクショナルとアブレーショナル・ピコフラクショナルの両方を使用しています。
- ノンアブレーショナル・ピコフラクショナル
皮膚表面を大きく蒸散させず、皮膚内部へ微細な刺激を加えて真皮再構築を促す治療です。毛穴、肌質、比較的浅いニキビ跡、ざらつき、ハリなどに使用し、比較的ダウンタイムを抑えながら治療したい場合に選択しやすい方法です。
- アブレーショナル・ピコフラクショナル
より積極的に皮膚へ微細な損傷を加え、凹凸の再構築を狙う方法です。ノンアブレーショナルタイプより侵襲度が高く、ニキビ跡などでより積極的な再構築を行いたい場合に使用します。したがって、「ピコフラクショナルを受ける」という言葉だけでは治療内容は分かりません。ノンアブレーショナルなのか、アブレーショナルなのかまで確認することが重要です。
ノンアブレーショナルとアブレーショナルはどちらがいい?
どちらが上ということではありません。ノンアブレーショナルタイプは比較的ダウンタイムを抑えながら治療しやすく、アブレーショナルタイプはより積極的な再構築を狙います。ニキビ跡の深さ、過去の治療歴、PIHリスク、許容できるダウンタイムなどから選択します。
波長も確認したい
ピコレーザーを比較するときには、パルス幅だけでなく波長も重要です。波長によってメラニンへの吸収や皮膚への到達深度が異なります。例えば532nmと1064nmでは、反応しやすい色素や深さが変わります。そのため、機種名だけでなく、どの波長を使用できるかを見ることにも意味があります。
ピコレーザーがあるクリニックならどこでも同じ?
同じではありません。クリニックによって機種、波長、パルス幅、照射モード、ピコフラクショナルの種類、さらにピコレーザー以外の選択肢が異なります。また、老人性色素斑、肝斑、ADM、そばかすは見た目が似ていても治療法は異なるため、まず診断が必要です。
ピコレーザーを受けるクリニックを選ぶときに確認したいこと
料金だけでなく、次の点を確認するとよいでしょう。
- 具体的な機種名
- 使用できる波長
- パルス幅と、変更できる機種か
- ピコスポット・ピコトーニング・ピコフラクショナルを使い分けているか
- ピコフラクショナルがノンアブレーショナルかアブレーショナルか
- ピコレーザー以外の治療も選択できるか
特に最後は重要です。シミやニキビ跡は、ピコレーザーだけですべて治療する必要はありません。
ピコレーザーだけですべて治療する必要はない
例えば、濃く境界が明瞭な老人性色素斑ではピコスポット、薄い老人性色素斑ではルビーフラクショナル、赤みを伴うそばかすや肌質改善ではIPL、肝斑ではOPトーニングやピコトーニング、深いニキビ跡の線維性癒着にはサブシジョンというように、目的によって治療は変わります。重要なのは「ピコレーザーを受けること」ではなく、病変に適した治療を選ぶことです。
当院のピコレーザー治療を簡単に整理すると
Q&A
Q1. ピコレーザーはどれが一番いいですか?
一つに決めることはできません。機種によって波長やパルス幅が異なり、治療目的によって適した条件も変わります。
Q2. ピコレーザーは機種によって効果が違いますか?
機種によって波長、パルス幅、出力、照射モードなどが異なるため、治療の選択肢は変わります。ただし、機械だけで治療結果が決まるわけではありません。
Q3. パルス幅は短い方がいいですか?
必ずしもそうではありません。短いパルス幅にはメリットがありますが、病変によってはある程度の光熱作用も必要です。
Q4. enLIGHTen SRは何psですか?
当院で使用しているenLIGHTen SRは750ps固定です。
Q5. Discovery PICO VarioPulseの特徴は?
ピコ秒領域の中で複数のパルス幅を選択できることが特徴です。病変に応じて「どのピコ秒を使うか」を選べます。
Q6. ピコスポットとピコトーニングは何が違いますか?
ピコスポットは一つのシミを狙う高出力治療、ピコトーニングは顔全体へ低出力で照射して色むらや肝斑などを徐々に整える治療です。
Q7. ピコフラクショナルには種類がありますか?
あります。当院ではノンアブレーショナル・ピコフラクショナルとアブレーショナル・ピコフラクショナルの両方を使用しています。
Q8. アブレーショナル・ピコフラクショナルの方が上ですか?
必ずしもそうではありません。より積極的な再構築を狙える一方、侵襲度やダウンタイムも考慮する必要があります。
Q9. ニキビ跡ならピコフラクショナルだけで治りますか?
浅い凹凸や真皮再構築には有用ですが、深い線維性癒着がある場合にはサブシジョンなど別の治療が必要になることがあります。
Q10. ピコレーザーを受けるクリニックはどう選べばいいですか?
機種名、波長、パルス幅、照射方法、ピコフラクショナルの種類、ピコレーザー以外の選択肢まで確認するとよいでしょう。
まとめ|ピコレーザーは機種名より使い分けを見る
ピコレーザーには、ピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナルという異なる照射方法があり、さらに機種によって波長やパルス幅も異なります。ピコフラクショナルにもノンアブレーショナルとアブレーショナルがあるため、「ピコレーザーを受ける」という言葉だけでは実際の治療内容は分かりません。
当院ではenLIGHTen SRやDiscovery PICO VarioPulseなどを使用し、シミ、肝斑、ADM、毛穴、ニキビ跡などに応じて機種、波長、パルス幅、照射方法を選択しています。ただし、ピコレーザーだけですべてを治療するわけではなく、ルビーフラクショナル、IPL、サブシジョンなど別の治療を選ぶこともあります。
「ピコレーザーはどれがいい?」という質問に、一つの機種名だけで答えることはできません。病変を診断し、その病変に合った機種・波長・パルス幅・照射方法を選べることが重要だと当院では考えています。
【文責】
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤 成貴
【参考文献】
- CUTERA. enlighten SR Technical Specifications.
- Quanta System. Discovery PICO Series / VarioPulse Technology.
- Fractional picosecond laser for atrophic acne scars: A meta-analysis. J Cosmet Dermatol. 2023.
- Comparison of fractional picosecond laser and other fractional laser systems for atrophic acne scars.
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