毛細血管が見える赤ら顔はどう治療する?IPL・レーザーの選び方|名古屋
- 2026.9.26
頬や小鼻をよく見ると細い赤い血管が見える、鼻の横に赤い線が増えてきた、顔全体が赤いけれど近くで見ると血管が透けている。このような状態では、毛細血管拡張が赤ら顔の原因になっていることがあります。ただし、赤ら顔には、一本一本の血管が見えるタイプと、血管の輪郭ははっきりしないものの面として赤く見えるタイプがあります。酒さや炎症が加わっている場合もあり、すべてを同じ設定・同じ機器で治療するわけではありません。
毛細血管が見える赤ら顔では、「赤いかどうか」だけでなく、血管の太さ・深さ・分布と、背景にびまん性の赤みがあるかを見ることが重要です。
💡赤ら顔全体の原因分類については「赤ら顔の原因は?酒さ・毛細血管拡張・ニキビ跡の赤み・PIEの違い|名古屋」で詳しく解説しています。
目次
毛細血管拡張とは?
毛細血管拡張では、皮膚表面近くの細い血管が拡張し、赤い線や網目状の血管として見えるようになります。特に頬、小鼻周囲、鼻、顎などで目立つことがあります。細い赤い糸のような血管が数本だけ見える場合もあれば、細かな血管が多数集まって顔全体が赤く見える場合もあります。酒さでも毛細血管拡張はみられますが、毛細血管が見える=必ず酒さというわけではありません。
💡関連コラムはこちら⇒「酒さと赤ら顔は何が違う?美容レーザーをしてよいケース・避けるケース|名古屋」
「線で見える赤み」と「面で見える赤み」は少し違う
赤ら顔を診察するとき、当院ではまず赤みの見え方を確認します。

一本一本の血管を狙いたい場合と、顔全体の赤みを薄くしたい場合では、同じ赤ら顔でも治療目標が異なります。
IPLは毛細血管拡張・びまん性の赤みに使いやすい
IPLは一つの波長だけではなく、幅広い波長の光を照射する治療です。血液中のヘモグロビンへ光を吸収させることで、赤みや毛細血管へアプローチします。酒さに対するIPLを検討した系統的レビューでも、紅斑や毛細血管拡張の改善が報告されています。ただし、研究間で照射条件などが異なり、すべての赤みに同じ効果が得られるわけではありません。[1] 当院ではIPLとしてライムライトを使用しています。ライムライトは520〜1100nmの幅広い波長を使用し、赤みだけでなくシミ・そばかす・色むらにも同時にアプローチできます。
赤ら顔+シミ・PIH・色むらがある方にはライムライトを使いやすいと考えています。
💡赤みとシミ・色むらを同時に治療するIPLについては「ライムライト」で詳しく紹介しています。
はっきり見える血管にはロングパルスNd:YAGレーザーを直接照射する
頬や小鼻に、一本一本はっきり追える赤い血管が見える場合には、IPLで顔全体を照射するだけでなく、ロングパルス1064nm Nd:YAGレーザーを血管に沿ってスポット照射する方法があります。ロングパルスNd:YAGレーザーは1064nmという比較的深く届く波長を使用し、血管内のヘモグロビンへ熱を加えて血管を凝固させます。顔面毛細血管拡張に対する臨床研究でも、有効性が報告されています。[5]
当院では、びまん性の赤みや細かな血管が広く分布している場合はライムライトなどIPL、赤み+毛穴・肌質も整えたい場合はジェネシス、一本ずつはっきり見える毛細血管ではロングパルスNd:YAGレーザーによるスポット照射を検討する、というように使い分けます。
特に、肉眼で血管の走行を追えるような毛細血管では、血管そのものへロングパルスNd:YAGレーザーを直接スポット照射する方法が有効なことがあります。
ただし、血管の太さ・深さ・色によって適切なスポット径、パルス幅、出力は異なります。強く照射すればよいわけではなく、血管の反応を見ながら設定を調整することが重要です。
ロングパルスNd:YAGがすべての血管に最適とは限らない
1064nm Nd:YAGレーザーは比較的深部へ届きやすい波長です。そのため、ある程度深さや太さのある血管には使いやすい一方、非常に浅く細い赤い血管では、PDLやKTPなど他の血管レーザーが適する場合もあります。
血管治療では、どのレーザーが一番強いかではなく、その血管の深さ・太さ・色に合っているかが重要です。
当院にある機器だけで無理に治療するのではなく、他の血管専用レーザーの方が適していると考えられる場合には、その点も含めて治療方針を考えます。
ジェネシスはどんな赤みに使う?

ジェネシスは1064nm Nd:YAGレーザーを中空照射する治療です。当院では赤ら顔だけでなく、毛穴、キメ、ハリ、ニキビ跡など肌全体を整える目的で使用しています。1064nm Nd:YAGレーザーは顔面紅斑・酒さに対する治療としても研究されています。[3] ただし、当院でのジェネシスの位置づけは、見えている一本の血管を狙い撃ちする治療というより、びまん性の赤みがあり、毛穴・キメ・肌質もまとめて整えたい場合です。
赤み+シミ・PIHならライムライト、赤み+毛穴・キメ・肌質ならジェネシス、一本ずつはっきりした毛細血管ならロングパルスNd:YAGスポット照射というように、同じ1064nm Nd:YAGでも照射方法や目的が異なります。
💡赤みと毛穴・肌質をまとめて治療するジェネシスについては、施術ページで詳しく紹介しています。
ジェネシスとロングパルスNd:YAGのスポット照射は同じ機械でも考え方が違う
ジェネシスもロングパルスNd:YAGレーザーを利用しますが、照射方法は大きく異なります。ジェネシスでは皮膚から距離を取って広い範囲へ中空照射し、赤み・毛穴・キメ・肌質を全体的に整えます。一方、はっきり見える毛細血管に対するスポット照射では、血管の走行を確認しながら局所へエネルギーを集中させます。
同じ1064nm Nd:YAGでも、肌全体を整える照射と、血管一本を狙う照射では治療目的が違います。
ライムライトとジェネシスは「どちらが強いか」ではない
毛細血管があると「ライムライトとジェネシスではどちらが強いですか?」と聞かれることがあります。しかし、この二つは単純な強弱で比べるものではありません。ライムライトはIPLとして赤み・色素など複数の色調変化へ広くアプローチしやすく、ジェネシスは1064nm Nd:YAGレーザーとして赤みを治療しながら毛穴・キメ・肌質まで整えやすいという違いがあります。⑤では、この2つの使い分けをさらに詳しく比較します。
💡関連コラムはこちら⇒「ライムライトとジェネシスは赤ら顔にどう使い分ける?シミ・毛穴・肌質も含めて比較|名古屋」
ライムライトとジェネシスを組み合わせることで、異なる深さ・原因へアプローチする
赤ら顔では、皮膚表面に近い細かな血管や色むらだけでなく、より深い血管性の赤みや、毛穴・キメ・肌質低下などが同時に存在することがあります。当院では、このような場合にライムライトとジェネシスを組み合わせることがあります。ライムライトはIPLとして、比較的表在性の赤みや毛細血管に加え、シミ・PIH・色むらなどにも広くアプローチします。一方、ジェネシスは1064nm Ndレーザーを使用し、IPLとは異なる深さへエネルギーを届けながら、びまん性の赤み、毛穴、キメ、肌質などを整えます。
そのため、両方を使用することで、

というように、異なる深さ・異なる要素を重ねて治療することができます。
実際、顔面毛細血管拡張に対してIPLと1064nm Ndレーザーを連続して使用した比較試験では、それぞれを別々に行うよりも、連続して組み合わせた治療の方が毛細血管の改善度が高かったと報告されています。ただし、この研究で使用されたIPL・Ndの照射方法と、当院のライムライト+ジェネシスが完全に同一というわけではありません。そのため当院では「必ず相乗効果が出る」と断定するのではなく、異なる波長・深さ・治療ターゲットを組み合わせることで、赤みを多面的に治療する考え方として併用しています。赤ら顔では一つの機械だけで全てを治そうとするより、表層・深層・色素・肌質など、残っている要素に合わせて治療を重ねることが重要です。
血管の太さ・深さによって反応が違う
血管治療では「赤い血管」というだけではなく、血管径や深さも重要です。一般に、浅く細い赤い血管と、やや深く太い血管では、光の吸収や必要な波長・パルス幅などが異なります。1064nm Nd:YAGレーザーはより深部へ到達しやすいため、深めの血管にも使用されます。一方、浅い血管では他の波長が選択されることもあります。
血管の色・太さ・深さ・密度を見ながら、波長、パルス幅、スポット径、出力を調整する必要があります。
毛細血管は1回で全部なくなる?
一部の血管は1回でも目立ちにくくなることがありますが、広範囲の赤みや多数の細かな毛細血管では複数回治療が必要になることがあります。特にびまん性の赤みでは、1回で完全に消すというより、数回治療しながら全体の赤さを徐々に軽減していきます。一方、一本ずつはっきり見える血管へロングパルスNd:YAGレーザーをスポット照射する場合には、比較的少ない回数で反応が分かりやすいこともあります。
「決められた回数をこなす」のではなく、数回ごとに反応を確認することが重要です。
消えた毛細血管は再発する?
治療した血管が目立ちにくくなっても、時間の経過とともに新しい毛細血管が目立つことがあります。特に酒さ、紫外線、加齢などが背景にある場合には、赤みが再び目立ってくる可能性があります。そのため、一度血管を治療して終了というより、紫外線対策や酒さのコントロールなど、毛細血管が増えやすい背景も一緒に管理することが大切です。
こんな場合は毛細血管治療だけでは足りない
細い血管が見えていても、同時に酒さの炎症が強い場合には血管治療だけでは十分ではありません。丘疹・膿疱や強いほてり、刺激感がある場合には、まず炎症治療を優先することがあります。また、赤みの中にPIHやシミが混ざっている場合、血管だけを治療すると茶色が残ることがあります。逆に色素だけを治療しても血管性の赤みは残ります。
「顔が赤い」という一つの症状に見えても、血管・炎症・色素を分けて治療する必要があります。
当院では治療後の血管の反応を確認する
毛細血管治療では、初診時の診断だけでなく治療後の反応も重要です。例えば、ライムライトで顔全体の赤みはかなり改善したものの、数本の血管だけが残ることがあります。その場合には、残った血管へロングパルスNd:YAGレーザーをスポット照射するという方法も考えます。逆に、はっきりした血管を治療したあとに背景のびまん性紅斑が目立つこともあります。その場合にはライムライトやジェネシスなど、顔全体を治療する方法へ切り替えることがあります。
当院では、診断→治療→経過観察→再評価を行い、「何が残ったか」を見ながら次の治療を考えます。
まとめ
毛細血管が見える赤ら顔では、まず赤みの形を確認します。細い赤い線が見える場合は毛細血管拡張、顔全体が面で赤い場合はびまん性紅斑、赤み+シミ・PIHならライムライト、赤み+毛穴・肌質ならジェネシス、一本一本がはっきり見える血管ならロングパルス1064nm Nd:YAGレーザーによるスポット照射を検討します。浅く細い血管ではPDL・KTPなど他の血管レーザーが適する場合もあります。
毛細血管治療で重要なのは「一番強いレーザー」を選ぶことではなく、血管の太さ・深さ・分布と、背景にある赤み・炎症・色素を見分けることです。
まゆりなclinic名古屋栄では、赤みの状態を診察したうえでライムライト、ジェネシス、ロングパルスNd:YAGレーザーなどを使い分け、治療後の反応を確認しながら必要に応じて治療内容を調整しています。
Q&A
Q1. 頬に赤い血管が見えるのは毛細血管拡張ですか?
可能性があります。細い赤い線や網目状の血管が肉眼で確認できる場合には毛細血管拡張を考えます。ただし、酒さなどに伴っていることもあるため、赤み全体の状態を確認します。
Q2. 毛細血管拡張にはIPLが効きますか?
IPLは毛細血管拡張・顔面紅斑に使用され、酒さを含む研究でも改善が報告されています。
Q3. はっきり見える血管には何をしますか?
一本ずつ血管の走行を追える場合には、ロングパルス1064nm Nd:YAGレーザーを血管へ直接スポット照射する方法があります。
Q4. ジェネシスとロングパルスNd:YAGスポット照射は同じですか?
どちらも1064nm Nd:YAGレーザーを使用しますが、照射方法と目的が異なります。ジェネシスは広い範囲へ中空照射し、赤み・毛穴・肌質を整えます。スポット照射では、目立つ血管そのものを狙います。
Q5. ライムライトとジェネシスはどちらが毛細血管にいいですか?
単純な優劣ではありません。当院では赤み+シミ・色むらならライムライト、赤み+毛穴・キメ・肌質ならジェネシスを選択しやすく、状態によって組み合わせます。
Q6. 毛細血管は1回で消えますか?
1回でかなり目立ちにくくなる血管もありますが、広範囲の赤みや多数の毛細血管では複数回必要になることがあります。
Q7. 毛細血管は再発しますか?
治療した血管が改善しても、酒さ、紫外線、加齢などを背景に新しい毛細血管が目立つことがあります。
Q8. 毛細血管が見えていればすぐレーザーした方がいいですか?
酒さの炎症や皮膚炎が強い場合には、まず炎症・肌状態を整えることがあります。血管だけを見ず、顔全体の状態を確認して治療を決めます。
【文責】
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤 成貴
【参考文献】
- Martignago CCS, et al. Efficacy and safety of intense pulsed light in rosacea: A systematic review. Indian J Dermatol Venereol Leprol. 2024.
- Zhai Q, et al. Meta-Analysis of the Efficacy of Intense Pulsed Light and Pulsed-Dye Laser Therapy in the Management of Rosacea. J Cosmet Dermatol. 2024.
- Li Y, Wang R. Efficacy Comparison of Pulsed Dye Laser vs. Microsecond 1064-nm Nd:YAG Laser in the Treatment of Rosacea: A Meta-Analysis. Front Med. 2022.
- Light-based therapies in the management of rosacea: a systematic review with meta-analysis. Int J Dermatol. 2021.
- Studies of long-pulsed 1064-nm Nd:YAG laser for facial telangiectasia.
- まゆりなclinic名古屋栄「赤ら顔」 https://mayurina-clinic.com/worries-list/red/
- まゆりなclinic名古屋栄「ライムライト」 https://mayurina-clinic.com/treatment-list/limelight/
- まゆりなclinic名古屋栄「ジェネシス」 https://mayurina-clinic.com/treatment-list/genesis/








