顎ニキビをしっかり治したい!大人を悩ますニキビの対処法を教えます!〈医師監修〉
- 2022.9.30
目次
顎ニキビ
大人の方は、若い頃を思い出してみてください。といっても、ニキビがあまりできなかった方にとって実感はないかもしれませんが、思春期の頃、ニキビは、額やTゾーンに多かったと思います。20歳を過ぎたあたりから口周囲や顎、フェイスラインに多くなってきたのではないでしょうか。その中でも厄介なのが、顎ニキビです。顎にできるニキビは、治りが遅く、ニキビ跡やしこりが残りやすいので、当院でも良くご相談を受けます。
顎ニキビの特徴
睡眠不足、月経前、ストレス、不適切なスキンケアなどで増悪します。放置で治る場合もありますが、なかなか治りにくく、しかも再発しやすいためクリニックでも治療が必要な場合が多くあります。実は、顎は男性ホルモンが影響しています。ホルモンバランスが崩れると、男性ホルモンが優位になり、皮脂量が増え、毛穴が塞がれ、細菌が繁殖し、顎ニキビができてしまいます。また、剃毛が原因の場合もあります。剃毛により、一時的にバリアが弱くなった皮膚の毛穴に細菌が入りやすくなります。またニキビの炎症を繰り返すことで、線維化して、しこりになってしまうこともあります。思春期のニキビとは少し違い、いろいろな原因が絡みあっているので、生活習慣から一つ一つを見直していく必要もあります。
マスクの影響
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、マスク生活が長引いています。マスクの中に細菌が繁殖し、ニキビを悪化させている場合もありますので、一日の中で何回か交換してもいいかもしれません。
注意点
ホルモンバランスが大きな原因の一つであるため、体の中で異常をきたしている可能性も否定できません。その代表が、多嚢胞性卵巣症候群です。この疾患は、無月経や、体毛が濃くなるといった症状も出たりすることがあるので、その時に検査で判明することもあります。ただ、ニキビとは関係なく婦人科の定期検診はしておきたいですね。
顎ニキビを治す
日常生活
①生活習慣の改善
・食生活
油モノやスイーツのような甘いものは、皮脂を増やします。肉や魚などのたんぱく質の摂取も必要ですが、野菜もしっかり摂取して便通を良くしバランスの良い食事を目指してください。
・運動
適度な運動は自律神経のバランスを改善し、ホルモンバランスを整えます。詰まった皮脂を出すことで毛穴をキレイに保つこともできます。運動後は、しっかり洗顔はしましょう
・十分な睡眠
寝不足は自律神経の調子も乱れ、ホルモンバランスも崩れます。男性ホルモンが優位になると、顎ニキビができやすくなります。規則正しい生活をしているときに比べお肌のターンオーバーも乱れてしまいます。
・ストレス
ストレスを避けると言われてもなかなか難しいのですが、ストレスはホルモンバランスや自律神経のバランスが乱れやすくなるので、皮脂量が過剰になるリスクとなり、ニキビができやすくなります。
②日常のスキンケア
・保湿
皮脂がニキビの原因なのであれ?と思われたかもしれませんが、適度な量の皮脂は必要です。多くなりすぎるとニキビ増悪の原因になります。逆に少なすぎてもダメです。乾燥すると、皮膚のバリア機能が低下し、細菌が繁殖しやすくなり、ニキビができやすくなります。
・紫外線対策をする。
ニキビの原因であるアクネ菌は、ポルフィリンを産生します。このポルフィリンが、紫外線により活性酸素を作り、ニキビの炎症を悪化します。そして、通常のお肌と同様、紫外線を浴びると、メラニン色素が増生されて色素沈着を起こしやすくなります。
・正しい方法で洗顔をする。
洗顔フォームをしっかり泡立ててゴシゴシこすらずに優しく洗顔します。強くこすると、必要な皮脂まで取れてしまい、過剰な皮脂分泌を生じて、ニキビができやすくなります。
・顔剃りや髭剃りを丁寧にする。
シェービングジェルを使用するなど、お肌をいたわりながら剃毛をしてください。剃るのが面倒であれば、脱毛をするのもいいと思います。脱毛をすると、剃毛する必要もなくなりますし、毛穴も目立ちにくくなります。そのうえ、美肌効果もあるので、一石二鳥です。
医療機関での治療
- 塗り薬
最近はニキビに効果的な塗り薬があります。保険診療の塗り薬を試してみるのも良いでしょう。
- ケミカルピーリング
ピーリングをすることで表面の古くなった角質を剥がし、肌質を改善し、ニキビをできにくくします。
- ハイドラフェイシャル
水流で毛穴の汚れを除去する施術です。過剰な皮脂により詰まった毛穴をキレイにします。
- ライムライトなどのIPL治療
本来は、シミや赤ら顔が主な適応ですが、ニキビにも効果があり、ニキビの赤みを改善します。
- ジェネシス
ジェネシスには、ピーリング効果もあるので、古い角質を取り除くことでターンオーバーを促進し、肌機能を正常化させます。熱作用によって毛穴を引き締め、細菌も死滅するため、ニキビができにくくなります。
- ピコフラクショナルレーザー
残念ながらしこりができてしまった場合やニキビ跡ができてしまった場合、放置していてもなかなか治りません。その場合は、ピコフラクショナルや後述のダーマペン4が効果的と言われています。ピコフラクショナルレーザーで皮膚に小さな穴を作り、修復しようとするときに肌質が改善するのです。1回のフラクショナルレーザー治療で10%ほどの皮膚が入れ替わるので、何回か行うとしこりが軽減します。
- ダーマペン4
ダーマペン4は、ニキビ跡に非常に効果的です。わざと、極細の針でお肌に小さな穴を開けて、修復する際に、お肌をスムーズにするという治療法です。
最近では、ダーマペン4を利用し、マヌカハニーの殺菌効果などを利用したマヌカフェイシャルや、ウーバーピールなどもあり、ニキビ治療に非常に効果的な治療も出てきました。
顎にしこりができてしまった
ニキビができてから1ヶ月以内であれば、あまり心配する必要はありません。自然と消える場合が多いからです。1ヶ月以上経過すると、治りにくくなります。
フラクショナルレーザーや、ダーマペンを使用した治療やステロイドに注射やリザベンという内服薬で治療する場合もあります。中には、ニキビではなく、そもそも粉瘤が炎症を何回も繰り返している場合があり、この場合は、粉瘤ごと切除するほかありません。
まとめ
顎ニキビは、20歳以上の大人がなりやすいニキビです。いったんできると治りにくく、再発もしやすいところです。またしこりもできやすく厄介です。まずは、適切なスキンケアで予防をし、できてしまった場合は、しこりやニキビ跡が残らないように医療機関で治療することをおすすめします。