稗粒腫(ミリウム)はなぜできる?原因・できやすい人・自然に治るかを解説
- 2026.10.16

目の周りに白い小さな粒ができると、
「洗顔が足りないのかな?」
「アイクリームが原因?」
「ストレスや食生活が悪い?」
「何個もできるのは体質?」
と原因が気になる方は多いと思います。
稗粒腫(はいりゅうしゅ・ミリウム)は、皮膚の浅い部分にケラチンという角質がたまってできる小さな嚢胞です。
先に結論をいうと、成人にできる一般的な稗粒腫の原因を「これが原因」と一つに特定できないことも多くあります。
洗顔不足や皮脂のつまりだけで説明できるものではなく、自然にできる原発性稗粒腫と、皮膚へのダメージなどをきっかけにできる続発性稗粒腫に分けて考えると分かりやすくなります。稗粒腫は医学的にも原発性・続発性に分類され、続発性では外傷や皮膚疾患などとの関連が知られています。
この記事では、稗粒腫がなぜできるのか、ストレス・食事・化粧品との関係、できやすい人、自然に消えることがあるのか、予防できるのかまで詳しく解説します。
目次
先に結論|稗粒腫ができる原因は一つではありません
稗粒腫について、まず重要なポイントを整理します。

稗粒腫=毛穴に皮脂が詰まったものと考えると、原因を誤解しやすくなります。
中にたまっているのは主に角質です。
💡関連コラムはこちら⇒稗粒腫(ミリウム)の除去・治療|名古屋|原因・取り方・CO2レーザーを医師が解説
稗粒腫の中では何が起きている?
稗粒腫の中には、ケラチンと呼ばれる角質成分がたまっています。
皮膚の表面では通常、角化した細胞が少しずつ剥がれ落ちます。
一方、稗粒腫では皮膚の中に小さな嚢胞が形成され、その内部に角質がたまります。
そのため、見た目は、
・白い
・黄白色
・硬い
・小さな粒
になります。
「脂肪の粒」や「皮脂の塊」と説明されることがありますが、医学的には主にケラチンを含む嚢胞です。

稗粒腫には「原発性」と「続発性」があります
原因を考えるうえで最も分かりやすいのが、原発性と続発性の違いです。

原発性稗粒腫|特に原因がなくてもできます
一般的に患者様が「急に白い粒ができた」と受診されるものの多くは、明らかな外傷などがない稗粒腫です。
原発性稗粒腫は自然に生じます。
成人では、
・まぶた
・目の下
・頬
・額
などにみられます。
「特に何もしていないのにできた」
ということも珍しくありません。
そのため、稗粒腫ができたからといって、
「スキンケアを間違えた」
「顔をきちんと洗えていない」
と考える必要はありません。
続発性稗粒腫|皮膚へのダメージ後にできることがあります
続発性稗粒腫は、皮膚に何らかのダメージが加わった後に生じるタイプです。
報告されているきっかけには、
・やけど
・水疱
・皮膚への外傷
・皮膚炎
・皮膚を削る治療
・放射線治療
・一部の水疱性皮膚疾患
などがあります。
皮膚が傷ついた後の修復過程で、毛包や汗管などの上皮構造が再生する際に稗粒腫が形成される可能性が考えられています。
つまり、
皮膚を傷つけることが、稗粒腫を予防する方法にはなりません。
「白い粒があるから」と自分で針を刺したり、強くこすったりすることは避けた方がよいでしょう。
ストレスで稗粒腫はできますか?
「稗粒腫 原因 ストレス」は実際によく検索されている疑問です。
しかし、現時点では、ストレスが一般的な稗粒腫の直接的な原因になるという十分な医学的根拠はありません。
強いストレスが肌状態に影響すること自体はありますが、
ストレス
↓
稗粒腫ができる
という因果関係が確立されているわけではありません。
そのため、
「稗粒腫が増えたのはストレスのせいだ」
と決めつける必要はありません。
食べ物で稗粒腫はできますか?
特定の食べ物が一般的な稗粒腫の直接的な原因になるという明確な根拠もありません。
例えば、
・脂っこいもの
・チョコレート
・乳製品
・甘いもの
を食べたから稗粒腫ができる、という単純な関係は確立されていません。
稗粒腫の中身は皮脂ではなく主に角質なので、
「脂っこいものを食べたから、脂肪の粒が皮膚にできた」
というものでもありません。
バランスのよい食生活は皮膚全体の健康には大切ですが、特定の食品だけを禁止すれば稗粒腫が治るとは考えない方がよいでしょう。
化粧品やアイクリームが原因ですか?
これも非常に多い質問です。
特に目元に稗粒腫が多いと、
「アイクリームを塗りすぎたから?」
「油分の多いクリームが詰まった?」
と考える方がいます。
しかし、特定のアイクリームや化粧品が一般的な原発性稗粒腫を直接起こす、とする十分な根拠はありません。
そのため、
「稗粒腫ができたから保湿を全部やめる」
とする必要はありません。
一方、
・化粧品でかぶれる
・赤みや皮膚炎が続いている
・強い摩擦を繰り返している
といった状態では、皮膚へのダメージになります。
化粧品そのものよりも、刺激や皮膚炎を繰り返さないことが大切です。
洗顔不足が原因ですか?
稗粒腫はニキビのような毛穴詰まりと同じものではありません。
そのため、
洗顔回数を増やせば治る
というものではありません。
むしろ、
・スクラブで強くこする
・洗顔ブラシを繰り返し使う
・目元をゴシゴシ洗う
・強いピーリングを頻繁に行う
などは皮膚への刺激になります。
稗粒腫がある場合でも、洗顔は通常どおりやさしく行うことが基本です。
毛穴の詰まりや皮脂が原因ですか?
稗粒腫と白ニキビは見た目が似ていますが、同じものではありません。
白ニキビでは毛穴に皮脂や角質などがたまっています。
一方、稗粒腫は皮膚内に形成された小さな嚢胞にケラチンがたまったものです。
そのため、
「毛穴の皮脂を落とせば稗粒腫もなくなる」
とは考えません。
毛穴洗浄やクレンジングだけで、すでに形成された稗粒腫の白い粒を確実に取り除くことは困難です。
目元の白いブツブツには白ニキビや汗管腫などもあるため、見分け方については別の記事で詳しく解説します。
💡関連コラムはこちら⇒目の周りの白いブツブツは稗粒腫?汗管腫・白ニキビとの違い
目の周りにできやすいのはなぜ?
成人の稗粒腫は、まぶたや頬など顔に多くみられます。
ただし、
「なぜ目元に特にできやすいのか」
について、すべてを説明できる明確な原因が分かっているわけではありません。
目元にできたから、
「アイクリームが悪い」
「目元だけ乾燥している」
と単純に判断することはできません。
また、目の周りには汗管腫など稗粒腫と似た病変も多いため、数が多い場合には本当にすべて稗粒腫なのか確認することも重要です。
稗粒腫ができやすい人はいますか?
稗粒腫は年齢や性別を問わずできる可能性があります。
特に考えられるのは次のような方です。
・新生児
稗粒腫は新生児に非常によくみられます。
健康な正期産児の40〜50%程度にみられるとされ、鼻や頬などに小さな白い粒として現れます。
新生児の稗粒腫は、多くの場合は治療せず自然に消えていきます。
・成人で自然に稗粒腫ができる方
成人でも、明らかな原因がなく稗粒腫ができます。
1個だけの場合もあれば、目元などに複数できることもあります。
・皮膚へのダメージがあった方
やけど、皮膚炎、水疱、外傷などの後には、続発性稗粒腫ができることがあります。
・一部の皮膚疾患がある方
まれですが、水疱を形成する皮膚疾患などに伴って多数の稗粒腫ができることがあります。
・一部の薬剤使用に関連することもあります
慢性的なステロイド外用によって皮膚が萎縮している場合などに、続発性稗粒腫が報告されています。
ただし、治療に必要な外用薬を自己判断で中止する必要はありません。
気になる場合は処方した医師に相談してください。

稗粒腫は自然に取れる?
自然に取れることはあります。
ただし、年齢や稗粒腫のタイプによって経過が異なります。
・新生児の稗粒腫
新生児の稗粒腫は自然に消えることが多く、通常は治療を必要としません。
多くは出生後数週間程度で消えていきますが、数か月残ることもあります。
・成人の稗粒腫
成人の稗粒腫も自然に取れることはあります。
しかし、何か月~何年も同じ白い粒が残ることも珍しくありません。
StatPearlsでも、後天性の稗粒腫は治療を行わなければ持続する場合があるとされています。
そのため、
「自然に取れるまで必ず待つべき」
というものではありません。
美容的に気になる場合は除去を検討できます。


自然に取れるまで触ってもいい?
無理に触る必要はありません。
特に、
・爪で引っかく
・針を刺す
・ピンセットでつまむ
・強く押し出す
ことは避けてください。
皮膚を傷つけると、
・出血
・内出血
・感染
・炎症後色素沈着
・傷跡
につながる可能性があります。
自然に取れない稗粒腫を除去したい場合は、自分で無理に処置するのではなく医療機関での治療をおすすめします。
💡関連コラムはこちら⇒稗粒腫の取り方は?自分で取らずCO2レーザーで治療する理由
稗粒腫がどんどん増えることはありますか?
あります。
もともと稗粒腫ができやすい方では、新しい病変が少しずつ増えていくことがあります。
この場合、
以前治療した稗粒腫が再発した
とは限りません。
例えば、
目の下の稗粒腫を1個除去
↓
数か月後に少し離れた場所へ新しい稗粒腫ができる
ということがあります。
これは、治療した病変の再発ではなく新しく別の稗粒腫ができたと考える方が適切な場合があります。
一方、短期間に非常に多くの稗粒腫が突然出現する多発性発疹性稗粒腫(multiple eruptive milia)というまれなタイプも報告されています。
突然多数できた場合や、通常と異なる広がり方をしている場合は一度診察を受けてください。
💡関連コラムはこちら⇒稗粒腫は再発する?繰り返す原因と治療後の予防・スキンケア
稗粒腫はスキンケアで治せる?
すでにできている稗粒腫を、通常のスキンケアだけで確実に消すことは困難です。
稗粒腫は皮膚内に小さな嚢胞として形成されているため、
・洗顔
・クレンジング
・保湿
・美容液
だけで中の角質の粒を取り出せるわけではありません。
一部の多発性稗粒腫などでは、医療用の外用レチノイドが治療選択肢になることがありますが、自己判断で目元へ強いレチノールやピーリング剤を使用することとは別です。
特に目元は刺激を受けやすいため、強い角質ケアを繰り返すことはおすすめしません。
稗粒腫を予防する方法はありますか?
残念ながら、一般的な原発性稗粒腫を完全に予防する方法は確立されていません。
原因そのものが一つに決められないためです。
ただし、皮膚への不要なダメージを減らすことは大切です。
・強くこすらない
クレンジングや洗顔時に目元をゴシゴシこすらないようにします。
・自分で針を刺さない
すでにできた稗粒腫を無理に自分で取ろうとすると、皮膚への外傷になります。
・過度なピーリングを避ける
「角質が原因だから削ればいい」と、強いピーリングやスクラブを繰り返す必要はありません。
・皮膚炎を放置しない
赤み、かゆみ、かぶれなどが続いている場合は、まず皮膚炎の治療を優先します。
・必要な保湿は続ける
「クリームが原因かもしれない」と考え、必要な保湿まで完全にやめる必要はありません。
肌に合った製品をやさしく使用します。

「角質ケアをすれば予防できる」は本当?
稗粒腫の中身が角質だからといって、
角質ケアを強くすれば稗粒腫ができなくなる
とは限りません。
これは非常に重要です。
スクラブやピーリングで除去できるのは主に皮膚表面の角質です。
稗粒腫は皮膚の中に形成された嚢胞なので、表面を強く削れば中の粒が安全に出てくるわけではありません。
むしろ皮膚への刺激が強くなり、
・赤み
・ヒリヒリ
・皮膚炎
・色素沈着
などが起こる可能性があります。
特に目の周りへの過度な角質ケアは避けてください。
稗粒腫に効く食事やサプリはありますか?
現時点では、一般的な稗粒腫を治すことを目的として推奨できる特定の食べ物やサプリメントはありません。
「角質だからビタミン不足」
「脂質を減らせば治る」
と単純に考えることもできません。
通常のバランスのよい食事を心がければ十分です。
稗粒腫だけを目的として、極端な食事制限を行う必要はありません。
ヨクイニンで稗粒腫は治る?
ヨクイニンはイボなどで使用されることがありますが、一般的な稗粒腫の標準的な治療として、中の角質の粒を確実に除去するものではありません。
「白いできもの」という見た目が似ていても、
・稗粒腫
・ウイルス性イボ
・汗管腫
・白ニキビ
は異なる病変です。
自己判断で治療を続ける前に、本当に稗粒腫なのか確認した方がよいでしょう。
こんな場合は一度診察がおすすめです
一般的な稗粒腫は良性ですが、次のような場合は一度確認することをおすすめします。

自然に消えない稗粒腫はどう治療する?
成人で長期間残っている稗粒腫や、美容的に気になる稗粒腫は医療機関で除去できます。
一般的には、
表面に小さな開口部を作る
↓
中の角質の粒を取り出す
という治療を行います。
まゆりなclinic名古屋栄では、CO2レーザーで小さく開口し、中にたまった角質の粒を取り出す方法を基本としています。
CO2レーザーは出血を抑えながら開口しやすいため、白い内容物を確認しながら処置しやすい点が特徴です。
治療方法・料金については、コラムで詳しく解説しています。
💡関連コラムはこちら⇒稗粒腫(ミリウム)の除去・治療|名古屋|原因・取り方・CO2レーザーを医師が解説
💡関連コラムはこちら⇒稗粒腫の取り方は?自分で取らずCO2レーザーで治療する理由
まとめ|稗粒腫は「自分のせいでできた」と考えなくて大丈夫です
稗粒腫は、皮膚の中にケラチンという角質がたまってできる小さな良性の嚢胞です。
特に成人の原発性稗粒腫では、原因を一つに特定できないことも多くあります。
そのため、
・洗顔不足
・ストレス
・脂っこい食べ物
・アイクリーム
・保湿のしすぎ
のどれか一つが原因だと決めつける必要はありません。
重要なポイントをまとめると、
・稗粒腫には原発性と続発性がある
・原発性は明らかな原因なく自然にできることがある
・続発性は外傷・水疱・皮膚炎などの後にできることがある
・ストレスが直接の原因という十分な根拠はない
・特定の食べ物が直接の原因とは証明されていない
・特定の化粧品が原因とは一概に言えない
・洗顔不足による単純な毛穴詰まりではない
・新生児では自然に消えることが多い
・成人では長期間残ることがある
・完全に予防する方法は確立されていない
・強い摩擦や自己処理は避ける
・自然に取れない場合は医療機関で除去できる
「自分のスキンケアが悪かったからできた」と必要以上に心配する必要はありません。
長期間残っている場合や、目元に複数あって気になる場合には、まず本当に稗粒腫なのか確認し、希望に応じて治療を検討します。
💡関連コラムはこちら⇒稗粒腫(ミリウム)の除去・治療|名古屋|原因・取り方・CO2レーザーを医師が解説
Q&A
Q1. 稗粒腫ができる一番の原因は何ですか?
成人にできる一般的な原発性稗粒腫では、原因を一つに特定できないことも多くあります。皮膚へのダメージ後にできる続発性稗粒腫もあります。
Q2. 稗粒腫は洗顔不足でできますか?
単純に洗顔不足でできるものではありません。中にたまっているのは主にケラチンという角質で、ニキビの毛穴詰まりとは異なります。
Q3. ストレスで稗粒腫は増えますか?
ストレスが一般的な稗粒腫の直接的な原因になるという十分な根拠はありません。
Q4. 脂っこい食べ物を食べると稗粒腫ができますか?
特定の食品と稗粒腫の発生との明確な因果関係は確立されていません。中身も脂肪ではなく主に角質です。
Q5. アイクリームが原因ですか?
特定のアイクリームが一般的な稗粒腫の直接的な原因になるとは言い切れません。肌に合わず皮膚炎を起こす場合には使用方法を見直してください。
Q6. 保湿しすぎると稗粒腫ができますか?
通常の保湿が稗粒腫の直接的な原因であるとは限りません。稗粒腫があるからといって必要な保湿をすべて中止する必要はありません。
Q7. 稗粒腫は自然に取れますか?
自然に取れることはあります。特に新生児では自然消退しやすいですが、成人では何か月も長期間残ることがあります。
Q8. 稗粒腫ができやすい人はいますか?
新生児では非常によくみられます。成人でも明らかな原因なくできるほか、皮膚への外傷・炎症などの後に続発性稗粒腫ができる場合があります。
Q9. 目の周りにばかりできるのはなぜですか?
成人の稗粒腫はまぶたや頬によくみられますが、なぜ目元にできやすいのかを一つの原因だけで説明できるわけではありません。
Q10. 稗粒腫がどんどん増えることはありますか?
新しい稗粒腫が少しずつできることはあります。短期間に非常に多数出現する場合には一度診察をおすすめします。
Q11. ピーリングをすれば稗粒腫は予防できますか?
完全な予防法ではありません。強いピーリングを繰り返すと皮膚への刺激になるため、特に目元への過度な角質ケアはおすすめしません。
Q12. 稗粒腫を予防するスキンケアはありますか?
確実な予防法はありません。強い摩擦、自己処理、過度なピーリングなどを避け、皮膚炎がある場合は適切に治療することが大切です。
Q13. 稗粒腫は悪い病気ですか?
一般的な稗粒腫は良性で、全身の健康に悪影響を及ぼす病変ではありません。美容的に気にならなければ必ず治療する必要はありません。
Q14. 自然に取れない稗粒腫はどうすればいいですか?
医療機関で小さな開口部を作り、中の角質を取り出す方法があります。当院ではCO2レーザーで小さく開口して内容物を取り出しています。
Q15. 稗粒腫を自分で取ると増えますか?
自分で取ったこと自体で必ず増えるとは言えませんが、皮膚を傷つけると出血、感染、色素沈着、傷跡などにつながる可能性があります。自己処理はおすすめしません。
文責
まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴
参考文献
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