マイクロボトックスは毛穴に効く?皮脂・テカリ・開き毛穴への効果を解説|名古屋
- 2026.9.25
「毛穴にボトックスを打つと小さくなるのですか?」「皮脂やテカリにも効きますか?」「普通のボトックスとマイクロボトックス(スキンボトックス)は何が違いますか?」という質問をいただくことがあります。マイクロボトックス(スキンボトックス)は、ボツリヌストキシン製剤を皮膚の浅い層へ細かく注入する治療です。表情筋をしっかり動かなくする通常のボトックスとは目的も注入する深さも異なり、皮脂分泌、毛穴、肌の質感などを改善する目的で使用します。
特に、皮脂が多くテカリを伴う開き毛穴では、毛穴表面を削る治療とは違う方向からアプローチできるのがマイクロボトックスの特徴です。

目次
マイクロボトックス(スキンボトックス)とは?
マイクロボトックスは、希釈したボツリヌストキシン製剤を皮膚の浅い層へ細かく多数注入する治療です。一般的なボトックスでは、額、眉間、目尻などの表情ジワを改善するために目的となる筋肉へ製剤を注入します。一方、マイクロボトックスでは皮内から浅い層へ細かく注入し、皮脂分泌や毛穴、肌の質感を整えることを目的とします。

なぜマイクロボトックス(スキンボトックス)で毛穴が目立ちにくくなる?
毛穴が目立つ原因の一つに皮脂分泌があります。皮脂分泌量が多いほど毛穴が大きく見えやすいことは、毛穴に関する研究でも報告されています。マイクロボトックスでは皮膚の浅い層へボツリヌストキシンを注入することで、皮脂腺への神経性刺激を抑え、皮脂分泌を減少させる可能性が考えられています。皮内ボツリヌストキシンを使用した左右比較試験では、1か月後に皮脂量と毛穴スコアが低下し、4か月後にも改善が維持されました。別の研究でも皮脂分泌、毛穴、皮膚のゆるみの改善が報告されています。
マイクロボトックスは、毛穴を物理的に削って小さくするのではなく、皮脂分泌や皮膚表面の状態を整えることで毛穴を目立ちにくくする治療です。
どんな毛穴にマイクロボトックス(スキンボトックス)が向いている?
特に向いているのは、皮脂分泌の多い開き毛穴です。例えば、皮脂が多い、午後になると顔がテカる、鼻や頬の毛穴が丸く開いている、メイクが皮脂で崩れやすい、毛穴と同時に肌のテカリも気になる、という場合には検討しやすい治療です。一方で、角栓がぎっしり詰まっている、深いニキビ跡がある、皮膚のたるみが強い、毛穴に見えるものが実は毛である、という場合にはマイクロボトックスだけでは十分に改善しないことがあります。
「毛穴がある=マイクロボトックス」ではなく、皮脂が毛穴を目立たせているかどうかが重要です。
毛穴+テカリがある人とは相性がよい

マイクロボトックスのメリットは、毛穴だけでなく皮脂やテカリも同時に改善しやすいことです。毛穴治療というと、フラクショナルレーザーやニードルRFなど真皮を再構築する治療を思い浮かべる方が多いと思います。しかし皮脂分泌が非常に多い場合には、真皮を治療しても皮脂という原因が残ってしまいます。そのため、毛穴+皮脂、毛穴+テカリ、毛穴+脂性肌という場合には、皮脂そのものへアプローチできるマイクロボトックスを組み合わせることがあります。
マイクロボトックスは水光注射で均一に入れる方法もおすすめ
マイクロボトックスは医師が手打ちで細かく注入する方法もありますが、顔全体の毛穴や皮脂を均一に整えたい場合には、水光注射でまんべんなく注入する方法も適しています。水光注射では、細い針で一定の深さ・間隔に細かく注入できるため、頬全体や顔全体へ比較的均一に製剤を届けやすいのが特徴です。手打ちは、毛穴が目立つ部分や皮脂の多い部位へ細かく注入量を調整できるメリットがありますが、広い範囲を均一に治療したい場合には水光注射が使いやすいことがあります。
毛穴や皮脂を顔全体で整えたい場合には、水光注射でマイクロボトックスをまんべんなく入れる方法は相性のよい治療です。
水光注射では針刺激による肌質改善も期待する
水光注射では、製剤を入れることだけが治療ではありません。細い針を多数回皮膚へ刺入するため、マイクロニードリングに近い微細な刺激が加わります。こうした針刺激により、肌のハリやキメ、コラーゲン再構築などの肌質改善も期待できます。2025年のランダム化試験では、皮内ボツリヌストキシン注射とマイクロニードリングを利用した投与の両方で毛穴改善が認められました。当院では、水光注射は手打ちと比較して痛みを抑えながら治療しやすい方法としても使用しています。
水光注射によるマイクロボトックスでは、ボツリヌストキシンによる皮脂・毛穴への作用に加え、細かな針刺激による肌質改善も同時に狙うことができます。
手打ちと水光注射はどう使い分ける?

どちらが優れているというより、治療範囲と目的によって注入方法を選ぶことが重要です。
マイクロボトックスの毛穴効果には研究がある
マイクロボトックスは単なる美容医療上の経験則だけではありません。20人を対象とした左右比較試験では、片側へ皮内ボツリヌストキシン、反対側へ生理食塩水を注入したところ、1か月後にボツリヌストキシン側で皮脂量と毛穴サイズがより大きく改善し、4か月時点でも効果が維持されました。また、35人を対象とした研究でも、1回のマイクロボトックス後に毛穴サイズ、肌質、脂性肌の改善が報告されています。さらに2025年のランダム化臨床試験では、皮内注射とマイクロニードリングを介したボツリヌストキシン投与の両方で毛穴サイズが改善しています。
効果はいつから?どのくらい続く?
マイクロボトックスの効果は、施術直後に毛穴が消えるようなものではありません。研究では、1〜4週程度で皮脂や毛穴の改善が確認されています。効果の持続には個人差がありますが、毛穴と皮脂を対象とした比較試験では4か月程度まで改善が維持されています。そのため、永久的に毛穴を小さくする治療というより、一定期間皮脂分泌や毛穴の見え方を改善する治療と考えます。
マイクロボトックスだけで毛穴治療は十分?
毛穴の原因によります。皮脂が主原因であればマイクロボトックスだけでも変化を感じる可能性があります。しかし頬の毛穴では、皮脂、真皮弾力低下、ニキビ跡、乾燥、たるみなどが混在していることが多いため、他の治療を組み合わせることがあります。
マイクロボトックスとシルクロの違い
シルクロはマイクロニードルRFです。皮膚へ細い針を挿入し、RFエネルギーによって真皮へ熱刺激を加え、コラーゲン再構築を促します。マイクロボトックスは主に皮脂分泌や表層の毛穴、テカリへアプローチするのに対し、シルクロは真皮構造そのものへ働きかける治療です。そのため、皮脂・テカリが強い場合にはマイクロボトックス、毛穴+真皮弾力低下がある場合にはシルクロ、両方ある場合には組み合わせる、という考え方があります。
マイクロボトックスとシルクロは競合する治療というより、作用する場所が異なる治療です。
シルクロやピコフラクショナルなど、真皮へアプローチする毛穴治療については👇
「頬の毛穴には何が効く?」で詳しく比較しています。
マイクロボトックスとアゼライン酸の違い

アゼライン酸も皮脂、ニキビ、角化などが気になる肌に使用することがあります。ただし、作用や使い方は異なります。マイクロボトックスは注入治療によって一定期間皮脂を抑える治療で、アゼライン酸は外用を継続しながら皮脂・角化・ニキビなどの肌状態を整える治療です。皮脂分泌が非常に多く毛穴が目立つ場合にはマイクロボトックスを検討し、日常的な皮脂・ニキビケアとしてアゼライン酸を併用することもあります。
マイクロボトックスとピコフラクショナルの違い
ピコフラクショナルはレーザーによって皮膚内部へ微細な刺激を与え、コラーゲン再構築を促す治療です。マイクロボトックスとは治療目的が異なります。皮脂・テカリが中心ならマイクロボトックス、毛穴周囲の真皮やキメを整えたいならピコフラクショナル、というように考えます。そのため、皮脂の多い開き毛穴にピコフラクショナルを行う場合でも、皮脂コントロールとしてマイクロボトックスを組み合わせることがあります。
角栓が多い場合は先に毛穴洗浄を行うこともある
鼻や頬に角栓が大量に詰まっている場合には、マイクロボトックスをする前にハイドラアクアスキンなどで角栓を除去することがあります。マイクロボトックスは角栓を直接取り除く治療ではないからです。角栓・詰まり、皮脂分泌、開いた毛穴・真皮の問題を分けて考えることが重要です。
どんな毛穴にはマイクロボトックスだけでは不十分?
ニキビ跡毛穴では、アイスピック型やボックスカー型などの萎縮性瘢痕に対して、キュアジェット、ジュベルック、フラクショナルレーザー、サブシジョンなどの瘢痕治療が必要です。たるみ毛穴では、HIFU、オリジオKISS、ATTIVA、プロファイロ、ヒアルロン酸リフトなどを検討します。角栓毛穴ならハイドラアクアスキン、ミラーピール、アゼライン酸などを、毛が原因なら医療脱毛を検討します。
マイクロボトックスは使いやすい毛穴治療ですが、毛穴の原因すべてを治療するものではありません。
マイクロボトックスのデメリット・注意点
細かく多数注射するため、施術時の痛み、赤み、腫れ、針跡、内出血などが出ることがあります。また、注入する深さや量、部位によっては表情筋へ作用する可能性があります。そのため、単純に大量に打てばよいという治療ではありません。自然な表情を保ちながら皮脂や毛穴へ作用させるためには、部位ごとに注入量や深さを調整する必要があります。
毛穴+小じわ・肌質にも使うことがある
マイクロボトックスでは、毛穴や皮脂だけでなく、肌表面の細かな小じわや質感の改善がみられることがあります。62人を対象とした研究では、皮内ボツリヌストキシン後に肌の質感、微細な粗さ、毛穴径が改善しました。そのため、毛穴、皮脂、テカリ、細かな小じわ、肌表面の質感をまとめて整えたい方にも選択肢となります。ただし、深いシワや強いたるみを改善する治療ではありません。
当院でのマイクロボトックスの考え方
当院では、毛穴が目立つからという理由だけでマイクロボトックスを選ぶわけではありません。まず、皮脂が多いか、角栓があるか、真皮弾力低下があるか、ニキビ跡が混在しているか、たるみがあるかを確認します。皮脂分泌が毛穴を強調している場合にはマイクロボトックスを検討し、真皮やニキビ跡が中心であれば、シルクロ、ピコフラクショナル、ジュベルック、キュアジェットなどを優先することがあります。
マイクロボトックスは「毛穴の万能治療」ではなく、皮脂性開き毛穴に対する有力な選択肢の一つです。
まとめ
マイクロボトックスは、ボツリヌストキシン製剤を皮膚の浅い層へ細かく注入し、皮脂分泌、テカリ、開き毛穴、肌の質感などの改善を目指す治療です。特に、皮脂が多い、テカリが強い、丸い開き毛穴が目立つという方に向いています。
一方で、角栓なら毛穴洗浄、真皮弾力低下ならシルクロやピコフラクショナル、ニキビ跡ならキュアジェットやジュベルック、たるみならHIFU・RF・ATTIVA・注入治療など、原因によって別の治療が必要です。
毛穴治療では、マイクロボトックスが効くかどうかではなく、「その毛穴に皮脂がどの程度関係しているか」を確認することが重要です。
Q&A
Q1. マイクロボトックスは本当に毛穴に効きますか?
皮内ボツリヌストキシンによって毛穴サイズや皮脂分泌が改善した臨床研究があります。特に皮脂の多い開き毛穴では検討しやすい治療です。
Q2. 効果はどのくらいで出ますか?
研究では1〜4週程度で皮脂や毛穴の改善が確認されています。
Q3. 効果はどのくらい続きますか?
個人差がありますが、毛穴・皮脂を対象とした研究では4か月程度まで改善が維持された報告があります。
Q4. 普通のボトックスと何が違いますか?
通常のボトックスは表情筋へ注入して表情ジワを改善するのが主目的です。マイクロボトックスは皮膚の浅い層へ細かく注入し、皮脂や毛穴、肌質を整える目的で行います。
Q5. 水光注射で入れる方がいいですか?
顔全体の毛穴や皮脂を均一に整えたい場合には、水光注射でまんべんなく入れる方法は相性がよいです。部位ごとに細かく調整したい場合には手打ちが向いていることがあります。
Q6. シルクロとマイクロボトックスはどちらがいいですか?
皮脂・テカリが中心ならマイクロボトックス、真皮弾力低下やニキビ跡もある場合にはシルクロを検討します。両方の問題があれば組み合わせることもあります。
Q7. 鼻の黒ずみにも効きますか?
皮脂を抑えることで毛穴が目立ちにくくなる可能性はありますが、角栓そのものを除去する治療ではありません。黒ずみが角栓、毛、色素の場合には別の治療が必要です。
Q8. 毛穴が深い場合にも効きますか?
深いニキビ跡や瘢痕ではマイクロボトックスだけでは不十分です。キュアジェット、ジュベルック、フラクショナルレーザー、サブシジョンなどを検討します。
【文責】
まゆりなclinic名古屋栄
院長 加藤 成貴
【参考文献】
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6. Review articles on intradermal botulinum toxin for pores, sebum, and skin quality








