AGA治療薬のザガーロとプロペシアの違いについて解説します!<医師監修>
- 2022.12.14
AGAというのは、男性型脱毛症「Androgenetic Alopecia」の略称です。成人男性特有の進行性の脱毛症のことを言います。主な原因は男性ホルモンの作用によるものと考えられています。個人差があり、早い人は10代で発症します。薄毛が心配で、サロンやエステなどにご相談される方がいらっしゃいますが、根本的な解決にはなりません。男性型脱毛症であるAGAの初期段階での治療は、発毛効果の期待できる薬「ミノキシジル」と、薄毛の進行を抑制する薬「ザガーロ(有効成分:デュタステリド)」または「プロペシア(有効成分:フィナステリド)」を服用するのが一般的です。以前は、AGAの抜け毛を防ぐ薬といえばプロペシアでしたが、近年ではザガーロが使われることも増えてきました。ザガーロとプロペシアの違いや期待できる効果について解説します。
目次
ザガーロとは
ザガーロの主成分のデュタステリドは、2009年にアボルブの名で前立腺肥大症の治療薬としてのみ承認されていましたが、AGA治療にも効果があるとして2015年にAGA治療薬として厚生労働省に承認されました。薄毛の進行を抑制するAGA治療薬として厚生労働省から承認されたのは、プロペシアに次いで2番目です。AGAは、男性ホルモンのテストステロンが、血液を通して5αリダクターゼという酵素と結びついてより強力な男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)となり、さらに毛根の毛乳頭にある男性ホルモンレセプター(受容体)と結合して、脱毛因子TGF-βを生成します。このTGF-βは、毛乳頭や毛細胞に髪が抜けるようにと指令を出す物質です。指令を受けた髪は、十分に成長しないまま抜け落ちてしまいます。このため、太く健康な髪が生えにくくなり、徐々に髪が薄くなってしまいます。ザガーロには、この5αリダクターゼの働きを阻害するデュタステリドという有効成分が含まれています。ザガーロを服用すると、デュタステリドの働きによって脱毛因子でもある強力な男性ホルモンDHTの生産量を低下させます。その結果、作られるTGF-βが少なくなるので、成長しないままに抜け落ちる髪も減り、本来の発毛サイクルで健康な毛が育つことにつながるのです。
ザガーロで改善の効果が期待できるのはAGAのみ
薄毛にはAGAのほか、FAGA・FPHLといった女性型脱毛症や、円形脱毛症がありますが、ザガーロは悪玉男性ホルモン(DHT)に働きかける発毛薬のため、AGA以外の薄毛や脱毛症では効果はありません。薄毛の抑制効果が期待できるのは、AGAのみです。男性の薄毛にはAGA以外に、脂漏性脱毛症や円形脱毛症などがあります。脂漏性脱毛症は脂漏性皮膚炎が原因となり、薄毛が進行してしまう症状です。円形脱毛症はストレスやアトピー、自己免疫疾患などで起こる症状です。この脂漏性脱毛症や円形脱毛症は、男性ホルモンの影響で薄毛が起こっているわけではないため、AGA治療薬での改善は見込めません。女性型脱毛症や円形脱毛症も薄毛になるメカニズムが違うため、女性型脱毛症の場合は別の内服薬を、円形脱毛症の場合はステロイド系の内服薬や軟膏、注射などを使って治療することが一般的です。全ての薄毛や脱毛症に有用な発毛薬ではありませんので、ザガーロの服用を考えている場合はまず、自分自身の薄毛の原因を把握し、医師に相談しながら決めましょう。
ザガーロとプロペシアの違い
ザガーロとプロペシアはどちらもAGAの進行を抑制する薬ですが、いくつか異なる点があります。
有効成分と期待できる効果効能の違い
プロペシアの主な有効成分はフィナステリド、ザガーロの主な有効成分はデュタステリドです。男性ホルモンのテストステロンと結びつく5αリダクターゼには、I型とII型が存在します。I型は毛根にある毛乳頭細胞や皮脂腺を中心に全身に分布しており、特に側頭部や後頭部に多く存在しています。一方のII型は、主に前頭部や頭頂部に多く存在しています。ザガーロの有効成分デュタステリドは、I型とII型両方の5αリダクターゼの働きを抑制し、DHTに変わるのを阻害します。これに対し、プロペシアの有効成分フィナステリドが動きを抑制するのは、主にII型の5αリダクターゼのみで、I型には効果が期待できないとされています。ザガーロの作用する範囲が、頭頂部や前頭部に多く存在するといわれるⅡ型だけではないため、プロペシアでは思うように効果が見られない方やプロペシアよりもさまざまなケースの薄毛の改善効果に期待ができます。プロペシアとザガーロのAGA治療への効果を比較した海外の臨床試験では、ザガーロを服用した場合にプロペシアを服用した場合よりも1.6倍の発毛・育毛効果が認められました。そのため、効果の高いザガーロで治療することがおすすめです。また、より高い発毛効果を求めるのであればミノキシジルとの併用をお勧めします。ミノキシジルには血管拡張作用があり、毛髪への血流を良くすることで発毛を促します。さらに、必要な栄養を充分に送り込み健康でハリやコシのある抜けにくい毛髪を生育する働きがあり、プロペシアやザガーロと併用することで強力な相乗効果が期待できます。
半減期
薬を服用後、血液中の薬物濃度が半分になるまでの時間である半減期はザガーロのほうがプロペシアより長いです。これはザガーロの効果が持続する半面、万が一副作用が出た場合には、症状が収まるまでに時間がかかります。
効果が出るまでの期間の違い
プロペシアを服用し始めてから変化を感じるまでは、早い人で3か月程度、目安としては半年程度といわれています。一方、ザガーロは服用し始めてから変化を感じるまで、半年から1年が目安と少し長めです。これには、ザガーロが作用するヘアサイクルが関係しています。髪の毛は通常、成長期・退行期・休止期と呼ばれるサイクルを繰り返しています。成長期(2~6年ほど)で新しい髪の毛が生えてきて成長し、退行期(2週間ほど)でだんだん成長が弱くなり、休止期(3~4か月ほど)で成長が止まって抜け落ちます。AGAにかかるとこのサイクルが乱れて成長期が短くなるため、髪の毛が育ちきる前に抜けてしまうのです。ザガーロの効果によって乱れたヘアサイクルが通常に戻ったとしても、新しく髪の毛が成長するには時間を要します。変化がないからといって、短期間で効果がないと判断し使用を中止するのではなく、長い目で服用を続けることが大切です。
服用禁止の対象
ザガーロとプロペシアは、両方とも妊娠またはその可能性がある女性、授乳中の方や未成年は服用禁止です。これに加え、ザガーロは重度の肝機能障害がある方も服用禁止となっています。ザガーロは肝臓で代謝され半減期は3〜5週間と長いため、重度の肝機能障害がある方は服用すると血中濃度が上昇する恐れがあり服用ができません。
まゆりなclinicの男性薄毛(AGA)治療
内服薬やリキッド、注射治療(ダーマペン4を使用)など多岐に及びます。
必要があれば、採血検査で薬を使用していいのかを決める場合もあります。薄毛治療をする中で、体調を崩しては意味がありません。まゆりなclinicでは、患者様にとって安全かつ効果的でよりお手軽な金額で薄毛治療を施術できるように努めております。メソセラピーはオリジナルの育毛成分を配合した薬剤を使用します。ダーマペン4を使用しますので、薬液が毛根近くに浸透し、育毛を助けます。治療しているだけで満足することなく、しっかり生やすことを目標にしておりますので、写真を撮って、経過をフォローアップしていきます。現在の治療が合っているかも確かめられますので、ご安心ください。
まとめ
ザガーロとプロペシアはいずれもAGA治療薬として使われていますが、治療には両方の薬を同時に使うことはなく、どちらか一方が処方されます。脱毛部位や薄毛の進行状態、体の状態などによって選ぶ治療薬は異なります。そのため、自己判断はせずに、AGA治療を行っているクリニックを受診し、専門の医師の判断で処方してもらうことがおすすめです。
まゆりなclinic名古屋栄では、薄毛にお悩みの患者様一人ひとりに最適な薄毛治療をご提案いたします。投薬治療のみならず、頭皮改善や発毛を促す薬剤の投与治療などを行っております。まずはお気軽に無料カウンセリングでご相談ください。