光脱毛ってなに?<医師監修>
- 2022.6.11
目次
光脱毛の特徴と仕組み
光脱毛は主にエステサロンなどで受けられるフラッシュ脱毛とも呼ばれる脱毛方法です。
毛のある部位のメラニン色素に反応する光を照射することによって熱を持たせてダメージを与え、毛根を減弱させるしくみの脱毛方法です。
光脱毛は光が当たった毛は、だいたい1~2週間で自然と抜け落ちてきます。
毛周期の中の「成長期」は毛球の色素・水分量が多いことから一番脱毛効率の高い時期とされています。
この「成長期」に合わせて施術で光を照射することで、光のエネルギーが毛を伝わって毛乳頭・毛母細胞に届きます。
毛の組織はタンパク質でできているので光の「熱」で凝固します。これにより、毛乳頭は栄養が吸収できなくなり、毛の成長は抑制され、減毛していきます。
私たちの毛は常に伸び続けているわけではありません。
毛は一定期間成長して、その後は成長が停止し、古くなったら抜け落ちます。毛の1本1本がそれぞれの周期を持っており、生まれ変わっているのです。
「成長期」・「退行期」・「休止期」の3つのサイクルで生えては抜け落ちてを繰り返しています。
この周期のことを毛周期といいます。
また、毛はすべての毛穴からいつも生えているわけではなく、実際に表面に見えている毛は毛穴全体の10パーセントから20パーセントと言われています。
残りの毛は皮膚の下で眠っている状態です。
「IPL」
[インテンス・パルス・ライト]の略で強いライトを瞬間的に照射する脱毛方法です。
別名フラッシュ脱毛とも言われ、光脱毛の中では一番医療レーザー脱毛に近い仕組みを持つ方法です。
医療レーザー脱毛よりも光の出力は弱いですが、広範囲に照射できるので肌への負担も少なく短時間での施術が可能になりました。
レーザーで毛乳頭や毛根に熱を与え、皮膚下のメラニン色素に反応して毛を生えにくくします。
メラニン量の多い部分に反応しやすいので、太くて濃い毛にも効果が見えやすい点が特徴です。
細胞に栄養を与える部分に直接ダメージを与えるため、ほかの光脱毛より効果が見られやすいといわれています。
ただし、うぶ毛のように色素が薄い毛には反応しにくかったり、日焼けしている肌には照射できなかったりするのがデメリットです。
レーザー脱毛よりも痛みは弱いですが、光脱毛の中では比較的痛みは強い方です。
「SHR」
[スーパーヘアーリムーバル]の略で蓄熱式とも呼ばれております。
発毛の指令を出すバジル領域という細胞へダメージを与えて毛が生えるのを遅らせる方法です。
IPL式脱毛などでは毛を作る毛根にある細胞(毛乳頭・毛母細胞)にダメージを与えますが、SHR式脱毛では毛を生やす指令を出す組織にダメージを与えます。
メラニン色素に反応しないため、温かさを感じる程度で痛みを感じにくいとされています。
また、SHR方式では、日焼け肌やホクロのある部位にも脱毛が可能です。色素の薄い金髪に反応するので、産毛にも効果が期待できるのが特徴でもあります。
対して、比較的新しい脱毛方式なので実績が少なく、IPLに比べると採用しているサロンが限られているのが現状です。
今生えている毛ではなく、これから生えてくる毛を生えにくくするため、徐々に減毛してくるため最初に効果を実感するまでやや時間がかかることも覚えておきましょう。
「SSC」
[スムーススキンコントロール]の略で肌のダメージが少なく痛みを感じにくいのが特徴です。
美容液やジェルを塗ってから脱毛機のライトを当てる方法です。この美容液やジェルには制毛成分や保湿成分が含まれており、肌のダメージを抑えつつ脱毛効果が期待できます。
ジェルに含まれる抑毛成分が毛穴に浸透することで、美容効果も期待できるそうです。産毛や薄く細い毛にも高い効果を期待できる方法です。
一方、日焼けあとの肌には施術できなかったり、脱毛の即効性はないので効果を実感するまで時間がかかるので注意しましょう。
成長期の毛のみに反応するため、すべての生えている毛に効果が見られるわけではありません。
「HHR(ハイブリッド脱毛)」
ハイブリッド脱毛は、バジル領域や毛包にアプローチする『SHR脱毛』・毛根にアプローチする『IPL脱毛』のメリットを組み合わせた脱毛方式です。
肌を約-4~10℃ほどで冷却しながら、毛の生成に関わる『バルジ領域』に光を照射することで減毛・抑毛(毛を細くしたり成長を抑制する作用)することを目指します。
なお、脱毛機によっては、制毛成分を持つジェルを浸透させる『SSC脱毛』を組み合わせている場合もあるため、必ずしもハイブリッド脱毛=SHR脱毛+IPL脱毛とは限りません。
光脱毛のメリット
光脱毛は痛みが少ないことです。痛みが気になり脱毛を避けていた方でも興味をもっていただきやすいでしょう。
また、脱毛の種類の中でも費用が比較的安いことが特徴です。
全身脱毛が可能で1回の施術時間も短いこともメリットとされております。
光脱毛のデメリット
一方、光脱毛のデメリットは、『効果を実感するまでに時間がかかる』ことです。
出力パワーを抑えて施術を行うため、1回あたりの効果は小さく、何度も通う必要があります。
だから、短期間でツルツルになりたい方、永久脱毛を望んでいる方は不向きです。
また、脱毛施術によって肌トラブルが起こった際の対応が医師によるフォローが直ちに行うことが難しい点もあります。
この安心度の低さも光脱毛のデメリットといえるでしょう。
レーザー脱毛との比較
光脱毛
サロン・エステが主に採用している光脱毛は効果がゆるやかであくまで減毛・抑毛効果をあたえ、
また痛みが発生しにくくコストも低いので脱毛初心者さま向けなのでしょうか。
美容機器による除毛・減毛です。
- 脱毛機器の出力:低い
- 痛み:少ない、感じにくい
- 効果が出るまで:満足度が高い効果も難しく、時間もかかる
- 効果の持続力:5年ほど抑毛効果が続く
- 明確に効果がわかる回数・期間:約15回~20回以上
- スタッフ:主にエステティシャン
- サービス料金:1回あたりの価格は安価だが、照射回数が必要なのでトータル費用は結局高い
- 肌トラブル:低出力で起こりにくいが、発生した場合エステの場合、すぐに医療処置はできない
- 医師の診察:なし
レーザー脱毛
医療機関でのレーザー脱毛は完了までが速く永久脱毛もできるため、高価で痛みを伴っても完全にツルツルにしてしまいたい! という人向きです。
- 脱毛機器の出力:高い
- 痛み:強い、感じやすい。
- 効果が出るまで:即効性がある
- 効果の持続力:永久脱毛が可能
- 明確に効果がわかる回数・期間:約5~10回(最短8か月弱で完了)
- スタッフ:医師・看護師
- サービス料金:1回あたりの価格は高価だが、少ない回数で済むのでトータル費用が安い
- 肌トラブル:高い分発生することも多々あるが、薬をすぐに処方できる
- 医師の診察:医師が診察できる
まとめ
エステなどで行う光脱毛と医療で行うレーザー脱毛を比較してお伝えしてきましたが、
果たしてどちらが正しいか、正解はあるのでしょうか?
結論から申し上げますと、その方のライフスタイル、経済事情、お住いの地域などで決まってくるのではないかと思います。
光脱毛は痛みが少なく施術時間も短く、単価も安いです。
また、永久脱毛ではないため、基本的な施術方針は『除毛』『抑毛』をすることです。
そのため、「自己処理をしない程度に毛が減ればうれしい」「今よりも毛が薄くなればOK」というお客様と相性がいいと思います。
ツルツルの状態を維持したいのであれば脱毛サロンに通い続ける必要があります。
しかし、しっかりツルツルにしたい方や永久脱毛したい方は医療行為として行われているレーザー脱毛に行くことをお勧めします。
痛みが強いイメージがあり、怖くて行けないという方もいらっしゃると思いますが、安心してください。
今の医療レーザー脱毛は麻酔クリームなどを併用して行えば痛みも抑えて施術することが可能なのです。
しっかりと光脱毛・医療脱毛のメリット・デメリットを理解して、ご自身で納得できる方を選んでください。