ミラドライは痛い?麻酔注射・施術中・術後の痛みと当院の工夫を医師が解説|名古屋
- 2026.10.14
目次
ミラドライは痛い?麻酔注射・施術中・術後の痛みと当院の工夫を医師が解説|名古屋
「ミラドライを受けたいけれど、痛みが怖い」「麻酔の注射がかなり痛いと聞いた」と不安に感じる方は少なくありません。
結論からいうと、ミラドライ治療の中で痛みを感じやすいのは、マイクロ波を照射している時間よりも、その前に行う局所麻酔です。 局所麻酔が十分に効いていれば、ミラドライ照射中に強い痛みを感じることは通常ほとんどありません。当院の施術ページでも、局所麻酔後に照射するため、施術中の痛みはかなり軽減されると案内しています。
そのため当院では、「ミラドライ本体の痛み」だけではなく、局所麻酔をできるだけ楽に受けてもらうことを重視しています。麻酔液のpH調整、3連注射器、長さ4mmの極細針などを使用し、麻酔時の負担を減らす工夫を行っています。

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ミラドライの痛みは3つに分けて考えると分かりやすい
ミラドライの痛みは、次の3段階に分けると理解しやすくなります。

「ミラドライは痛い」と聞いた場合にも、どの段階の痛みを指しているのかを分けて考えることが重要です。
一番気になりやすいのは局所麻酔の注射
ミラドライでは、照射前にワキへ局所麻酔を行います。広い範囲へ十分に麻酔を効かせる必要があるため、麻酔注射そのものにはある程度の刺激があります。
針が皮膚に入るときのチクッとした痛みに加えて、麻酔液が皮下へ広がる際に、しみるような感覚や圧迫感を感じることがあります。
ただし、この局所麻酔をしっかり行うことで、その後のミラドライ照射をかなり楽に受けられます。局所麻酔は単に患者さんの痛みを取るためだけではなく、安全に治療を行ううえでも重要な工程です。高エネルギーのミラドライを検討した研究でも、体格や皮下組織の状態に応じてtumescent anesthesiaの量を調整することが安全性に関係するとされています。
当院では、この「麻酔の痛み」をできるだけ軽減するため、いくつかの工夫を行っています。
◎当院の麻酔①|麻酔液のpHを調整
通常の局所麻酔液、とくにエピネフリンを含むリドカイン製剤は酸性に調整されています。そのまま皮下へ注入すると、薬液が入るときにしみるような刺激痛を感じることがあります。
当院では、麻酔液に炭酸水素ナトリウムを加えてpHを中性に近づける調整を行っています。
これは感覚的な工夫だけではありません。リドカイン+エピネフリンを炭酸水素ナトリウムでbufferingすると、未調整の麻酔液より注入時の痛みが有意に少なかったランダム化比較試験があります。腋窩を対象とした研究でも、中性化したtumescent麻酔液は、酸性の麻酔液より注入時の痛みが有意に少なかったと報告されています。
つまり当院では、麻酔を効かせるだけではなく、「麻酔を入れるときの痛み」そのものにも配慮してpHを調整しています。
◎当院の麻酔②|3連注射器で穿刺回数を減らす
局所麻酔の痛みには、「何回皮膚へ針を刺すか」も関係します。
当院では3連注射器を使用しています。1回の穿刺から3方向へ麻酔液を広げられるため、通常の1本針で細かく何度も刺して麻酔を広げる方法と比べて、皮膚へ針を刺す回数を減らすことができます。現在の当院施術ページでも、局所麻酔時の痛みに配慮する工夫として3連注射器を使用しています。
麻酔液そのものの刺激を減らすだけではなく、針を刺される回数そのものを減らすという考え方です。
◎当院の麻酔③|長さ4mmの極細針を使用
当院では、局所麻酔に長さ4mmの極細針を使用しています。
必要以上に深く刺入せず、目的とする層へ麻酔液を入れることで、患者さんの負担を抑えることを目的としています。針そのものも細いため、穿刺時の痛みや組織への負担をできるだけ少なくできるよう工夫しています。
当院の局所麻酔は、
pH調整で薬液の刺激を減らす
3連注射器で穿刺回数を減らす
極細4mm針で穿刺時の負担を減らす
という3つを組み合わせて行っています。
麻酔注射がどうしても怖い方には笑気麻酔も選択可能
針そのものへの恐怖が強い方や、「麻酔注射を想像するだけで緊張してしまう」という方もいらっしゃいます。
当院では、希望される方に笑気麻酔を追加することも可能です。現在の施術ページでもミラドライのオプションとして笑気麻酔を用意しています。
局所麻酔自体は必要ですが、緊張や不安が強い方では笑気麻酔を併用することで治療を受けやすくなる場合があります。痛みへの不安が強い方は、カウンセリング時に遠慮なくご相談ください。

ミラドライ照射中は痛い?
局所麻酔が十分に効いた状態でミラドライを照射するため、照射中に強い痛みを感じることは通常ほとんどありません。
ハンドピースが皮膚を吸引するため、引っ張られる感じや圧迫感を感じることはあります。またミラドライ本体には皮膚表面を冷却するシステムが搭載されており、表皮を冷却しながらマイクロ波を照射します。
実際、他の医療機関でも局所麻酔後のミラドライについて「施術中に痛みを感じることはほとんどない」と案内されています。
ただし、痛みの感じ方には個人差があります。照射中に明らかな痛みを感じる場合には、我慢せずその場で伝えてください。 麻酔の効き方を確認し、必要に応じて追加麻酔などを行います。
「痛いほど効いている」という治療ではありません。痛みを我慢することと治療効果は別です。
高エネルギーでも麻酔が十分なら治療できる
当院では十分な治療効果を目指して、高エネルギー設定でミラドライを照射しています。ただし、皮膚の厚みや体格などによっては安全性を考えて設定を調整します。
高エネルギー治療の研究でも、エネルギーレベル5による治療で汗・ニオイの有意な改善が報告され、安全に治療するためには患者さんの体格や皮下組織の状態を評価し、必要な麻酔を適切に行うことが重要とされています。
つまり、高エネルギー=患者さんが強い痛みを我慢する治療ではありません。十分な局所麻酔を行ったうえで、効果と安全性を考えて照射します。
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ダブル・トリプル照射はシングルより痛い?
当院ではシングル・ダブル・トリプル照射を行っていますが、いずれも十分に局所麻酔を行ってから照射します。
そのため、トリプルだから照射中の痛みが単純に3倍になるというものではありません。
一方、ダブル・トリプルでは同じ治療日に照射を重ねるため、治療後の腫れや硬さ、つっぱり感などは患者さんによって強く感じることがあります。
ただし、照射回数と痛みが単純な比例関係にあるわけではありません。治療中の痛みは麻酔の効き方、治療後の症状は組織反応や体格などにも左右されます。
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麻酔が切れた後はどんな痛み?
局所麻酔が切れてくると、ワキにヒリヒリした痛み、熱感、押したときの痛み、筋肉痛のような重だるさを感じることがあります。
多くの場合は強い痛みではなく、冷却や必要に応じた鎮痛薬で対応できる程度です。
施術後は保冷剤などでワキを冷却すると、痛みだけでなく腫れや熱感も軽減しやすくなります。保冷剤を直接皮膚へ長時間当てず、タオルなどで包んで使用してください。
術後の痛みについては、時間が経つにつれて軽減していくのが通常です。痛みそのものより、数日間の腫れや、その後のしこり・つっぱり感の方が長く気になる方もいます。
詳しい術後経過は③でまとめています。
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痛みが強いほど効果が高いわけではない
美容医療では「痛い方が強く効いているのでは?」と思われることがありますが、ミラドライではそのように考える必要はありません。
治療効果は、エネルギー設定、照射範囲、重ね打ち、汗腺の分布などによって決まります。
一方、治療中の痛みは麻酔の効き方や個人の痛覚によって大きく変わります。
つまり、
「全然痛くなかったから弱く照射された」
というわけでも、
「かなり痛かったからよく効く」
というわけでもありません。
当院では、痛みを我慢して治療を受けてもらうのではなく、十分に麻酔を効かせた状態で必要な治療を行うことを重視しています。
我慢せずに伝えてほしい痛みもある
ミラドライ中にワキの局所的な圧迫感や軽い刺激を感じることはありますが、腕から手に向かって電気が走るような痛み、明らかに強い痛み、通常と異なる感覚がある場合には、その場で必ず伝えてください。
ミラドライは安全性の高い治療ですが、腋窩には神経や血管など重要な組織があります。非常にまれですが、低BMIなどで神経が皮膚表面に近い患者に神経障害が報告された例もあります。そのため、「痛みは我慢するもの」ではありません。
違和感があれば一度止めて状態を確認し、必要に応じて麻酔や照射方法を調整することが大切です。
当院が麻酔方法にこだわる理由
ミラドライは、治療そのものの効果だけでなく、患者さんが治療を受けやすいかどうかも重要だと考えています。
特にワキは麻酔を広い範囲に入れる必要があるため、何も工夫せず何度も注射すれば、麻酔の段階が治療の大きな負担になってしまいます。
そこで当院では、

という方法を組み合わせています。
「ミラドライは効果がありそうだけれど、麻酔が怖くて受けられない」という理由で治療を諦める必要がないよう、治療効果だけでなく麻酔時の負担にも配慮することを当院では大切にしています。
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まとめ|痛みを感じやすいのは麻酔時。照射中は局所麻酔でかなり軽減できる
ミラドライで最も痛みを感じやすいのは、マイクロ波を照射している時間よりも局所麻酔を行うときです。
そのため当院では、麻酔液のpHを中性に近づける、3連注射器で穿刺回数を減らす、長さ4mmの極細針を使用するなど、局所麻酔時の痛みに配慮しています。
局所麻酔が十分に効けば、ミラドライ照射中に強い痛みを感じることは通常ほとんどありません。 麻酔が切れた後には軽い痛みや熱感、圧痛が出ることがありますが、多くは冷却などで対応でき、時間とともに改善します。
痛みの感じ方には個人差があります。「痛みに弱いからミラドライは無理」と最初から考えず、不安がある方は診察時にご相談ください。希望によっては笑気麻酔も選択できます。
Q&A
Q1.ミラドライはかなり痛いですか?
最も痛みを感じやすいのは局所麻酔の注射です。局所麻酔が十分に効けば、ミラドライ照射中に強い痛みを感じることは通常ほとんどありません。
Q2.麻酔注射は痛いですか?
多少の痛みはあります。当院では、麻酔液のpH調整、3連注射器、長さ4mmの極細針を使用し、注射時の負担をできるだけ減らす工夫をしています。
Q3.麻酔液のpHを調整すると痛みが減りますか?
炭酸水素ナトリウムでリドカイン製剤をbufferingすると、未調整の麻酔液より注入時の刺激痛が少なくなることが複数の研究で報告されています。PubMed
Q4.照射中に痛くなったら我慢した方がいいですか?
いいえ。我慢する必要はありません。痛みを感じた場合にはその場で伝えてください。麻酔の効き方や照射部位を確認し、必要に応じて対応します。
Q5.トリプル照射は3倍痛いですか?
そのような関係ではありません。シングル・ダブル・トリプルのいずれでも局所麻酔後に照射するため、照射回数と治療中の痛みが単純に比例するわけではありません。
Q6.麻酔が切れた後は痛いですか?
軽いヒリヒリ感、熱感、圧痛、重だるさなどが出ることがあります。冷却や必要に応じた鎮痛薬で対応できることが多く、時間とともに改善します。
Q7.痛みに弱い場合はどうすればいいですか?
局所麻酔時の負担を減らす工夫を行っています。また、強い不安がある方には笑気麻酔を追加することも可能です。
文責
まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴
参考文献
- Lee HJ, Cho YJ, Gong HS, et al. The effect of buffered lidocaine in local anesthesia: a prospective, randomized, double-blind study. J Hand Surg Am. 2013;38:971-975. PMID: 23566722. Bufferingした局所麻酔と未調整麻酔の注入時疼痛を比較。PubMed
- Hafner J, et al. Buffered lidocaine 1%/epinephrine 1:100,000 with sodium bicarbonate in a 3:1 ratio is less painful than a 9:1 ratio: A double-blind, randomized, placebo-controlled, crossover trial. 2020. PMID: 31958526. Bufferingにより注入時疼痛が有意に減少。PubMed
- Yang CH, et al. Warm and neutral tumescent anesthetic solutions are essential factors for a less painful injection. Dermatol Surg. PMID: 16970691. 腋臭症患者の腋窩麻酔で、中性化麻酔液の方が酸性麻酔液より疼痛が少ないことを報告。PubMed
- Wang YH, et al. A single session of high-energy microwave axillary hyperhidrosis and osmidrosis therapy: Key pretherapeutic assessment and outcome analysis. Lasers Surg Med. 2023. PMID: 36950892. 高エネルギーミラドライにおける治療前評価、麻酔、安全性を報告。PubMed
- Suh DH, et al. Brachial plexus injury after microwave-based treatment for axillary hyperhidrosis and osmidrosis. J Cosmet Laser Ther. 2017. 稀な神経障害についての症例報告。
- Bilateral Brachial Plexus Injury After MiraDry Procedure for Axillary Hyperhidrosis. 2019. PMID: 30703585. 低BMI患者での神経障害と、安全な治療範囲への注意について報告。PubMed








