ニキビ跡の種類と治療法について解説します!<医師監修>
- 2022.11.4
目次
ニキビ跡
ニキビ跡とは、ニキビが治った後でも赤みや色素沈着、凹み(クレーター)などが残っている状態のことです。ニキビでお悩みの90%の方がすでにニキビ跡があると言われています。ニキビ跡はニキビが長引き炎症で赤みが続き、ニキビ跡ができる基盤となります。軽傷のニキビの場合はニキビ跡を残さずきれいに治すことができますが、ひどい炎症を起こると皮膚の奥までダメージが与えられ、なかなか消すことができないニキビ跡として残ってしまいます。ただ、ニキビができやすくてもニキビ跡がない方は早期から医療機関を受診しています。ニキビ跡を残さないためにも早期にニキビ治療を開始することが大切です。
ニキビ跡の種類
赤みのあるニキビ跡
毛穴に老廃物や皮脂が詰まり、肌が炎症を起こすことでニキビができます。この炎症が続くとニキビが治った後も毛細血管が集中しうっ血して赤みが残ることがあります。ニキビ跡で最も多くみられます。ニキビが治ってから半年以上経っても赤みがある場合はダメージによって皮膚が薄くなり血管や筋肉が透けて見えることで赤みがより目立つ場合もあります。この場合は、医療機関でニキビ跡を消す治療が必要になります。
色素沈着を起こすニキビ跡
赤みはなくシミのような茶色い色素沈着もニキビ跡です。原因は炎症によってシミの元になるメラノサイトが刺激を受け、メラニンの生成が行われることでニキビの赤みが茶色になりそのまま色素沈着することでニキビ跡ができます。炎症のあとに色素が沈着することを“炎症後色素沈着”といいます。ニキビができてしまった肌はターンオーバーが乱れ古い角質が残りメラニンも分解・排除されないため色素沈着が起こってニキビ跡になります。
でこぼこのクレーターのようなニキビ跡
同じ場所でニキビの再発を繰り返したりニキビを放置したりニキビを潰してしまったりすると毛穴の構造が変化し肌の表面がでこぼこと陥没してクレーターができることがあります。ニキビの炎症がひどくなると白血球による炎症を抑制しようとする働きによって皮膚の真皮層も破壊されていきます。ターンオーバーができない真皮層ではその後の肌が完全には修復されずクレーター状になってしまいます。クレーターは大きく3つにタイプに分類されます。クレーターは複数のタイプが組み合わさっていることが多く、自然治癒やホームケアなど自力で消すことはできず、タイプによっては治療に時間を要する場合もあります。
アイスピック型
開口部は点状で小さくアイスピックが刺さったような形状で肌の奥に深いタイプです。ニキビによる炎症で毛穴が変形し、毛穴が開いたままの状態です。もっとも治療が難しいタイプです。
ローリング型
いびつな形で肌の奥まで大きく凹んでいますが、凹み方が滑らかで波立つ(ローリング)形のタイプです。深在性のニキビが原因となっていると考えられ表皮は保たれていることが多いです。ニキビの炎症に伴い真皮から皮下組織にかけて癒着して皮膚を下に引っ張るため凹みが起こると言われています。
ボックスカー型
もっとも多いタイプです。直径は大きいものから小さいものまで様々で貨物列車(ボックスカー)のようにくぼみ、深さは浅い傾向があり底面が平坦なことが多いです。
ニキビ跡ができてしまった場合のセルフケア方法
赤みや色素沈着のあるニキビ跡には、ビタミンCでスキンケアをすることがおすすめです。適度な運動や十分な睡眠は肌のターンオーバーを促進します。肌を良い状態に保つために1日3食バランスの良い食事を心がけることも大切です。
ニキビ跡を作らないために
洗顔と保湿をしっかりする
ニキビやニキビ跡予防には正しい洗顔と保湿が大切です。洗顔する時は強くこすったりせず肌への負担を減らし、清潔なタオルでこすらず押さえながら水分を除きましょう。また、乾燥や刺激から肌を守るために洗顔後の保湿も重要です。保湿がしっかりとされていないと皮脂が過剰に分泌される原因にもなるため化粧水や乳液、クリームなどで保湿を行いましょう。
日焼け止めなどで紫外線を避ける。
紫外線を浴びてしまうとニキビの炎症が悪化し、さらにメラニンが生成され色素沈着の原因となります。日頃から日焼け止めなどを使用し紫外線・日焼け対策を行うようにしましょう。日焼けなどで炎症が起こった場合は早急に冷やしケアすることが大切です。
ビタミンを摂取する。
魚や卵、乳製品などに含まれるビタミンB2、赤み魚などに含まれるビタミンB6には皮脂の分泌を抑制してくれる役割が期待できます。緑黄色野菜やフルーツに含まれるビタミンCはメラニンの生成を抑え抗酸化作用やターンオーバーを促し肌の老化防止などの効果も期待できます。ニキビ跡にはビタミンB群やビタミンCを積極的に摂取することがおすすめです。
ファンデーションの厚塗りをしない。
ファンデーションの厚塗りはニキビを刺激し、毛穴が詰まってアクネ菌が増殖してしまうことがあります。ファンデーションを厚塗りすることでクレンジングを念入りに行う必要があり、肌に過剰な刺激を与えてしまいます。完全に落としきれなかったファンデーションが毛穴に詰まったままになりニキビが悪化することもあるため注意しましょう。
刺激の強いケア用品を使用しない。
ニキビを刺激すると炎症が悪化する可能性があります。刺激の強いものは使用せず低刺激やオイルフリーのスキンケアの使用がおすすめです。
ニキビをつぶさない。
自分自身でニキビを潰してしまうと周辺の皮膚も傷つけてしまい、さらにニキビが悪化しニキビ跡が残る可能性があります。ニキビを潰すことで細菌が侵入し新たなニキビが発生したり、炎症を起こしたりする可能性があります。
まゆりな式ニキビ跡改善治療
ライムライト
真皮層への熱作用でコラーゲン産生を促し、繰り返すことで徐々にお肌のでこぼこを改善します。その他、シミの治療やお顔のトーンの改善もできます。
ジェネシス
真皮層に作用してコラーゲンの増生を促し、お肌のでこぼこを改善します。その他、赤ら顔に対する治療にも用いられ、脱毛効果も有します。
ピコフラクショナル
ピコフラクショナルにより小さなダメージを与え、修復過程で、コラーゲンやエラスチンの増生を促し、肌の状態を改善します。繰り返すことで、徐々にでこぼこが改善されます。
ダーマペン4
小さな針で、ニキビ跡にわざとダメージを与えることにより、肌のターンオーバーを整え、コラーゲンやエラスチンの増生を促し、ニキビ跡を改善します。
C-OPERA
有効成分を肌の深層に届け、肌のターンオーバーを整えることにより、ニキビ跡を治す土台を作ります。
ハイドラフェイシャルアクアエラ
毛穴をキレイにすることで、新たなニキビができにくくします。ニキビ跡を治している最中に他のニキビが出現すると、全体の治療期間が長引いてしまうので、同時に新たなニキビの予防も欠かせません。
まとめ
できてしまったニキビの治療を十分に行わず放置しているとニキビ跡になる可能性が高くなります。ニキビ跡は市販薬などを用いて自力で治すことは難しく、ニキビ跡治療には保険診療は適用となりません。ダーマペンやピコレーザーを使用した治療が中心になります。即効性はないですが、何回か繰り返すことで改善されていきます。新たなニキビができないよう治療の間の予防治療も大切です。色素沈着を改善するためにビタミンCなどのビタミン剤やハイチオールなどを内服することも有効です。ニキビやニキビ跡の状態に合わせて複数の治療を組み合わせて行うことも効果的です。ニキビやニキビ跡は徹底的に治療することをおすすめします。