ニキビは内服薬で良くなるの?効果の期待できる内服薬を解説します!<医師監修>
- 2023.1.25
ニキビがなかなか治らなかったり、治ってもまたすぐ出来てしまったり、ニキビを治すにはどうしたらよいのかわからない、そのようなお悩みでお困りの方は少なくないと思います。
ニキビは内からも治療を始めると外用薬や美容施術との相乗効果もあり、早くニキビを治したい方には効果が実感しやすくなるはずです。
今回はニキビ治療に効果がある内服薬をご紹介します。
目次
ニキビの内服薬にはどんなものがある?
ニキビの治療はまず保険治療と自費治療に分ける事が出来ます。
保険診療:抗生剤・ビタミン剤
自由診療:低用量ピル・イソトレチノイン
保険診療と自由診療はどう違うの?
保険診療は、健康保険などの公的な医療保険制度が適用されますが、自由診療は公的な健康保険などが適用されない診療で全額が自己負担となります。負担額は増えますが、最先端の治療を行えるなどのメリットがあり、ニキビ治療でも自由診療の薬を内服していただく事で症状の早期回復に繋がるケースもあります。
保険診療の治療薬ってどんなものがあるの?
保険診療で処方する内服薬は主に抗生剤となります。抗生剤には細菌を殺菌する効果があります。
処方はクリニックによって様々ですが、実際には以下のような薬が処方される事が多いです。
抗生剤
・ミノマイシン
ミノマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質で、細菌のタンパク質の合成を阻害する事により増殖を抑えます。また抗菌作用だけでなく、白血球遊走抑制作用もあり、炎症を伴うニキビに効果があります。
・ビブラマイシン
ビブラマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質で、抗菌・静菌作用を併せ持っており、ニキビ治療によく用いられます。ミノマイシンと同様に炎症を伴うニキビに効果があります。
・ロキスマイシン
ロキスマイシンはマクロライド系の抗菌薬で、ニキビの原因となるアクネ菌に対して高い抗菌作用があります。最近のタンパク質の合成を阻害する事により増殖を抑えます。高濃度ですと殺菌的に作用し、細菌の発育を抑制します。
ニキビ治療に効果的な抗生剤は他にレボフロキサシン(クラビット)、ファロペネム(ファロム)、クラリスロイマイシン(クラリス)などがあります。
それぞれの内服薬は副作用が出る可能性があるので必ず医師の指示に従って使用してください。
保険治療で抗生剤以外にビタミン剤が処方されることもあります。主にビタミンB2・B6・C・Eなどです。代表的なビタミン剤をご紹介いたします。
ビタミン剤
・シナール
シナールは主成分であるアスコルビン酸にパントテン酸カルシウムを配合した内服薬です。
アスコルビン酸はビタミンCの事で、高い抗酸化作用があるのでニキビの赤みを鎮静させる効果が期待出来ます。また、新陳代謝を促進し、コラーゲンの生成を促す作用がある為、ニキビだけだはなく美白や美肌効果も期待出来ます。さらには腸内環境を整える事が出来るので、口元のニキビに対しても高い効果が期待出来ます。
パントテン酸は皮膚の代謝を正常にする働きがあり、皮脂の分泌量を正常に保つ働きがあります。また便秘にも効果があるので、特に口元のニキビに高い効果が期待出来ます。
シミや色素沈着、炎症性のニキビの治療に用いられます。
・ピドキサール
ピドキサールはビタミンB6を製剤化したもので、補給型のビタミンB6が配合されており、体内で生理機能をサポートします。皮脂の分泌を抑制する働きもあるので、脂性肌でニキビが治りにくい方は効果が期待出来ます。
自由診療の治療薬はどんなものがあるの?
自由診療でおススメの内服薬
・低用量ピル
低用量ピルはエストロゲン(女性ホルモン)がアンドロゲン(男性ホルモン)を抑える事でニキビを改善させます。
主に処方されるピルは以下の3つです
・フォボワール
・ヤーズフレックス
・マーベロン
ニキビに対する有効率は40~50%ほどで、服用後ホルモンバランスの変化で逆にニキビの悪化や肌荒れを起こす事もあります。生理痛やPMSなど婦人科系の悩みも一緒に改善したい時には有効的な治療薬と言えますが、ピルに関しては医師の指示に従い適切な服用を行う必要がありますので注意してください。
・イソトレチノイン
イソトレチノインはビタミンA誘導体の飲み薬で、日本では未承認の治療薬ですが、欧米諸国では20年以上使用にわたり使用されています。医師が輸入し処方することを除いて、個人が輸入することは禁止されています。イソトレチノインはニキビに対しての有効性が高いので効果も期待できますが、服用にあたりいくつか注意点がございます。
・妊娠中に服用すると胎児に奇形が生じる事があります。服用中と服用後の6か月は妊娠出来ません。妊娠を希望されている方や授乳中の方は服用できませんので注意してください。
・うつ病などで治療中の方や肝臓疾患で治療中の方など、医師が適応ではないと判断した場合は処方出来ません。
この治療薬には専用の同意書が必要となり、未成年の治療は保護者の方の同意が必要となります。
まとめ
ニキビを早期改善したい方はピーリングなどの美容施術と内服薬の併用もおすすめです。ニキビがなかなか治らずお困りの方は一度カウンセリングにお越しくださいませ。