コーヒーは健康にも美容にも良い!〈医師監修〉
- 2022.7.24
目次
イントロダクション
コーヒーは健康にいいのか?美容にもいいのか?とふと思うことはないでしょうか。
特に毎日飲んでいる方は気になりますよね。
結論から言うと、「ほどほどに飲んでいる分には体に良い」ということです。
では、コーヒーについて健康、美容の両側面から記載していきます。
健康に関するコーヒーの効果
日本人のデータで、心疾患死亡、脳血管疾患死亡、呼吸器疾患死亡については、コーヒー摂取による危険度の有意な低下を認めたという論文があります。
(Am J Clin Nutr. 2015 May;101(5):1029-37. doi: 10.3945/ajcn.114.104273. Epub 2015 Mar 11.)
コーヒーの中には、以下のような有効成分が入っており、これらが、上記の心疾患死亡や脳血管疾患死亡、呼吸器疾患死亡を減らしたのではないかと類推されております。
・クロロゲン酸
血糖値を改善し、血圧を調整する効果があります。その他、抗炎症作用があります。
・カフェイン
血管内皮の機能を改善する効果があります。また気管拡張作用があり、呼吸機能の改善効果があるとされています。
認知症も予防できるというデータ
最近の研究によってコーヒーに含まれるトリゴネリンという成分が神経突起の伸長を促進することで、認知症の予防効果があることが判明しています。
2021年にコーヒー摂取と認知症リスクとの関係について、日本人の研究結果が発表されました。コーヒー摂取量が多いほど認知症リスクが低くなり、特に1日2杯以上のコーヒーを摂取した人の認知症リスクは、ほとんど飲まなかった人の約50%となっていたと報告されました。(J Am Geriatr Soc. 2021 Dec;69(12):3529-3544.)
がんを予防できる可能性
がんの部位別に行われた研究では、コーヒー摂取と肝がん、膵がん、女性の大腸がんと子宮体がんのリスク低下との関連が示唆されています。(Am J Clin Nutr. 2015 May;101(5):1029-37. doi: 10.3945/ajcn.114.104273. Epub 2015 Mar 11.)
美容に関するコーヒーの効果
シミ予防効果
コーヒーを飲む習慣がある人はシミができにくいというデータがあります。コーヒーを1日2杯以上飲む人は、紫外線による顔のシミが少なかったということです。先述のクロロゲン酸のはたらきによって、シミの原因となる色素成分のメラニン生成が抑えられることが影響していると考えられております。
むくみ(浮腫)の改善でたるみやしわの予防
コーヒーには、利尿作用があるので、これによりむくみが改善されます。
むくみの改善は、目の下のふくらみの悪化やたるみによるほうれい線などのしわの予防にも効果があります。
ニキビにはデカフェのコーヒーを
ニキビは、コーヒーで悪化する可能性があります。原因はカフェインなのでデカフェのコーヒーにするとよいですカフェインの利尿作用により、ビタミンやミネラルが排泄されてしまいます。ビタミンBやビタミンCなどのビタミン、亜鉛などの不足は、ニキビの発生を誘導します。大量の砂糖やミルクが入っているカフェオレやカフェラテのようなコーヒーは、皮脂の過剰な分泌の原因になります。先述のクロロゲン酸はポリフェノールなので、その抗酸化作用でニキビの予防に効果があります。またクロロゲン酸は、肌の角質層の水分を増やしバリア機能の低下を防ぐ効果もあります。お肌が乾燥していると、ニキビもできやすいので、クロロゲン酸は有効成分と考えられます。したがって、ニキビにあまりよくない成分はカフェインなので、ニキビがよくできる方はカフェイン抜きのデカフェのコーヒーを飲むのが良いでしょう。
ダイエットにも効果あり
先ほどから何回も登場するクロロゲン酸は脂肪の吸収を抑えます。脂肪吸収が抑制されるため余分なカロリーが吸収されず、ダイエットにも効果があるのです。
では1日何杯飲めばよいのでしょうか。
1日4杯以上飲むと死亡率が高くなるということが統計的なデータがあります。
したがって2~3杯程度飲んでいれば、良さそうですね。
まとめ
コーヒーを飲むことにはメリットがたくさんあります。一方飲みすぎると、死亡率も上昇するので1日2~3杯程度にしておきましょう。
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴