なかなか治らないニキビこうして治す!ニキビから解放されたい人必見〈医師監修〉
- 2022.10.5
目次
はじめに
ニキビはでき始めると、次々に出てきて困りますよね。
治ったと思ったら、他の場所に出てきて、さらに次々に出てきます。いつになったら治るの?という不安も出てきますし、いったん治まったと思ったら、色素沈着するし、ニキビ跡は残るはでストレスになるし、そのストレスが原因でニキビは増産されるし、最悪な気持ちになります。
ですから、ニキビは、徹底的に治して悪循環を断つ必要があるのです。中途半端な治療だと時間だけが過ぎ、ニキビ跡だらけのお顔になってしまいます。
そこで今回は、ニキビ治療の種類と対処法をお伝えします。
ニキビの分類
ニキビの種類で治療法が異なりますのでまずはじめにニキビの種類を説明します。
●白ニキビ
面皰と呼ばれるものです。毛穴に過剰に分泌された皮脂や汚れが詰まっている状態です。白く盛り上がって先端が白いものです。
●黒ニキビ
白ニキビに詰まっていたものが酸化して黒くなったものです。
●赤ニキビ
汚くなった毛穴の中で細菌が繁殖し炎症を起こしている状態です。
●黄ニキビ
表皮ブドウ球菌なども一緒に繁殖し、炎症が強くなり膿をもった状態です。
治療法
対処が遅くなると、治りにくかったり、繰り返したり、ニキビ痕として残ってしまうため、治療が難しくなってしまいます。
そのため、ニキビは早めに医療機関への受診し治療開始することをおすすめします。
大きく分けて、保険診療での治療と保険適用外の治療があります。
保険診療の治療
保険診療の場合、効果が出るまでに2~3ヶ月程度かかる場合が多いです。
効果が出ないからといってすぐにやめてしまわないようにしてください。赤みが強く皮膚がただれてしまうなどの強い副作用症状が出た場合は、中止も検討しなければいけないため処方された医療機関にご相談下さい。
・保険診療の治療は、大きく分けて、4種類あります。
抗生剤(塗り薬、内服)、毛穴の詰まりを改善する薬、ビタミン剤、漢方薬、面皰圧出です。
●抗生剤(塗り薬、内服)
細菌で炎症を生じているニキビがあれば処方されます。
●塗り薬
例えば、アクアチムクリーム、アクアチムローション、ダラシンゲル、ダラシンローションゼビアックスクリーム、ゼビアックスローションなどがあり、医師の判断で何を使用するか決まります。
●内服
ルリッド、ミノマイシン、クラリス、クラリシッドなどの内服薬があります。
体の中から細菌を除去する方法ですが、デメリットもあります。長期間内服していると腸内細菌叢が乱れ、下痢などの症状が出る場合があります。最悪の場合、偽膜性腸炎という致死的な病態になる場合もあります。
●毛穴の詰まりを改善する薬
・ディフェリン(アダパレン)
毛穴の詰まりを取り除く作用があります。白ニキビから赤ニキビまでいろいろな段階のニキビの治療に用いられます。
・ベピオゲル
ベピオゲルの成分である過酸化ベンゾイルには古い角質や汚れをピーリングする作用の他、抗菌作用があります。ニキビの主な原因であるアクネ菌を殺菌します。毛穴の詰まりを改善しつつ殺菌するという薬です。注意点としては、ベピオゲルには漂白作用があることです。そのため、洋服や髪の毛が白くなってしまうことがあります。髪の毛や眉毛の生え際ギリギリの塗布はおすすめできません。
・デュアック
クリンダマイシンという抗生剤と、上記の過酸化ベンゾイルが配合された合剤です。
・エピデュオ
エピデュオは、アダパレン(デフェリンの成分)と過酸化ベンゾイル(ベピオゲルの成分)の合剤です。2つの成分で毛穴の詰まりとアクネ菌の殺菌を行うということになります。炎症が強い赤ニキビに有効です。
※ベピオゲルやディフェリン、デュアックに関しては、軽いピーリング作用があるため副作用として使い始めから1~2週間は赤くなったり、ヒリヒリ感、乾燥、皮のめくれが起きることが多々あります。塗り方は医師の指示通りに行って、副作用が出て心配であれば、受診しご相談する方がいいです。副作用がひどいからといって自身で中止すると、せっかくの効果を確認できないままになってしまうこともあります。(塗り始めて最初が我慢できれば、徐々におさまっていき、改善していくことが多いからです。)
●ビタミン剤など
ビタミンC
皮脂の分泌量を調整し、抗酸化作用もあるので炎症ニキビになるのを抑制します。
ビタミンE
抗酸化作用があるのでニキビの炎症を抑える作用があります。
ビタミンB2
脂質の代謝に関与しているため、不足すると、皮脂が多くなりニキビができやすくなります。
ビタミンB6
肌のターンオーバーの調子を整える役割があります。新陳代謝を促進し、古い角質層が早く剥がれ落ち、ニキビができにくくなります。
ハイチオール(L‐システイン)
皮膚のターンオーバーを整え、皮脂の過剰分泌を抑える作用があります。そのほか、美白作用もあるので、できてしまった色素沈着に対する効果や、ニキビ跡予防にも効果があります。
●漢方薬
荊芥連翹湯、十味敗毒湯、黄連解毒湯、当帰芍薬湯、桂茯苓丸加苡仁、清上防風湯などがあります。漢方薬だけで治るということはあまり無いと思います。標準的な塗り薬でいまいち効果がはっきりしない場合は付け足してもいいかもしれません。特に漢方薬の場合、効果も人それぞれなので、はっきりしない場合もあります。そして漢方薬だからといって副作用がないわけではありません。劇症肝炎や電化質異常などで重篤な状態になることもありますので漫然と内服を続けるのは要注意です。
●面皰圧出
物理的に中に詰まっている膿や古い角質溜まりを取り除く方法です。ニキビの治癒は早めますが、ニキビ跡が残るリスクがあります。
どうしても治らないニキビには保険適用外の治療(自費診療)を
●ケミカルピーリング
余分な角質を取り除いてターンオーバーの正常化を目指します。
●ライムライトなどのIPL治療
赤みを伴うニキビほど効果があります。
●C-OPERAなどのエレクトロポレーション
エレクトロポレーションで適度な保湿を行い、お肌の状態を改善します。トラネキサム酸導入によりニキビの炎症を抑えます。
●ダーマペン4を使用したマヌカフェイシャルやウーバーピール
マヌカハニーの力を用いて殺菌したり、ニキビに有効な成分が入った薬剤をダーマペン4で開けた小さな穴に入り込ませることでニキビをできにくくします。
日常のスキンケアも大切
これに関しては、以前のコラムの「顎ニキビをしっかり治したい!大人を悩ますニキビの対処法を教えます!〈医師監修〉」を参照してください。
腸内細菌の正常化がニキビの改善に効果がある?
腸内には、善玉菌と悪玉菌がいますが、善玉菌が多い方がよく、そのバランスが崩れると、お肌にも影響することが知られています。実際に乳酸菌やビフィズス菌内服でニキビが改善される場合もあるので、なかなか治らないニキビがある場合に一度試してみるのはいいでしょう。
ニキビ治療はいつから始めるか?
ニキビができ始めたらすぐに開始した方がいいと考えます。一般的には早いお子様だと小学生高学年、多いのは中学生頃からニキビができ始めます。小学校高学年、または中学校に入ったあたりの12歳前後からニキビ治療をしっかりと行っておけば、ニキビ跡になりにくくなります。
ニキビ跡になってしまうと、保険診療では治療できないため、診療費もかかってしまうので、なるべく跡を残さないようにしなければなりません。
ニキビ跡になったらどういう治療があるのか?
ニキビ跡は保険診療の治療はありません。その場合、ダーマペンや、ピコレーザーを使用した治療が中心になります。即効性はないですが、何回か繰り返すと改善していきます。その間も新たなニキビができないように予防治療も必要です。色素沈着を改善するためにビタミンCなどのビタミン剤やハイチオールなどを内服するのも有効です。
まとめ
「ニキビがひとつ、ふたつできています。」程度であれば、保険診療の治療で十分ですし、あまり炎症していないニキビであれば放置していても自然と改善していくことが多いです。中等症以上のニキビは患者様をものすごく悩ませます。次々とできるニキビに精神的に病んでしまう方もいるぐらいです。
ですからニキビは徹底的に治すことをおすすめします。保険診療で改善すれば、そのまま続けてください。改善が乏しければ、保険外診療(自費診療)も視野に入れ治療することが望ましいと考えます。