アトピー性皮膚炎の方への脱毛について<医師監修>
- 2022.5.15
目次
結論
アトピー性皮膚炎の方も脱毛はできます。ただし、以下のようなことに注意してください。
・アトピー性皮膚炎の症状が悪化している時は脱毛できない。
・色素沈着している部分は、脱毛器の種類や出力の調整が必要。
・塗り薬や内服薬を確認する。
アトピー性皮膚炎の方が脱毛するメリット
アトピー性皮膚炎の方のお肌は敏感です。
ムダ毛の処理をする場合、カミソリを使いますが、これが、アトピー性皮膚炎のお肌には刺激が強すぎるのです。
剃らなくてよい程度まで脱毛できれば、剃毛する機会がなくなり、お肌を痛めることがなくなるのです。
もちろん、脱毛レーザーが、お肌に全く影響がないとは言いません。
基本的には、レーザーは黒に反応していますので、毛によく反応するのですが、お肌のメラニンにも少し反応します。しかし、刺激程度は、剃毛に比べればかなり弱いです。
このような理由からアトピー性皮膚炎の方だからこそ脱毛をおすすめするのです。
色素沈着している部分のレーザー照射について
色素沈着している部分は黒みがかっているのでレーザーが反応しやすくなります。したがって、その部分はレーザーのエネルギーを調整する必要があります。
色素沈着がある場合は、バルジ領域を照射のターゲットにする蓄熱式を選択する場合もあります。
アトピー性皮膚炎の方は、医療機関で医療脱毛をしてください。
お肌の状態が敏感であるため、一人一人に合わせてエネルギー設定や脱毛器の機種選定が必要です。設定を見誤ると、悪化してしまうこともあります。また思わぬ悪化をきたすこともあります。その場合、医療機関であれば、適切な治療もできます。
アトピー性皮膚炎が悪化した場合
悪化しているときはいったん脱毛はお休みにしましょう。
悪化している部分に照射することは色素沈着の元になります。その場合は申し出てください。
塗り薬や内服薬の確認
ステロイドを塗布している場合、色素沈着のリスクが高まります。
ステロイドは光を吸収しやすいので、施術の際に照射されるレーザーを吸収しやすいのです。そのため、やけどや色素沈着、シミなどを引き起こす可能性があります。
ステロイドの内服薬でも同様で色素沈着を起こしやすくなることもあります。
しかし、絶対に自己判断でステロイド内服を中止しないでください。
ステロイドはストレスホルモンと言われており、ストレスに耐えるような役割をしているのです。ステロイドは自身の体でも作られていますが、内服中は、自身の体での産生が少なくなっています。急に中断すると、自身の産生が追いつかず、大変なことになってしまうのです。ですから、ステロイドの塗り薬や内服中の場合は、医師にご相談ください。
まとめ
アトピー性皮膚炎の患者様の脱毛は可能です。注意点がいくつかありますので、それらに注意してください。そして、万が一のことがあっても大丈夫なように医療機関で医療のレーザー脱毛をするようにしてください。
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴