今さら聞けない腋臭症(ワキガ)のお話<医師監修>
- 2022.12.15
目次
腋臭症
腋臭症とは、脇の下にある汗を出す器官であるアポクリン汗腺の過剰分泌が原因となります。特有な臭いを発する場合を言い、「ワキガ」とも呼ばれています。通常思春期から始まります。ワキガは臭いにより社会生活に問題を引き起こす遺伝性疾患です。アフリカや西洋、欧米などではアポクリン腺が多く、体臭や脇の臭いが強い人のほうが多数なので、ある程度生理現象として認識され不快に思う人も少なく治療する人はほとんどいません。そのため香水の文化が発達してきたとも言われています。アジアなどの東洋人は、臭いや衣服の黄ばみなどに嫌悪感を抱く傾向があり、悩んでいる方は潜在的に多いと言われています。また、日本人の場合約10%の方がワキガと言われています。皮膚にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類の汗腺がありますが、腋臭の原因となるのは主にアポクリン腺の分泌亢進が原因です。エクリン腺は全身に分布し水分を汗として分泌することで体温調節を行っています。エクリン腺から分泌される汗は無色無臭でさらさらしていて直接皮膚から分泌されます。アポクリン腺は脇の下だけでなく、耳の外耳道、まぶたの縁、鼻、乳輪、外陰部などの毛穴に分布し、アポクリン腺から出る汗はねばりけがあり毛穴を通して出るため皮脂と混ざり合い脂質とタンパク質が皮膚表面の細菌の作用で分解され特有の臭いを生むとされています。アポクリン腺は耳の中にも存在しており、湿性耳垢の8割程度が腋臭症に罹患していると言われています。アポクリン腺の発達には遺伝的素因、思春期に発達するため性ホルモンなどが関与するほか、腋毛の量、ストレスや緊張などの精神的素因、スポーツによる発汗も臭いの発生に関係していると言われています。その程度は個人差があり、程度が強ければ腋臭症と診断できます。赤身肉や動物性脂肪やコレステロールの摂取などで臭いが増強するという報告もありますが、現時点では十分な科学的根拠はなく関連性は不明瞭です。
腋臭症の症状
・脇に汗染みができやすい
・脇の臭いが気になって制汗剤が手放せない
・家族や親戚にワキガの人がいる
・衣類の脇の部分が黄色シミになる
・腋毛から白い粉が吹いたり付着したりする
腋臭症の客観的診断
ワキガは自分で気づくのはなかなか難しいです。自覚症状と他覚症状で総合的に判断します。問診や脇などにガーゼを挟んでいただき、臭いを確認するガーゼ法で判断することもあります。他人に臭いを指摘されたことがあるかも大切な判断材料です。臭いの自覚がある方や本人の気にしすぎの自臭症の方、本人は気づかず周辺の家族などが気になり一緒に来院される方もいらっしゃいます。
腋臭症の治療法
保険適応外の治療も含まれます。
保存的治療
腋臭症の治療はまず不規則な日常生活など生活習慣を見直すところから始まります。こまにシャワーを浴びたり、入浴の際に薬用せっけんを使用したり、日中アルコール綿で拭いたり、レーザー脱毛をしたり、天然素材の衣類にしたり、市販の制汗剤も一定の効果を出すことがあります。医療用のボツリヌストキシン製剤の局所注射や継続加療が必要ですが塩化アルミニウムローション塗布で汗の量を減らす方法も有効とされています。レーザーなどによる脱毛法、イオン導入法(イオントフォレーシス)もある程度の効果が得られており、最近では若年齢で行った場合思春期以降に臭いが出る可能性もありますが、身体的負担が少ないマイクロ波や超音波を利用してアポクリン腺を破壊する治療機器の有効性が報告されています。
手術療法
手術治療の適応は臭いが強く発汗量が中程度以上の方の場合です。臭いの感じ方には個人差がありますが、臭いがごく軽い場合には手術の適応はありません。また、かなり汗の量が多い多汗症の場合は治療も異なります。胸部交感神経節ブロックまたは切除法を胸部外科や麻酔科に依頼することがあります。手術は脇の下の皮膚切開からアポクリン腺の分布している層を外科手術用はさみ剪刀(せんとう)で皮膚の裏側から切除する皮弁剪除法が最もよく行われています。一般的に行われている数少ない保険適応の手術療法の一つです。最近では剪刀の代わりに切除用のクアドラカット法、超音波吸引法などの方法もあります。また原始的な手術方法ですが脇の下の皮膚ごと切り取り縫い縮める切除法やそれらを組み合わせた方法などもあり、切開する傷の位置や大きさは様々です。方法による違いはありますが、9割以上の方は強い臭いが減少します。ただ、個人差はありますが手術で完全に臭いを取り去るのはかなり困難で、臭いの後戻りが起こります。これらはアポクリン腺の除去を脇の下の全範囲で完全に行うことが難しいためです。手術後起こりうる合併症は、傷が治るまでの期間には皮膚の下に血の固まりや膿をもってしまい、結果として皮膚壊死などがあります。その予防のためには術後の安静が重要です。術後はガーゼを脇の下に大量に硬く当てる固定法をよく行います。また腕を動かし過ぎないなどの生活上の制約が一定期間必要になります。また、手術後数カ月の間は皮膚の引きつれや色素沈着などが生じます。次第に改善しますが、手術による瘢痕は永久に残ります。また脇毛の減少も認めます。
まゆりな式切らないワキガ治療
従来、多汗症・ワキガ治療といえば、手術でメスを使い、汗腺を除去するものが中心でした。しかし、手術は皮膚壊死や皮膚のひきつれ、感覚障害などのリスクが伴います。そこで安全かつ効果がある治療としてミラドライやハイフドライが開発されました。ミラドライやハイフドライは傷跡を残さず治療ができます。手術は、汗腺を外科的に除去しますが、傷跡が残り、最悪の場合、皮膚の壊死を起こすこともあり、リスクが高くなります。ボトックス治療は一時的(3~4カ月程度)な制汗作用があります。塗り薬には、保険適応のエクロックゲルやラピフォートワイプ、自費診療の塩化アルミニウム外用薬、パースピレックスなどがありますが、根本的に治す治療ではありませんし、効果も短期間です。根本的に治療するにはミラドライ、ハイフドライ、手術になります。まゆりなclinicでは、安全かつ効果的なミラドライやハイフドライの治療を推奨しています。ミラドライは、マイクロ波を使い、多汗症・ワキガの原因となるアポクリン腺やエクリン腺を破壊します。破壊された汗腺は半永久的に再生しません。皮膚を切開する治療ではないので、術後の傷も残りません。Vラインの臭いの元であるスソワキガの治療も可能です。ハイフドライは、Newダブロの高密度焦点式超音波とラジオ波(RF)で汗腺を弱らせます。ミラドライとの相乗効果が期待できます。Vラインの臭いの元であるスソワキガの治療も可能です
こんな方におすすめ!
〇脇汗が多い方
〇ワキガの方
〇Vラインの臭い(スソワキガ)が気になる方
〇痛い治療はしたくない方
〇長い効果を求める方
〇ダウンタイムが短い方がいい方
〇他の治療で効果が乏しかった方
まとめ
まゆりなclinic名古屋栄では、ミライドライやハイフドライを用いたワキガや多汗症、スソワキガ(陰部周囲のワキガ)などの治療を行っています。デリケートな部分のため、人には相談しにくくお一人で悩んでいらっしゃる方も少なくないかと思います。カウンセラーや看護師が患者様お一人お一人のお悩みに対して親身にお話を伺いますのでご安心して来院下さい。