肝斑って?治療法ご存知ですか?<医師監修>
- 2022.9.23
シミでお悩みの患者様がたくさんご相談にいらっしゃいます。もしかすると、紫外線が原因のシミではなく肝斑かもしれません。シミの正体をきちんと知り、正しい治療を行わなければシミの悩みは解消されません。
目次
肝斑とは
肝斑は30~40歳代で発症し、症状が見られるのは50歳代後半までです。個人差はありますが、閉経とともに薄くなったり消滅したりする傾向にあります。妊娠や出産、低用量ピルや経口避妊薬、更年期の始まりが発症を促進したり肝斑を悪化させたりすることから女性ホルモンのバランスの乱れなどが影響していると考えられています。ストレスでホルモンバランスが乱れることも一因です。肝斑は頬骨辺りや額、口の周辺などにシミが左右対称に現れるという大きな特徴を持っています。輪郭がはっきりしない薄い褐色で広い範囲にもやっと広がっているなどの特徴があります。シミに悩む女性の3人に1人の36%が肝斑の疑いがあると言われています。女性ホルモンが主な原因と考えられている肝斑ですが、摩擦が原因で肌のバリアが破壊され肝斑が悪化することもあるためメイク落としやスキンケアをする際も肌に負担をかけないよう摩擦には十分気をつけましょう。肝斑は圧倒的に女性に多いシミですが、ごく稀に男性にもできる場合があります。
肝斑とシミの違い
日焼けなど紫外線の影響でメラニンの過剰生成が原因でできるのが一般的なシミ(別名:老人性色素斑)と言われます。加齢に伴って発生する最も発生率の高いシミです。長時間紫外線を浴びることで顔・首・手・背中など露出している肌ならどこにでも発生します。紫外線を浴びた直後に発生するのではなく、それまでに受けた紫外線ダメージの蓄積がシミとなって現れます。特に30代後半から40代以降に多く発生し目立つようになります。老人性色素斑は代表的なシミです。肝斑は、一見一般的なシミと見分けがつかない場合がありますが、頬骨に沿って両方の頬に左右対称の形で発生するのが最大の特徴です。主に女性ホルモンのバランスが影響してできるのが肝斑です。紫外線が原因のシミである老人性色素斑は茶色い楕円形で輪郭もはっきりとしているのに対して、肝斑は薄茶色で輪郭がぼんやりとしたシミができます。できてしまったシミが肝斑だった場合、安易に老人性色素斑と判断してレーザーで治療してしまうとさらに状態を悪化させてしまう可能性があります。特に色が淡いものは必ず専門医に診断してもらいましょう。
肝斑のタイプ
・ぼんやりと蝶々の羽のように広がったタイプ
目の周りを避けるように両頬にぼんやりと広がっています。面積が広いと顔全体がくすんだ印象になり、老人性色素斑と重なって薄く広がっているケースもあります。
・頬骨に沿って筆で書いたように出るタイプ
ほほ骨にちょうど沿うように、左右対称に筆でかいたようなシミです。
・左右に広がっているが左右で大きさが違うタイプ
頬骨に沿って左右に現れますが、大きさや形や位置が左右で異なるケースです。
・こめかみに小さく広がっているタイプ
チビ肝斑とも呼ばれるタイプで目尻の下のあたりに小さく広がっているケースです。
・額や口周辺にも出るタイプ
頬骨に左右対称に広がる肝斑に加えて、額の中央や口周辺などにも広がっているタイプです。
肝斑ができやすい部位
頬
頬は特に肝斑ができやすい部分です。両方の頬骨の張り出した位置を中心にぼやっと茶色いシミが現れることがほとんどです。広範囲に出る場合は頬骨を中心に頬全体に広がることもあります。老人性色素斑やADM(後天性メラノサイトーシス、両側性遅発性太田母斑様色素斑)などの他のシミと見分けることが難しく、シミ治療で注意が必要です。
額
額にもできることがあります。範囲は眉の上から髪の毛の生え際付近までで、ぼんやりとしたシミが現れます。一方、眉の下や目の周りにはできないのが特徴的です。
口周り
肝斑は口周りにも、口を縁取るように一周囲むような肝斑が現れる場合もあります。人によってはアゴの近くまで広がることがあります。ぼんやり口ヒゲのように鼻下に肝斑が広がって現れることもあります。
肝斑は自然に消える?
肝斑は30代から40代の年代において特に目立つものですが、閉経して女性ホルモンの乱れが落ち着く60代以降に自然と薄くなるというケースも存在します。稀なケースで個人差はありますが、完全に消えることも確認されています。
肝斑の治療法
一般的なシミと肝斑とでは治療法が大きく異なるため、まず肝斑かどうか適切な診断が重要です。肝斑の場合、主に内服薬で治療します。基本的にトラネキサム酸の内服が効果的です。肌の刺激に影響を受けやすい肝斑はレーザーなどで治療するとかえって悪化する場合があり注意が必要です。また、一般的なシミと肝斑が混在している場合も多くしっかりと状態を把握する必要があります。トラネキサム酸の効果を確かめるためには1回2錠、1日2回の服用を1カ月は続け、改善が認められたらさらに1カ月、2カ月の服用で十分な改善効果があるとされています。肝斑は一度改善してもまた発症することもあります。再発した場合は、2カ月の間隔をあけて再び服用を始めることができます。肝斑は、女性ホルモンの影響が原因とされていますが、紫外線の影響で濃さが変化することがあります。一般のシミ予防と同様に日焼け止めや日傘などで紫外線対策を日常的に行うことも大切です。マッサージや擦り洗いなど肝斑への接触刺激が悪化の原因にも繋がるので注意しましょう。当クリニックでは、ピコトーニングでの治療も行っています。ピコトーニングは低出力のレーザーを照射することで、顔全体のメラニンの生成を抑えて美白と肌質改善を目指す施術です。肌のトーンを改善し、顔の印象を明るくします。美白・ハリ・毛穴などに効果があります。低出力で照射することにより、パワーが強いレーザーだと悪化してしまう肝斑や薄いシミ・そばかすに効果的にアプローチできるのも特徴です。他にはC-OPERAでトラネキサム酸を導入する方法もあります。C-OPERAは、肌をクーリング(クライオ)しながらエレクトロポレーションと超音波導入(ソノフォレーシス)が同時にできる美容治療器です。この3in1システムは世界初です。レーザー治療やピーリング治療、ダーマペンなど発赤や火照りを生じる治療後にクライオ機能で鎮静化させつつ、同時に美容に有効な薬剤や美容液をエレクトロポレーションと超音波(ソノフォレーシス)で皮膚に導入することが可能です。皮膚表面を冷却しながら有効成分を同時に効果的に肌に導入します。お肌は本来、角質層から肌内部に細菌や毒などが侵入するのを防ぐバリア機能が備わっています。これにより、化粧品類は角質層から下の真皮層までは浸透しません。C-OPERAは、エレクトロポレーションとソノフォレーシスにより細胞膜および細胞間の隙間を開け、有効成分を浸透させます。したがって、エレクトロポレーションだけでも非常に効果はありますが、ソノフォレーシスを加えることにで、より深層に有効成分が入り込みます。通常の治療では、浸透しない美容成分を肌の奥にある真皮層にまで届けることができるため、肌の中では細胞分裂が活発になり、お肌の若返りが促進されハリのある瑞々しいお肌の質感が期待できます。C-OPERAは、針を使わないので痛みやダウンタイムがありません。治療後にはすぐに細胞膜や細胞間の隙間が閉じますので、施術後のアフターケアの必要性もありません。レーザー治療やIPL治療、ダーマペン治療と合わせて使うと相乗効果もあります。肝斑に有効なトラネキサム酸をC-OPERAで導入することも可能です。
まとめ
まゆりなclinic名古屋栄では肌診断機を用いて専門医が的確な診断を行い、お一人お一人の様々なお悩みに対して最適な治療をご提案いたします。カウンセリングは無料ですのでどんな悩みでもお気軽にご相談ください。