美肌の効果が期待できるシナールとは?<医師監修>
- 2022.9.3
目次
シナールとは
シナールの名前の由来は、ビタミンCの「C」と「肌が白くなーる」から、「シナール」と名付けられました。シナールとは、主成分がアスコルピン酸(ビタミンC)とパントテン酸(ビタミンB5)の複合ビタミン剤のことです。シミやそばかすの予防をはじめ様々な美肌効果が期待できます。シナールは、アスコルビン酸の持つ抗酸化作用やコラーゲンの生成、メラニン色素抑制などの働きを助けるパントテン酸を配合し効果を高めた薬です。ビタミンCは尿と一緒に排出されやすいため、摂取しすぎる心配はありませんが、その分効果が実感できるまでに時間がかかります。最低でも1ヶ月ほど飲み続けるようにしましょう。
シナールの効果
シナールは主にシミやニキビなどを改善するための美容目的で服用する人が多いビタミン剤です。シナールに配合されているアスコルビン酸は、メラニン色素を抑える働きがあります。また、アスコルビン酸には抗酸化作用もあるためシミの原因になる紫外線などのダメージから細胞を守って新たなシミの発生を防ぐほか、抗酸化作用によって肌の細胞が整えられることからニキビの予防も期待できます。さらに、年齢と共に減少していくコラーゲンの生成を促して乾燥肌を防ぎ、ハリやツヤのある若々しい肌につながる効果もあります。ビタミンCは汗や尿で排出されやすいため、用法容量を守り長期間で継続的に服用することが大切です。
シナールでニキビ跡は消える?
残念ながらすでにできてしまったニキビ跡を消してくれる可能性はかなり低いと考えられます。ニキビ跡は、ニキビに伴う炎症による過剰なメラニン色素の生成によって形成されますが、できてしまったニキビ跡を改善するにはメラニン色素を肌のターンオーバーにより排出するか、メラニン色素を還元するしかありません。ビタミンCには肌のターンオーバーを促進する作用はありませんが、メラニン色素の生成を抑制する作用とメラニン色素を還元する美白作用があります。ニキビ跡にあまり効果が期待できない理由は、ビタミンCはメラニンを還元する作用よりも、メラニンの生成を抑制する作用が強いことです。ニキビ跡の改善よりも日々受ける紫外線によるシミやそばかすの原因であるメラニンの生成を抑制するために使われます。また、体内でビタミンCが必要とされる部位の優先順位が関係しています。体内でビタミンCが最も必要とされる部位は脳、次いで副腎、白血球です。脳、副腎、白血球でほとんどのビタミンCが消費されています。ビタミンCに限らず栄養素は生存するために重要な場所で優先的に消費されるため、肌での作用は後回しにされてしまうのです。そのため、既にできてしまったニキビ跡を改善するには高用量のビタミンCを長期的に摂取しなければなりません。それでも完全に消すのは難しく、薄くなる程度でしょう。
シナール配合錠とシナール配合顆粒の違い
シナールには、シナール配合錠とシナール配合顆粒の2種類があります。シナール配合錠はタブレット型でシナール配合顆粒は粉末状で薬の形が異なるだけで、配合される成分や1回分の量に含まれている有効成分の量、期待される効果や副作用は変わりません。飲みやすい形状を医師と相談して決めることをおすすめします。錠剤が苦手で飲みにくい方はシナール配合顆粒を選ぶとよいでしょう。
シナールの飲み方
通常、成人にはシナール配合錠を1回1~3錠、またはシナール配合顆粒を1回1~3gを1日1~3回水または白湯で舐めずに飲み込んでください。体がビタミンCを一度に吸収できる量は決まっているため、まとめて飲んでも効果が増大するわけではありません。身体の需要量よりも過剰なビタミンCが摂取された場合、余ったビタミンCは体内で「シュウ酸」に変換され、尿と一緒に排出されます。しかし大量に摂取するとビタミンCが消化管を刺激することによる吐き気や下痢などの消化器症状やシュウ酸による腎結石・尿路結石を引き起こす可能性があります。1日数回に分けて規則正しく続けることが効果的です。シナール配合錠・配合顆粒に飲み合わせの悪い薬はありませんが、服用中に他の治療を受けるときは医師にご相談ください。ビタミンCに限らず身体に良いからといって極端に特定の栄養素を大量に摂取することはおすすめしません。厚生労働省が推奨しているビタミンCの摂取量は100mgです。個人差はありますが、1日1000mg以上を摂取すると軟便や下痢、吐き気が見られることがありますので注意が必要です。
シナールの副作用
シナールは、ビタミンCを主成分としていて水溶性であり、代謝・排出がされやすいことから安全性が高く大量摂取による副作用も起こりにくいといわれています。シナールの服用で考えられる副作用は下痢、嘔吐、胃の不快感、悪心などです。報告されている副作用はいずれも消化器系の症状です。主成分のアスコルビン酸に下剤に似た作用があるためです。症状がでた場合は一旦服用を中止し、いつまでも続く場合はかかりつけの医師に相談しましょう。シナールを服用する上での注意点は、糖尿病や肝機能障害の検査に影響が出る場合があるという点です。また、尿検査において各種検査値が偽陰性になることがあることが挙げられます。これはシナールに含まれるビタミンCの作用によるものです。偽陰性というのは、本来「異常あり」が「異常なし」と検査結果が出てしまうことです。便潜血検査も偽陰性にしてしまう可能性があります。シナールを服薬中の方が尿検査や便検査を受ける場合、事前に主治医に相談しましょう。妊娠中や授乳中でもシナールを服用しても問題はありませんが、あらかじめ服用前に担当医に相談すると良いでしょう。シナールを服用することで白髪が増えるという話がありますがそのような医学的根拠や研究結果・データはありませんのでご安心ください。
保険適用で処方される場合
シナールは医薬品です。処方には医師による診察が必要です。シナールが保険適用で処方される目的は消耗性疾患、妊産婦、授乳婦などアスコルビン酸(ビタミンC)及びパントテン酸が不足し食事からの摂取が難しい場合の補給と炎症後の色素沈着予防の場合です。シミやそばかすの改善など美容に関する処方は自由診療となり保険適用にはなりません。
処方薬のシナールと市販薬のシナールとの違い
有効成分の種類と配合量に違いがあります。市販薬にはビタミンCやパントテン酸以外の他の成分が配合されている場合やパントテン酸が含まれていないなどの違いがあります。処方薬シナールには含まれていないが市販薬に配合されていることが多い成分は以下のものがあります。
L-システイン
タンパク質を構成するアミノ酸の一種で、特に肝臓の解毒作用や皮膚の代謝に関係しています。シミの原因となるメラニン色素の生成を抑え、体外への排出を促す作用があります。シミやそばかす、日焼け、かぶれなどの対策としてビタミンC、ビタミンB類などとともに用いられます。
ビタミンB2・B6
皮膚や粘膜の正常な働きを助けます。
ビタミンE
強い抗酸化作用により、細胞の正常な働きを助けます。血行促進作用があり、皮膚の新陳代謝を高め、メラニンの排出を促します。
まとめ
シナールは身体の様々な代謝に関わるビタミンCとその働きを助けるパントテン酸が配合されており、美肌への効果が期待できます。水溶性ビタミンのため排泄されやすく効果を感じるためには毎日継続して服用することが大切です。
シミやそばかすがなく白く若々しい理想の肌を手に入れるために施術と内服薬を併用することもおすすめです。まゆりなclinic名古屋栄では各種内服薬も取り揃えています。カウンセリングは無料ですのでお気軽にご相談ください。