ボトックスで花粉症・アレルギー性鼻炎の症状緩和ができる!〈医師監修〉
- 2022.7.30
目次
イントロダクション
毎年、花粉症で悩んでいる方は多いですよね。病院にいって、抗ヒスタミン薬のアレグラ、アレジオン、クラリチン、タリオン、ビラノアなどの薬を処方された方も多いと思います。
その他、ステロイドや点鼻薬などを処方される場合もあるでしょう。
処方された薬で症状が緩和して日常生活が平穏に暮らせればそれで良いと思います。重症の花粉症の方は、なかなか症状が改善せず、何かいい方法はないのかと探している方も多いのではないでしょうか。
アレルギー性鼻炎とは
アレルギーとは、異物に対する免疫システムの過剰な働きにより起こるものです。
アレルギー性鼻炎とは、花粉やハウスダストやカビ類、動物の毛などによりアレルギーによる鼻炎症状が出現するものです。
アレルギー性鼻炎の三大症状は、くしゃみ、鼻水(鼻汁)、鼻づまり(鼻閉)です。
花粉症もアレルギー性鼻炎の一種です。
アレルギー性鼻炎が成り立つメカニズム
- アレルギーの原因物質(アレルゲン又は抗原と言います。)が体内に入ると、異物に反応してマクロファージが集まり、アレルゲンを貪食します。アレルゲンの情報をリンパ球に伝えます。リンパ球はアレルゲンを認識して、IgEという抗体を作ります。IgE抗体は血液や粘膜内にある肥満細胞(マスト細胞)に結合します。
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- 再びアレルゲンが体内に入ると、IgE抗体が結合した肥満細胞(マスト細胞)の表面で、アレルゲンと抗体は結合します。
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- すると、化学伝達物質であるヒスタミン、ロイコトリエンなどが肥満細胞(マスト細胞)から放出されます。ヒスタミンは知覚神経を刺激してくしゃみや鼻水(鼻汁)を、ロイコトリエンは鼻粘膜の血管を刺激して鼻づまり(鼻閉)を起こします。
アレルギー性鼻炎の通常療法
・アレルギーの原因物質(アレルゲン、抗原)を除去、回避
マスクをする、お部屋の掃除、ペットが原因の場合、可能であれば、飼うのをやめるなどの対応をする必要があります。
まずは、アレルギーの原因物質の除去、回避は必須です。
・薬物療法
- ケミカルメディエーター遊離阻害薬
くしゃみ、鼻づまり、鼻水すべてに有効。代表的薬剤:リザベン、アレギサールなど。
- 抗ヒスタミン薬
・第一世代抗ヒスタミン薬
くしゃみ、鼻水に効果があります。眠気、口が乾く(口喝)などの副作用が強く出る場合があり、車の運転をする方には不向きです。前立腺肥大症や緑内障の方には禁忌の場合があります。代表的薬剤:レスタミン、ポララミンなど。
・第二世代抗ヒスタミン薬
第一世代に比べ、副作用が軽減されている場合が多いです。
眠気がほとんどなく車の運転が可能な薬剤もあります。
代表的薬剤:アレロック、アレグラ、アレジオン、タリオン、クラリチン、ビラノア、ルパフィン、ザジテン、デザレックスなど。
- 抗ロイコトリエン薬
鼻閉に効果あります。代表的薬剤:オノン、シングレア、キプレスなど。
- 抗プロスタグランジンD2、抗トロンボキサンA2薬
鼻の粘膜や気管支などでアレルギー反応などを引き起こす物質のトロンボキサンA2を阻害します。好酸球などのプロスタグランジンD2受容体に結合し、炎症細胞の遊走や脱顆粒を抑える作用もあります。
代表的薬剤:バイナスなど
- Th2サイトカイン阻害薬
Th2リンパ球に働きかけ抗体を産生できにくくします。
代表的薬剤:アイピーディー
- ステロイド薬
免疫反応を抑制し、アレルギー反応を抑えます。
代表的薬剤:プレドニンなど
- 点鼻用血管収縮薬
交感神経のα1受容体を刺激する作用で、主に鼻粘膜の毛細血管を収縮させ充血を改善することで鼻づまり(鼻閉)を改善します。
代表的薬剤:プリビナ、トラマゾリン
- 生物学的薬剤
IgEと肥満細胞(マスト細胞)の結合を阻害します。
代表的薬剤:ゾレアなど
・減感作療法
皮下に注射又は、舌下で抗原エキスを体に入れていく方法です。簡単に言うと、体が抗原を抗原と感じなくするという方法です。2~3年要します。全員ではなく、約70%の人に有効と言われております。効いた場合、根治が可能になり得る治療です。
代表的薬剤:シダキュア、アシテア、ミティキュアなど
・手術療法
鼻の中の下鼻甲介という部分の粘膜を切除する方法があります。最近は、レーザーで治療し、日帰りで施術が可能な場合もあります。鼻づまり(鼻閉)以外にも鼻水(鼻汁)やくしゃみにも効果があります。
ボトックス(ボツリヌストキシン)が花粉症・アレルギー性鼻炎に効く理由
ボトックス(ボツリヌストキシン)が副交感神経をブロックします。それにより、鼻水(鼻汁)が少なくなるのです。注意点としてはアレルギーそのものを治すものではないということです。あくまで対症療法です。ちなみに鼻に近い目にも作用するのでアレルギー性鼻炎による不快な涙を抑えるという効果もあります。
ボトックス治療の適応があるアレルギー性鼻炎の方
- 鼻水(鼻汁)が多すぎて困る方
- 抗ヒスタミン薬で眠気やだるさ・お口の乾燥感の副作用が耐えられない方(※)
- 重要なイベントが控えていてとりあえずすぐに症状を緩和したい方
- 現在の治療にプラスワンの効果を期待したい方
- 重症花粉症の方
※なるべく標準的な治療(抗ヒスタミン薬など)を優先してください。
効果持続期間
1回のボトックス治療で、個人差はありますが、施術後24時間程度で効果が現れ、約3~6週間程度持続します。1シーズンで2~3回のボトックス治療する方もいらっしゃいます。
まとめ
花粉症の症状は大変ですよね。標準的な治療が物足りない場合は、ボトックス(ボツリヌストキシン製剤)というのも一つの手段です。アレルギー性鼻炎の治療としては、通常の薬物療法以外にも減感作療法や手術などもあります。減感作療法は、根治治療に近い治療ですが、年単位の時間がかかります。しかも効果があるのは70%程度なので、時間をかけた割には効果がない可能性もあり、患者様が躊躇されることが多くあります。手術は、当然痛みも伴いますし、入院が必要な場合もあります。
ボトックス(ボツリヌストキシン)治療は、即効性もあり、痛みもない(※)ので、比較的気軽にできるのではないでしょうか。※アレルギー性鼻炎に対するボトックスは、注射ではありません。
どうしても症状を改善したい場合は、是非ご相談下さい。
公式サイトより無料のカウンセリング予約を行っておりますので、お申込みの上、当院までお越しください。
施術の流れ
- 無料カウンセリングの申し込み(ホームページ、LINE予約から可能)
- 御来院にて無料カウンセリング
- カウンセリング後、施術(ボトックスの薬剤を綿球に染み込ませ、鼻腔に入れ、5~10分程度留置します。)
- 効果は3~6週間程度持続します。
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴