ミラドライとワキガ手術はどっち?ボトックス・塗り薬・ニードルRF・HIFUも比較|名古屋
- 2026.10.14
ワキガ・多汗症の治療には、ミラドライ、手術、ボトックス、外用薬、ニードルRF、HIFUなど複数の方法があります。「一番効果が高いのは?」「傷跡を残したくない場合は?」「できれば1回で長く効いてほしい」と考える方も多いと思います。
当院の結論としては、傷跡を残さず、汗とニオイの両方へ長期的な改善を目指し、できるだけ少ない治療回数で終えたい方では、総合的にミラドライを第一選択として提案することが多いです。
ただし、すべての方にミラドライだけが正解というわけではありません。汗を数か月だけ抑えたいならボトックス、軽症なら外用薬、ニードルRFやHIFUにもそれぞれ役割があります。重度の腋臭症で、傷跡やダウンタイムを許容してでも強いニオイ改善を希望する場合には、手術が適することもあります。
💡「ミラドライ/ハイフドライ(切らない多汗症・ワキガ治療)」の治療ページはこちら
目次
まず6つの治療を比較

※効果には個人差があります。「◎」は全員で完全に症状がなくなるという意味ではありません。
手術|ニオイを強く減らせる一方、傷跡は避けられない

ワキガ手術では、剪除法や皮下掻爬法などによってアポクリン汗腺を外科的に除去・破壊します。特に強い腋臭症に対しては高い改善度を期待できる治療です。
一方、皮膚を切開する以上、手術創そのものは必ず生じます。 傷跡がどの程度目立つかには個人差があり、時間とともに目立ちにくくなる場合もありますが、「傷跡が全く残らない手術」ではありません。
実際、手術・ニードルRF・マイクロ波治療を比較した76例の研究では、手術群で最も合併症が多く、術後の瘢痕形成は87.9%に認められました。一方、マイクロ波治療は3群の中で最も良好な安全性プロファイルを示しました。
別の長期比較研究では、腋臭症の改善度そのものは手術の方が高かった一方、長期的な合併症は手術群にのみ認められています。
したがって、「とにかくニオイを最大限減らしたい。そのためなら傷跡やダウンタイムも受け入れられる」という方では手術も選択肢です。一方、傷跡を残したくない方にはミラドライなどの切らない治療の方が向いています。
ボトックス|汗にはよく効くが、効果は一時的

ボトックスは、汗腺へ発汗の指令を送るアセチルコリンの放出を抑えることでワキ汗を減らします。汗に対する効果は高く、ランダム化比較試験でも有効性が確立しています。
ただし、汗腺そのものを破壊する治療ではないため、効果は時間とともに弱くなります。 一般的には3~6か月程度を目安として説明されることが多く、研究でも初回治療の効果持続中央値が4~6か月程度という報告があります。一方、製剤や投与量、個人差によって6~7か月以上続く場合もあります。
そのためボトックスは、夏だけ汗を抑えたい、イベント前に汗を減らしたい、まず一時的な治療から試したいという方には非常に使いやすい治療です。
ただ、毎年あるいは数か月ごとに繰り返すことを考えると、「できれば1回で長期的な改善を目指したい」という方ではミラドライの方が合いやすくなります。
また、ボトックスは主に発汗を抑える治療です。汗が減ることでニオイも軽減することはありますが、アポクリン汗腺そのものを破壊する治療ではありません。2024年のミラドライとの左右比較RCTでも、両方で汗は改善しましたが、ニオイの有意な改善が1年後まで維持されたのはマイクロ波治療側でした。
塗り薬|軽症では使いやすいが、毎日の使用とかぶれが問題になることがある

原発性腋窩多汗症には、ソフピロニウム臭化物ゲルなどの外用抗コリン薬や、塩化アルミニウム製剤などがあります。
外用薬のよいところは、切らず、注射もせず、自宅で治療できることです。軽度の多汗症や、まず負担の少ない治療から始めたい方には適しています。
一方で、治療している間だけ汗を抑える方法なので、基本的には継続使用が必要です。また、塗布部位の刺激・かゆみ・皮膚炎、いわゆる「かぶれ」が問題になる方もいます。
日本人を対象としたソフピロニウムの52週間試験では、適用部位皮膚炎が約25~33%で報告されています。2026年のメタ解析でも、ソフピロニウムではvehicleと比較して適用部位皮膚炎、かゆみ、疼痛などが増えることが確認されています。塩化アルミニウムでも皮膚刺激が生じることがあります。
また、外用薬は基本的に多汗症の治療であり、ワキガの原因となるアポクリン汗腺を破壊する治療ではありません。そのため、汗だけでなくニオイも長期的に改善したい場合にはミラドライなどのエネルギー治療を検討します。
ニードルRF|ワキガ・多汗症ともエビデンスが増えている

ニードルRFは、細い針を皮膚へ挿入し、針先から高周波エネルギーを加えて汗腺周囲へ熱作用を与える治療です。
「ミラドライ以外の切らない治療はエビデンスがない」というわけではありません。ニードルRFには多汗症・腋臭症の双方で臨床研究があります。
手術・ニードルRF・マイクロ波治療を比較した研究では、3群とも腋臭症・発汗の改善がみられました。手術は主観的な改善度が高かった一方、合併症が最も多く、マイクロ波治療は安全性が良好でした。
さらに2026年には、中等度~重度の腋臭症90名を対象とした前向きランダム化試験も報告され、ニードルの刺入方法によって6か月後の有効率が大きく異なることが示されています。
つまり、ニードルRFはきちんとエビデンスのある治療です。
一方で、針の深さ、方向、照射範囲、エネルギーなど治療方法によって結果が変わりやすい点は特徴です。また、針を刺すため、赤み、腫れ、点状出血、色素沈着などが起こることがあります。2024年のシステマティックレビューでも、ニードルRFでは1~3回の治療で汗の改善が報告されていますが、直接比較ではボトックスの方が良好だった研究も含まれています。
当院ではニードルRF(シルクロ)もワキガ・多汗症治療の選択肢として扱っています。ミラドライ以外の治療を希望する方や、症状・希望によって使い分けます。
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HIFU・ハイフドライ|切らず、針も使わない選択肢
HIFUは高密度焦点式超音波によって皮下へ熱作用を与える治療です。
腋窩多汗症に対しては、micro-focused ultrasoundを用いたランダム化・二重盲検・sham対照試験があり、治療群で客観的・主観的な発汗改善が確認されています。
腋臭症についても超音波を利用した治療報告はありますが、ミラドライやニードルRFと比較すると直接的な臨床データはまだ少ないのが現状です。
当院のハイフドライは、HIFUだけではなくHIFU+RFを同時に照射できるNewダブロを使用しています。既存のHIFU研究をそのまま当院のハイフドライの成績とみなすことはできませんが、皮膚を切開せず、針も刺さずに汗腺へ熱作用を与える治療として使用しています。当院ではミラドライと同日に組み合わせる治療も行っています。
そのためハイフドライは、低侵襲な治療を希望する方、ミラドライとの組み合わせを希望する方、症状に応じてもう一つのエネルギー治療を加えたい方などで選択肢になります。
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では、なぜ当院ではミラドライを中心にしているのか

ここまで見ると、手術にもボトックスにも外用薬にも、ニードルRFにもHIFUにも役割があります。
それでも当院がミラドライを中心にしている理由は、効果・持続性・傷跡・治療回数・エビデンスのバランスがよいと考えているためです。
2024年のシステマティックレビューでは、局所治療に関する59研究が検討され、エネルギーデバイスの中ではマイクロ波治療が最も確立され、科学的根拠が蓄積している方法と評価されています。
ミラドライでは、
・皮膚を切開しないため手術のような切開瘢痕を残さない
・汗腺自体へ熱作用を加えるため長期改善を期待できる
・汗だけでなくワキガのニオイについても臨床データがある
・ボトックスのように数か月ごとの治療を前提としない
・外用薬のように毎日塗り続ける必要がない
・病理組織学的研究や比較試験まで存在する
という特徴があります。
当院ではさらに、高エネルギー設定、実際の有毛部・発汗範囲を確認したマーキング、シングル・ダブル・トリプルの選択を組み合わせています。
トリプル照射を選択される方が多いため、当院では95%以上の方が1回限りで治療を終了しています。
このため、当院では「傷跡を残さず、できるだけ少ない治療回数で、汗とニオイの両方を長期的に改善したい」という方には、まずミラドライを提案することが多くなっています。
💡関連コラムはこちら⇒「ミラドライはワキガに効果がある?多汗症・腋臭症への医学的エビデンスを医師が解説|名古屋」
希望別に考えると分かりやすい

💡関連コラムはこちら⇒「ミラドライのダブル・トリプル照射とは?シングルとの違い・効果・選び方を医師が解説|名古屋」
「一番強い治療」だけで選ばないことが大切
ワキガ・多汗症治療では、「どれが一番強いか」だけで決めると、その人に合った選択にならないことがあります。
例えば手術は強い腋臭症に有効ですが、傷跡は避けられません。ボトックスは汗にはよく効きますが、効果は一時的です。外用薬は手軽ですが、毎日の使用が必要で、かぶれが問題になる方もいます。ニードルRFにもワキガ・多汗症へのデータがありますが、針を使う治療です。HIFUは低侵襲ですが、現時点ではエビデンス量がミラドライほど多くありません。
その中でミラドライは、切開傷を残さず、汗とニオイの両方へ作用し、長期改善を期待でき、エネルギーデバイスとしての医学的データも厚いという特徴があります。
そのため当院では、治療法を比較したうえで、総合的にはミラドライを中心に考えることが多くなっています。
まゆりなclinic名古屋栄では複数の治療を持ったうえで選択します
当院ではミラドライだけを扱っているわけではありません。
ミラドライ、ハイフドライ、ニードルRF、ボトックス、外用薬など複数の方法があります。
複数の治療を持っているからこそ、「当院にある治療だからすすめる」のではなく、症状・希望・ダウンタイム・傷跡・治療回数を確認したうえで治療を選択できます。
そのうえで、当院ではエビデンスの厚さ、長期的な効果、傷跡を残さないこと、汗・ニオイの双方へ対応できることを総合すると、ミラドライが非常にバランスのよい治療だと考えています。
もちろん軽症なら外用薬だけで十分なこともありますし、一時的な減汗ならボトックスで十分なこともあります。ニードルRFやハイフドライが適する場合もあります。
「全員ミラドライ」ではなく、その方が何を一番改善したいのかを確認したうえで選択することを大切にしています。
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まとめ|総合バランスではミラドライを第一選択として考えることが多い
ワキガ・多汗症の治療には、それぞれ長所と短所があります。
手術は強い腋臭改善を期待できますが、皮膚を切開するため傷跡は避けられません。ボトックスは汗をよく抑えますが、効果はおおむね数か月で、繰り返し治療が必要になります。外用薬は手軽ですが、毎日使用する必要があり、刺激・かぶれが問題になる場合があります。ニードルRFには多汗症・腋臭症とも臨床データがあり、当院でも選択肢にしています。HIFU・ハイフドライも切らずに行える治療として使用しています。
その中でミラドライは、切開傷を残さず、汗とニオイの双方へ長期的な改善を目指せて、エネルギーデバイスの中では医学的エビデンスの蓄積も特に厚い治療です。2024年のシステマティックレビューでも、マイクロ波治療はこの領域で最も確立されたエネルギーデバイスと評価されています。
そのため、傷跡を残したくない、何度も治療を繰り返したくない、汗だけでなくニオイも改善したいという方では、当院ではミラドライを第一選択としてご提案することが多くなっています。
Q&A
Q1.ワキガにはミラドライと手術のどちらがいいですか?
強いニオイをできるだけ大きく減らすことを最優先し、傷跡やダウンタイムを許容できる場合には手術も選択肢です。傷跡を残さず、長期的な改善を目指したい場合にはミラドライが選択肢になります。
Q2.ワキガ手術は傷跡が残りますか?
皮膚を切開する手術では、切開創そのものは必ず生じます。どの程度目立つかは術式、傷の治り方、体質などによって異なります。
Q3.ボトックスはどのくらい効きますか?
目安として3~6か月程度です。研究では4~7か月程度、中央値約6か月以上という報告もあり、個人差があります。効果が弱くなれば再治療が必要です。PubMed
Q4.塗り薬だけで治療できますか?
軽度の多汗症では有効な選択肢です。ただし継続使用が必要で、塗布部位の刺激・かゆみ・皮膚炎が出る方もいます。ソフピロニウムの長期試験では適用部位皮膚炎も報告されています。PubMed
Q5.ニードルRFはワキガにも効果がありますか?
はい。腋臭症に対する臨床研究や比較研究があります。当院でも選択肢の一つとしています。ただし治療結果は針の深さ・刺入方法・エネルギー設定などにも左右されます。PubMed
Q6.ハイフドライには効果がありますか?
HIFUには腋窩多汗症に対するsham対照試験があります。腋臭症への直接的なデータはミラドライやニードルRFほど多くありませんが、低侵襲な選択肢として当院でも使用しています。PubMed
Q7.結局、一番おすすめはどれですか?
全員に同じ治療が最適ではありません。ただ、傷跡を残さず、汗とニオイを長期的に改善し、できるだけ少ない回数で治療したい方では、当院ではミラドライを第一選択として提案することが多いです。
文責
まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴
参考文献
- Grove GL, Henning MAS, Togsverd-Bo K, et al. Local procedures for axillary hyperhidrosis and osmidrosis: A systematic review of prospective and controlled clinical trials. JEADV Clin Pract. 2024;3:972-1004. エネルギーデバイスではmicrowave thermolysisが最も確立された方法と評価。Wiley Online Library
- Li Y, et al. A retrospective study on comparing the surgery and microneedles radiofrequency and microwaves treatment in axillary osmidrosis. J Cosmet Dermatol. 2020. PMID:32343164. 手術、ニードルRF、マイクロ波を比較し、手術では瘢痕形成が多く、マイクロ波では安全性が良好だったと報告。PubMed
- Naumann M, Lowe NJ, et al. Botulinum toxin type A in the treatment of primary axillary hyperhidrosis: a 52-week multicenter double-blind, randomized, placebo-controlled study. J Am Acad Dermatol. 2007. PMID:17306417. ボツリヌストキシンの有効性と持続期間を報告。PubMed
- Kirschner N, et al. Repetitive injections of botulinum toxin A continuously increase the duration of efficacy in primary axillary hyperhidrosis. J Dtsch Dermatol Ges. 2015. PMID:26176740. 初回効果持続中央値約4か月を報告。PubMed
- Fujimoto T, et al. A phase III, 52-week, open-label study to evaluate the safety and efficacy of 5% sofpironium bromide gel in Japanese patients with primary axillary hyperhidrosis. J Dermatol. 2021. PMID:34041788. 長期使用で適用部位皮膚炎を報告。PubMed
- Zhong J, et al. Efficacy and Safety of Three Needling Patterns for Microneedle Radiofrequency in Axillary Osmidrosis: A Prospective Randomized Trial. 2026. PMID:42775771. ニードルRFの刺入方法による治療成績の違いを報告。PubMed
- Nestor MS, Park H. Safety and Efficacy of Micro-focused Ultrasound Plus Visualization for the Treatment of Axillary Hyperhidrosis. J Clin Aesthet Dermatol. 2014;7:14-21. PMID:24765226. HIFUによる腋窩多汗症治療のsham対照試験。PubMed
- Grove GL, et al. Botulinum toxin A versus microwave thermolysis for primary axillary hyperhidrosis: A randomized controlled trial. JAAD Int. 2024. PMID:38495540. ボトックスとマイクロ波を直接比較し、ニオイ改善がマイクロ波側で長期維持されたことを報告。
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院、美容皮膚科・美容外科クリニックで、内科・外科・救急医療から美容医療まで幅広い診療経験を積む。2022年に「名古屋・栄の美容皮膚科」としてまゆりなclinic名古屋栄を開院。
医学的根拠に基づき、「本当に良いと思えるものだけを提供すること」を信条とし、効果が不確かな施術は採用せず、自ら体験して効果を実感できた医療だけを厳選して導入しています。
特にシミ取りレーザー(ピコレーザー)ニキビ跡治療(フラクショナルレーザーやクレーター状のニキビ跡に対する剥離治療[サブシジョン]など)、ヒアルロン酸やボトックスを用いた注入治療医療ダイエット(脂肪溶解注射・GLP-1など)を得意としており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提供しています。
わからないことや不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。医師の視点から、科学的根拠に基づいて丁寧にお応えします。








