しつこい頭痛は、ボトックスで治る可能性あり<医師監修>
- 2022.7.28
ボトックスで治せる頭痛があります。
まゆりなclinicの院長の私は、総合内科専門医の資格を持っております。
総合内科専門医というのは、よくある疾患、例えば、アレルギーや、頭痛症、腹痛、風邪などをしっかり診ることができるができるよというお墨付きのようなものです。
その中でも内科医として働いていた時から頭痛に関しては、詳しく勉強しており、適切な治療をすれば、頭痛が改善することを知っておりました。
あまり、頭痛のことが詳しくないドクターは、ロキソニンやカロナールのような一般的な痛み止めを処方して終わりになります。
結果、痛みは一時的に治まります。
ただし、一時的にです。
根本的な原因が改善されていないため、薬効が切れたらまた元通りになります。
ここで、題名に書いたボトックスで治療する頭痛というのは、『緊張型頭痛』と『片頭痛』のことです。
しかし、そもそも自分がどの頭痛なのか分からないということになるのではないでしょうか?
簡単に頭痛の分類を書いておきます。
目次
頭痛の分類
分類としては、一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。
主な頭痛を簡単に説明します。
・一次性頭痛は、原因が一見よくわからない頭痛のことです。
片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛です。
・二次性頭痛は、明らかな原因がある頭痛のことです。
代表的なものは、くも膜下出血や脳腫瘍や、外傷、感染(髄膜炎、脳炎など)、自己免疫疾患による頭痛など命にかかわる疾患の場合もあります。
片頭痛について
・頭の片方がズキズキ脈打つように痛みます。
・ただし、片頭痛と書きますが、両側痛い片頭痛のかたも沢山おられます。
・前兆のある片頭痛(ギザギザの光やオーロラやモザイクのような模様が20~30分見えてから視界が悪くなります。(閃輝暗点といいます。))と前兆のない片頭痛に分けられます。
・日常的な動作で頭痛が増強することがあります。
・吐き気がして、吐いてしまう人もいます。
・多くのかたは、光や音に敏感になって、発作中は部屋を暗くして、TVやラジオも消して寝ている状態になります。
・頭痛発作は4~72時間程度続いて、自然に回復します。
緊張型頭痛について
・頭痛の中で最も多いタイプです。
・症状は、後頭部中心の鈍痛が主体で、片頭痛と異なり、発作的ではありません。
・症状は慢性的です。
・片頭痛と併発している場合は、診断が困難になります。
群発頭痛
・ある期間(1か月~2か月)に集中して頭痛が起こるところから群発頭痛と名づけられました。頭痛が毎日起こる時期(群発期)以外には頭痛は起こりません。
・周期は、半年から3年ですが、多くは1年前後です。
・群発頭痛が生じる時期は、1日に1~2回生じます。就寝後1~2時間の夜間の決まった時刻に起こります。
・片方に生じることが多く、目をえぐられるような痛みで1時間前後続きます。結膜充血、流涙、鼻づまり、鼻水、まぶたの腫脹などを伴います。
・男性が多いです。
薬物乱用頭痛
・原因があるので、二次性の頭痛の分類に入ります。
・1か月の半分以上頭痛があり、週に2~3日頭痛薬を内服している状況が3か月以上続く場合に薬物乱用頭痛を疑います。
・もともと片頭痛や緊張型頭痛があった方が鎮痛薬やトリプタンやエルゴタミンを月に10日以上内服することで、もともとの頭痛が悪化したり、違う種類の頭痛が生じた場合は、薬物乱用頭痛が考えられます。
くも膜下出血
・人生で一番痛い痛み、ハンマーで殴られたような痛みと表現されます。
・原因は脳の動脈瘤(血管のこぶ)の破裂です。
・開頭手術や血管内手術で動脈瘤内にコイルを入れ塞栓する方法があります。
・1/3が死亡、1/3が寝たきり、1/3が社会復帰できるという、極めて重症度が高い頭痛です。
・派手な症状が多いですが、案外、軽度の頭痛で来院されることもあり、鑑別に苦慮することもありますが、CT撮影をすると、ほぼ判明します。ただし、初期段階だとわかりづらいことがあり、髄液検査をして鑑別しなければならない場合もあります。
ボトックスで治るのは緊張型頭痛
頭蓋骨周囲の筋肉は首や肩の筋肉(僧帽筋や後頭筋)につながっています。
デスクワークなどで長時間同じ格好をしていると肩や後頭部周囲の血流が悪くなり、筋肉内に乳酸やピルビン酸などの老廃物がたまります、それが、神経を刺激し、後頭部付近を中心に締め付けられるような頭痛が生じるのです。
姿勢だけが原因ではありません。精神的なストレスも原因になります。首や背中の筋肉に緊張をもたらします。これが原因で緊張型頭痛をきたすこともあります。
首が細い方や首が長い方の方が頭を支えるのに頸部から頭部にかけて慢性的に力がかかりやすくなるので、相対的に緊張型頭痛になりやすいといわれております。
緊張型頭痛の悪循環
首や肩が緊張する(いわゆる肩がこる)筋肉内にピルビン酸や乳酸がたまる。
↓
血流が悪くなる。
↓
頭も痛くなってくる(緊張型頭痛になる)
↓
首より上をあまり動かさなくなる。
↓
さらにこりがひどくなる。
↓
さらに血流が悪くなる。
↓
たくさん乳酸やピルビン酸がたまる。
↓
さらに悪化する
↓
……
この悪循環が続くのです。
悪循環を断つ
この悪循環を断ち切るためには、まずは、最初の原因である肩や首周囲や後頭部周囲の筋肉をほぐす必要があるのです。
筋肉の緊張をほぐす方法
- リラックス
- マッサージ
- 入浴
- 運動
- 肩や後頭部を温める(血管が開く)
など
おそらく、皆様はこういったことはされているのではないでしょうか?
緊張型頭痛が、これらで改善すれば、それでOKです。
しかし、多くの方がこのしつこい慢性的な緊張型頭痛に悩まされているのではないでしょうか?
しつこい緊張型頭痛の悪循環を手っ取り早く断つのがボトックスなのです。
ボトックスとは、ボツリヌストキシンの製剤です。
ボツリヌストキシンは毒ですが、この毒を医療用に製剤化されたものがボトックスです。
心臓以外のすべての筋肉は神経の命令で動きます。(厳密にいうと、心臓も神経は関係していますが。)
肩がこるというのは、筋肉が異常に収縮したままということです。
ボトックスは、神経と筋肉の間の信号を断つ作用があります。そうすることで、筋肉の収縮は解除され、ほぐれるのです。
ほぐれることで、血管も開き、筋肉のすみずみまで血流が行き渡り、乳酸やピルビン酸が出にくくなるのです。
こうして悪循環を断つことができるのです。
ボトックスの効果は3~4か月程度続きますが、一回ボトックスを打つことで、その後、頭痛が生じなくなる患者様も多数いらっしゃいます。一度、悪循環を断てば、その後、好循環になり、頭痛が生じなくなることも十分あり得ることなのです。
効果発現は注射の後、早い人で翌日から、遅くとも1週間以内に出る方が多いです。もともとのこり具合によっても異なりますが、たいていの方は症状が軽減してご満足されております。
片頭痛にもボトックスが効く場合がある。
眉間のしわに関係する筋肉にボトックスを注射をすると、片頭痛が軽減する場合があります。それ以外にも側頭部、後頭部、咬筋への注射でも軽減することがあります。50~80%の患者様に有効とされています。三叉神経の末端がボトックスの影響を受けるという説や注射部位から逆行性に脳内の神経に作用して痛みが和らぐなどの説がありますが、機序ははっきり分かっておりません。
まとめ
緊張型頭痛の治し方の一つとしてボトックス(ボツリヌストキシン)があります。
しつこい緊張型頭痛には、ボトックスも選択肢に入れてください。
まゆりなclinicは、頭痛に対して適切にボトックス治療を行う名古屋では数少ないクリニックです。
ぜひ内科専門医がいるクリニックでのボトックス頭痛治療をおすすめ致します。
【治療の流れ】
無料カウンセリング予約
ご予約は、まゆりなclinicのホームページの予約フォームやお電話で承っております。
お気軽にご連絡ください。
↓
無料カウンセリング
しっかり問診し、頭痛の原因を確認します。ボツリヌストキシンの適応を確認します。
↓
施術
主に凝っている部分(筋肉)に注射します。
施術後
施術後の注意事項などを説明させて頂き、帰宅となります。
早くて翌日、遅くても1週間以内に効果は出ると考えます。
ボトックスの主成分であるボツリヌストキシンは熱に弱いです。注射後、2週間以内は、注射した部分を温めるようなことはしないでください。サウナなども控えたほうが無難です。せっかくの効果が薄れてしまいます。
施術後、何かございましたら、ご来院頂くか、お電話でご連絡いただければと思います。
何でも遠慮なくご相談ください。
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴